アイルーの女神   作:にゃはっふー

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オマケ第一弾、今回はアイルーの日常的な物です。

それと感想欄にある質問に答えます。

フィンはおはぎとは一度話したいと思ってますね。やはり小人族と同じようなアイルーが、みんなして活躍しているのは気になるでしょう。自分にも小人族の仲間がいればと、アストレアの人を想い返したりするぐらいで、すぐに自分にも誇れる仲間がいることを認識します。

猫人の方々の反応は、ご先祖様か同じ猫の獣人程度。それで惚れたりはしません。あまりに猫過ぎるからね。けど、だからと言って差別はしませんね。


日常アイルー

 早朝、朝。彼らの朝は早い。ここは竈火の館、まずはキッチンは大忙し、昨日の内に済ませた仕込みを使い、朝食の準備をするキッチンアイルーたち。マザーを中心に、お母さんアイルーたちと料理人希望のアイルーたちが料理を作る。

 

 料理人アイルーには得意分野があり、野菜、魚、お肉に分かれ、スープやデザートを作る。彼らの料理にはステイタスの向上効果がある。それを食べておくと、その分野のアビリティが伸びやすくなる。ヘスティアと料理長アイルーと本人たちしか知らない秘密だ。

 

「このスキルが知られるとまたうるさくなるから秘密だな」

 

 レアスキルであるが当初はスキルに合った料理を作れずにいた頃が多い。いまはおはぎを筆頭に彼らのおかげで、得意料理を振るまえるから問題ない。

 

 朝食の準備がされている中で、その庭では多くのアイルーと団員、ベルが基礎体力作りに励んでいた。

 

 アイルーが多いヘスティア・ファミリア。その中に混ざるベルは強くなる為に鍛錬に励み、おはぎは全体を見ながら鍛錬する。

 

「………よし」

 

 おはぎの声で鍛錬を終え、シャワーを浴び、爪とぎ壁で爪を研ぐアイルーたち。アイルーの数が増えて、爪とぎ場がすぐに埋まるから困りものだが仕方ない。

 

 朝食を食べる時、ほぼみんなで食べる。眠っている者も居れば、起きて食べる者たちもいる。この頃にリリたちも起きて朝食を取る。

 

「ベル」

 

「あっ、おはぎさん。今日の予定ですね」

 

「にゃ」

 

 アイルーと団長のベルで、今日はどこを探索するか話し合う。場所によってはアイルーも連れて行くベルたち。詳しい人数などを決めて、ダンジョンに潜る。

 

「今日は僕たちはリリの魔法の練習で、中層付近で活動します」

 

「にゃらみかんたち、Lv3のアイルーのグループが………」

 

 話し合いを終えて、彼らはお弁当を持ってダンジョンへと潜る。

 

 この後、学のあるアイルーは子供アイルーたちに勉強を教えたり、戦い方、料理など、方向性を決めて全員が励む。

 

 昼食の準備をするキッチンアイルーたちと共に、子供たちは楽しく館で過ごしているのであった。

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

 ベルたちや他のアイルーがダンジョン入口からダンジョンへと潜る中、おはぎたちLv5以上のアイルーは、とあるアイルーの下に行く。

 

『あんこ、今日も頼む』

 

『あっ、おはぎさん。分かりました、今日は何階層ですか?』

 

『今日は砲竜の素材取りに出向く。ヘファイストス様にヘスティア様を養ってもらっていた御恩を返さねばな』

 

『はいよ、入口を開きますね』

 

 そう言って詠唱を初め、ゲートを作り出すあんこ。彼はとある目印を付けた場所と自分の場所を繋ぐ道を作る魔法を発現していた。

 

 50階層に作った拠点へと入ると、そこにもアイルーたちがにゃおにゃおと行き来しながら、忙しそうに活動している。

 

 ここは50階層で一年間、素材などを持ち込み作り出したアイルーたちの拠点だ。いまではエンブレムを掲げ、鍜治場でせわしなく動き、働くアイルーを初め、ここで研究をするアイルーなど、様々なアイルーがここで活動しているのだ。

 

『やあおはぎ』

 

『スイーツ、見ないと思っていたが戻ってたか』

 

 白衣を纏うアイルーがメガネを直しながら微笑む。おはぎはため息をつきながら、スイーツを睨む。

 

『聞いたぞ。また魔導書(グリモア)を作って、仲間に読ませたな』

 

『ふっ、僕の魔導書(グリモア)は強力な魔法を発現しただろう?』

 

『いまベルたちが確認しに行ってる。妙な魔法じゃ無ければ良いが』

 

『無理だぜおはぎ。こいつの魔導書(グリモア)は変身魔法とかが多い。俺のネルギガンテなんて最たるもんだろう?』

 

『俗に言う、ドラゴン娘の誕生かな? やはり僕は天才だ』

 

 リリの身に何も無ければ良いが。そう思いながらやれやれと首を振るおはぎ。

 

『頼むから身内だけ、冒険活動している者だけにしてくれよ』

 

『善処しよう。それでは、また新たな魔導書(グリモア)を作るとしよう。今度はそう、テオとナナのマリアージュを奏でよう』

 

 鼻歌を歌いながら引っ込むスイーツ。

 

『おい、ここの守り、結界系の魔道具(アイテム)整備を忘れるなよっ!!』

 

『分かっているさ♪』

 

 やれやれとため息をつき、基地の様子を見まわった後、その下の階層へと戻る。

 

『なあおはぎ、カドモスはどうする?』

 

『それはここに残ってる奴がすでに退治してこなしている。いまはマラソンしている最中らしい』

 

『あーそうか』

 

 ミルフィーユにおはぎが答える。ミルフィーユは泉から水を採取しては戻るを繰り返すマラソンを思い出し、タンクの中に詰まっている泉の水を思い返す。

 

『そう言えばミアハ様んとこにも渡してるんだよな?』

 

『ああ。あそこは俺たちにすら回復薬を売ってくれた場所だからな、卸すのはあそこにして、そこから薬を買えば良い』

 

 装備を整え、さらに下、52階層へと向かう。

 

『準備は良いか?』

 

 クレープたちは頷き、52階層へとアタックを始める。まずは一か所に集まり、音を上げる。

 

『来るぞ』

 

 そしてすぐに離れ、砲撃を確認。攻撃が始まり、穴ができたところ、全員が飛び込む。

 

『いつも思うが、ここを通ったロキ・ファミリアはどう攻略してるんだろうな?!』

 

『少なくともここを通ろうとはしないだろう。第二波来るぞ』

 

 放たれる砲撃に、おはぎたちは防御態勢を取り、防御する。火に毛皮が焼かれないようにしているが、熱いものは熱い。

 

 何メートルも落下したところ、全員が無事に着地。来る間に飛んでいるワイバーンを撃破しながら、58階層へとたどり着く。

 

『ふう、ここからは狩りだ。一狩り行くぞっ!!』

 

『『『応ッ!!』』』

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

 壁から新たな砲竜が生まれるまで、彼らは魔石とドロップアイテムを一か所に置き、静かに待つ。

 

『どんくらい持ち帰る~?』

 

『とりあえず質の良い物を持ち帰る。荷馬車は無いんだ。背負える分だけにしよう』

 

『帰りに砲撃されても困るしな』

 

『一応、壁に傷を付けてから撤退する』

 

 おはぎははむはむぺろぺろきゃぷきゃぷしながら話していた。

 

『あー……おはぎ? なに食ってんだ?』

 

『これか? キッチンアイルーが言うには、極東のかつお節らしい』

 

『かつお? それが~? 木の固まりにしか見えないぞ』

 

『一個あるから食うか?』

 

『んーそうさせてもらうぜ』

 

 ポーチからかつお節を取り出し、渡されるせんべい。おはぎのようにがじがじ齧るより、削ってみる。食べてからにゃにゃっ!?と驚く。

 

『うまいなこれ、マジでかつおじゃねえか!?』

 

『おはぎ、せんべえ。お昼ごはんがあるでしょう?』

 

『………これはこれで良いんだだいふく』

 

『全く』

 

『おっ、また壁から砲竜出て来た。経験値(エクセリア)稼ぎさせてもらうぜ』

 

『気を付けろよいちご』

 

『俺もだいふくのようにLv6に早くなりたいからな。わーかってる』

 

 ヘビィボウガンを持って突撃するいちご。ヴェルフの魔剣があるから、問題ないかとおはぎはかつお節を齧る。

 

『いやっほうぅぅぅぅぅぅ!?!やっぱ一人の時は拡散弾だぜッ!?』

 

『おい、極彩色モンスターが現れたぞ。だいふくっ!?』

 

『いちご戻れッ!! 俺らの担当だ!?』

 

『ほう?』

 

 入口から現れるそれらを嫌そうに遠距離から対峙するおはぎたち。こうして深層の狩りは続いていた。

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

 時間が迫り、鍛冶師アイルーに上質の物とそうでない物を分けた後、ヘファイストスに売る物を持ち帰るおはぎたち。

 

「お帰りおはぎ~」

 

「にゃ」

 

 ヘスティアがおはぎたちをわしわしして、素材を見におむつアイルーがやってくる。

 

「今日もみんな頑張ってね~いちごはそろそろランクアップかな?」

 

「にゃおー」

 

「よしよし、今日も更新しような~♪」

 

 いちごを抱きかかえ、背負った赤子アイルーをよしよしとあやすヘスティア。三年も成れば慣れたものだ。

 

 ベルたちが帰ってきた。一人のアイルーがおはぎに話しかける。

 

『おはぎさ~んっ。リリさんの魔法、クレープさんと変わらないもんだった』

 

「………にゃんだと」

 

「良かったなリリ、なんか凄くて」

 

「まだ少し寒いな。魔法解除したのに」

 

「強力なのはいいですがなんですかあの魔法っ!?サラマンダー・ウールや服はダメになるは、散々でしたよ?!」

 

「衣類みたいに着こむ感じでしたね」

 

 命の言葉にそう言う魔法かとおはぎはスイーツを思い返す。そう言えば彼奴、双子の小人族(パルゥム)の姉に読ませたとか報告が上がっていたな。なにも無ければ良いが。

 

『………今度彼奴の本、全部没収して管理した方が良いかな』

 

『かもしれないぜおはぎ』

 

 読ませたいのなら売れば良いし。今度Lv6など集めて襲撃しようと決意する。

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

 晩飯を食べた後、アイルーたちは自由時間ができた。

 

『よおおはぎ~!!今日もやらないか~?』

 

 カードと煮干しを取り出すスイカたち。その様子に首を振る。

 

『今日は煮干しが無いからやめておく。少し町に出て、一飲みしてくる』

 

『町か、戦争遊戯(ウォーゲーム)の後だから変わったが、入れてくれるとこあるのか?』

 

『それを探しに出向くだけさ』

 

 町に出て、店を巡るおはぎ。どこがいいか見ている。

 

「猫さん一人ご来店~♪」

 

「………にゃ」

 

 シルに抱っこされて『豊穣の女主人』の席に置かれるおはぎ。ここで良いかと思いながら、適当に料理を選び、腹に納める。

 

「イケメンの旦那さんこんばんはニャ♪この前は稼がせてもらったニャ、この調子でニャーの為にお金を落としていくニャ」

 

「ニャ」

 

 アーニャにそう言われて手を振る。リューにお酒を頼み、特濃蜂蜜酒を飲む。

 

 少し飲み終えたところで、また誰かに抱き上げられる。

 

「こんばんは」

 

「にゃ」

 

 剣姫アイズ、彼女はおはぎを抱き上げ膝に乗せる。

 

「あなたはどうして強いの?」

 

「………家族の為ニャ」

 

 それにそう……と呟き、ありがとうと告げる。

 

 少しだけモフられるが、その後は会計して帰るアイルーおはぎ。

 

 そのまま部屋に入り、丸くなる。

 

 こんな日々を過ごしながら、彼らは強く、楽しく暮らしていた。

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

「出頭させにゃした」

 

「僕は悪くないニャ」

 

「お前には無理矢理魔法を発現させている容疑があるニャ」

 

「しかも知らない他所の小人族(バルゥム)ニャ」

 

 アイルーたちにより縄で縛られて来るスイーツ。エイナが小脇に抱えて部屋に連れて行く。話を聞かなければいけないから、おはぎも付いて行く。

 

 今日も今日で平和である。




スイーツの魔導書(グリモア)は特別な強さを持つよ。双子の子にはウカムルバスとアカムトルムの魔法が発現して、氷と炎に強くなるスキルも生えたよ。ヘルメスは大笑いしてた。ちなみに同族の魔導士も見たことの無い本を持って、読むべきか悩んでる。

スイーツの本はその後は売られるようになると、とある女神の派閥が買い占めるよ。興味あるらしい。

シルは時々アイルーを抱きかかえて店に戻るよ。アイルーたちもお人好しだから、そのまま食べて帰る。

それでは、お読みいただきありがとうございます。
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