ログ・ホライズン Log Lilical Vivid&Mimic? 作:トータス
初めての召喚術?
保護されてから数日・・・
トウヤとミノリに構って貰いながら基礎動作を身に付けたデュオ。
召喚術師が主に後衛である事と、師範システムを使うまでもない程レベルの差がある為、取敢えずはそのまま近場でモンスターを退治しに行く事になった。
お弁当にクレセント・バーガーを持ってのハイキングである。
「そらそら! 掛って来い!」
向かい来る雑魚モンスター達を挑発する事によって、自分へと惹き付けるトウヤ。
「頑張って下さいねー」
割と気軽に応援するセララ。
「トウヤ、ダメージが低いからって油断しないの!」
「わぁーってるって! そろそろ自分でやってみな! そら!」
トウヤは加減しながらある程度ダメージを加えた雑魚を一匹差し向ける。
それに対し、デュオは木の杖で思いっきり、親譲り(×2?)のスイングによってカッキィーンとばかりに弾き飛ばす!
「おー、飛んだなー!」
「もー、倒せたけどそれは・・・」
「わぁー、飛びましたねー!」
エッヘン!
「おーしっ! じゃあ、次な!」
次もまたホームランでカッ飛ばした!
「はぁー」
「お、やってるなぁー」
駄目だとばかりに呆れ気味なミノリ。
そこへ五十鈴が様子を見に顔を出して来た。
「ルディー、こっちこっち!」
来た方へ向って手招きしている。
「おし、次行くぞー!」
「どれ、どんな具合だい? !!」
カッキーン! と迫り来る雑魚! ピッチャー返しか!?
「ぅわわぁ!」
咄嗟に仰け反り、事無きを得たルンデルハウス。
「だ、大丈夫ですか!?」
「はわわわ、お怪我は!?」
「わ、ワリィ、ルディ兄ちゃん!」
「あははは、あははは!」
心配するミノリ、咄嗟の事とは言え謝るトウヤ、お腹を抱えて大笑いしてしまう五十鈴。
「フ、フッ、何のこれしき! 華麗なるボクにかかれば、何て事はないさ!」
大丈夫? ゴメンナサイ、とばかりにポフポフと肩を叩くデュオ。
「な、なに、ボクの事は心配しなくても大丈夫だ。君は君の修行にはげみたまえ! ハッハッハッ!」
その様子をコッソリと離れた所から見詰める男。
「! ア、アイツら・・・」
男は徐に宙に手を伸ばした・・・
・・・ ・・・
お昼のお弁当を食べ終わり、さてまた修行を再開するかと立ち上がった頃、
「オイ!
急な怒鳴り声にパーティー全員が振り向く。
そこに居たのは、かつてアキバの街を追放された元ハーメルンの面々。
「あの時の借り、返させて貰うぜ!」
それに対し、即座に行動を起こすミノリとトウヤ。
「トウヤ!」
「ああ! もうあん時みたいにはいかないぜ!」
「そうだよ! アンタ達の言いなりにはもうならない!」
「フッ、ボクにかかれば君ら如き」
「わわわ、デュオ君は後ろに!」
コクコク!
兎にも角にも、デュオは後ろにそびえ立つ岩に身を隠した。
その頃には既に戦闘は始まっていた。
相手とのレベルの差が大きい為に、最初は押され気味ではあったが、連携が整っている分、その差を埋めるに至っていた。
「くっそがぁー! こんな筈じゃネェだろーが!」
「ハン、手前ェ達が連携出来て無いだけだろ!」
「クッ、言いやがったなぁ!」
そう悔しがるような口を利く相手。
しかしミノリの目には、相手の目が何かを伺っている事に見えた。
そう、自分達の更に後ろを気にする様な・・・
「・・・! トウヤ! 気を付けて! 何かおかしい!
セララさん! ルディさん! 後ろにも気を付けて!」
そう言われ、後ろを振り返ろうとする二人の目に、さっきまで居なかった相手が目に飛び込んで来た!
「ヒャッハッハッハァ! 遅せぇ遅せぇ!」
そこには子供に刃物を向ける忍び装束の男が居た。
「遅せぇじゃねえか!」
「お前達が弱っちくなったからだろうが!」
「ああ゛、そんな訳有るか!」
そんな言い争いをする相手に、ミノリは叫んだ!
「な、何をしてるんですか!」
「何って、人質だ! 全員、その場を動くな!」
直に動きを止め、トウヤもそれを見て叫んだ!
「テメェ! 恥ずかしくないのかよ!」
「う、うるせぇ! テメェらばっかり、良い思いしやがってぇ!」
「それはアンタ達があんな事をするからでしょ!」
「そ、そうです! どうしてそんな事を!」
「黙れ黙れ黙れ! 言いたい放題言いやがって!」
「フム、話には聞いていたが、君達は君達がした事のツケを自ら払う事になっただけでは?」
そう言い合っている間、自分で如何にかするべく色々と思いだした。
・・・ ・・・
訓練に出る前、シロエから召喚術について学んだ簡単な基本を思い出した。
「良いかい、召喚術は契約を結んだ相手をこちらに招き、一緒に戦って貰う魔法なんだ。
だから、誰に来て貰いたいとか、何をして欲しいのかを良く考えるんだよ」
・・・ ・・・
だから、助けてくれる人を呼ばないと!
いつものお守りを確りと握り、願った!
【ママ、助ケテ! ・・・ママ!】
目の前に広がるウィンドウに、ある項目が点滅した。
だから咄嗟に意識した。
唐突に足元に魔法陣が現れた事で、それに驚いた男の刃が目前に迫る!
「な、何!?」
ドン! ズヌヌッ!
えも言われぬ感触。相手が相手だから刺す気も傷付ける気など全くなかった筈が、その手には肉を貫く感触を伝えてきた。
「キャッ!」
「な、何が・・・」
男の顔には驚愕が張り付いていた。
確かに、貫いている。それは確かだった。だが、貫かれた相手はそのまま男の手を掴んだ。
「な、何なんだよ!? テ、テ、メェは!」
エルダーテイルのキャラクターであるなら体温はある。・・・感じる筈だったが、その手はやけに冷たかった。
そして、日の光が当たる場所からは、煙が立ち昇っている。
その相手が顔を挙げた時、男は絶句した。
「は、放せ! 放せよ!」
相手は無言のまま、緩慢に右手の三本の鉄爪で相手の胸をゆっくりと貫いていった。
「ぐっ! があぁぁぁ!」
さほど痛くはない筈なのだが、恐怖から激痛だと思い込んでいる。
「あ、あぁ、あぁぁぁ・・・」
男はカクリと首を垂れた。
力の抜けた男から鉄爪を引き抜き、刺さった刃を引き抜いた。
ドサッ! 男の体はそのまま地面に力無く転がり、口の端からは泡を吹いているのが見えた。
「な、何が・・・」
「お、おい! まだ生きてる筈だぞ! なのに、何で動かねえんだよ!」
男のゲージにはまだ余裕があるのに倒れている。
・・・ ・・・
ミノリは驚いている。咄嗟の事とはいえ、デュオ君は今ココに居る。
あの女の人がこっちへと突き飛ばしてくれたのだろう。だが、そのせいで刃はその人の胸へ。
「あ、ああ!」
だが、様子がおかしい。
「な、何なんだよ!? テ、テ、メェは!」
刃物が刺さっているのにそれを全く意識していない?
それに、逆に刺した相手の方が驚いてる?
「は、放せ! 放せよ!」
人を刺した事に怯えてるんじゃないみたい。
「ぐっ! があぁぁぁ!」
! 相討ち覚悟で!?
「あ、あぁ、あぁぁぁ・・・」
でも、それにしてもおかしい。
何故あの人は、日に当たる所が煙ぶっているの?
「な、何が・・・」
「お、おい! まだ生きてる筈だぞ! なのに、何で動かねえんだよ!」
ゆらり、ゆっくりと辺りを見回す様にその頭が動いた。
まるで何かを捜す様に巡らされた。
「テ、テメェ! アイツに何をしやがった!」
ふっ、と消えたかと思うと、その声を発した相手の目の前に現れた。
「な、何しや・・・ひぃ! バ、バケモン! く、来るな! こっちへ来んじゃねぇ!!」
腰を抜かし、這いずる様に後ずさろうとするが、足に力が入らないのか土を蹴るばかりだ。
「ど、どうし・・! ヒィィッ!」
「なっ! ぎゃぁぁあっ!」
「も、もうしましぇん! も、もう、二度とこんな事は!」
次々に武器を取り落とし、少しでも身軽になろうと防具まで脱ぎ捨てて走り去っていく。
相手が次々に走り去り。完全に居なくなったのを確認したミノリ達は、そこで初めて声を掛ける事にした。
「あ、あの! 危ない所を助けて頂いて、ありがとうございます!」
「そ、その! 早く怪我の治療を!」
ミノリが口火を切るとセララも後に続いた。
「そ、そうだよ! 胸に刺さってたし!」
デュオはダッ! と走り出した。
「あ!」
「ダ、ダメ! 怪我してる人なんだから!」
咄嗟に止めに入った五十鈴だが、その足が相手の前で止まった。
デュオはそのままの勢いで相手の元へ飛び込み抱き締めた。
「ど、どうして・・・」
「五十鈴さん?」
「! ミノリ! セララ! ダメ! こっちに来ちゃ!」
「「え?」」
「駄目なの!」
そう言って槍を構え直す。
「・・・五十鈴姉!」
「ミス・イスズ!」
トウヤとルディは五十鈴がそう判断した事に対し、反射的にミノリとセララの前に出た。
だが、抱き付かれた相手は戸惑いながらも、その小さな体を抱き締め返している。
「え、えぇっと・・・」
その様子を見た五十鈴はゆっくりと構えを解き、頬をポリポリ掻き始めた。
「・・・どうなっているんだい、ミス・イスズ?」
「な、なぁ」
「えっと、ゴメン。一寸そのまま構えてて」
そう言うなり相手の方へゆっくりと歩き始めた。
「あのー、お話しても・・・」
「・・・はい」
相手の顔がこちらを向いた。
そこには顔の下半分を酷く火傷をした顔があった。
「うぅ、えっと、アナタは・・・何者なんですか?」
「・・・さぁ、気が付いたら、ここに」
「あ、あの、助けてくれてありがとうございます!
それで、そのままだとアレなんで、このポーション、使って下さい!」
そう言って、もしもの時用に購入していた一番効果の高いポーションを差し出した。
「あら、ありがとう。でも、私には必要無いみたいね」
「え、ど、どうして!?」
「私はもう死んでるから」
「で、でも、じゃあ・・・どうして消えないんですか」
「フフフ、何だか判らないけど〈吸血鬼〉になってるみたいね」
「あ! だったら!」
ダッ! とルディの元へ走り。
「ルディ! マントを貸して!」
「な、何なんだ!?」
「良いから! 脱ぐ!」
訳も分からずマントを剥ぎ取られるルンデルハウス。
「ミノリとセララはまだ待ってて!」
急ぎ二人の元へと駆け戻ると日差しから守る様にマントを掛けた。
「・・・うわぁー」
見る間に皮膚が元へと戻り、青白い肌へと変わっていった。
「あ、あの! それで、デュオ君とは・・・」
「私の子よ」
「そ、そうですか・・・って、ええ!?」
「こうしてまた会えただけでも良かった。でも、もう時間切れみたいね」
「え!? ど、どうしてですか!」
「だって、この子の魔力が尽きかけてるから。今日はこれまでみたいね」
そう言うと、五十鈴の方を向いて、
「この子を助けてくれて、ありがとう。後を、お願いしても良いかしら」
「は、はい!」
そう言ったかと思うとその姿が消えた。
そこには泣き疲れたのか、マントの上で眠る子供だけが残された。
「き、消えちゃった」
「な、なぁ、何がどうなってんだ・・・」
・・・ ・・・
「あ、あの、デュオ君のMPが空になってます!」
「え? あ、ホントだ」
「という事は、さっきのお姉さんを呼び出すのに使いきったって事かな?」
「フム、ボクは召喚術には詳しくないが、状況からしてみてそうだったのでは?」
「と、兎に角、一旦戻って様子を見ましょう!」
「うん、そうだね!」
「賛成です!」
「ああ!」
「さ、そうと決まれば善は急げだ!」
・・・ ・・・
急ぎアキバの街へと戻ったトウヤ達だったが、途中でMPが完全回復して目を覚ましたデュオ。
「な、何とも無いのか?」
「何処か痛いところは?」
「気持ち悪いとか、吐き気がするとか!」
「えっと、えっと、のど渇いてませんか?」
「うぅーん、熱は・・・無いみたいだね」
だが、キョトンとした様子で何を大騒ぎしているのかといった具合だった。
「と、取敢えず、シロエ兄ちゃんに指示を仰いだ方が良い!」
「そうだね、急ごう!」
ドゥーエが召喚されました。
・ドゥーエ 《アサシン》 =吸血鬼 〈ダークエルフ〉
ビルド:シャドウブレイド:隠れ身からの不意打ちビルド
ピアッシング・ネイル≪ナックルダスター≫
金髪・青白い肌