赫き彗星が白兎と共にダンジョンに行くのは間違ってるだろうか 作:エルにー
ヘスティアside
ベル君達が春姫君を身請けするため、いつもより長く潜ると言って早朝、陽が登る前にダンジョンに向かった。30階層で荒稼ぎするみたい。
大丈夫なのだろうか?ベル君達は心配がいらないほど強いけど、今回はどうも胸騒ぎが止まない。
ボクはネロ君と暇つぶしに買ったチェスをやりながら、そのせいでネロ君に負けてばっかだけど……。その事ばかり頭を過ぎる。てかネロ君それを抜きにしても強くないか?因みにカサンドラ君とダフネ君はミアハの所に手伝いに行った。なんでもアミッド君と友達の間柄だとか。
昼頃までゲームを変えながらネロ君と遊んでいると、リリ君が1人で帰ってきた。帰りが早すぎるし、ベル君とヴェルフ君はどうしたんだろう?
ヘス「おかえり、リリ君」
ネロ「おかえりニャさいニャ」
リリ「ただいまです、ヘスティア様」
ヘス「ベル君とヴェルフ君は?」
リリ「あぁ……それはですね……」
リリ君は言いづらそうな、呆れたような表情で事の顛末を教えてくれた。
ヘス「ベル君……君、ますますバル君に似てきてるよ……」
リリ「リリもそう思います……。ベル様、バル様みたくたまに強引ですからね……」
ヘス「後先考えずにやるけど結果的いい結果になるから褒めればいいのか叱ればいいのか……」
ベル君は後先考えずに行動するけど臨機応変にその場を乗り切るから、それにしっかり後でだけど計画を立てて行動するから叱るに叱れない。
ヘス「それで、2人はイシュタルファミリアの本拠地に侵入するためにわざと捕まったと」
リリ「はい。ちゃんと魔石はリリが預かり換金を済ませたのでファミリアの蓄えは増えます。ヴェルフ様は遠目ですが危険と感じた
(すごい!流石ベル君に恋、いや愛している!ベル君のことならなんでもわかりそう!by作者)
リリ「もちろんです!」フフン
ヘス「君は何に誇ってるの?」
リリ君が作者の言葉に誇っているのは置いてといて
ヘス「ベル君のことだから春姫君を連れてくるだろう。タケ達を呼ぶか」
リリ「その方がいいかと」
ネロ「ニャァはよくわからんけど賛せ〜い!」
ヘス「じゃぁ早速呼びに行こうか」
リリ君にネロ君が同意しタケのホームに向かった。
コンコン
タケ「はい、っとヘスティアか。昨日のベル君に続いてどうしたんだ?」
ヘス「単刀直入に言うと春姫君のことだ」
タケ「春姫?どういうことだ?」
ヘス「今日の夕方ぐらいかな?おそらくベル君が春姫君を連れて帰ってくる」
タケ「なに…?」
ヘス「それでタケに春姫君を知っている桜花君に千草君、命君をうちの館でベル君の帰りを待たない?」
タケ「……想像できてしまう俺ガ○ル……」
ちょっとタケ!?それだと他作品になっちゃうよ!?
タケ「だが今3人はダンジョンに潜っているんだ……。彼らが帰るのを待つしかない」
?「ご安心を!」
声のした方を見ると
桜花「予感がして帰ってみたら」
命「春姫殿のことを聞き!」
千草「か、隠れていました!」
ダンジョンに潜っていたはずの3人がいた。
ヘス「ちょうどよかった!聞いてたならもちろん?」
桜花「承諾します」
命「もちろんです!春姫殿と会えるのですから!」
千草「は、春姫ちゃんとは友達ですから!」
ヘス「うん、いい返事だ。ならうちの館に向かおう」
タケ「そうだな。ついでに今わかってる春姫の事を教えてくれ」
ヘス「ボクもさほどわかってないけど、もちろん。気になる事もあるからね……」
ボク達は館に戻り応接室に向かった。
カサン「あ、おかえりなさい。ヘスティア様」
ダフネ「おかえり、ヘスティア様」
ヘス「お、2人もいたのか。ファミリアに関する事だし2人も一緒に来て。
途中カサンドラ君とダフネ君を見つけたので一緒に向かった。
応接室に入るとボク達は硬直した。実は応接室には入ったことがない。だからその仕様に硬直した。
なんとタケ達には親しみのある極東風の部屋だった。扉は他と変わらず内開きですぐ横に収納箱があり、床は畳と呼ばれるものだった。
バル君、この部屋どうなってるの?部屋も広いし奥の景色も明らかにおかしい。だってここ2階なのに奥に森が見えるし地面もある。
タケ「俺たちの故郷と同じ作り……」
リリ「バル様やりましたね……」
命「畳!久々にみました!」
桜花「懐かしく感じる……。帰ったわけじゃないのに故郷に帰郷した気分だ……」
千草「わぁぁ……!」
ヘス「ええっと、驚いていると思うけど。早速話そうか」
ボクがそう言うと皆正気に戻り、確か座布団だっけ?と呼ばれるクッションに座り話を始めた。
ボクはまず、ここにいないベル君とヴェルフ君の事とベル君の計画を伝えた。
タケ「彼に強引に事を運ぶ……」
桜花「やはりベル殿はバル殿の弟だな……」
千草「だ、大丈夫かな…?」
命「ベル殿達なら問題ありませぬ!これまでを思い返せば一目瞭然です!」
タケ「たしかにそうだな。彼らの帰りを待とうか」
タケの方もそう決めた。
タケ「それで、ヘスティアが気になることは?」
ヘス「あぁ、それはね。昨日、ベル君が決意を決めて春姫君を身請けすると決めた時に、ヘルメスがベル君が歓楽街で春姫君と会った時イシュタルにあるものを届けたんだ。それは殺生石というらしいけdーー」
タケ「それは本当か!?」
タケは卓を乗っかり切羽詰まった顔でボクにそう言う。
ヘス「べ、ベル君から聞いたし嘘はついてなかったよ」アセアセ
タケ「そうか……あれがここに……」
タケは本当と確認して思い詰めた表情をする。殺生石って一体なんなの?
リリ「ええっと、殺生石ってなんでしょうか?タケミカヅチ様がそう思い詰めるということは悪いものと思いますが…」
リリ君がボクの代わりに聞く。ありがとうリリ君!
タケ「あぁ、アーデの言う通り悪いもの、いや最悪のアイテムだ」
ヘス「最悪のアイテム?」
タケ「殺生石というのは……」
部屋にいたもの全員が驚愕した。部屋にタケの声とたまにカコンッという音と鳥の囀りのみが響いた。
タケから殺生石は、
そして殺生石は
タケ「儀式は今夜行われる」
タケの説明が終わっても静寂だけがその場に残り続けた。先に動き始めたのは
命「そんな………そんな……あの方はこれをわかって……」
千草「春姫ちゃん……!」ポロポロ
桜花「クソッ!」バンッ
命君は春姫君がこの事を知ってると絶望し千草君は涙を流し、桜花君は無力さから卓に拳をぶつける。
カサンドラ君にダフネ君もこの話を聞いて悲しんだ。知ってるもの、むしろ顔も知らない赤の他人だがそれで身悲しんだ。
だけどボクは不思議と彼女はそうならないと確信できる。
なぜなら
リリ「大丈夫です皆さん。イシュタルファミリアの本拠地にはベル様にヴェルフ様もいます。2人が必ず春姫様を連れてきます」
リリ君の言う通り、ベル君達がいるからだ。
命「…そう……でしたね…。ベル殿なら…必ず春姫殿を……!」
千草「だ、大丈夫だよね……!春姫ちゃんは無事だよね!」
桜花「そうでした。俺とした事が2人の事を忘れていた…」
タケ「確かに2人なら大丈夫だろう」
カサン「だ、だよね!ベルさんなら必ずやり遂げますよね!」
ダフネ「カサンドラを惚れさせた男だ。必ずやり遂げる筈だ…!」
リリ君の言葉に皆不安を取り払い2人に希望を持った。
すると
リリ「ベル様の気配が近づくの感じます。隣にヴェルフ様ではない気配もします…。!皆さん喜んでください。ベル様が春姫様を連れて帰ってきました!」
命「それは真でござるか!?」
リリ「はい」
その言葉に皆顔に喜びの色が現れる。
リリ「リリは迎えに行ってきます。
リリ君はそう言って応接室を出て行った。
ヘス「リリ君の言う通りここで待とう」
タケ「会いたい気持ちはあるが、戦闘が起こるかもしれない。大人しくここで待機する」
命君達は落ち込むがすぐにもう少しで春姫君と会えると今か今かと待ち侘びる。
すると
ゾオオオオォォォ
命「なっ!?」
千草「これは!?」
桜花「ベル殿らか!?」
タケ「凄まじい気配だ……」
ヘス「これは
タケ「これで威嚇……」
ベル君達の威嚇に皆驚き、入ったばかりのカサンドラ君にダフネ君も驚く。
しばらくすると
ガチャ
ベル「ただいま戻りました、神様」
命「ベル殿!春姫殿は!?」
命君がそう聞くと
ベル「しっかりといますよ」
ベル君が横にヅレ後ろにいた春姫君が現れる。彼女が春姫君か……。
命「は、春姫殿……」
春姫「えっと……ひ、久しぶり命ちゃん」ニコッ
春姫君は最初困惑したが笑顔で再開の言葉を言う。
命「春姫殿〜!」ダキッ
千草「春姫ちゃ〜んっ!」ダキッ
命君と千草君は春姫君に泣きながら抱きつく。春姫君も再開したと実感し我慢の限界で泣き出し、2人に抱きつく。ヴェルフ君にリリ君も部屋に入りボク達は春姫君達を暖かい目で見守る。
しばらくして3人が泣き止み事の顛末を説明するため、座布団に座った。てか春姫君何気にベル君の横に座ってるし。これはまた増えたのかなぁ?ベル君、君は何人たらし込めばいいの?
まぁ、それは置いといて。早速捕まってからの事を話し出した。
ヘス「君はフリュネ・ジャミールを煽りすぎじゃないか?」
ベル「あはは……」
春姫「とても面白かったですよ。ヒキガエルの擬人化など」フフフ
ボクから出た最初の言葉はそれだった。後春姫君、君絶対ベタ惚れでしょ。
ヘス「何はともあれ、おかえりベル君、ヴェルフ君」
ベル「はい!ただいま、神様!」
ヴェルフ「ただいまです。無事、帰ってきました」
ヘス「うん!」
とりあえずこれで2人は無事に帰ってきたと実感できた。
ヘス「さて、まず2人は殺生石の事は知ってるかい?」
ヴェルフ「イシュタルファミリアの書斎で調べたので知ってます。胸糞の悪い話ですが……!」グググッ
ヴェルフ君は拳を堅く握り、怒りを必死に抑えて言う。やっぱりヴェルフ君は怒るか……。
ベル「それが春姫さんに関わる事と知ってますが詳細までは……。どういったものですか?ヴェルフの言葉からいいものではないと分かりますが……」
ヘス「説明するね。とても胸糞の悪い話だけどね……」
春姫君を見るとやっぱり知っていて俯いた。無理もない。知っていて受け入れたわけだから。まぁベル君のおかげでそれはやめたけど。
ボクはタケの説明の通りにベル君に言った。
ベル「まさか殺生石がそんなものだったなんて……!」ゴゴゴ
ベル君は殺生石の事を聞いて龍氣を全身に纏い怒りを露わにする。ベル君がここまで怒るの初めて見る……。
と、それはともかく命君達が気配の大きさに地面に伏して苦しむ。ベル君の怒りを収めないと……!
そう思ってると
スッ
春姫「私は大丈夫でございます、ベル様。貴方様のおかげで私は殺生石の被害にならないときましたので」ニコッ
春姫君はベル君の手に自分の手を重ね微笑みながらそう言う。すると
ベル「春姫さんがそう言うのなら……」
ベル君は大人しく気配を龍氣と共に霧散させる。それによって命君達は苦しみから解放される。
タケ「さて、君たちはイシュタルファミリアを襲撃するわけだな?」
ベル「はい。僕は春姫さんの事でイシュタルファミリアが許せません。今の僕たちは春姫さんを誘拐した事になります。春姫さんを完全に解放するために襲撃、主審のイシュタル様と交渉。無理なら脅す事になります。それでもダメなら、最終手段のイシュタル様の抹殺」ハイライトオフ
ヘス「べ、ベル君…?」
こんなベル君見たことない。あのベル君が躊躇なく抹殺すると言った。ボクはその事に驚きを隠せないでいた。同時に今のベル君は危ういと不安でたまらなかった。
タケ「正気か?」
ベル「正気です。いつもの僕ならこうはしませんが。時に強引に事を進めないといけない事もあります。バル兄からも聞いてます。バル兄からは『例えそうなってもお前は悪の道を行くなよ?』と言われてます」
タケ「彼もか……」
ベル君の目のハイライトが戻った。よかった……。あのベル君をボクは見たくない。
ヘス「ベル君」
ベル「はい」
ヘス「今回は色々な事情もあって仕方がないけど、悪にだけは手を染めないで…」ポロポロ
ベル「神様……」
ヘス「さっきのベル君はとても怖かった…。君が君で無くなるととても怖かった…」
ボクはベル君の胸に顔を埋めそう言う。
ベル「僕は悪に染まりませんよ。守るために殺しを行ってもそれだけは絶対にやりません」ナデナデ
ベル君はボクの頭を撫でながら優しく、ボクを安心させるように耳元で言う。
ヘス「約束……だよ……?」
ベル「はい」ニコッ
よかった……。ボクはベル君と約束して安心した。
ヴェルフ「話の続きいいか?」
ベル「あ///」
ヘス「あ///」
ヴェルフ君に言われてボクはベル君から離れた。リリ君にカサンドラ君、春姫君は羨ましそうに見ている。
ベル「と、とにかく作戦を立てましょう!」
ベル君がそう言って無理矢理空気を変える。
ベル「メンバーは僕とヴェルフ、リリと結末を見届けたい春姫さんの4人で行きます」
ヘス「まぁ春姫君は今回に関わってるからそうだね」
命「心配でありますが、ベル殿もいますし大丈夫でしょう」
ベル「基本正面突破になりますかね。最初はイシュタル様と交渉するため正面から入り交渉、この時もしかしたら交渉の場は儀式するところの可能性がありますが、儀式は殺生石をはめた短剣で
タケ「そうだ。そうやって儀式を完成する」
ベル「ならその短剣には細心の注意をして、交渉決裂になったら脅す事に作戦を変えます。力で脅す事になりますね。イシュタル様は魅了の力があるそうですが僕たちには効かないのでこちらが有利。脅しも効かなかった最終手段のイシュタル様の抹殺になります」
ヘス「こう聞くと怖いけど、イシュタルの抹殺は問題ないと思うよ。そこはフレイヤに押し付ければいい。いつも迷惑かけられてるしこれぐらいいいだろう」
ヴェルフ「『バルが』ですがね」
ヘス「あーあーなんのことかなー(棒)」
ベル「神様……」
その目を向けないで!バル君に迷惑をかけてるんだから今回の尻拭いぐらいいいでしょ!
ベル「ま、まぁそのように作戦を進めます」
リリ「いいと思います。何か有ればいつもの臨機応変に、ですね?」
ベル「うん、あってるよリリ」
ヴェルフ「俺も問題ないぜ」
ヘス「じゃぁ終わるまでここで待機してるね。意外にもこの部屋の居心地が良すぎる……」
タケ「ヘスティアも極東の作りの良さをわかったか」
ヘス「というより木造の良さかな?」
ベル「確かバル兄の部屋、木造でしたよ?」
ヘス「いいな……」
外を見ると月が登り後2時間もすれば真上に登るぐらい。そろそろ頃合いじゃないかな?ここから外の時間と実際の時間が一緒ならだけど…。
ヘス「時間が一致してるならそろそろいいんじゃないか?」
ベル「そうですね。では、行ってきます」
リリ「リリも行ってきます、ヘスティア様」
ヴェルフ「行ってきますヘスティア様」
春姫「私も行ってきます。必ず戻ってきます」
ヘス「いってらっしゃい、ベル君、リリ君、ヴェルフ君、そして春姫君!」
タケ「必ず帰ってきなさい」
命「どうかご無事で4人共!」
千草「ぶ、無事に帰ってきて!」
桜花「武運を祈る」
カサン「無事に帰ってきてね!」
ダフネ「無事に帰ってこいよ」
ベル「はい!じゃぁ行こう」
そう言ってベル君達は応接室から出ていった。どうか無事に帰ってきて……。
ボクはそう祈り彼らの帰還を待った。
side out
ということでヘスティア目線で全話の部分とイシュタルファミリア殲滅作戦の開始前まででした。
応接室はオリ主が魔法に似た力で作りました。魔法と間違ってませんがダンまちでは少し違いますしね。
ベル君の激昂に一瞬の闇堕ち。と言っても闇堕ちはフリです。ヘスティアとイチャイチャさせたかったので(ドヤァ)
次回はイシュタルファミリアの終わりになりますね。では例の次回予告をどうぞ
ヒャイイイィィィ ヒュウウウゥ
やぁみんな、ベル君の主神のヘスティアだよ。メインヒロインという立ち位置が良かったがね!次回予告!
ベル君とリリ君、ヴェルフ君に春姫君の4人でイシュタルファミリアに交渉(殲滅)ん?字が違う?同じ事だよ!
イシュタルは交渉にも脅しにも屈せず殲滅が決まった。春姫君は娼婦ということでイシュタルから揺さぶりをかけられるが。
次回狐人の覚醒
という感じでいいのかな?もっとボクとベル君のイチャイチャを増やしてよ!作者君!ではまたね〜
シュドオオオオォォォン