赫き彗星が白兎と共にダンジョンに行くのは間違ってるだろうか   作:エルにー

47 / 100
45 狐人(ルナール)の覚醒

ベルside

 

月が南中する2時間前に僕達はイシュタルファミリアの本拠地に向かった。道は前に春姫さんに案内された抜け道から向かった。

 

ベル「けど途中歓楽街を通る事になるんだよね……」

 

リリ「仕方がありません。正面から入るわけですし」

 

ベル「そうだけど、歓楽街っていい思い出ないから……。桜花さん達を追跡したら入ってしまって抵抗しなかった僕が悪いけど、アイシャさん達にイシュタルファミリアの本拠地に引きずられ、ヒキガエルの擬人化狙われて逃走。春姫さんと出会えた事しかいい事なかったよ……」

 

春姫「その……ありがとうございます……///」

 

ヴェルフ「これは確定だな」

 

リリ「皆まで言わないでください」

 

抜け道を通り歓楽街に入る。ここからイシュタルファミリアの本拠地は近いとはいえ、ここを通るのか……。

 

ヴェルフ「無視して通ればいいだろ」

 

リリ「そうですよ」

 

ベル「そうするよ…」

 

何回か娼婦の人に声を掛けられるが僕はそれを悉く無視した。少し良心が痛む……!

 

ベル「と忘れてた。ヴェルフ、最終手段になった時()()をやってもいいよ。僕もバル兄から完全まで許可されてるし、バル兄の代わりに許可を出してもいいと言われたから」

 

ヴェルフ「使わないのがベストだが、手札も増えるしそれはありがたい」

 

リリ「リリはまだなのに……」

 

春姫「()()とは、なんなのでしょうか?」

 

ベル「全てが終わってた説明します」

 

しばらくしてイシュタルファミリアの本拠地についた。にしても

 

ヴェルフ「随分物騒な客待ちだな」

 

フリュネ「ゲゲゲ、やっぱりきた。獲物が自分から網に来るとはね」ゲゲゲ

 

リリ「わぁ……笑い方も気持ち悪い……」

 

フリュネ「なんだと!小娘!」

 

ベル「黙ってください」ギッ

 

僕はヒキガエルの擬人化に向けて軽く威圧する。相手は大人しく下がった。

 

フリュネ「チッ、わかったよ」

 

ベル「さて」

 

僕は中央にいるアイシャに顔を向ける。

 

ベル「僕達はイシュタル様に交渉にきた。イシュタル様と会えますか?」

 

アイシャ「フン、わかってるくせに。それに応じるわ。ただしこっちが指定した場所でね。こっちよ」

 

やっぱり場所を指定してきた。確実に儀式を行う祭壇のはず。僕は裾を掴む春姫さんの手に僕の手を重ね、アイシャさんについていく。

そして祭壇みたいな所に着くと

 

イシュタル「来たか待ちわびたぞ【銀翼の兎(シルバーウィング・ラビット)】」

 

イシュタル様にその他多数の戦闘娼婦(バーバラ)がいた。

 

ベル「僕達は交渉しに来ました」

 

イシュタル「うちの団員を拐って置いて交渉とは。例え英雄でも度がすぎるな」

 

ベル「春姫さんの命を使った儀式を行う貴方達に言われたくはありません」

 

イシュタル「へぇ、知ったのね」

 

ベル「えぇ残念ながら」

 

読み合いはここまででいいでしょう。僕は早速交渉に移った。

 

ベル「早速交渉を始めます。僕達が望むのは春姫さんの身請け。望むならお金などでも払います」

 

イシュタル「フン、断る。その狐人(ルナール)は大事な生贄だ」

 

僕達はイシュタル様の生贄という言葉に固まる。この()は春姫さんを道具と思ってるのか?

そうなら僕は許せない。

 

ベル「貴方は何のために春姫さんを使うつもりなのですか?」

 

イシュタル「決まってる。あのフレイヤ()を貶めるためだ!」

 

女?確かイシュタル様はフレイヤ様を異常なまでに敵視していたはず。ならフレイヤ様を?

 

イシュタル「フフフ、お前は以前魅了は効かないと言っていたが、それはどうだろうな。フレイヤは失敗したみたいだが私はそうはいかない」

 

そう言ってイシュタル様は服を脱ぎ裸になる。何をやっているの!?戦闘娼婦(バーバラ)の人達はイシュタル様に見惚れてるようだけど、僕達は困惑しどう反応すればいいか考えていた。

僕としてはイシュタル様よりアイズさんの方が綺麗で美しいと思うし、僕の周りには負けないぐらいに綺麗な人が多いから。

僕達の様子を見て

 

イシュタル「な……何故魅了されない!?私の魅了は絶対なのに!?」

 

ベル「僕達には効きません。正直言って、貴方より魅力的な人達を僕は知ってますから」

 

リリ「それがリリ達なら嬉しいですがね、ベル様」

 

ヴェルフ「俺が思い浮かぶだけで5……いや6人か。意外にも多いか?」

 

リリ「それはベル様を慕ってる方だけですよね?バル様の方を忘れていますよ」

 

ヴェルフ「そうだった。ならプラス7人か」

 

ベル「合計13人ぐらい知っています」

 

イシュタル「チッ、何故邪魔する!この儀式であのフレイヤ()を引きずり下ろして私が一番美しい女神になれるのに!」

 

ベル「それに春姫さんを使わないでください」

 

イシュタル「黙れ!あの狐人(ルナール)はそれだけの力を持っている!」

 

確か【階位昇華(レベルブースト)】だっけ……。

 

イシュタル「それを使えばファミリア全員をレベルアップさせ、フレイヤファミリアを倒せる!」

 

ベル「やはりそれが目的……」

 

イシュタル「その止めにその狐人(ルナール)の命を使って何が悪い!そいつは所詮娼婦でしかない、英雄譚で言えば破滅の象徴でしかない!そんなのおmーー」

 

僕はその言葉に我慢の限界が来た。自分の欲望のために他人の命を躊躇なく使う。それはバル兄が最も嫌う事だ。もちろん僕も。春姫さんを見ると顔を俯かせ肩が震えていた。

 

ベル「黙れっ!!」

 

ダアアァァァンッ

 

僕は手を龍化させ地面を殴った。するとそこ一面が沈没する。幸い春姫さん達と離れていたから被害はない。

砂埃が晴れるとイシュタル様及び春姫さんからも僕の姿が見れるようになり、イシュタル様は僕を見て表情を恐怖に染める。

 

イシュタル「き、貴様…。その腕はなんだ…!?」

 

僕は春姫さんの方を向き

 

ベル「春姫さん」

 

春姫「ベル……様…?」

 

ベル「貴方は自分の体は穢れてるといいますが、それを言うなら僕もそうなります。僕は異形、半分人間を辞めてる時点で穢れた事になります」ニコッ

 

春姫「ベル様……貴方は……」

 

ベル「ごめんねヴェルフ、リリ。僕は彼女らを許せない。飛んで最終手段に移行しよう」

 

僕は怒りを抑えられず露わにしヴェルフとリリにそう伝える。

 

ヴェルフ「仕方がねぇな。まぁ俺も許せないがな」

 

リリ「そうですね。リリも許せません」

 

ベル「ありがとう」

 

ヴェルフにリリも僕と同じでイシュタル様を許せないみたいだ。ならもう手段は決まってる。

 

ベル「交渉は決裂という事ですね?」

 

イシュタル「そ、そうだ。私の目的のためにその狐人(ルナール)をよこせ!」

 

ベル「それはできません。僕達は春姫さんを助けるために行動してます」

 

イシュタル「そいつは娼婦だぞ!」

 

ベル「関係ありません。僕の英雄像はそんなの関係なく救うものです」

 

僕に回答にイシュタル様は唖然し、後ろにいるアイシャさんはどこか安心した表情をしていた。

 

ベル「交渉は決裂、脅しも意味をなさない。最終手段の殲滅に移る」

 

僕がそう言うとすぐ

 

イシュタル「正気か!?何を考えているかわかってるのか!?」

 

ベル「分かってます。ですが問題はありません。なぜなら」

 

僕は一息ついて

 

ベル「バレなければ問題になりません」

 

僕はそう冷淡に言う。

 

リリ「ベル様が違和感ありまくりですね……」

 

ヴェルフ「しょうがねぇだろ。今回はバルも許すはずだ」

 

ベル「抵抗はあるかもしれないけど、例え殺してしまっても構わない。殲滅するよ」

 

ヴェルフリリ「「了解(です)」」

 

イシュタル「な、何をやっている!あいつらを捕らえろ!殺してしまっても構わん!いけ!」

 

フリュネ「ゲゲゲ、待ってたよ」ゲゲゲ

 

ベル「うるさい」

 

ドゴッ  ヒュウウゥ  ドゴンッ

 

僕はヒキガエルを殴り飛ばしヒキガエルは柱にぶつかった。

そこからは乱戦になった。ヴェルフの方はダンジョンの時みたく眠り粉を使ったけど、ヴェルフはそれにかからず戦闘娼婦(バーバラ)を沈める。リリはひたすら殴る蹴るで沈めた。

僕は龍化した腕だけで殲滅していた。普段の僕からは考えれない戦い方かもしれない。けど、僕はそれほど怒っている。

 

side out

 

 

春姫side

 

ドガアアァンッ

 

ベル様が怒りで地面を殴り砂埃が舞う。今思えば私は希望もなく死ぬ事知っていて過ごしていた。それを今になって悔やんでしまいます。

砂埃が晴れるとベル様の姿が露わになる。ベル様……?

腕が変化したベル様が現れた。

 

ベル「春姫さん」

 

春姫「ベル……様…?」

 

ベル「貴方は自分の体は穢れてると言いますが、それを言うなら僕もそうなります。僕は異形、半分人間を辞めてる時点で穢れた事になります」ニコッ

 

春姫「ベル様……貴方は……」

 

なぜそのような笑顔で言えるのですか?例え貴方様が半分人間を辞めていても、貴方様は穢れてなどいません。

私はそこでふと思い出す

そうか……ベル様もこのような気持ちだったのですね……。私が貴方様が穢れてることを否定するように、貴方様も私が穢れてることを否定してたのですね。

私はずっとベル様に助けられてよかったのかと考えてました。穢れた私にそんな資格はないと思ってました。しかし貴方様はそれでも私を助けに来てくれました。それに私は助けられてもいいと思い始めました。

そしてベル様の先程の言葉に私は貴方様に助けて欲しいと思いました。図々しいかもしれません、それでも貴方様に恋した貴方様(ベル様)に助けて欲しいのです。

そう思っているうちにベル様達は最終手段の殲滅を始めました。私はただただそれを見ていた。私には見届ける事しかできない。

すると

 

イシュタル「春姫!」

 

春姫「イシュタル様?」

 

イシュタル様が話しかけてきた。

 

イシュタル「お前は諦めたんじゃないのか!?娼婦だからと助けられる資格はないと言ったはずだ!」

 

春姫「確かに私はそう言ってました」

 

イシュタル「なら…!」

 

春姫「ですが気持ちが変わったのです。ベル様のおかげでこんな私でも生きてもいいと思ったのです」

 

何から何まで全部ベル様のおかげです。

 

春姫「ですから私は彼と共に居たい!もうこのファミリアにはいたくありません!」

 

フリュネ「ゲゲゲ、随分寝言を言えたじゃないか」ゲゲゲ

 

春姫「フリュネさん……」

 

フリュネ「あたいとしては醜い作戦だが、ここでお前を捕らえ儀式を始めるぞ、春姫」

 

フリュネさんはそう言って私に近づいてくる。けど私は怖くありません。

 

春姫「私は殺生石の犠牲になりません。私は貴方達に道具ではありません!私はサンジョウノ・春姫!英雄に恋した1人の狐人(ルナール)の女子です!」

 

私がそう言うと私の周りに丸いシャボン玉が出現する。シャボン玉?

 

フリュネ「シャボン玉で遊びかい?舐めんじゃないよ!」

 

フリュネさんは私に突撃してきますが、私は本能でそのシャボン玉を大量に生成し半分を地面に、残りをフリュネさんに向けて放つ。

フリュネさんはシャボン玉を悉く避けますが私の目に前に来た時滑り、勢いが止まらず祭壇から落ちました。祭壇は高い所にあるので例えフリュネさんでも無事ではないでしょう。

しかしこの力は……

 

イシュタル「あのフリュネが… レベル1の狐人(ルナール)ごときに……」

 

春姫「これは……」

 

?「すごいですね春姫さん」

 

声の方を見ると

 

春姫「ベル様…」

 

ベル「殲滅が終わったので戻ってきました」ニコッ

 

ベル様が笑顔でそう言う。もうあの怖いベル様ではないと分かると私は安心しました。

 

リリ「こちらも終わりました。しかし春姫様が改宗(コンバージョン)する前に発現するなんて……」

 

ヴェルフ「それほど思いが強かったというわけだろ」

 

リリ様にヴェルフ様も同時に戻りました。この力のことを知っているのでしょうか?

 

ベル「さて、残りはイシュタル様、貴方だけです」

 

ベル様がそう言うとイシュタル様は恐怖のあまり震え、腰を抜かしてしまいました。

 

イシュタル「く、来るな!」ガクガク

 

ベル「それはできません。貴方がいる限り春姫さんは解放された事になりません」

 

ベル様は一歩ずつイシュタル様に近づきます。まるで迎えに来た死神のように。

 

ベル「貴方は悪事をしすぎました。僕は悪全てを裁くことはできません。ですが関わったものに降りかかる悪を、目に前の悪を裁くことはできます」

 

イシュタル「あ……あ……」ガクガク

 

ベル「ですのでーー」

 

ベル様はイシュタル様を祭壇の縁まで追い込み、そして

 

ベル「天界で存分に反省してください」

 

ドン

 

イシュタル「いやあああぁ!!」

 

ベル様はイシュタル様を押し、祭壇から落としました。そしてイシュタル様は地面にぶつかり人なら即死ですが、神は死ぬ事はありません。イシュタル様は神の力で再生しました。しかしここ下界では神の力はウラノス様によって封印されてます。イシュタル様から光が天にまで昇り、イシュタル様は昇天しました。

同時に体から力が抜けるのを感じました。これはイシュタルファミリアが無くなった証拠。やっと終わりました…。

 

ベル「全て終わりました。春姫さん」

 

春姫「ベル様…。何とお礼を言えばいいのか……。本当に…グスッ……ありがとうございます!」ニコッ ポロポロ

 

私はベル様に抱きつき泣いてしまいました。

 

side out

 

 

ベルside

 

春姫さんは僕に抱きつき涙を流した。しばらくして春姫さんは泣き止み離れた。

 

ベル「もう大丈夫ですか?」

 

春姫「はい。私はもう大丈夫です」ニコッ

 

やはり春姫さんは綺麗に笑う。

 

ベル「館に帰りましょう。でもその前に」

 

ここなら暗いし見つからないでしょう。僕は祭壇の中央に行き、殺生石が嵌め込まれた剣を見る。

 

ベル「これはあってはいけないものだ。悪用されても困る。ここで消そう」

 

僕から光が出て完全龍化する。ヴェルフは初めて見る僕の完全龍化に驚き。春姫さんは信じられないものを見た表情をする。怖くないのかな?

僕は殺生石が嵌め込まれた剣を掴み、上に向けて投げる。そしては僕はその剣に狙いを定めて

 

ヒュウウゥ

 

翼に白い龍氣を溜め、そして

 

ドオオオオォォォ

 

ブレスを剣に向けて撃った。それは見事に命中し殺生石は剣共々砕ける。ブレスは他から見れば天に昇る白い彗星だろうか?それなら嬉しいな…。

僕はそれを見届け龍化を解く。

 

ベル「春姫さん」

 

春姫「ベル…様…?」

 

ベル「説明は後でします。今度こそ帰りましょう」

 

僕はまだ春姫さんの首に残ってた首輪を壊してそう言う。

 

春姫「……はい!ベル様!」

 

そして本当に全てが終わり、僕達は神様達が待つ館に帰った。

 

side out




という事でイシュタルファミリア壊滅でした。後1話ベル君の方を書き、オリ主の方に行きます。ソード・オラトリアは全くと言っていいほど知らないので、原作と違う部分があると思います。どこを探せば読めるのでしょう?
春姫が改宗前に例のスキルを発現させました〜!これは想いの力ですね!
次回に春姫のプロポーズ宣言させますかね。後アイシャのその後もか。
では毎度3回目の次回予告をどうぞ!
ヒャイイイィィィ ヒュウウゥ
ヨイショっと、どうも皆さん。ベル様を慕っている小人族のリリルカ・アーデです。早速いきましょう!
全て終わり館に戻るベル様達、館に戻り報告。そのあとリリとヘスティア様、カサンドラ様を含めて春姫様にベル様どう思うか聞き、春姫様は思いもよらぬ行動に出ます!
次回狐人の大胆な告白
楽しみにしてください!それでは!
シュドオオオオォォォン
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。