赫き彗星が白兎と共にダンジョンに行くのは間違ってるだろうか 作:エルにー
ベルside
あ、皆さんお久しぶりです。ベル・クラネルです。
あの戦いがあってからはや一ヶ月。冒険者達も大勢が復興を手伝ってくれたおかげでオラリオは元通りの姿になっていた。いつもと変わらない、日常に戻った。
あれからあったことは、まず、僕とバル兄の二つ名が変わった。
バル兄は「神と同じで悠久の時を生きるし、もう神でいいんじゃね?」と一柱の神が呟いたことをきっかけに【
僕は「兄が神なら弟は王だな」「半龍(竜)の中では一番強いらしいし、王でいいだろ」と言うことから【白銀の龍皇】になった。何故「王」ではないかと言うと「僕のベル君はただの王じゃ納まらないよ!」とヘスティアが騒いだからキングの「王」じゃなくてエンペラーの「皇」になった。
あっ、僕がヘスティアと呼んでいるのは、元々三ヶ月前、僕がプロポーズした時に名前で呼んでと言われていたけど、あの戦いの後にやっと呼べるようになったんだ。
そういえば、アイズの二つ名も変わった。アイズがその……ぼ、僕の正妻になったから「皇の妻なら王妃だよな」となって【嵐剣の龍妃】になった。アイズはその二つ名を聞いて嬉しいそうに笑っていた。
あとは、僕たちのファミリアがロキファミリア、フレイヤファミリアと並んで三大ファミリアと言われている。主に半龍(竜)の僕たちがいるからだけどね。ただ、悲しいことに団員は増えていない。何故なんだろう?
僕の方はこんなもんかな。あっ、春姫が起こすハプニングで僕が気絶することはなくなった。未だにみんなのは、裸をまともに見れないけど……。
バル兄の方は特にこれといったことはない。フレイヤ様がバル兄を誘惑しまくる以外は特に……いや、アイさんを中心に僕とアイズ達にお義姉ちゃんと呼ぶように言ってくる。最初は恥ずかしくて断っていたけど、アイズが「お、お義姉ちゃん……///」と頬を染めて笑顔で言ってから僕たちもたまに言っている。流石にお義姉ちゃんは恥ずかしい……あと、あの時のアイズはすごく可愛かった。ティオナが真っ先に抱きついたくらいだから。因みに、それを聞いたアイさん達は可愛さにやられて倒れた。
そんなことがありながらも、日々を楽しく過ごしていた。今日も夜明けと共に起き、ダンジョンに向かう準備をしていた。ダンジョンと言ってもそこまで深くは潜らないつもりでいる。
今の僕たちは未踏破階層も難なく行けるけど、バル兄曰く「未知の場所に簡単に行けるじゃ面白くないだろ」と言ってそこに向かう時はバル兄が全力で妨害するつもりでいる。バル兄が全力で妨害するなら相当な準備をしないといけないし、バル兄を除いたオラリオ最強戦力じゃないと突破できないと思う。
そういえば、度々使われる58階層は色々と環境の変化が起こりすぎて完全に変質しちゃったみたい。古龍の膨大なエネルギーの影響で階層全域が水晶に変わった。採取して調べるとエネルギーの塊だった。エネルギーの影響なら他の階層にも影響があるんじゃないか、と思ったけど、そんなことはなく、58階層にだけ影響があった。なんでだろう?ダンジョン自体に何かあったのかな?
そんなことを考えながら準備をしていると
ヴェルフ「おい!ベル!準備はできたか?」
ベル「今行く!」
ヴェルフに呼ばれたから、ずっと前にエイナに買ってもらった籠手をつけて部屋を出て玄関にむかった。ヴェルフは斬竜の鱗や甲殻を繊維にして編んだいつもの服と、ついにつくれるようになった折れない魔剣、それもバルク素材とディノ素材を使って打った赫醒真滅魔剣ヘファロッゾを背中に抱えている。使う本人の魔力量に依存するというコンセプトだから折れないらしい。
初めて打った時は嬉しさのあまりへファイストス様に抱きついたらしい。へファイストス様も自分の事のように喜んで、椿さんにヴェルフ共々揶揄われたとか。
リリは服装はいつものローブを着ている。背中には前のような大きなリュックはなく、バル兄の作った拡張ポーチならぬ拡張リュックを背負っている。大きさはそこまで大きくない。
ヴェルフ「おう、来たか」
ベル「おはよう、ヴェルフにリリ」
リリ「おはようございます、ベル様。ヘスティア様は?」
ベル「まだ眠っているよ。ところで、バル兄は?今日は一緒に潜るって言っていたけど」
リリ「もうすぐくるはずです」
そう言ってるとバル兄がやってきた。
バル「すまん、遅れた」
アイ「おはよう」
ヴェルフ「よし、揃ったな」
フィル「私たちを忘れてもらっては困る。と言っても別行動だけどな」
リリ「フィルヴィス様方も?」
フィル「私とダフネ、カサンドラに春姫の4人だ。ダンジョンに潜らずにずっと館にいるわけにはいかないからな」
バル「まぁ、お前らなら問題ないだろうけど、気を付けろよ」
フィル「フ、当然だ。私たちは後で行くつもりだから気にしないでくれ」
ベル「わかりました。それじゃあ、行ってきます!」
「「「「行ってきます!」」」」
僕たちはそう言ってダンジョンへ向かった。
シル「あっ!ベルさん!」
ベル「おはよう、シル」
バル「ベルの分の弁当は作ってないぞ」
シル「それならちょうど良かったです!はい、今日のお弁当です!」
シルはそう言って僕に弁当を渡す。僕はそれを受け取って
ベル「毎度ありがとうね」
シル「いえ、ベルさんのお嫁さんとして当然です!」
ベル「そう言われると照れるな〜///」
シル「あ、そうそう。リューも一緒に作ったんですよ!作ってすぐに用事があるみたいですどこかに行ってしまったんですけどね」
ベル「そうなんだ……お礼を言いたかったんだけど……」
シル「リューにあったら言ってやってください!」
ベル「うん、そうするよ」
シル「リューも上達しましたし」
最初は驚いたけど、ネロの料理教室でリューはオムライスのはずが暗黒物質を作ったとリリから聞いた。昔からリューは料理が下手だったらしく、友人を困らせたとか。ネロやバル兄の教育のおかげで失敗はするけどあそこまでではない。因みに、見た目は悪くても味は行けるはず!とヘスティアが食べたら、口に入れた途端に倒れてしまった。
ベル「とりあえず、会ったお礼を言うよ。それじゃ!」
僕はそう言って立ち去った。
バル「用事ね〜……なーんかひっかかるな……オラリオにいないみたいだし……」
リリ「オラリオにいない……なんの用事なんでしょうね」
バル「俺は何故かヘルメスが関わってると思ってしまう」
リリ「……否定できないですね……」
ヴェルフ「おーい!置いてくぞー!」
リリ「あっ!待ってくださいよ!」ダッ
バル「考えても仕方がないか」スタスタ
アイズ「あ、ベル」
ベル「アイズ!おはよう」
シル達と別れて暫く歩いているとアイズとばったり会った。
アイズ「うん。おはよう。ダンジョン?」ギュッ
ベル「うん。アイズも?」
アイズ「ううん。さっきまで外壁の上で剣を振っていた。今日はティオナ達とお出かけだからダンジョンには潜らない」
リリ「では、ベル様から離れてもらっていいですかね?」
アイズ「?なんで?」
リリ「リリ達は今からダンジョンに行くんです」
アイズ「なら途中まで一緒に行ってもいい?」
ベル「僕は構わないよ」
アイズ「ならよかった」ギュッ
アイズはそう言ってさらに抱きつく。これが原因でリリ達と喧嘩になることが多いけど、僕も強く言えないんだよね……
そのままアイズと一緒に広場まで歩き、アイズと別れた。
バル「お前達は相変わらずだな」
リリ「ずっとベル様に抱きついているアイズ様が悪いんですよ。全く」
ヴェルフ「どっちもどっちだろ」
リリ「何か言いました?」
ヴェルフ「いんや、なにも」
ベル「あ、あはは……」
バル「んで?次はエイナと揉めるのか?」
ヴェルフ「それはないんじゃないか?」
バル「だろうな」
ベル「あ、エイナ!」
エイナ「ベル君!おはよう」ニコッ
ベル「うん。おはよう」ニコッ
エイナ「今日もダンジョンだね?ベル君達なら問題ないけど、気をつけてね」
ベル「勿論。それじゃ、行ってきます!」
エイナ「いってらっしゃい」ノシ
僕はそう言われてダンジョンに入った。
バル「ったく、先走りやがって」
エイナ「あ、バルさんもおはようございます」
バル「あぁ、おはよう。ベルとの仲は順調か?
エイナ「当然、順調ですよ、
バル「ならよかった」
「よく【赫銀の龍神】と話せるよねー。私たちなんて話す機会なんてないのに」
エイナ「ベル君がいるから、かな」
「おっと、惚気るのはやめてよね?やけ酒したくなるから」
エイナ「そこまで?」
「「「「そこまで」」」」
エイナ「酷い……」
ダンジョン内を難なく進み、「
ベル「今日はここで魔石を集めようか」
ヴェルフ「オッケー」
リリ「わかりました!」
ヴェルフは大剣を構え、リリはX弓を構える。
バル「長くても夕方前には帰るぞ。今日は祭りがあるみたいだから」
バル兄も太刀を構える。
ベル「わかった!それじゃ、一狩り」
「「「「「行こうか(行きましょう)!」」」」」
僕たちは昼までモンスターを狩り続けた。昼になると弁当を食べてまた狩を続けた。弁当はすごく美味しかった。少し焦げた卵焼きがあったけど、それも美味しかった。
昼から数時間狩をして地上に向けて登った。途中、フィルヴィスさん達と合流して換金を済まして館に戻った。
ヘス「お帰り!」
「「「「「ただいま」」」」」
ヘス「ベル君!起こしてくれてもよかったじゃないか!」
ベル「気持ちよさそうに眠っていたから……」
ヘス「もう!ベル君のせいでお昼まで寝ちゃったよ!」
ベル「それは……ごめんなさい」
ヘス「はぁ……もういいよ。そのかわり、今度お空のデートね!」
ベル「それぐらいなら」
お空のデートは僕が相手をお姫様抱っこして空を飛んで散歩すること。よくバル兄がしている。
バル「おーい。喧嘩してないで早く着替えろ。ついでに風呂にも入って来い」
ベル「わかった」
僕はそう言ってお風呂に向かった。
春姫 コソコソ……
バル「混浴は禁止」
春姫「そんな……」
バル「それでまた風呂が壊れたらどうする。せめて今日は諦めろ」
春姫「はい……」シュン トコトコ
ヴェルフ「大変だな」
バル「本当にな……」
お風呂に入り、私服に着替えた後館を出た。
ヘス「うわぁ!これはすごい!」
バル「おぉ…」
街に出るとそこら中がデコレーションされて人もいつもより多くいるように感じた。
リリ「御三方はこの神月祭は初めてでしたよね」
バル「名前は前に聞いたことあるけど、どういう祭りなんだ?」
リリ「神月祭は神様達が降臨される前から続いてる祝祭の日です」
ヴェルフ「確か、月を神に見立てて、モンスターの魔の手から身を守る……だったか?」
リリ「その通りです」
ヘス「へぇ、これも下界の文化ってやつだね〜。あっ!イカ焼き!イカ焼き食べようよベル君!」
ベル「ちょっヘスティア!?」
ヘスティアは僕の手を引っ張って歩く。
バル「なら俺はお好み焼きを食べようか」
アイ「唐揚げ。唐揚げ」ワクワク
フィル「リンゴアメも美味しいぞ」
ダフネ「クレープもなかなかだと思うよ」
バル兄達もどこかに行ってしまった。
モグモグ
ヘス「ん〜!美味しい!」
リリ「ん〜!串カツも美味しいですね」
ベル「じゃんじゃん食べるね……」
カサン「あ、あの!」
ベル「どうしたの?カサンドラ」
カサン「その……あ、あ〜ん!」
カサンドラは持っているわたあめを僕に向ける。
ベル「あ〜ん。ん、美味しい。ありがとうね、カサンドラ」
カサン「い、いえ、ただベルさんにも食べてほしくて……」
ベル「それでもだよ」
カサン「あう〜……///」
カサンドラは顔を赤くして可愛く悶える。
ヘス「よくやったよ!カサンドラ君!というわけで、ベル君あ〜ん」
リリ「リリのもあ〜ん」
ベル「ちょっ、押し付けないで!食べるから!食べるから押し付けないで!」
僕は助けを求めるようにヴェルフを見るが、そこにヴェルフはいなかった。
カサン「えっと、「へファイストス様を見つけたから一緒に回ってくる。お前も楽しめよ」って伝言を残して行ってしまいました……」
ベル「ヴェルフーー!!」
ヘス「ベル君!」グイッ
リリ「ベル様!」グイッ
春姫「では、口移しで……」
僕がいうことではないけど、すごくカオス!
side out
バルside
バル「ん?」
アイ「どうしたの?」
バル「いや、ベルの悲鳴が聞こえたような……気のせいか」
フィル「あむ、もぐもぐ。うん。やはりリンゴアメは至高」
アイ「違う。唐揚げこそ至高」
ダフネ「クレープだ」
フィル「む。リンゴアメ」
アイ「唐揚げ」
ダフネ「クレープ」
「「「むむむ……!」」」
やべ、普段は喧嘩などしないから傍観していたら喧嘩になりそうだ。そう思った俺は急いで仲裁に入った。
バル「ストップだ。好みはそれぞれだからそれで喧嘩するな」
アイ「なら、バルに決めてもらう」
ダフネ「賛成」
フィル「さぁ、バル。リンゴアメ、唐揚げ、クレープ。どれが好きなんだ?」
バル「そうきたか……あー……その中では唐揚げ……だな」
アイ「ん!」winner!
ダフネ「負けた……」
フィル「な、何故唐揚げ?」
バル「肉類の中では鶏肉が好きだから。クレープも好きだけど、バリエーションが多いし、クレープでも好みが偏るからシンプルな唐揚げにした」
フィル「リンゴアメは?」
バル「あー……残念ながらリンゴアメ食べたことないんだ。
フィル「大きさ?」
バル「リンゴ丸ごとだから進んで食べようとは思わなかった」
フィル「そんな……」orz
フィルは地面に膝と手をついて落ち込んでいた。どう慰めようかと考えていると
?「バルさーーーんっ!!」ドンッ
バル「うおっ!?」
誰かに背中に飛び込んできた。いや、誰なのかは声でわかっている。
バル「いきなり飛びつくのは危ないぞ、フィー」
レフィ「す、すみませんでした……で、でもバルさんを見たらいてもあってもいられなくて……」
バル「全く、この甘えん坊エルフめが。あと、降りてくれ」
フィー「はーい。今気づきましたが、何故フィルさんが両手をついて落ち込んでいるんですか?」
バル「それは……」
フィル「レフィーヤぁ……バルにリンゴアメのよさをわかってもらえなかったぁ……」ギュッ
レフィ「おわっ!ちょ、フィルさん!?」
バル「フィルの言った通りだ。俺がリンゴアメを食べたことないことを話したら落ち込んだ」
レフィ「そういうことですか……」
バル「そういえば、フィーは誰かと来てるのか?」
レフィ「アイズさんとティオナさんといましたが、アイズさんが「ベルが近くにいる」と言ってどこかに行ってしまいました。ティオナさんも「あたしもアルゴノゥト君のところに行ってくる!」と言ってアイズさんを追いかけました」
バル「アイズはベルの気配だけはすぐにわかるんだよな……あー……またヘスティアとリリと喧嘩してるんだろうなぁ……」
レフィ「大変ですね……」
バル「本当にな……」
本当にそうだ。目的が一緒の時の団結力は凄まじいが、それ以外は喧嘩ばかりだ。春姫の暴走でそれをさらに助長させるし……。
ベルのハーレムのことで頭を抱えていると
?「さあさあ、お立ち会い!」
バル「この声は……」
聞き覚えるのある、不思議と殺意が湧く声が聞こえた。そう、アスフィの悩みの種のヘルメスの声だ。
ヘルメス「遠き者は音に聞け、近き者は目に見よ!」
バル「何をやってんだ、あのバカは」
フィル「さぁ、なんだろう」
バル「お、復活したか」
フィル「見苦しいところを見せた」
バル「別に構わんよ。それくらい受け止めないで何が夫だ」
フィル「ふふ、ありがとう」
フィルはそう言って密着して肩に頭を乗せる。
ヘル「そして、腕に覚えのある冒険者ならば名乗りを上げろ!さぁ!この槍を引き抜く英雄は誰だ?」
バル「よくあるパフォーマンスか」
ベル「あっ!バル兄!」
運のいいことにベル達と合流した。しっかりとアイズとティオナも一緒にいる。
バル「喧嘩はしてないだろうな?」
ベル「あはは……僕がなんとかなる前に止めたよ。折角の祭りだからね」
ヘス「あれって、ヘルメスは一体何をしてるんだ?」
バル「知らんな。だが、何かを企んでるようだがな」
俺は高らかに喋るヘルメスに視線を戻す。
ヘル「これは選ばれた者にしか抜けない伝説の槍。手にした者には貞潔なる女神の祝福が約束されるだろう。さらに!」
ヘルメスは一枚の神を取り出す。
ヘル「抜いた者は豪華世界観光ツアーにご招待!すでにギルドも許可済みだ!」
ウオオォォォォォォ!!
ヘルメスの演説で歓声が湧き上がる。
ベル「へぇ、伝説の槍。そんなものあるんだ」
リリ「どうせパチモンですよ」
どうだろうな……あれを見ていると夢に出てきたあの青髪の女神が浮かぶ。だが、相変わらず顔が思い出せない……こんなことは初めてだ。
ティオナ「あっ!そうだ!アルゴノゥト君もやってみなよ!アイズも!」
ベル「え?僕が?」
アイズ「私も?」
ティオナ「そうそう!龍皇と龍妃が抜けたら盛り上がるじゃん!」
レフィ「なら、二人が抜けなかったらバルさんがその次にやりましょう!」
バル「まぁ、俺は別にいいが。丁度あの槍に興味があったし」
ベル「なら、僕もやろうかな」
アイズ「ベルがやるなら」
ティオナ「よし!決定!ほらほら、前の方に行くよ」
レフィ「そうですそうです!」
ベルとアイズはティオナに手を引っ張られ、俺はフィーに背中を押されて前の方に向かった。
リリ「やれやれです」
ヘス「でも、面白そうじゃん」
リリ「それはそうですけど……リリとしてはヘルメス様が何かを企んでそうで乗り気ではありません」
フィル「……ありえるな」
ダフネ「神ヘルメスは迷惑神と聞いたことがある……」
カサン「でも、バルさんがほっとくとは……」
リリ「ヘルメス様にとってバル様は天敵ですからね。さて、難しい話はやめにして催しに集中しましょう」
「ふんぬうううぅぅ!!」 「がんばれー!」 「イケイケー!」
ティオナ「へぇ、伝説の槍だけあってやっぱりすごいね〜。まだ誰も抜けてないよ」
「クソ、抜けなかったぜ」
ヘル「これは残念。さぁ、次はどいつが挑戦する!」
レフィ「あっ、ハイハイ!」
ヘル「おおっと!【
言い忘れたが、フィーの二つ名も変わった。同じエルフの魔法を使えるのから元の二つ名をベースにモデルの炎妃をプラスしただけのシンプルなものだ。
レフィ「ふう……んっーーぬぬぬぬぬぬっ!はぁ…ダメです……抜けません……」
ヘル「早い!レフィーヤちゃん諦めるの早すぎる!だが、さすが伝説の槍!例え半龍でも簡単には抜けないことが証明された!」
ベル「すごい……てっきりレフィーヤが抜けるかと思った……」
ヘル「さぁ、次は……おおっと、これはほぼ本命がきた!」
次に挑戦するべくステージに上がったのは
ヘル「【嵐剣の龍妃】ことアイズ・ヴァレンシュタインの挑戦だ!」
「これは抜けたな」 「いやでもわからないぞ?」
アイズは槍を掴んで力を入れる。だが、しばらくすると槍を離した。
アイズ「ダメ。抜けない」
ヘル「龍妃でもダメだった!次の挑戦者は?」
次に挑戦したのはベルだった。
ヘル「おぉ、妻の仇をとるべく夫の【白銀の龍皇】ことベル・クラネルが挑戦する!いやぁ、熱い展開だねぇ!」
ベル「あはは……そう高らかに言われると恥ずかしいですね……///」
ベルも槍を掴んで引き抜こうと力を入れる。
ベル「ふんっ!」
槍が一瞬反応したように感じたが、すぐさま他の挑戦者と同じ感じになっていた。
ベル「はぁっ……ダメです、全然抜けません……」
ヘル「龍皇でも抜けなかった!龍妃、龍皇ときたら当然、あいつの出番だよな!?」
ヘルメスは俺を見ながらそう言う。後でアスフィと一緒に説教してやる。ヘルメスが身震いしたように見えたが、気のせいだろう。
俺はそう考えながらステージに登る。
バル「近くで見ると余計に……」
余計にあの女神が浮かび上がる。顔だけモヤでわからないが。
とりあえず、俺は槍を掴んで力を入れた。その時
?『見つけた……』
バル「この声は……」
声が聞こえた瞬間に槍に文字が浮かび上がり、槍が刺さっていた水晶が砕けた。
バキンッ
水晶が砕けたことで槍の全貌が見えるようになった。いや、槍ではなくこれは矢……
ヘル「(そうか……運命は君を選ぶのだな。だが、僕としては君が選ばれてよかったよ)」
バル「(矢……おかしい。何故この矢から……)」
ベル「バル兄!おめでとう!」
レフィ「やった!バルさんが伝説の槍を抜いた!」
オオオォォォ!!
俺がこれを抜いたことで歓声が湧き上がった。
アイズ「バル、すごい」
リリ「さすがはバル様ってところですかね」
フィル「当然だろ?なにせ、私たちの夫なのだから」
アイ「うん。当然」
ダフネ「当たり前のようにそう断言できるのが羨ましいよ……まぁ、私もそう思ってるけど」
ヘス「ふふん!うちの団長はすごいんだ!当然だよ!」
やれやれ……そう言ってれるのは嬉しいが、やめてくれ。
ヘル「とりあえず、おめでとうバル君」
バル「何を企んでかわからんが、この矢は……」
ヘル「では!今回の旅のスポンサーのお出ましといこう!」
こいつ……ヘルメスの向いた方を見ると俺は目を見開いた。なぜなら夢に出てきたあの女神だったからだ。彼女の顔を見た瞬間に思い出した。名前は確か……
ヘス「アルテミス!」
アルテミス。夢で気丈に振るい、ポンコツながらも慈悲深い女神。ただ、悲しい顔をして最後は……泣いていた。
ベル「知り合いなの?」
ヘス「天界で交流していた神友だよ。僕のマブダチさ!アルテミスー!」
ヘスティアは運命の再会の如く彼女の名を呼んで走り出す。アルテミスもそれに呼応する様に走り出す。感動する曲が流れてるように感じる……
二人が近づき、いざ再会のハグだというところでアルテミスはヘスティアを通り過ぎた。そのままこちらに走り
アルテミス「見つけた!私のオリオン!」
俺に飛んで抱きついてきた。その影響で俺は矢を落とした。
リリ「オリ……」
フィル「オン?」
ヘル「フフフ……おっと」
ヘルメスは笑ったので俺はヘルメスを睨んだ。この確信犯め。
ヘス「ん?ん?ん?」
ヘスティアがブリキ人形のようにゆっくり顔をこっちに向ける。
ヘス「な……な……なななななななな……何が起こってんのーーっ!?」
バル「はぁ……面倒なことになったもんだ……」
アルテ「オリオン……」
To be continue
今日はここまで。
前置きを長くしすぎました。まさか9,000字を超えるとは……
最終章の後でバルとベルの二つ名を変えようと思ってて、今回それを入れました。バルは寿命ないですし、元の世界で守り神みたいな扱いもされてたので、龍氣の色と体色を合わせて【赫銀の龍神】にしました。
ベルは半龍(竜)になった者の中で一番強いですし、兄が神なら弟は王。キングじゃ味気ないからエンペラーの皇にしようとなって、体色と合わせて【白銀の龍皇】にしました。
それに伴って正妻のアイズも変えました。嵐の剣を扱う龍皇の妃、【嵐剣の龍妃】。まぁ、単純ですね。
レフィーヤも単純に炎妃をプラスして【
この場合、リヴェリアも変えないといけないか……もう、単純でいいかな……【氷冠の龍神妃】でいいや。
リンゴアメのことは私の体験です。リンゴを丸ごと使ってて大きいから食べようとは思えませんでした。露店を回ってた二年前が恋しいです……
久しぶりにあれをやりましょうか。それでは、どうぞ。
ヒャイイイィィィ ヒュウウウゥゥゥ
よっと、お久しぶりです。バル兄の弟のベル・クラネルです!早速次回予告にいきましょう!
バル兄をオリオンと呼んだ女性の登場。ヘスティアの神友らしいが……
明かされる催しの目的。矢から感じるものに対する疑問と不安をを抱くバル兄。
次回、拭えきれない不安と疑問
お楽しみに〜!
シュドオオオオォォォン
はい。久しぶりにやってみたかったのでやりました。因みにですが、オリオンの矢編はバルの葛藤を乗り越えるのがコンセプトです。
夢で語り手に助けて欲しいと言われるも情報はなく、夢の大部分も思い出せない。そしてどうすればあの最期を迎えずに済むのか……と言った感じです。
では、また次回に。