赫き彗星が白兎と共にダンジョンに行くのは間違ってるだろうか 作:エルにー
つまり、今日がその開催日なのだ。
オラリオの街の前に広がる平原に数えきれないほどの冒険者達が集まっていた。
そのほとんどは『クラネル兄弟に引導を』という名の八つ当たりを目的として集まった者達だ。
中には主神の命令で仕方なく参加する者や、面白そうだからという変わり者などもいるが。
「殺せ殺せーーーーっ!」
「死ね!くそリア充があぁぁぁっ!」
「血ぃみせろやーーっ!」
………血気盛んですね。意気のいい冒険者が釣れそうです。
しかし、彼は迫り来る二つの集団を見て静まり返った。
片方は100人を超える屈強な男達の集団。その先頭を冷静な雰囲気を纏った大男が歩いている。そう、フレイヤファミリアである。
原フレの命令ということもあるが、原オッタルも入れて全員がバルへの嫉妬の怒りで参加している。
もう片方の集団はそれをさらに超える数の集団であった。集まっている冒険者の3分の1に届くほどだ。皆目を逸らしたくなるほどに鬼の形相で周りに怒りを撒き散らしていた。
これはエルフの集団である。
それを見たエルフがロキファミリアの同胞経由でリヴェリアに真相を聞き、それが事実である事を知った。
それを知ったエルフは二つに分かれた。
一つは何処の馬の骨ともそれないやつの分際で、リヴェリア様を誑かした不届き者を亡き者にしてやると意気込む過激派。
もう一つは情報の頭が追いつかず、
割合は9.9割と0.1割で圧倒的に過激派が多い。というか、虚無派は最初こそ多かったが、時間の経過で情報を処理して過激派へ移転していった。残りは現実逃避したり、記憶からその事を消した者達だ。
その過激派がエルフの集団である。
「フレイヤファミリアだ!これで勝てるぞ!」
「えぇ…エルフ達の気迫やばっ。いや、ありがたいけどよ」
冒険者達はフレイヤファミリアが来た事に感謝しながら、エルフの集団に関わらないでおこうと思った。
それでも戦力が増えた事に冒険者達は盛り上がった。
そんな冒険者の大群を遠くから複数の人影が見ていた。
ヴェルフ「おいおい、向こうの奴ら、随分と盛り上がってんなぁ」
ヴェルフは手で日光を遮るようにして冒険者達を眺める。
バル「やれやれ。後少しで帰るのにさ。ベルは歩くトラブル発生装置だな」
アイ「同意」
リリ「否定できませんね」
バルが呆れるように言うと、アイとリリが同意した。
ベル「酷い!」
アイズ「ベルをいじめないで」
それに対してベルが叫び、アイズがベルを庇う。
レン「なんで俺まで参加しないといけないんだ?」
バル「せっかくだから実力を見せればいいだろ」
ベート「俺を呼んだのもこのためか。まぁ、いい憂さ晴らしになるからいいけどよ」
ベートは軽くストレッチをしていた。やる気満々のようだ。文句を言うレンも準備をしているからやる気のようだ。
レフィ「ほぇー、オラリオってこんなに冒険者いるんですね。今更ながら圧巻です」
リヴェ「それは確かに思うな。しかし、エルフ達の気迫はどうにかならないのか?」
バル「ならないな。まぁ、元の世界と同じことよ」
どうにかならないのかというリヴェリアにバルがそう答えた。
他にオッタルが静かに立っている。
11人VS冒険者数千人という、第三者から見るとふざけた戦いなのだが、バル達はすごくリラックスしている。
なお、エルフ達はリヴェリアがいる事に緊張しているが、鼻から目的はバルなのでバルに集中している。
オラリオの街の中でもアポロンの時のように、参加しない冒険者や一般人などが神の鏡で観戦している。
その大半はクラネル兄弟に対する神々による私刑としか考えていないが。
そんなふざけた時でも賭け事は行われている。
「はぁーあ。今回の賭けは流れか」
「誰もクラネル兄弟に賭けねえからぁ」
賭けは10:0で誰もがオラリオ連合に賭けていた。大概の神はアイズファンだし、フレイヤをものにしたバルを恨んでいるからクラネル兄弟に賭けることはないだろう。
ダフネ「ここが賭けをする所か?」
「ん?なんだ、嬢ちゃん達も賭けか?どうせオラリオ連合だろうけど」
賭けの元締めをしている冒険者の下にダフネ、カサンドラ、春姫、フィルヴィスがやってきた。
カサン「い、いえ、私達はベルさんに……」
「お?大穴に入れたか。で、いくらだ?」
フィル「そうだな……では、ヘスティアファミリアのホームで」
ダフネ「あんた、平行世界のなのに言うね」
春姫「心配は入りませんが、流石にそれは……」
原史世界のヘスティアファミリアのホームを賭けの商品にしたフィルヴィスに、ダフネと春姫はそう言っているが負けるとは微塵も思っていないようだ。
「……はっ!あまりの事に驚いて意識が飛んでたぜ。嬢ちゃん達、それはあまりにも愚かじゃないか?」
冒険者も賭けたものにダフネ達を心配するが
ダフネ「問題ないよ。だって」
「「「「バル/ベルさん(様)が負けるわけない(ですから)」」」」
4人は揃って胸を張って言った。
「お、おう……」
これには冒険者も圧されてそれだけ返した。
?「えぇ、皆さん!久しぶりの方は久しぶり、初めましての方は初めまして!『喋る火炎魔法』こと、【
数十話ぶりの登場、アチャーさんです。
イブリ「ついにこの日がやってきました!正直言って、このようなリンチにも等しい勝負の実況はしたくありません」
アチャーは首を横に振りながら言った。
イブリ「しかし!私も実況のプロ!ここは我慢して実況を続けたいと思います!では、選手の説明をいたしましょう。なんと、平行世界からクラネル兄弟率いる11人。まさか平行世界の方に会えるとは……イブリ・アチャー!感激の限りです!それぞれベル・クラネル、兄のバル・クラネル、リリルカ・アーデ、ヴェルフ・クロッゾ、アイ・ヘガル、アイズ・ヴァレンシュタイン、ベート・ローガ、レフィーヤ・ウィリディス、リヴェリア・リヨス・アールヴ、レン・カヌゥー、そしてオッタル!メンバーがすごい!対するは冒険者数千人のオラリオ連合!くぅうっ!集団リンチにも程があります!」
アチャーは詳しく説明した。
イブリ「経緯はベル・クラネルが【剣姫】アイズ・ヴァレンシュタインと【
アチャーは続けて経緯を話していった。
イブリ「さあて!間もなく正午となります!」
アチャーの言葉に両陣営が構える。
イブリ「
アチャーの合図と共に銅鑼を鳴らした。
冒険者達はバル達に向かって突撃した。
「「「「「ブッコローーーーっ!!」」」」」
「「「「「死ねえええぇぇぇぇぇっ!!」」」」」
「「「「「血の雨見せろーーーーっ!!」」」」」
「リヴェリア様を誑かした不届き者がっ!!」
各々、思ってる事を言いながら走っている。
バル「【赫銀の龍神】!バル・クラネル!」
その時、突然バルが大声で名乗りを挙げた。
それにベル達は驚いたが、フッと笑い、同じことをした。
ベル「【白銀の龍皇】!ベル・クラネル!」
ヴェルフ「【
リリ「【小轟娘】!リリルカ・アーデ!」
アイ「【水弓姫】!アイ・ヘガル!」
アイズ「【嵐剣の龍妃】!アイズ・ヴァレンシュタイン!」
ベート「【
レフィ「【
リヴェ「【
レン「【
オッタル「【鏖者】!オッタル!」
全員名乗りを挙げた。原フレはオッタルが大声を上げた事に驚いていた。
バル「さあ!一狩り」
「「「「「行こう(か、きましょう、くぞ)!!」」」」」
その言葉とと共にバル達は駆け出した。
ここまで。
今回は開始までにしました。バル達の無双は次回です。
久しぶりに次回予告です。
ヒャイイイィィィ ヒュウウウゥゥゥ
スタッ よう、久しぶりだな。バル・クラネルだ。まさかあれがきっかけとはな。数ヶ月前のことだから忘れていたわ。
次回予告か。
馬鹿な男神達によって開催された
不特定多数の冒険者がベル達に集まる中、俺はエルフとフレイヤファミリアに集中的に狙われていた。
勝敗はどうなるのか。そしてその後……
次回、
楽しみに待っていてくれよ。
シュドオオオオォォォォン