「やばい!やばい!」
とある学校の制服を乱雑に着ながら階段を駆け降りるセレナ。
時は2040年、舞台はアメリカを離れ日本。セレナは普通の中学生としての人生を歩み始めようとする初日に寝坊したのだ。
「早朝から騒がしい奴だな…」
ドタバタと忙しなく動くせれに苦言を零すのは机の上に朝食を並べる金髪の幼い少女《キャロル・マールス・ディーンハイム》。容姿こそ幼い少女なのだが実際にはセレナの何倍もの時間を生きている、詳細は省かせてもらう。
「何で起こしてくれなかったんですか!」
席に座り慣れない手つきで箸を握るセレナは目の前に座る少年《操真晴人》。この少年こそ現代の魔法使いで、時間超える魔法を使いセレナを救い出した張本人だ。
「ちゃんとネフィ送ったでしょ」
呆れる晴人の肩に乗る灰色の影。横長の頭部にそれを支えている小さな体、胸部には晴人が使う魔法の指輪がはめられていた。その全身像は彼らが相まみえたネフィリムに酷似している。
それもそのはず、なぜならその正体は封印の魔法シールによって封印されたネフィリムが、晴人の
「喋ってないで、早く食べて学校に行け!」
キャロルに急かされ朝食を食べ終えた2人は鞄を手に玄関を出る。玄関を出た先では、派手な改造車(ギリギリでナンバープレートを取得できるレベル)を背にしたこれまた派手な衣装に身を包んだ女性。
「派手に送迎しよう!」
女性の名は《レイア・ダラーヒム》。派手な事を好むセレナたちの同居人。彼女にも秘密が有るのだが、割愛させていただこう。そんな彼女が運転する車に乗り込んだ2人(+1匹)が向かう先はとある中学校。2人は新入生として中学に通う事になるのだ。
____ねぇ知ってる?最近出るらしいよ
____出るって、何が?
____怪物。なんでも特定の人を必要以上に襲うらしいよ
____怪物?ノイズとは違うの?
____違うらしいよ。私の友人も襲われたらしいだけど、言語を喋るの。しかも日本語
____マジで?
____マジらしいよ。なんでも普段は人の姿をしていて、襲う時だけ怪物の姿になるの
____それ、変人に襲われて記憶が変になってるだけってオチじゃないよね?
____どうやら違うみたいで実際に怪物に襲われて入院した人も要るみたい
____やだ、怖い。でもノイズと違うなら反撃はできるよね?
____攻撃事態はできるらしいけど、警察の銃弾は全く聞かなかったらしいよ
____へ?警察が動いているならなんで、報道して無いのよ!
____さぁ?政府が隠蔽してるんじゃない。ネットでも全く情報を見かけないし
____そんなのどうしたら良いのよ…
____大丈夫よ。怪物に襲われた人たちは皆、以前よりも明るくなっているし
____なんで!?怪物に襲われたのに
____私の友人が言っていた事なんだけど、魔法使いが希望を運んでくれるそうよ
____魔法使い?
これは夜勤明けのOLの噂話。この話を立ち聞きしていたメイド服の様な青い服に身を包み、両手に買い物袋を持つ少女は鋭利な笑みを浮かべながらこの場を去る。
オリジナルウィザードリング・プラモンスター解説
『ネフィリム』
シールウィザードリングに、アメリカで戦った「アルビノ・ネフィリム」を封印した際に変化した指輪。プラモンスター「グレーネフィリム」を召喚・起動に使用する。
アルビノ・ネフィリムがデフォルメ化されたデザインをしている。
色がグレーに変化した理由として考えられるのは、魔法(晴人の魔力)が混じった事で、本来のネフィリムの力が上昇、本来の体色である黒が白に交じった結果だと重まれる。
『グレーネフィリム』
カラーは灰色。寝坊癖が有るセレナを起こすためによく晴人が使う。
最初はセレナに怖がられていたが、中学生に入学する時には彼女から「ネフィ」の愛称を与えられた。晴人とセレナにのみ懐いており、それ以外の人物が触れようとすると威嚇し、害がある者と判断したら即座に噛みつくほど気性が荒い。
……でも寂しがり屋なので晴人かセレナが居たら他のプラモンスターの出れよりも早く飛びつく可愛いところがある。(キャロル談)