ありふれたFGOで世界最強   作:妖怪1足りない

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元から超亀更新とタグに書いてありますが、作者の体調不良がひどいため、投稿間隔がかなり空く可能性があります。ご了承ください。


金髪の吸血姫2

ハジメ達は一度、ルーン魔術で魔物除けを施した拠点で、

 

お互いの身の上を話し始めた。

 

ユエの服はハジメがルーン魔術でパパっと作った。

 

温度自動調節機能付きで、防御力も見た目以上に遥かに高い。

 

ハジメが作った以上、神造兵装になり、本来なら国の宝物庫行きクラスなのだが、

 

ハジメからすればそんなことはどうでも良かった。

 

ハジメが異世界の神々の王インドラの子であり、

 

創世と滅亡を司る神霊と知ってユエは驚くと同時に納得もした。

 

そうでなければここまで辿り着けないだろうからである。

 

一方のハジメはユエの力に驚愕した。ほぼノータイムで、

 

強力な魔法を全属性放てるのである。

 

これは純粋な魔術勝負では勝てないなと思った。

 

ちなみにハジメの血液を吸ったユエ曰く、

 

今までで誰よりも美味しい味だそうで、

 

また、魔力も増幅するので定期的に吸わせることになった。

 

 

 

そして、ユエにこの迷宮について何か知らないか尋ねると、

 

この迷宮は反逆者達・・・神代に神に挑んだ、

 

神の眷属が作ったとのことだった。

 

ハジメはなるほどと納得した。

 

ハジメの世界ではギルガメッシュが、神と人の袂を別った。

 

この世界ではそれが出来なかった為、歪な世界が構築されたのだと。

 

そして神代の魔法なら転移魔法があり、それを使っていたのだろう。

 

それなら迷宮をいちいち昇り降りしなくていい。

 

どうやら最奥にその反逆者の部屋があるらしい。

 

そこまで行けば脱出できるかもしれないとは、ユエの言葉だ。

 

そこでユエがハジメに尋ねた。

 

「元の世界に帰りたいの?」

 

「ああ・・・その為にこの迷宮に来たんだからな」

 

ハジメの言葉にユエは「・・・・・・そう」と言い、

 

「・・・・・・私にはもう、帰る場所・・・・・・ない」

 

「・・・・・・ユエも来るか?」

 

「え?」

 

「俺の元いた世界にだよ。戸籍とかは裏ルートとか当てがあるし、

 

俺自身も純粋に人ではないからな。家に来るといい。

 

両親も事情を話せば納得するだろ」

 

そう言うと笑顔で応じるユエ。

 

言って良かったと思っていると、

 

「むっ!」

 

「・・・・・・どうしたのハジメ?」

 

「いや、あいつらアレを倒したか。・・・・・・少々釘を刺して置くか」

 

ハジメの千里眼には、ベヒモスを倒した光輝達の姿が映っていた。

 

 

 

その頃ベヒモスを倒した光輝達は喜びあっていた。

 

光輝は言った。

 

「これで南雲も浮かばれるな。自分を突き落とした魔物を、

 

自分が守ったクラスメイトが討伐したんだから」

 

「「・・・・・・」」

 

その言葉に香織と雫の表情が曇る。

 

その時、パチパチパチと拍手が響いた。

 

 

 

「ベヒモス討伐おめでとう。なかなかの動きだったぞ」

 

「・・・・・・南雲?」

 

光輝がまるで幽霊を見るような顔をし、

 

「南雲君!? 南雲君なの!?」

 

香織が叫び、

 

「ハジメ・・・・・・あんた生きてたの?」

 

雫が呆然とした表情でハジメを見る。

 

「ふむ。まあ、生きてはいるがここにはいない。

 

幻術による立体映像のようなものだと思ってくれ」

 

その言葉にメルド団長が叫ぶ。

 

「待ってくれ! ハジメの天職はランサーのはずだ!」

 

「ああ。すみませんメルド団長。あれは幻術で書き換えた物です

 

俺は地球最後の魔術師ですから、あれ位お手の物ですよ」

 

「なっ!?」

 

ハジメの言葉に全員が絶句する。

 

ハジメの天職はランサーではないのに、あれだけの戦闘能力をもつこと。

 

地球最後の魔術師という言葉に驚いたのだ。

 

「待て待て待て! じゃあハジメの天職は何なんだ!?」

 

メルド団長の言葉にハジメは答える。

 

「それは秘密です。今はそれを知る時ではありません。

 

でも、知らない方が幸せだったと思えるものですよ」

 

ハジメは笑顔で応じつつ、次の言葉を紡ぐ。

 

「そうそう。檜山。よくも撤退時に俺を狙って攻撃したな」

 

「なっ!?」

 

その言葉にメルド団長以下全員が驚き、檜山を見る。

 

その顔は真っ青になって震えていた。

 

「俺は言ったはずだ。仲間を裏切る奴は殺すと。

 

・・・・・・楽に死ねると思うなよ?」

 

そう言って檜山を睨むハジメ。

 

その殺意は幻術ごしでも伝わるほどだ。

 

今にも卒倒しそうな檜山を尻目に、ハジメは言葉を続ける。

 

「そういうわけで、俺はそちらに戻らない。味方に殺されたくないからな。

 

お前等も気を付けろよ? 誰が誰を狙っているかわからんからな。

 

俺は独自に元の世界に戻る方法を探す。

 

そちらはそちらで頑張ってくれ。では、通信を切る」

 

「待って南雲君! まだ・・・!」

 

香織の言葉を待たずにハジメの姿はかき消えた。

 

後に残された者達の反応は様々だ。

 

メルド団長はすぐに檜山を問いただし、

 

香織や雫はハジメが生きていることに安堵し、

 

光輝はなぜその力をこちらで使ってくれないと考えていた。

 

 

 

「ふむ。まあ、こんなところだな」

 

「通信終わったの?」

 

ユエが尋ねてくる。

 

「ああ。この後大変なことになるだろうが、俺には関係ない」

 

ハジメはそう言いつつ、料理作りを始めた。

 


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