ありふれたFGOで世界最強   作:ヘルメス・トリスメギスタス

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金髪の吸血姫3

「この剣は太陽の現身。あらゆる不浄を清める焔の陽炎。

 

『転輪する勝利の剣(エクスカリバー・ガラティーン)』!」

 

ハジメがガラティーンの真名開放を行い、

 

広範囲に太陽の力を纏ったエネルギー波が薙ぎ払う。

 

「ああ、多いな! これでもまだ減らないか!」

 

「”緋槍”!」

 

ユエも魔法を使い、敵を倒していく。

 

現在ハジメ達は百六十センチ以上ある草の生えた草原の階層で戦っていた。

 

ただ、敵の数があまりに多く、ハジメはユエを抱えながら戦いつつ、

 

次の階層を目指していた。

 

「ええい! 鬱陶しい! 奥の手の一つ使うぞ!」

 

いい加減イラついてきたハジメは、『エア』の使用を決断。

 

宝物庫から取り出した。

 

「原初は混ざり、固まり、万象を織り成す星を産む。死して拝せよ!

 

『天地乖離す開闢の星(エヌマ・エリシュ)』!!」

 

『エア』から放たれた空間を切り裂くほどの一撃。

 

これは効いた。ほとんどの敵を一撃で薙ぎ払った。

 

「はあ・・・次の階層行くぞ」

 

ハジメも疲れたのかそう言いながらも足取りは重い。

 

一体どこまで続くんだ・・・・・・ハジメはそう思った。

 

 

 

そのような思いを抱えつつも、

 

再び迷宮攻略に勤しみ、ついに百階層手前までたどり着いた。

 

この階層でハジメは現時点での武器類の点検や、アイテム補充に勤しんでいた。

 

「ハジメ・・・・・・いつもより慎重・・・・・・」

 

「次が百階層だからな。出来る限り準備しておく」

 

そういうと準備の続きを再開した。

 

翌日、ハジメ達は百階層に降り立った。

 

二百メートルも進んだ頃、前方に扉を発見した。

 

最後の柱を越えたその瞬間・・・・・・

 

扉とハジメ達の間三十メートルに巨大な魔法陣が現れた。

 

ユエが身構えると、

 

「ほい、『ルールブレイカー』」

 

ハジメが『ルールブレイカー』を突き刺し、魔法陣は消滅した。

 

ふう、とやり切った感のハジメに対し、呆然とするユエ。

 

「さて、行くか・・・どうした?」

 

ハジメの問いに対しユエは、

 

「それ、ズル過ぎる」

 

「えっ。最小の手間で最大の効率だろ。いちいち戦うの無駄だし」

 

そんな風にハジメがしゃべると、突然手で顔を覆って天を仰いだ。

 

「どうしたの・・・・・・ハジメ?」

 

「いや、あのバカ、まるで成長していない」

 

ハジメがそう言うと、

 

「仕方ない。また、幻術使うか」

 

 

 

ハジメがそう呟いたころ、勇者一行は、

 

ハイリヒ王国王都に戻っていた。

 

ちなみに檜山は地下牢に入れられていた。

 

これは懲罰というよりも隔離措置である。

 

ハジメが殺しに来るのが確定的だからだ。

 

それでも防ぎきれないだろうと、メルド団長は思っている。

 

天職でないランサーで、あれだけの戦闘能力だ。

 

その上、上位世界の魔術も行使可能となると、

 

実質王国側の戦力では勝てない。

 

光輝達を当てるという手もあるが、勝てないだろうと思った。

 

ハジメにはあるだろうものが、光輝達に無いのだ。

 

それをいつかは光輝達に教えなければならないが・・・・・・

 

メルド団長はもう何度目になるかわからないため息を吐いた。

 

ハジメは味方なら頼もしいが、敵に回ると最悪だとわかってしまったからである。

 

 

 

一方光輝達はヘルシャー帝国との会談に臨んでいた。

 

急遽、勇者対帝国使者の護衛との模擬戦が決定し、

 

一行はぞろぞろと場所を変えるのだった。

 

そして、いよいよ戦いが始まるその時、

 

「やめとけ、天之河。お前じゃ勝てない」

 

「南雲!?」

 

「おっと。幻術による立体映像で失礼。ガハルド皇帝。

 

天之河と同じ召喚組の南雲ハジメと申します。以後お見知りおきを」

 

「ほう・・・・・・てめえがあの”神槍”か・・・・・・。

 

くくく、羊の群れかと思いきや、てめえみてえな狼がいやがるとはな」

 

「お褒めの言葉ありがたく」

 

光輝達一同は驚愕した。相手が護衛ではなく皇帝であることを。

 

同時に疑問も浮かんだ。なぜ、南雲はここに幻術を使った?

 

皇帝は自分達を羊の群れと称し、南雲を狼と呼んだ。この違いはなんだ?

 

「ガハルド皇帝、天之河ではアレがありませぬ。

 

故に、代わりに私が対戦することでいかがでしょうか?」

 

「ほう。その腰に携えた剣で勝負すると?」

 

「ええ。もちろんこの剣も幻ですが。先に剣を当てた方を勝ちといたしましょう」

 

「その提案乗ったぜ。こいつじゃ確かにアレがねえからな」

 

アレ? 皆が怪訝に思う。

 

「では、審判合図を」

 

ハジメは刀を抜いて合図を求めた。

 

「試合開始!」

 

審判の言葉にハジメは即座に宝具を展開する。

 

『無形』

 

ハジメは無造作に皇帝に近づき刀を振るう。

 

逆袈裟の一撃。だが遠い。怪訝に思う皇帝。

 

しかし、遠いはずの逆袈裟が皇帝の身体に当たり、通り抜けていく。

 

驚愕する皇帝。

 

「そこまで」

 

模擬試合はハジメの勝利に終わった。

 

「ははははは!」

 

負けた皇帝だが、その顔は笑顔を浮かべていた。

 

「いいぞ! 幻でこの剣気! この殺気!

 

おめえさん相当修羅場を潜って、アレを経験したな」

 

「ええ。そうしなければ生き残れませんでしたから」

 

「いつか帝国に来い。歓待するぜ」

 

「今すぐとは参りませんが、途中で立ち寄ることもあるでしょう。

 

その時にお伺いいたします」

 

 

 

そうしゃべる皇帝とハジメに皆は困惑していた。

 

先程から出ているアレとは何だ。自分達になくハジメにはある。

 

それは何だ? 皆がそう思っていると、ハジメがこちらに声を掛けた。

 

「ああ。悪いな。いきなり現れて。戦闘職全員アレの経験が無い様だからな。

 

皇帝に勝てないと思って来たんだ」

 

「勝てないってどういうことだ南雲! 俺達はベヒモスも討伐し・・・」

 

「阿呆。強さの問題じゃない。覚悟の問題だ。それがアレの経験の差だ。

 

それがある限り皇帝に勝てやしない」

 

「だからアレとはなんだ南雲!」

 

「お前等全員戦争を理解してないんだよ。

 

戦争の前に恐らくアレの経験をさせるだろう。

 

お前等その時後悔しても知らんぞ。

 

特に天之河、そのままだと理想を抱いたまま溺死するぞ?」

 

「その通りだ坊主。お前等はハジメの言う通りアレを経験していない。

 

そのままだったら死ぬぜ?」

 

ハジメと皇帝の言葉に一同沈黙する。アレとは何だ?

 

一同がそう思っていると、

 

「さて。それじゃ俺の要件は終わりだ。

 

・・・・・・アレを経験したくなきゃ、

 

戦争に参加するな。それが俺の忠告だ。じゃあな」

 

そう言ってハジメの幻はかき消えた。

 

 

 

「お話・・・・・・終わった?」

 

そう問うユエにハジメは、

 

「ああ。伝えることは伝えた。後はあいつらが気付くかだ」

 

出来ればアレは経験してほしくないのだがと思うハジメであった。

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