ありふれたFGOで世界最強   作:妖怪1足りない

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ハルツィナ樹海

 「それではハジメ殿、ユエ殿。樹海に入ったら我らから離れないでください。それと行先は樹海中心部の大樹でよろしいですか?」

「ああ、そこでいい」

「それとハジメ殿、気配は出来る限り消してもらえますかな?」

「やろうと思えば完璧に消せるが・・・どの程度でいいか見ながら教えてくれ」

そう言ってハジメは気配を消し始める。

「少し消しすぎです。今度は少し表しすぎ・・・そうそうその位でお願いします」

「わかった。この位だな」

「ええ。しかし、さすがですな。それでは参りましょうか」

 

 そう言ってカムとシアを先頭に樹海の中を進んでいく。

しばらくするとハジメが立ち止まった。

「どうかされましたか、ハジメ殿?」

いぶかしむカムにハジメが告げる。

「魔物に囲まれ始めている。総員戦闘準備」

ハジメはスキル『気配感知』で魔物の存在をキャッチしたのだ。

樹海に入るにあたり、ハジメが投影したナイフを構えるハウリア族達。

そんな中、ハジメは一言呟く。

「『天の鎖』よ!」

その途端、地面から穂先の着いた鎖が出現し、次々と魔物を串刺しにしていった。

シアは、突然の危機に硬直するしかなかった自分にがっくりと肩を落とした。

魔物を掃討し終えると、一行は再度進み始めた。

 

 しかし、樹海に入って数時間が経った頃、ハジメ達は歩みを止めざるを得なかった。

数、練度・・・こいつらは魔物じゃないとハジメは感じた。

相手の種族は虎の亜人であった。

交渉しようとハジメは思ったが、攻撃命令を出そうとしたので、スキル『神性』、『カリスマ』を発動。

同時に虎の亜人族の周辺に王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)を展開。いつでも射出できるようにする。

「人の話も聞かず、攻撃しようとした罪。本来なら我に対する不敬であり、皆殺しだが我も出来ればしたくない。故に交渉しよう」

「交・・・渉?」

隊長らしき人物が言葉を絞り出す。

「我らが目指すは大樹の下の迷宮也。お主達亜人族に危害を加えるつもりはない。最も攻撃されれば別だが。・・・ここは退いてもらえぬか?」

「一警備隊長の私に判断できることではない。・・・長老達に報告させてもらいたい。それまでここで待機していただきたい」

「構わぬ。良い返事を期待している」

 

 そうしてしばらくすると、霧の中から数人の人物が現れた。いわゆるエルフなのだろう。

そして、ハジメを見て驚いた後、ハジメに尋ねてくる。

「御身は如何なる存在なのですか? あなたは明らかに人ではなく神の類だ」

「異世界の神々の王の子にして、創世と滅亡を司る者也。お主が長老とお見受けしたがそうか?」

「はっ! 私はアルフレリック・ハイピスト。フェアベルゲンの長老の座を一つ預からせてもらっています。

その前にお聞かせ願いたい。”解放者”という言葉をどちらでお知りになられたのですか?」

「オスカー・オルクスの隠れ家でだ。その証拠にこの指輪を見せよう」

そう言うとハジメはオスカーが身に着けていた指輪を長老に渡す。

「なるほど確かに・・・・・・。私の名でフェアベルゲンに滞在の許可を出します。もちろんハウリア族も共に」

「ふむ。しかし、我は大樹に用があるのだが?」

「残念ながらすぐにとは参りませぬ。大樹周辺は特に霧が濃いのです。今からでしたら、十日後に霧が薄まります」

その言葉を聞き、カム達を見るハジメ。

「お主等・・・・・・忘れておったな?」

 

そこからはハウリア族内での責任のなすりつけ合いが始まった。

いつまでもギャーギャーワーワーする姿にいい加減イラついたハジメは、宝具詠唱を開始する。

「悲劇を以て衆生を救わん。シヴァの後光よ、崩壊と共に押し寄せよ。爆縮開始!」

「ちょっ!? ハジメさん待って下さい! 死にたくないいいーーーー!」

シアの悲鳴が響くが構わず宝具を展開する。

『破壊神の手翳(パーシュパタ)』……弾けて落ちよ!!」

パーシュパタの爆発で死屍累々のハウリア族達。

手加減しているので、死にはしてないが皆ピクピクとしている。

他の亜人達はその様子に、怒るどころか呆れた様子で天を仰いだ。

流石はハウリア族。残念な種族である。


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