ありふれたFGOで世界最強   作:ヘルメス・トリスメギスタス

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天地乖離す開闢の星

 シアとユエが蔵の中に入ると見えたのはずっと続く廊下であった。

後ろを見るとこちらもずっと廊下が続いている。

廊下には等間隔でドアがあり、シアが全力で引っ張っても開かない。

何らかの魔術的措置が施されているようだ。

「う~ん。ここがハジメさんの宝物庫ですか? 殺風景な作りですね」

「・・・・・・ん」

ユエも同意した。

「いらっしゃいませお客様」

背後からの声に二人が振り向くと、二本のステッキが宙に浮いていた。

「どうも私、サファイアと申します。こちらは姉のルビーです」

「ルビーです。いやあ、ここに人が入るのはマスターの両親以来ですね~」

「・・・・・・魔法のステッキ」

「ええ。私達はそうです」

「あの、ここってハジメさんの宝物庫ですよね? それにしては宝物が見当たらないんですけど」

「それぞれの部屋に分けて保管しています。見れる所だけ見ますか?」

「・・・・・・ん」

「それじゃあまずはここの部屋ですね~。わかりやすく驚く部屋ですよ~」

そう言ってルビーは部屋の扉を開けた。

それを見てユエ達は絶句する。

その部屋にはうなるほどの金銀財宝がうず高く積まれていたからだ。

「いいですね~その表情! この部屋を見せるとこの顔になりますよね~」

「これ全部本物ですか?」

シアが震えながら尋ねる。

「本物ですよ~。まあ、マスターの持つ財のほんの極々一部ですが。こんな部屋がいくつもありますよ~」

 

 その時警告音が鳴り響いた。

『警告、警告。エアの出力制限解除。これにより世界にダメージが及ぶ可能性有り。繰り返す・・・』

「姉さん! マスターを止めて来ます! これは不味いです!」

「わかりました! 急いで下さい!」

サファイアもルビーも切迫した声で答える。

「ルビーさん? エアって何ですか? それにこの警告は?」

「エアは乖離剣というもので、天と地を分けたとされる物です! 通常地球なら抑止力というものが働いて、出力が制限されるんです!」

「・・・・・・でもここはトータス。つまり・・・・・・」

「ええ! 抑止力は働きません! 仮に全力全開で撃った場合、世界規模でダメージが及びます!」

その言葉に顔を青くするシア。

 

「マスター! それは危険です! 世界規模でダメージが!」

「安心せよサファイア。この迷宮を破壊する程度には抑える・・・行くぞ!」

「原初を語る。天地は別れ無は開闢と言祝ぐ。世界を裂くは我が乖離剣!

星々を廻す臼、天上の地獄とは創世前夜の終着よ。死を以て鎮まるが良い――『天地乖離す開闢の星(エヌマ・エリシュ)』ッ!!」

 

 放たれるは天地を分けた一撃。地球においては抑止力が働くほどの破壊力も、このトータスでは邪魔するものはない。

魔法を散らす仕掛けもこの一撃には全くの無力。世界規模でダメージが行くような一撃はいくら大迷宮といえど、耐えられるはずもない。

凄まじいまでの破壊エネルギーが荒れ狂い、大迷宮を破壊していく。そして最下層まで破壊エネルギーが到達したのを確認すると、

宝具を停止した。後に残るは大迷宮だった部品のみ。最下層だけを残し、完全に大迷宮を破壊しつくした。

そしてハジメは最下層に降り立ち、王の財宝を開け、ユエ達を出す。ユエ達は目の前の光景に絶句する。

「何ですかこれ・・・」

「・・・・・・・・・」

「見ての通り最下層まで迷宮を破壊しつくした。さて、後はあれか」

そこには巨大ゴーレムがそびえ立っていた。

「な・・・」

「な?」

「なんてことしてくれるのかなああーーーーーー!」

巨大ゴーレムの叫びが木霊する。

「この迷宮作るのにどれだけの時間と資材かけたかわかる!? それを完全に破壊して!?」

「黙れ雑種。神たる俺を怒らせた故よ」

この時のハジメはキレていた。一人称が神の時は通常、我なのに俺に変わっているのが証拠である。

「神? エヒト・・・じゃないね」

「異世界の神々の王インドラが子にして創世と滅亡を司る神が俺だ。エヒトとやらがクラスメート達ごと召喚したのだ。ミレディ」

「ああ。あれ神まで召喚したの? 馬鹿だね~って名前なんで知ってるの?」

「俺の千里眼に見通せぬものなどない。無駄話は終わりだ。こちらは元の世界に帰る為に神代魔法を求める。エヒトとやらはここの世界の人間が倒すべきものだ。

というわけで早速死ぬがよい雑種」

「脈絡なさすぎ! というか殺る気満々だよね!? でも総数五十体の無限に再生する騎士と私、全員倒せるかな?」

「ならば消してやろう」

ハジメは両腕の魔術回路へ過剰な魔力を加えて暴走。右手に黒色。左手に白色のエネルギーが集まる。

「ヘブンズ・フィール起動。万物に終焉を。『双腕・零次集束(ツインアーム・ビッグクランチ)』!」

疑似的なブラックホールを形成し、五十体の騎士を飲み込んだ。

「嘘でしょ!? 反則過ぎる!」

「後はお前だなミレディ。死に方は決まったか?」

「まだまだ!」

ハジメはミレディの攻撃を避けつつ呟く。

「核は心臓。アザンチウム・・・世界最硬の鉱物か。ならば・・・固有結界展開」

そして一瞬にして世界が塗り替わる。

「え!? 何これ!?」

「固有結界。術者の心象風景を形にし、現実に浸食させて形成する結界だ。これで終わりだ」

「此処に至るはあらゆる収斂。縁を切り、定めを切り、業を切り。我をも断たん無元の剣製(つむかりむらまさ)――即ち。宿業からの解放なり!」

時間や空間、因果ごと断つ一斬。いかにアザンチウムといえどこれには勝てず、真っ二つにされる。

ミレディ・ゴーレムの眼から光が消えた。

 

 「ふう。力を使いすぎたか」

流石に疲れの見えるハジメ。

そこにユエとシアが駆けつける。

「もうびっくりしましたよハジメさん」

「・・・・・・凄まじすぎる」

「だから宝物庫に入れたんだよ。危険だから・・・ッ!」

ハジメは咄嗟にミレディ・ゴーレムを見る。

「ああ、大丈夫試練はクリアしたから」

そこからはミレディ・ゴーレムの話だった。

残りの大迷宮の場所、全部の神代魔法を手にいれること、ハジメは絶対将来エヒトを殺すこと。

そう言ってミレディ・ゴーレムは動かなくなったのだが。

「で、ミレディ。さっさと神代魔法をよこせ」

ハジメが見逃すはずもなく、ミニ・ミレディから重力魔法を手に入れた。

その他、鉱石や指輪を手に入れた。

もっとよこせとにじり寄る三人。

本来ならトラップで三人を何とかするのだが、ハジメが最下層の床以外、完膚なきまでに破壊したため何も出来ない。

この為、根こそぎ三人に持っていかれ、迷宮だった場所にはシクシク泣く一体のミニゴーレムが残された。

 

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