ありふれたFGOで世界最強   作:妖怪1足りない

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ハジメ、死す

 時間も惜しいので、雑魚を王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)を射出しつつ走り抜ける。

遠藤はハジメの攻撃方法に驚嘆した。

途中の魔法陣で転移しつつ、七十階層まで一気に走る。

 

 「さて、魔法陣を使って七十階層まで来たが、ショートカットする」

「へ? ショートカット?」

遠藤が疑問をぶつける。

「ちょっとハジメさん! まさか、またあれをやるつもりですか!?」

「当たりだ。何、威力は抑える。起きろ『エア』」

ハジメは『エア』を蔵から取り出す。

「ここがちょうどいい。遠藤少々揺れるぞ」

「原初は混ざり、固まり、万象を織り成す星を産む。死して拝せよ!

『天地乖離す開闢の星(エヌマ・エリシュ)』!!」

ハジメはエアのエネルギーを真下に放出。

階層をぶち抜いていく。

そして、香織達がいる階層までぶち抜いて停止させた。

「ではいくぞ」

下へ落下するハジメ。シア達も後に続いた。

ちょうど戦闘の最中だったようだ。

その中に檜山を見つけた。

千里眼で地下牢から出されており、

迷宮攻略をしていたのは知っていた。

即座に殺したいが自重する。

まずは任務が優先だ。

「ユエ。連中の守りを。シアは騎士を見てくれ。

ここは俺一人で充分だ」

ハジメは『カリスマ』、『神性』をオンにする。

「さて、そこの女魔人族。疾く失せよ。そうしたら追わぬ」

女魔人族の返事は魔物の攻撃であった。

「馬鹿が。相手との格も分からぬか」

ハジメは宝具の準備を始める。

「ここに我が宿業を解き放とう。神と人の子として、罰を下す。見るがいい、これが崩壊だ。『破壊神の手翳(パーシュパタ)』!」

階層内を破壊エネルギーが荒れ狂い、シア達以外の人間は立っていられなくなる。

宝具が止まった時には、女魔人族も魔物も消滅していた。

香織達は呆然としていた。自分達が死にかけた相手を一撃で消し去ったからである。

 

 「シア。メルド団長の容体は?」

「神水が効いたので大丈夫です」

「そうか。それは良かった」

ハジメはそう言うと、ユエの方に向かう。

「迷惑かけて悪いな」

「・・・・・・ん。大丈夫」

「さて、では説教をしようか。天之河。お前なぜ敵なのに剣を止めた?」

「それは・・・・・・」

「我は『千里眼』ではっきり見たぞ。やはりアレ・・・殺人を経験してないな?」

「もしかしてあの時皇帝に勝てないと言ったのは・・・・・・」

「その通りだ。だから勝てないのだ。この言葉を送ろう。偽善者が」

「偽善者だと!?」

「殺人はどんな正義をふりかざそうが悪だ。魔人族側から見れば我々が悪だからな。

何故そのことに気付かぬ? 愚か者が」

「しかし・・・・・・」

「もう次は助けぬ。理想に溺れて溺死するがいい」

ハジメはもう光輝に興味を無くした。

 

「さて、我が救援依頼を受けた理由わかるか?」

その言葉に遠藤を除く全員が首をかしげる。

「簡単だ。檜山を殺しても罪に問わぬと言われている」

「「「「「!」」」」」

全員が驚愕する。

「何を驚いている。現に我は裏切った清水を殺している」

「なっ!」

光輝が絶句する。

「今回はギルド公認よ。神たる我を殺そうとした罪は重いぞ?」

「神?」

雫が疑問を呈する。

「・・・・・・神々の王インドラの子にして創世と滅亡を司る神。それがハジメ」

ユエの回答に全員が絶句する。

「じょ、冗談だよね?」

雫が声を震わせ話す。

「・・・・・・嘘じゃない。しかもインドの全神性、世界の英雄達も取り込んだ、神に造られた神。それがハジメ」

今度こそ全員が絶句する。

もはや神の領域を越えている。

とどめにユエはこう告げた。

「・・・・・・先に言う。ここにいる全員の攻撃を与えてもダメージゼロ。勝てない」

「さて、説明はここまでだ。どのように死にたい檜山? 選ばせてやろう」

ハジメは殺意を一気にむき出しにした。

その凄まじいまでの圧迫感に、皆がわかってしまった。どうやっても勝てないと。

檜山はもはや絶望で顔面が真っ白である。人間絶望するとここまで真っ白になるのかと思わせた。

 

 「待ってくれ!」

その時一人の人物が叫んだ。

「メルド団長。貴殿の発言は許可していない。だが、特別に許そう。申せ」

「発言の機会をいただき感謝します。檜山の行いを許してもらうことは出来ないでしょうか?」

「否。我を殺そうとした罪は重い」

「そこを何とか名誉回復の機会を与えていただけませんか?」

「・・・・・・よかろう。メルド団長には恩がある。それに免じ、一時預かりとする。だが、次はないぞ?」

「はっ! 重々承知致しております」

「そういうことだ檜山よ。次はない。わかったな」

檜山はこくこくと頷く。

ハジメは『カリスマ』と『神性』をオフにする。

「ふう。このしゃべり方は疲れる」

「・・・・・・ハジメお疲れ?」

「ああ。面倒だから一階層に転移するぞ」

そうして全員を転移させた。

 

 「パパ~」

ハジメを入口でミュウが出迎えてくれた。

この時ハジメは『直感』で香織が動いたのを検知。

(来た! 落ち着け。顔面一発でKOはないはず!)

見事に香織の拳がハジメの顎を捉えた。

(よし! 耐えた。これで・・・)

この見通しが甘かった。

宙に浮いたハジメの足を掴み逆向きにする。

パイルドライバーの態勢だ。

(あ、これ死ぬ)

一瞬で判断したが遅かった。

ハジメはそのまま頭から地面に激突。

地面に突き刺さった。

千里眼で殴られるのは見たが、プロレス技までは見ていなかったのである。

ふー、と満足気な表情の香織。

他の生徒達は神をも恐れぬ行為に恐怖した。

結局こうなったかというシア。

香織のKO勝利である。

 


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