ありふれたFGOで世界最強   作:ヘルメス・トリスメギスタス

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メルジーネ海底遺跡4

ユエ達はハジメが香織に大剣を振るうのを確かに見た。

しかし、香織からは血が出なかった。

ハジメの剣は亡霊のみを昇天させたのである。

倒れそうになる香織を抱きとめるハジメ。

香織の眼が開かれる。

ハジメは香織の顔を間近で見ていた。

亡霊の残滓が残っていないかを見ていたのである。

香織の身体は自然と動き、ハジメの唇に自分のを重ねる。

驚き硬直するハジメから、そっと唇を離す香織。

「何してる」

「答えだよ」

「答え?」

「ハジメ君が言っていたことに対する答え。

独占したいとは思うよ。でもみんな家族のように大事って、

ハジメ君が言ってたからそれを尊重する。あ、でも、

ユエさんとの特別は争うから」

「・・・・・・香織がそれでいいならそれでいい」

ハジメはため息をつきながら応じる。

香織は自分より遥かに精神力が強い。

俺はそう思えないだろうとハジメは思った。

香織は取りつかれた影響か、少しふらついているので、

ハジメがおぶって一行は魔法陣へと向かった。

 

 魔法陣で転移した後、皆が周囲を警戒するが、魔法陣以外特に何もなかった。

どうやらメルジーネの隠れ家に着いたようだ。

祭壇に到着したハジメ達は、全員で魔法陣へと足を踏み入れる。

そこでいつも通り脳内を精査され、記憶を読み取られた。

そして、ここでようやく再生の魔法を見つけた。

そして、メイル・メルジーネもオスカーと同じくメッセージを残していた。

だが、それはハジメの存在――神を否定するようなものだった。

映像が終わるとメルジーネの紋章を刻んだコインが現れた。

ハジメは黙して語らない。

何かを考え込むようにただ眼を閉じていた。

シアが樹海の大迷宮の話を持ち出し話題を変えようとする。

しかし、シアやハジメが思い出したのは、兵士と化したハウリア族であった。

 

 証をしまった途端、周囲の海水がいきなり水位を上げ始めた。

ハジメは即座に蔵からストーム・ボーダーを出し、全員を乗せる。

「強制排出とは過激だな。総員戦闘態勢!。全兵器使用自由!」

「ソナーに感!。ダメです当たります!」

ソナー員の絶叫が響く。

ストーム・ボーダーは半透明の触手に激突した。

そこには先の巨大クリオネがいた。

「魚雷発射用意!。攻撃後急速浮上!」

ハジメはクルーに命令を出す。

「魚雷発射用意!。・・・魚雷発射!」

砲雷長の命令により全発射管から魚雷が発射され、巨大クリオネは爆発四散した。

「敵性体撃破!」

「急速浮上急げ!」

クルーからの報告に、浮上命令を下すハジメ。

だが、巨大クリオネの再生能力はハジメの考えを上回っていた。

「ソナーに感!。敵性体上方に展開中!。回避間に合いません!」

ストーム・ボーダーはすっぽりと巨大クリオネに飲み込まれてしまった。

「魚雷発射用意!」

「ダメですキャプテン!。船体に傷が・・・!」

「いいからやれ!。このまま溶かされるよりましだ!」

「は・・・」

またも魚雷が発射され、巨大クリオネを爆発四散させる。

「こちら機関室。軽微な浸水あり!」

しかし、ストーム・ボーダーも無傷とはいかなかった。

それでも急速浮上するストーム・ボーダー。

「浮上後飛行モードへ!」

「アイ、キャプテン!」

「え!?。これ飛べるの?」

香織が疑問を呈する。

「ああ。空中なら流石に大丈夫だろ」

そう言っている内にストーム・ボーダーは飛行を始めた。

これで一安心と思った一同は凍り付くことになる。

ストーム・ボーダーの高度は現在百メートル。

その背後から高さ五百メートル以上、幅一キロに渡る大津波が襲ってきたのだ。

「機関室!。機関全力だ!」

「こちら機関室!。さっきの衝撃でこれで全力だ!」

機関長からの回答に呻き声を上げるハジメ。

「総員対衝撃態勢!。飲み込まれるぞ!」

「――”縛煌鎖” ”聖絶”!」

「――”聖絶”」

香織が全員を繋げる光の環を作り出し、ユエと共に障壁を張る。

「ハジメさん津波の中に触手がいます!」

「わかっている!。航海長回避だ!。『熾天覆う七つの円環(ローアイアス)!』」

航海長に回避を命じ、自身はアイアスを展開する。

「全員何かに掴まれ!」

そして、ストーム・ボーダーは津波に飲み込まれた。

 

 滅茶苦茶に振り回されたストーム・ボーダー内で、ハジメ達は絶望的な光景を見た。

巨大クリオネは二十メートル以上になっており、なお大きくなっていく。

今はアイアスを始めとした障壁に守られているが、どこまで持つか分からない。

香織、シア、ティオは絶望の表情をしていた。

しかし、ハジメとユエは生き残る方法を必死に考えていた。

ハジメの生き残る意志を帯びた眼を見て、正気を取り戻す香織達。

そして、各自が生き残る為の行動を開始した。

そんな中クルーから意見具申が来た。

「キャプテン、『ブラックバレル』の使用を具申します」

ハジメの顔が険しくなる。

「却下だ。あれは対エヒト用の切り札の一つだ」

「・・・・・・ブラックバレル?」

ユエが疑問に思う。

「・・・とにかく却下だ。今、他の方策を探す」

そうしてハジメは思考の海に沈む。

アレを使うか?。いや、こちらも被害が出る。

考えろ。さっきはなぜ追わなかった?

「・・・火をあまり使っていない」

「火が弱点なの?」

香織が聞く。

「恐らくな。少し時間をくれ。強力な宝具を解放する」

「しかし、ここは海中じゃぞ?」

ティオが疑問を呈する。

「俺は海中でも活動可能だ。巨大クリオネを倒すには、絶対の一撃が必要だ」

ハジメは決断した。仮にエヒトと敵対した場合に用いる切り札の一つを使うことを。

ハジメは海中に出て、巨大クリオネと相対する。

ハジメの黄金の鎧が分かれ、槍と一体化する。

それと同時にハジメの周辺の海水が沸騰、蒸発していく。

「神々の王の慈悲を知れ。絶滅とは是、この一刺。インドラよ、刮目しろ。

焼き尽くせ、『日輪よ、死に随え(ヴァサヴィ・シャクティ)』! ・・・・・・是非もなし」

神々の王でさえ扱えきれなかった神殺しの槍から放たれたあらゆる不浄を焼く炎。

その炎は瞬く間に分離も許さず、巨大クリオネを焼き殺した。

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