「蔵の中が見たい?」
ハジメは声を上げる。
場所はミュウの家の中で、香織が言い出した。
「うん。ミュウちゃんも見たいって言ってて・・・」
「パパの蔵の中はどうなっているか見たいの!」
「それは私も見たいです」
「レミアさんまで・・・」
ハジメはため息をつく。
「わかった。ただし、勝手に触るなよ。危険な物もあるからな」
こうしてハジメの蔵の中の探訪が始まることになった。
ハジメが蔵の門を開け、次々にみんな入っていく。
そして、最後にハジメが中に入った。
蔵の中は延々と廊下が伸び、等間隔にドアが設置してあった。
「まずはここからだな。ユエとシアは見ただろう?」
「もしかしてその部屋は・・・」
「その通りだ」
ハジメがドアを開けると金銀財宝が唸りを上げるほどうず高く積まれていた。
ユエやシアは一度見たから、衝撃はましだが、他のメンツは固まった。
「ご主人様・・・これは全て本物なのか?」
ティオは震えた声で聞く。
「もちろん本物だ。最も俺の財の極々一部だがな」
ハジメの言葉に絶句するティオ達。
ハジメがこれらの黄金を見ても何の感傷も湧いていないからだ。
つまり、ハジメにとってはこれらは特に財とは見ていないのである。
「わあ、きれい」
ミュウは素直な感想を口にし、宝石を手に取る。
「あはは。綺麗だろ?。ミュウにやるよ」
「パパ、ありがとうなの」
「さて、次の部屋行こうか」
そう言うとハジメは今度は別の部屋を開けた。
そこは刀剣を集めた部屋だった。
いずれも聖剣や魔剣と呼ばれるような代物である。
ティオはほうとため息を漏らした。
これほどの刀剣が一か所に集まっているのは、凄まじいものである。
「ここは刀剣の間。まあ、これも極々一部だが」
その言葉に驚くティオ。
これだけの数ですら、極々一部だというのか。
その後次々と驚く部屋を案内された。
槍のみ集めた部屋。
魔術の道具を集めた部屋。
シャドウ・ボーダー、ストーム・ボーダーの整備工場。
とにかく質・量共に膨大であった。
この世界のどの国もこれほどの財はあるまいと思わせるものだった。
「ご主人様。この蔵はどれ位の財があるのじゃ?」
ティオがハジメに尋ねる。
「さてな。勝手に蔵が集めるからな。種類はともかく量は知らん」
「だからあの攻撃方法か・・・」
ティオはハジメが蔵から武器を射出しているのを思い出した。
「あれは悪い癖だ。その内、治さんとな」
「ちなみにだが最大何発撃てるんじゃ?」
「さてな。五千はやったことがあるが、それ以上は知らん」
ティオの顔が引き攣る。
正に武器が雨あられと降り注ぐということだ。
その時ユエがある扉を発見した。
他の扉と違い、重厚な扉だ。
「・・・・・・ハジメ。あの扉の部屋は?」
ユエの質問にハジメが一瞬固まる。
そして、返答する。
「あれは、世界を滅ぼせる兵器群をまとめた部屋だ。
少しでも操作をミスれば、世界の終わりだ」
「あはは。そんな冗談・・・」
そう言いかけたハジメの表情を見て固まる。
表情が本気だと言っているからだ。
「・・・・・・もういいだろう。外に出るぞ」
ハジメは門を開けた。
ハジメに皆が慌ててついて行く。
こうしてハジメの蔵の探訪は終わった。
この中で得をしたのは宝石を貰ったミュウであった。