ありふれたFGOで世界最強   作:妖怪1足りない

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異世界召喚1

爆発の後、ハジメが目を開けると、大聖堂の中にいるようであり、

 

自分が台座の上に立っていることに気が付いた。

 

周りを見るとクラスメート達がおり、

 

魔法陣の中にいた全員が巻き込まれたようであった。

 

台座の前には法衣のようなものを着た集団が祈りを捧げており、

 

その中から一番豪華な服をまとった老人が進み出てきて自己紹介を始めた。

 

どうやらここはトータスという場所の聖堂教会で、

 

老人の名前はイシュタル・ランゴバルドというらしい。

 

金星の赤い悪魔と名前が同じとは、

 

なんとも皮肉だなとハジメは場違いな感想を抱いた。

 

 

 

ここでは落ち着けないだろうということで、

 

ハジメ達一行は長テーブルと椅子が置かれた広場へ案内された。

 

前の席に畑山愛子先生と光輝達四人組、次にその取り巻き、

 

ハジメは最後方の席に座った。

 

この時点でハジメはスキル『天賦の見識』と『仮説推論』をオンにし、

 

情報の見落としがないようにしていた。

 

全員が席に座ったタイミングで、メイド達がカートを押しながら部屋に入ってきた。

 

クラスの男子の大半がこの状況でもメイド達に見とれている中、

 

ハジメは特に感慨を覚えなかった。

 

前世ではお偉いさんとの打ち合わせでメイドをよく見た為である。

 

逆に女子達の氷河期もかくやの冷たい視線に気づけよと、

 

他の男子達を見ていた位である。

 

全員に飲み物がいきわたるとイシュタルが話し始めた。

 

その話は前世も含めて実にクソッタレな話だと、ハジメが思うものだった

 

要約するとこのようなものだ。

 

 

 

・この世界はトータスと呼ばれている

 

・大きく分けて人間族、魔人族、亜人族の三つの種族がいる

 

・人間族は北一帯、魔人族は南一帯を支配し、

 

 亜人族は東の巨大樹海の中でひっそり生きている

 

・人間族と魔人族が何百年と戦争を続けている

 

・個の力は魔人族が、数では人間族が勝っており、戦力は拮抗

 

・魔人族が魔物を使役し始め、人間族の数の有利が崩れ危機的状況なこと

 

・エヒトという唯一神がハジメ達を召喚したこと

 

・エヒトの意思のもと魔人族を打倒し人間族を救ってほしいこと

 

 

 

この世界はまるでFGOの異聞帯だとハジメが思っていると、

 

愛子先生が突然立ち上がり猛抗議を始めた。

 

愛子先生の意見と同意見のハジメもここで初めて口を開いた。

 

「俺も愛子先生と同意見だ。異世界の戦争に参加する義務も義理もない。

 

早急に元の世界への帰還を要求する」

 

ハジメの言葉にイシュタルは申し訳なさそうに、残酷な現実を話した。

 

帰還は現状不可能だと。召喚したのはエヒトであり、その意思次第だと。

 

 

 

愛子先生はそれを聞き力が抜けたのかストンと椅子に座り、

 

クラスメート達はパニックになった。

 

その中でハジメは冷静さを保っていた。

 

スキル『天賦の見識』と『仮説推論』から帰還への方法をいくつか考えていた。

 

エヒトという神がこちらの世界に干渉できるのなら、インドラの子であり、

 

神性EXの自分なら干渉可能ではないか?

 

もしくはイシュタルが帰還方法を隠している可能性もある。

 

このトータスの情報が圧倒的に足りない。情報が必要だ。

 

ハジメが思考の海に沈んでいると、光輝がとんでもないことを言い出した。

 

戦うと。救済さえ終わればエヒトが還してくれるかもしれないと。

 

その言葉に龍太郎、雫、香織が賛成した。

 

 

 

ハジメは表情にこそ出さなかったが、心の中で馬鹿野郎と光輝を罵っていた。

 

戦争がいかに無残で残酷なものかを、前世でハジメは嫌というほど味わった。

 

ハジメから見れば、光輝が言っていることは、

 

命というチップを対価にギャンブルをするようなものだ。

 

そのほとんどが負けて野に骸をさらすことになるというのに。

 

一人の英雄が生まれるのにどれほどの命が亡くなるかを理解していない。

 

もしくは自分達が正義で魔人族が悪という正義感からかもしれない。

 

立場を変えて見れば、戦争に正義も悪もないというのに。

 

愛子先生はと視線を移すが、オロオロするばかりでどうしようもない。

 

後は五月雨式にクラスメート達が賛成に回り、結局全員が参加することになった。

 

ハジメはイシュタルを要注意人物として頭の中に記憶した。


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