ハジメは帝都から少し離れた場所で、リリアーナ達と、
パル達をストーム・ボーダーから降ろした。
そして、ハルツィナ樹海に向けて針路を取り、高速で向かった。
ハルツィナ樹海はその姿を大きく変えていた。
魔人族の襲撃を退けた後、間髪入れずに帝国が侵攻。
森を直線に焼きながら進む手段に出たのだ。
おかげで樹海はひどい状態である。
いや、ハウリア族がいたからこの程度で済んだとみるべきか。
ストーム・ボーダーを着陸させて皆を降ろす。
「さて、いくか」
ハジメは皆に指示を出し、フェアベルゲンへ向かう。
フェアベルゲンはこの焼け跡の先にあるはずだ。
途中で香織が森を再生させようとしたが、ハジメはフェアベルゲンに着いてからと止めた。
ここでやられては道が分からなくなる為である。
一行が奥へ進む度に霧が濃くなる。
そうして一時間程歩くと、シアが前方に武装集団がいると警告を出す。
リーダーらしき虎人族をよく見ると、以前面識のあるギルだった。
ギルはアルテナの姿を見て驚いた。
今回は待たされることもなく、フェアベルゲンに向かえた。
フェアベルゲンは予想通り様変わりしていた。
フェアベルゲンそのものの破壊跡がひどかった。
そうこうしているうちに、アルフレリックが現れ、孫と抱擁をかわした。
「ハジメ殿。孫娘を救われるとは思いもしなかった。心より感謝する」
「礼はハウリア族に言ってくれ。俺は連れて来ただけだ」
そう言ってハウリア族はどこにいるか尋ねるハジメ。
アルフレリック曰く、ちょうど都の外にでているという。
すぐに戻ってくるようだが。
その間アルフレリックの家に世話になることにした。
アルフレリックの家でちょうどお茶を飲み干したところで、ハウリア族の男女が飛び込んできた。
全員がハジメにビシッと敬礼をし、ハジメも答礼を返す。
見たことのない顔もいるので、他の兎人族も取り込んだのだろう。
「ここに来るまでにパルに事情は聞いた。中々活躍したそうじゃないか」
「「「「「恐縮であります、Sir!」」」」」
ハジメはハウリア族達にパルからの情報を伝えた。
「なるほど。・・・・・・必滅のバルドフェルドからの伝言は受け取りました。
わざわざありがとうございます、団長」
「えっとハジメ。団長ってどういうこと?」
雫が疑問を呈する。
「ああ。ハジメさんの前世が傭兵団の団長だったんですよ。だから団長です」
シアが言った言葉に驚くクラスメイト達。
「ということは戦争にももちろん・・・」
「参加しています」
愛子の疑問にハジメは答える。
「ハジメさんは正義の味方と呼ばれてて、有名だったんですよ」
「結局、味方の裏切りで殺されたがな」
シアの言葉にハジメが苦々しく返す。
「もういいだろ。ところでハウリア族は皆二つ名を持ってるのか?」
「はっ!。持っております。団長の二つ名はどうしましょう?」
「第六天魔王でいい。ある意味相応しい。現状動かせる兵力は?」
「総勢百二十二名になります」
「それくらいなら一度に運べるな。全員を集めろ。帝都へ運ぶ」
「了解であります!。直ちに!」
そう言うとハウリア族は出て行った。
「ハジメさん大迷宮に行くんじゃ・・・」
「そんな心配した状態で行けるわけないだろ。カム達を助けにいくぞ」
「ハジメさん・・・・・・」
ハジメはシアの髪の毛をわしゃわしゃする。
「うわわ!。何するんですか!?」
「遠慮するな。俺達の仲だろ。それとも俺達を信頼できないか?」
「いえ。皆さんの迷惑に・・・」
「ならねえよ。仲間を頼れ。俺も頼るから」
「・・・・・・お願いします。父様達を助けて下さい」
「OK。それで充分だ」
その時、ちょうど準備が整ったとの報告がハウリア族の兵から入った。
アルフレリックとアルテナに見送られながら、ストーム・ボーダーは帝都目指して飛んで行った。