双方の合図と同時にパーティー会場は真っ暗になった。
カム達の攻撃が開始され、異様な状況に会場は混乱に陥った。
大声でガハルドが喝を入れるが、異方向からの連続攻撃により、
防戦一方となった。
その間にハウリア族は次々と標的を仕留めていく。
『助けてほしいか?』
「え?」
『念話だ。ハジメだ。助けてほしいか?』
『それは・・・・・・』
『時間がない。決めろ』
『助けて・・・ほしいです』
『承知した。花嫁泥棒とはな』
そのハジメの言葉と共に、リリアーナは持ち上げられる。
そして、即座に移動した。
「神妃となるわけだが我慢してくれ」
ハジメは笑顔を見せ、リリアーナも笑顔で応じた。
一方ガハルドとハウリア族の戦いは激戦を迎えていた。
魔法が飛び、双方の剣劇が絡みあう。
そして、最終的に勝ったのはハウリア族だった。
ここにいないシアはというと、会場の外で増援を防いでいた。
ハウリア族最強の戦力を配置し、増援を阻止していたのだ。
「毒かっ!」
ガハルドは叫んだ。
「その通りだ皇帝陛下」
リリアーナを抱っこしたまま、ハジメが喋る。
「条件はなんだ?」
「減点だ」
黄金の波紋を一つ出し、ガハルドの部下を殺害する。
「てめえ!」
「減点」
さらに部下が殺害される。
「言葉と態度に気をつけろ。全員殺してもいいんだぞ?
カム。誓約の首輪をつけろ」
ハジメの言葉に応じて、カムが首輪をガハルドに着ける。
「誓約・・・だと」
「誓約の内容は四つだ。現亜人奴隷の解放、樹海への不可侵・不干渉、
亜人族の奴隷化・迫害の禁止、その法定化と法の遵守、これを誓え」
「もし断ったら?」
「我が権能をもって帝都を消滅させる。嘘だと思うなら拒否すればいい」
「そのようなこと・・・・・・」
「出来ないとでも?。王国でのことは伝わっていないか・・・ならばこれならどうだ。
ハジメの手に白い球が現れ消える。
『破壊神の手翳(パーシュパタ)』……弾けて落ちよ!!」
帝城に破壊音が伝わる。
「どこを破壊した!?」
「大したことじゃない。軍の治療院を破壊しただけだ」
「な・・・てめえ・・・」
「望むのならもっと大区画を吹き飛ばせるが・・・どうする?」
「かーっ!。わかったよ」
「それとリリアーナ姫は俺がいただく。文句は言わせん」
「わかったよ!。畜生!」
そして誓約はなされ正しく発動された。
「さて、後は帝都の民の意識改革だな」
「差別意識が今更変わるとでも?」
ガハルドの言葉にハジメは笑みを浮かべ答える。
「コイツなら可能だ」
ハジメがそう言うと天空に巨大な機体が現れた。
「知性体教導用大型端末・霊子情報戦型攻撃機。アフロディーテ・レプリカ。
オリュンポスの神々を模した物の一機だ」
ハジメはそう言うとアフロディーテ・レプリカの能力を開放する。
「ぐあ!」
ガハルドをはじめとした帝国の者達が苦しむ。
一方、ハジメ達には何ともない。
「どうなってるのハジメ!?」
雫がハジメに問いかける。
「「知性体教導用大型端末・霊子情報戦型攻撃機」の名の通り洗脳してるんだ。
今回は亜人に対しての差別を無くすように調整している」
「だから私達には何もないってこと?」
「そうだ。その気なら精神崩壊まで持っていける。それがアフロディーテ・レプリカの力だ。
レプリカだから本物より落ちるがな」
雫はこんな物を作れるハジメに呆れた。
やがて洗脳は終わり、皆が亜人に対する差別が無くなっていた。
「ハジメさんありがとうございます」
リリアーナ姫は深々とお辞儀をした。
「まあ、花嫁泥棒になったがな」
「まさか花嫁泥棒なんて鈴も驚きだよ」
「・・・・・・私は構わない。私は特別」
「これにて一件落着と」
ハジメが纏めにかかる。
「「「「「お前が言うな」」」」」
全員の叫びが一致した瞬間であった。