ありふれたFGOで世界最強   作:ヘルメス・トリスメギスタス

71 / 72
リハビリも兼ねて短め。


ハルツィナ大迷宮2

 ハジメ達はトレントと呼ばれる木の魔物と相対していた。

枝、葉、実、根全てが致死性の攻撃である。

大きさもオルクス大迷宮の比ではなかった。

それに対して戦っているのは、光輝、雫、鈴、そしてオーガに似た生物になった龍太郎である。

ここに至る道中、オーガ同士の死闘に遭遇したのだが、そのうちの一体が龍太郎であった。

逃げようとせずひたすら前に行く姿勢に、皆がコイツだと感じた。

その後、雫からめちゃくちゃ説教を受けた龍太郎。

ともかく全員が合流し、ハジメ達は探索の末、巨木にたどり着いたのだが、

その巨木が暴れ始めたのだ。

強さ的にもこの階層の主であろう巨大トレント。

今回は香織も回復要員で参加している。

 

 (これはどうしたものかな)

ハジメは悩んでいた。

光輝達はそろそろ限界が近い。

しかし、それで大迷宮に攻略と認められるかどうか・・・。

『ご主人様よ。何を悩んでおるかは大体わかるが、問題ないと思うぞ』

「どういうことだティオ?」

『恐らくじゃがハルツィナは絆を試しておるのじゃろう』

「絆か・・・なるほど」

確かにそれを試している節がある。

そう思考してハジメは決断する。

『谷口、死にたくなかったら結界を解くな。全て焼き尽くす』

ハジメは念話の返事を待たずに行動に移す。

「此処に至るはあらゆる収斂。縁を切り、定めを切り、業を切り。

我をも断たん無元の剣製――即ち。宿業からの解放なり!」

 

 強力な一振りが巨大トレントを焼き尽くす。

無論、谷口達に直撃しないように調整してだ。

結界の外が炎に染められたのを見たトラウマか、雫と鈴は眼の光を失くし、

龍太郎は冷や汗を流している。

光輝はいとも簡単にトレントを倒したハジメを見て歯がみした。

そんな時、メキメキと言う音と共に木が再生し、瞬く間に巨木となった。

そして、幹が裂けるように割れて中に空洞が出来上がる。

「なるほど。中ボス兼次への入口というわけか」

ハジメは呟き中へ向かう。それをユエ達と光輝達が追った。

全員が洞にはいると扉が閉じられ、足元から魔法陣が輝きだした。

「また転移だな……」

ハジメはユエとティオを抱き寄せた。

無駄かもしれないが、何もしないよりはましだろう。

そしてハジメの視界は一面光に塗りつぶされた。

 

 ――――――――ジリリリリリリ!

目覚ましの音にハジメは眼を覚ます。

それと同時に自室のドアが開き、制服姿のユエが姿を現す。

「ハジメ。おはよう」

「ああ、おはよう。ユエの偽物」

そう言って偽物を睨むハジメ。

「ハジメどうしたの!? 私、ユエ……」

「黙れ! 幻術を得意とする俺が、騙されると思うか!

偽物がユエの姿で、声で真似をするな!」

怒りの咆哮と共に、ハジメから強大な魔力が立ち昇る。

ハジメはエアを取り出す。

「この空間ごと壊してやる」

エアの三つの円筒が回る。

「裁きの時だ。世界を裂くは我が乖離剣! 受けよ! 『天地乖離す開闢の星(エヌマ・エリシュ)』!!」

ハジメの怒りと共に世界が切り裂かれた。

 

 背中と後頭部に当たる冷たく硬い感触と乾いた空気。

それを感じてハジメの意識は急速に浮上した。

「ああ、くそ……」

頭を振り周囲を確認する。

棺のような物が並んでいた。

ハジメはその中の一つを覗いた。

ハジメは驚いた。琥珀の塊の中にユエがいた。

死んでいるのかと思ったが、気配感知で生きていると確認し安堵する。

「早く戻ってこいユエ。無性にユエの声が聞きたい」

ハジメがそんなことを考えていると、棺が発光し、琥珀は完全に消えてしまった。

ハジメはユエが呼吸をしているのを確認し、棺から持ち上げ抱きしめる。

ユエはゆっくりと眼を開ける。

「ユエ、お帰り」

「……ん、ハジメ?」

「想像はつくが、正真正銘のハジメだ。

俺はユエが本物だと信じる」

「どうしてそう思うの?」

「魂だ。魂の深い所がそう言ってる」

「…………私も同じ」

ハジメはユエを改めて抱きしめた。

ユエも同じくハジメを抱きしめた。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。