ミラーワールド経由で騒動の中心へと向かうとそこにはドーパントと絡まれている女子高生五人組の姿を確認し俺はデッキから取り出したカードをバイザーに装填すると同時にミラーワールドから飛び出した。
召喚したドラグクローを装着し女子高生五人組を飛び越えてドーパントの前に立ち塞がるように着地。
「おい、アンタら。早く避難しろ!」
後ろに居る女子高生五人組に声をかけてドーパントと対峙する。
(まあ、コックローチ相手だけなら楽なんだけどな)
目の前のコックローチ・ドーパントを見ながらそう思っていると後ろで女子高生達が俺の声に反応したのか、声を上げた。
「あっ!仮面ライダー?!」
「本当だ!」
「え?あれが噂の?」
一体どんなウワサが流れてるんだ?と思いながらデッキから取り出したカードをバイザーに差し込む。
その音声と共に契約モンスターでドラグブラッカーの尻尾を模したドラグセイバーを手に取る。
それを見たドーパントは俺に向かって突進を開始、対して俺は距離を詰めドライバークローで腹部を殴打し怯ませた所で再びドラグセイバーを振り下ろす。
だがそれを間一髪で避けたドーパントはバックステップして距離を取る。
……俺に都合よく、な。
「受け取りやがれ!!」
ドラグクローから放たれた黒炎、『昇龍突破』がドーパントに直撃し爆発が起こる。
「よしっ」
これで倒せただろうと確信するが煙の中から出てきたのは見ただけでも重傷なコックローチ・ドーパントだった。
「マジかよ……コイツ、耐久力あるじゃねぇか……」
正直かなり面倒臭い相手だと思っていると予想だにしない事態になる。なんとコックローチ・ドーパントが女子高生達を襲おうと近づき始めたのだ。
「きゃああああ!!!」
「いやぁ!!来ないでぇ!!」
悲鳴を上げる女子高生達を見て思わず舌打ちをする。
「ちぃッ!こっちも
取り出した黒龍が描かれたカードをバイザーに通し叫ぶ。
「頼む、ブラッカー!!」
その瞬間上空に現れたドラグブラッカーがコックローチ・ドーパント目掛けて急降下し弾き飛ばす。
弾かれたコックローチ・ドーパントはそのまま上空高くに舞い上がり落下してくる。
「ナイスだ!ブラッカー!!」
そのまま地面に叩きつけられたコックローチ・ドーパントの元へ駆け出し再び起き上がろうとするコックローチ・ドーパントにトドメを刺す為のカードを使う。
「行くぜ!!」
空中に飛び上がると同時にドラグブラッカーが周囲を飛び回り旋回し始める。姿勢を整えて勢いをつけてから一気に降下しドラグテイルによる必殺の一撃『ドラゴンライダーキック』を放つ。
「ハァアアッ!!」
命中すると同時激しい爆発が起きコックローチ・ドーパントは爆散、砕けたメモリの残骸を握りしめた男の姿があった。
「ふぅ……さてと、あの子達は無事かなっと」
変身を解除してから女子生徒達の元へ向かうと五人とも怪我もなく無事なようだったので安心していると一人の女子生徒が話しかけてきた。
「あ、あの!」
「ん?」
「助けてくれてありがとうございます!」
そう言って頭を下げてくる女子生徒。
他の四人もそれに続くようにお礼の言葉を口にする。
「いえ、当然のことをしたまでだから気にしなくて良いって」
それだけ言うと俺はその場から離れようとした時、一人の少女に呼び止められた。
「待って!」
振り返るとそこには
(もしかして……)
「えーと、君は……」
名前を思い出す前にその子から自己紹介を始めた。
「私、戸山香澄です。この度は助けていただいて本当にありがとうございました!」
深々と頭を下げる戸山さん。
それに釣られる様に残りの四人も俺に向けて頭を下げた。
(間違いない、コイツかーくんだ!)
名前が完全に一致したので改めて挨拶をする。
「どういたしまして。俺は操真晴人。よろしくね」
とっさに偽名名乗って俺が手を差し出すと戸惑いながらも握ってくれたので軽く握手を交わす。
すると突然鼻で俺の匂いを嗅ぐかーくん、何故だ?!
「ちょ!?何やってるだよ、香澄!いきなり失礼だろ!!」
他の4人がかーくんを引き離してくれたので助かった。
「あはは、いきなりでビックリしたけどね。それよりなんでこんな事を?」
疑問に思ったので聞いてみたら予想外の答えが返ってきた。
「……なんでウソついたのかな、まーくん?」
……バレてるやんけ?!俺の正体が分かる要素あったっけ?……。
「なんの事ですか?……」
俺の反応を見てかーくんはニヤリとした表情を浮かべる。なお、目は笑ってない……
「誤魔化しても無駄だよ♪久しぶりだね。会いたかったよ、まーくん♪」
嬉しそうな笑顔で抱きついてくるかーくん。
「おい!やめろ!ここを何処だと思っでまずが!!」
必死に抵抗するが引き剥がせない。残り4人の視線が痛い。
「場所移動して良いか?」
なんとか絞り出した一言に全員賛成してくれた。
移動中に親父に連絡をとり特捜科に出動を要請。
そして人気の無い公園へ移動しベンチに座って一息つく。
「まさか話して直ぐに再会するとは思ってなかったよ。でもなんで分かった?最後に会ったの3年以上前だろ?」
「それは簡単だよ。まーくんからまーくんの匂いがしたからだよ!!」
「お前は警察犬かナニカか?!」
思わずツッコミを入れてしまう。
「それで、なんでまーくんここに居るの?代表地区別なら違うと思うんだけど……」
「此処、地元。俺は中学上がる前に風都に引っ越したんだよ、両親・妹達は近くに住んでるよ」
「へぇ~そうだったんだ。じゃあ今度会いに来てね!」
「おう、それくらいなら全然構わないぞ」
「やったぁ!!」
そんな感じで会話をしていると一人の女子生徒が質問してきた。
「あのぉ……お二人はどういう関係なんでしょうか?」
「ガンプラバトル関係、だな。もっとも一回限りでその後は会わなかったけど」
俺の説明に納得していないのかツインテールの少女が食い気味に詰め寄ってくる。
「でもさっき名前を呼び合ってましたよね!あれは何ですか!!」
「うおっ!顔近い!あと名前呼んだのは一回限りで仲良くなったからだな。ゴーイングマイウェイを地で行ってたからな、かーくんが!」
「むぅ……分かりました。そういう事にします、まーくんさん!あ、あと私は市ヶ谷有咲です」
そこから始まる自己紹介。
「牛込りみです」
「花園たえ」
「わ、わたひぃ……山吹沙綾です!!よろしくお願いしゃす!!」
なんか噛みまくってる子がいるなと思ったら噛んだ本人は顔を真っ赤にして俯いてる。
「大丈夫か?落ち着いて喋れば問題ぞ」
「は、はい!すみません!」
うん、これは多分無理そうだな……
「あはは、面白い子だね」
かーくんがフォローを入れると少し落ち着いたようだ。
「よし、最後は俺だな。俺の名前は真昼、氷川真昼だ……『昼兄ぃ?!』うぉ?!なんだ?」
「沙綾、どうしたんだよ?」
驚いた俺達を代表した市ヶ谷さんが山吹さんの肩に手を置く。
「ごめん、取り乱した……私だよ、さーやだよ昼兄!!」
「マジか……【やまぶきベーカリー】の、……マジで?」
なんと山吹さんは知り合いでした。
「え?二人とも知り合いだったんですか?」
俺とかーくんのやり取りを見て不思議そうな表情をする牛込さん。
「ああ、此方に住んでた時は店の常連客で俺や親父がよくパン買いに行ってたんだ」
「そうそう、昼兄はよくお父さんとウチで買ってたよね」
「そうそう。たまに店番一緒にしたりしてたな」
昔を思い出しながら談笑してるとさーやがスマホを取り出していた。
「懐かしいなぁ~、昼兄とまた会えるなんて……スマホの番号教えて」
「良いぜ、ほれ」
連絡先を交換してからかーくんが聞いてきた。
「ねぇ、私とも交換してよ」
「ん?別に良いぞ」
こうしてかーくんとの繋がりも出来た所で俺達は解散し帰宅後、竜さんにコックローチの一件を報告し眠りについた。
To be continued……