Vibes Star   作:Crina

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 この小説とフォトンの漫画とフォトンが陽葉に入ったタイミングがどうやら違うらしいですよ...そのまま話は進めますがw


2-9話 届いた音声データ

 フォトンのメンバー一人一人と遊んだ日から数日が経ち、10月に入り、そこから数日が経過した。その頃りんくと真秀とむにの3人がフォトンの楽曲応募に参加するとした時にはスピカにも参加しないかと衣舞紀から誘いが来ていた。スピカ自身も悪くないことかもしれないからとキャンサーからのデータ待ちで開けていた所での誘いだったこともあって作曲に取り掛かっていた。

「フォトンらしくて自分らしくか...大変だな」

 そう呟きながらフォトンのメンバーと一緒に食堂で作曲作業をしていた。勿論のことだが、フォトン自体陽葉学院でも認知されていることもあってその異形な光景に目を向ける他の生徒達が多かった。そんな中でもスピカはお構いなしに作曲作業を続けており、大元のところを作り終えた。

「よし、こんなところだろう。あとはエフェクトとキックを入れて行くだけなんだけど...またか」

「どうしたのスピカ?」

「DAWが落ちた」

 お決まりのDAW落ち、スピカ自体はいつものことだからと言ってまた怪文書を書いてディグッターに送った。

【1stアルバム、新たに委託しましたので買ってくださいね】

 

 そんなことをしていたら一通の音声データがスピカの元に送られてきた。差出人はキャンサーとなっており、やっとツアーアンセムの続きが作れることに安堵の息を着いた。スピカがその音声データを聴いてみると、前半に繋いでキャンサーが作ったパートが置かれており、聴いてみると上手く繋がって置いてあり、そこからキャンサーお得意のガバのパートが続いていた。

「ガバは初めて触るけど、上手い具合に調整しないと」

「仕事モードに入っちゃたね」

その姿をフォトンのメンバー4人が見ており、特に咲姫はその作業をしているスピカの作業画面に興味を示していた。だが昼時間が終わり、急いで5人は自分の教室に帰ることになった。

 

 授業が終わり、フォトンのメンバーは放課後のライブに出るからと言って別れ、作業の為に帰宅しようとしたら丁度ミサミサがいたので、今の陽葉学院のユニットランキングの話や気になっているユニットの話をしていた。

「最近ねぇ、あ、一つ気になるユニットがあるよ。【DJ mash&りんくwith VJ only】というんだけどね、フライヤーのセンスもそうだし、ライブ自体も結構良いんだよね。一回ライブを見たけど、凄く盛り上がっていたよ」

「成程ねぇ、しっかしDJ mash&りんく with VJ onlyは長くないか?」

「まあ出来てすぐらしいから仕方ないのかもね、この娘達はもしかしたらサンセットステージに出られるかもしれない逸材だと思うから目が離せれないね」

 サンセットステージ、陽葉学院では学年末辺りにユニット実力を出し合う祭典として陽葉祭という文化祭の名目の中にサンセットステージというライブが行われる。陽葉祭自体文化祭ということもあって、来日してくる学園外の人達が集まってきたり、その模様をライブ中継したりとやたらと大きなイベントとして行われている。出場できるのは陽葉学院のユニットランキングで上位8ユニットまでが出場することができ、その中でトーナメント式で勝ち上がっていくという形をとっている。スピカ自身も中等部1年の頃は目指してはいたらしいのだが、いざこざがあってか出場する気はないようだ。

「ミサミサが気になっているということなら1回ライブを見た方がよさそうだね、次のライブはいつか分かる?」

「まだ公表されていないね、そういうことなら公表され次第、連絡入れとくから待っててね」

 そう言ってスピカはミサミサと別れて家に向かった。家に着いたらすぐにスピカはそのまま自分の部屋のPCの前に座り、ノートパソコンに入れている途中までの音声データをPCに送り、そのまま作業に取り掛かった。エフェクトだけとはいえ、作り慣れていないガバを如何にして良い感じにしようか模索しながらの作曲だったので、出来たところはたったの3秒だけのところで夕飯に呼ばれたので、急いで着替えて夕飯を済ますことにした。

 

 ライブが終わって事務所でレッスンをして帰宅した衣舞紀は、いつもの通り筋トレを行ってから風呂に入り、課題を済ましてからスピカのことが気になったので、電話をかけてみることにした。案の定スピカは作曲の作業中で、慣れないジャンルの曲でのエフェクト入れで手こずっていること、同時進行で作っているフォトンの楽曲応募曲の作業で大変なことになっているらしい。スピカ自身もこの状態には慣れているらしく、同時進行ながらもしっかりと両方の曲は出来て言っている状態らしい。

「あんまり無茶はしないようにね、手伝いたいけど作曲自体やったことがないから役に立たないでごめんね」

「気にしないでよ、これも仕事、プロの腕の見せ所だし、やることは済ませるよ」

「そう、作業の邪魔にならないように電話切るね」

「ええ、また明日」

 同時進行で完璧に済ますスピカの姿を考えると不器用な自分がもしスピカと同じ状況なら同じことは絶対にできないなと思えてしまい、改めてスピカの凄さに気づいて赤面してしまっていた。気づいたら22時に時計の針が示していたので、寝る用意を済ましてベッドに横になっていた。

「最近スピカのことを考え始めているような気がするな」

そう言いながら衣舞紀はゆっくりと就寝をし始めた。肝心のスピカはというと、作業をし続けて気づけば3時になっていたので、そのまま作業したところを保存して就寝を取ることになったので、翌日のスピカの目には多少のクマが出来ていたのはここだけの話である。




 スピカの過去はどこかで書くかもね

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