Vibes Star   作:Crina

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 D4DJは楽しいですね、ゲーム性は良いし、アニメも良し、毎週金曜にあるDJTIMEなんて毎週楽しみにしてるほどですからw
ということで今回も張り切っていきましょう


1-2話 リミコン

 朝のHRが始まる前にスピカは自分の机にうつ伏せになって寝ていた。というのも、昨晩にロング化する曲のリストを出し、1曲だけロング化することに成功していたのだ。作業終了時間も4時を回っていたこともあって眠気が酷く、眠ってしまっていたのだ。作業途中のノートパソコンには新曲のボーカル曲のメロディのみが出来上がっていた。

 眠っているスピカからヘッドホンを取り上げて、作成途中の曲を聴いた一人の少女がいた。

「相変わらず綺麗なメロディを作るよなヴァルゴは、曲はいいのに大体の譜面がボスクラスの楽曲になるんだよなぁ」

そう呟いた少女はそのままスピカを叩き起こし、自分の教室に帰って行った。何事かと目を覚ましたスピカだが、寝落ちしていたことに驚き、急いで作成途中のところまでを保存し、売店でブラックコーヒーを買って目を覚ますことにした。

 

 お昼休憩になり、スピカは珍しく中庭の屋上で食事をしていた。未だに完成には届かないボーカル曲を聴いてやり直そうかこれをアルバムの他の楽曲として作ろうか悩んでいた。そんな時に校内アナウンスが鳴った。

「は~い皆さん、今回もまたリミックスコンテスト、通称リミコンの開催をするよ。今回の課題曲はこの曲だ!」

その課題曲を聴いてスピカは閃いたかのように座っていたベンチから立った。

「そうか、リミコンだ!!この曲のリミックスを作れば今作っているボーカル曲の良いヒントが出るはず、こうしてはいられない、早速作ろう」

 スピカ自体リミコンには参加することはほぼないと言っても良いだろう。というのも作っている曲の傾向が違うというのもあるが、ハードコアとかのEDM系以外でDJプレイをしたことがないのだ。そういうこともあって傾向違いでリミコンには参加することはないのだ。だが完全に参加しないというわけでもなく、DJクノイチが中等部に入学する前の1年の頃は優勝を2回経験しているほどで、中学2年になった時には完全にハードコアとかに方向が変わってしまい、参加することはその後からではばったりと参加することが無くなったのだ。

 

 その日の夜に早速リミックスの作成に取り掛かった。自分が得意としている傾向でリミックスをかけ、それでも本家の良さを消さないように作り上げ、終わった時には3時になっていた。勿論1回はDAWを落としていたのはここだけの話である。

 出来た曲を提出する前にスピカはある人に聴かせるために、朝早く家を出て学校とは逆の方に向かっていった。そこにはスピカの着ているブレザーの制服とは別で白に紺色のスカートといったよくあるセーラー服を着た金髪の娘が歩いていた。

「デネボラ、この時間だから登校途中だと思ったよ」

「スピカ、どうした?学校逆の方でしょ?」

デネボラと呼ばれた彼女、獅子島デネ(ししじまでね)は急に現れたスピカに驚きを感じていた。

「久々に楽曲のリミックスをやってみたんだけど、上手くいってるか分からないから聴いてほしいんだ」

「リミックスって、何年もやってなかったし、今はStardustで楽曲作成しているでしょ?」

「分かってるけどさ...」

スピカは何故4年ぶりとなるリミックスをしたのかの理由を全て話した。ボーカル曲を始めて作ること、その過程で停止してしまってリミコンに久々に出ることすべて...。

 

「大体は分かった。じゃあその曲を聴かせてよ、分かってると思うけど、私の判定は辛いよ?」

「分かってるからデネボラに聴かせるんだから」

 そう言ってデネボラはスピカが作ったリミックスを聴き始めた。聴いた瞬間にデネボラは体がまるで石になったかのように固まった。というのも、スピカの作った楽曲に魅入ってしまい、曲を真剣に聴いてしまっていたからだ。

「!?、スピカ、リミックスを最後に作った時より何倍も出来が良くなってる。さっき言った通り判定は辛い、でもそれを超える曲が出来ているんだからリミコンだっけ?上位、いや、優勝行けると思うよ」

「良かった、デネボラは昔からこういう曲を聴いてたから提出前に出来栄えを確かめるにはちょうど良いの」

 それもそのはずで、デネの兄はStardustのメンバーであるレオなのだ。そのレオが作った曲を多く聴かされていたこともあってデネのトランス系に関する楽曲の判定は相当辛いのだ。そのデネの判定で高評価を得ることができたこの楽曲をリミコンに提出した。

 

 数日後の昼間、スピカは別の楽曲を全て作成し終わり、中庭で売店で買ったおにぎりを食べていた。その時に放送が鳴った。

「は~いリミコンの結果を発表するよ、今回は1位と2位が相当レベルが高いから3位から発表することにするよ」

そう言ってどんどん発表されていき、ついに1位と2位の発表が行われた。

「じゃあお楽しみの1位2位の発表だ、その差はなんと1ポイント差。優勝はDJクノイチだ!!」

ダメだったのかと倒れそうなときに2位と発表された。

「いや~まさかヴァルゴが数年ぶりにリミコンに出場して今人気があるDJクノイチにガチの接戦するとは恐れ入ったよ、気になる楽曲とかはサイトをチェックしてくれ」

 結果は2位となったが、これによってボーカル曲のヒントを得ることができたのか、スピカはすぐに教室に戻ってノートパソコンを起動させて楽曲を作り始めた。勿論作成途中にDAWが落ちたのでいつものように報告文に怪文書を書いた

【くそ、せっかくやる気になったというのに落ちやがって、私のやる気を返せ!!】




リミコンって年に何回開催されているのだろうか?

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