3-1話 予選
11月中旬となり、東京某所の会場にスピカ、青薔薇、L.Eの3人に加え、衣舞紀と咲姫の2人の計5人が向かっていた。というのも、集まったこの日にはスピカと青薔薇、L.Eにとっては大事な日で、今日はこの3人がやっている音ゲーの公式大会の予選が開催される日なのだ。青薔薇はシードで予選には出ないのだが、解説役として出なければならないので、それに伴って向かっているという訳だ。
「それにしても、L.Eさんとは当たりたくないですね、得意譜面傾向同じですから」
「そうだね、予選の別れ方を見ないと分からないからね」
関東地方の本選出場枠は2つ用意されており、A,Bどちらになるか分からないのだ。
会場の中に進み、遂に予選が始まろうとしていた。よく見るメンツの他に、見かけない人も色々といたが、相当な手練れ連中が多いのは確かなようで、咲姫の共感覚では赤い色が多く見えていた。
「予選Aブロックのメンバーはこんな形です!!」
Aブロックのメンバーを見るとそこにはL.Eの名前はあったが、スピカの名前はなかったのでブロックが分かれたことに対してスピカは少し安堵の息をついた。メンバーを見るとL.Eさんなら優勝できるだろうと思えるメンバーが集まっていたので、これなら3人でファイナル出場ということができると思えた。
「予選Bグループはこんな形になっています」
続いてBグループにヴァルゴの名前が書いており、スピカはその相手を確認した。相手には早速、青薔薇と公式大会でバチバチやり合っている強敵でスピカも知っている相手であるために最初からしんどい相手だなとスピカは苦笑いが出た。
Aブロックの決勝が終わり、優勝したのはL.Eさんだった。まあわかりきっていたことだったので、そこまで驚きはしなかったのだが、スピカは逆に強敵と当たったことによるプレッシャーに押しつぶされていた。そこに衣舞紀と咲姫が駆け寄ってくれて、衣舞紀から緊張をほぐすストレッチを試しにやると落ち着いたので、そのままBグループの出場者として登壇した。相手は強敵、選曲次第では負けてしまうという中、スピカは最高難易度に位置する曲の中で最も得意としている曲を選曲し、相手からはスピカの苦手としている曲を選曲された。
前半にスピカの得意としている曲でのプレイであり、衣舞紀と咲姫が見ている中で下手な負け方はしたくないという意思の中曲に集中した。難所や特殊演出で認識がしづらい所全て綺麗に通り、結果としては前半のスピカが選曲した曲のスコアは3落ちで終わることができ、相手は30落ちと何とかリードを取ることができた。だが後半はスピカの苦手としている曲ということもあって、辛い戦いであることは間違いないのである。
そしてその後半、苦手としている配置の中で、ここは通す、捨てるを僅か1フレームというミリの中で判断し、最後まで自分が持つ力を全て使って戦った。結果としては1ミスの差でスピカはその曲を落としたが、トータルを見るとスピカが僅かながらその強敵に勝って終わった。序盤から大変な戦いにはなったものの、そこからはするすると決勝まで上がっていくことができた。
遂に決勝、スピカの相手はまさかの今年初めて見る相手だったので、情報不足過ぎてどう選曲してれば良いのかなと思った。けど、このために最も苦手だったけど、プレイしているとできるようになったあの問題児を選曲した。それを見た会場の声からは驚きの声が響き渡り、運営サイドからも意外過ぎる選曲に驚きのコメントしか言われなかった。相手からも驚いた顔をしておりながら相手から超変速的ソフラン曲を投げられ、それに対しても会場からは驚きの声でいっぱいとなった。
前半、スピカの選曲した問題児をが始まり、問題とされている配置を上から殴るという言葉が当てはまるように綺麗に通して結果として1落ちを出して圧倒的な差で前半が終わった。後半の選曲ではやはり超変速的なソフランに苦戦するものの、結果としては繋げれるところは全て繋いだこともあって優勝することができた。これでL.E、ヴァルゴ、青薔薇のホーム最強の3人が本選のファイナリストとして出場が決まった。
終わって5人で喫茶バイナルに寄り、3人のファイナリスト選出が決まった事の打ち上げを行うことになった。その中で衣舞紀と咲姫からはあの会場で感じた雰囲気に完全に魅入ってしまっていたらしく、スピカの戦いに関しては釘付けになって見ていたらしい。
「でもさ、ヴァルゴの決勝楽曲はマジで驚いたよ、あれ相当苦手じゃないのか?」
「苦手だよ。でもさ、あれをできるようになれば絶対に勝てると思ってたからここ数日しっかりと練習してたんだよ」
そうして予選の反省や2月に開催される本選に向けて高め合うことを話し合って打ち上げが終わった。帰宅中に衣舞紀と咲姫と3人で歩いて帰っている中で校内ランキングについて話が進んでいた。サンセットステージがある陽葉祭まであと2ヶ月、今のフォトンの順位は15位くらいにあり、残りを頑張れば行けるかもしれない状態にはなっていた。
「どうなることになるのかな」
次回はフォトンとハピアラとの激突の話になります。