Vibes Star   作:Crina

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 PFC出すだけに1時間とか普通にかけちゃいますw
てことで今回はDJクノイチこと犬寄しのぶがメインの話になります。


1-3話 試合で勝って勝負に負けた

 リミコンには当たり前に勝った。...けど、2位のヴァルゴの曲を聴いた時には私は負けてると思ってしまっていた。アタシにはない曲の作り方をしている...アタシのリミックスではできないやり方をやっている、どうやって作っているのか気になる。昨日のリミコンの結果からヴァルゴと接戦で勝てたから気になって聴いてみたら想像以上に出来が良すぎて驚いた。

「曲作り上手すぎでしょ、どんな感じで作っているのだろうか」

 そう思いながらアタシはメンバーとライブをするライブスタジオに向かっていた。その途中にライブのフライヤーに目が行ってしまった。そこにはヴァルゴのライブフライヤーがあった。気分転換にライブをするとかどんだけ大物なんだよ。そう思いながら向かっていた。

 

 ライブスタジオに着きライブ前に落ち着かせていた。けど今日は全然落ち着かなかった。その理由にはやはり昨日のリミコンが気がかりになっていた。

「大丈夫しのぶ?今日ソワソワしているみたいだけど」

「ごめん、昨日のリミコンがちょっとね」

今日はいつものアタシではないことを響子は分かっていた。リミコンは取れて当たり前、そう思っているわけだけど、今回だけは完全に負けたと思ってしまっている。

「珍しいよね、しのぶがこんな感じになっているなんてね」

「今のしのぶちゃんかなりラブリーだよ」

「うるさいなぁ、ほら、ライブ始まるよ」

 

 ライブが終わり、アタシは家に帰っていた。その間でもヴァルゴの作ったリミックスを聴いていた。アタシにないものが何なのか知りたいためにも...。家に着いて早速エナジードリンクを飲んでトラックメイクの作業を始めたが、ヴァルゴの曲がやはり気になっていた。気になっていたのでディグッターでヴァルゴを見つけ、曲作りをどうしているのか調べた。けど、大体は音ゲーの発言とトラックメイクのソフトの動作不能に対する報告文に書いてある怪文書ばかりだった。

「どんな回答なんだよ、これソフト作成者が見たらどう思うんだよ」

そう思いながら作曲の続きを作り始めた。

 

 翌日の昼にピキピキのメンバーと食事をせずにヴァルゴを探していた。どうしても直接会ってどんな感じで作っているのか知りたかった。けど昼時間では会うことができなかった。ヴァルゴが今日ライブすることを前日知っていたので、ライブスペースに足を運んだ。

 時間になりステージに上がったのは蒼いグラデーションをした白髪をした少女が現れた。けど他のVJ,ボーカル,パフォーマーが現れなかった。まさかの一人だけの登場でアタシは驚いた。まさか一人だけ、そんなライブはアタシは見たことがなかった。かけている曲も驚きばかりだった。ボーカル曲は全然かからないけど、リミコンで上げた曲はしっかりとやっていた。それでも驚きを隠せれないものばかりだった。とくにヴァルゴの見た目とは正反対のゴリゴリのハードコアが流れていたからだ。それだけではなく、見に来ていた人たちもインスト曲だけでも相当盛り上がっていたし、ここぞというタイミングに合わせて曲をかけていたところを見てプロレベルだなと思ってしまった。けど、ヴァルゴの存在を確実に見たので、翌日には話すようにしようと決心した。

 

 その翌日、また昼頃にヴァルゴを探した。ライブの時に制服姿だったから、リボンの色で何年なのかはすぐに分かった。紫色のリボンは2年生というのは分かっていたので、2年の教室を探っていた。クラスをチラ見しながら廊下を歩いていたらヴァルゴらしき人物が教室の机に座ってヘッドホンをしながらノートパソコンをいじっている姿を目にした。話しかけようにもこの状態だと無理だと察し、すぐに教室に戻った。

 放課後にヴァルゴが配信でDJプレイをすると発信していたのでそれを見ていた。よく見ると学校の練習スペースでやっているのが分かったので練習スペースに足を運んだ。その中で1つだけ使用している場所を見つけたので配信終了のタイミングで練習スペースのドアを開けた。そこには不思議そうに見ていたヴァルゴがいた。

「私に何か用ですか?」

ヴァルゴは急に入ってきたしのぶに声をかけた。

「ヴァルゴですよね?単刀直入だけど、アタシにトラックメイクを見せてほしいんだ」

「いいですけど、作成途中のは見せれませんよ」

そう言ってヴァルゴは承諾し、駅前にあるハンバーガーショップに足を運んだ。

 

「それで、トラックメイクを見せてほしいって言ってましたが、まず貴女は?」

「犬寄しのぶ、DJクノイチと言った方が話は早いかも」

「リミコンの...私はヴァルゴこと真珠星スピカ、Stardustという音楽レーベルのメンバーです」

その時アタシは驚いてしまった。トラックメイクの上手さはプロレベルと思っていたが、音楽ゲームへ多く楽曲提供をしており、尚且つトラックメイクのプロ集団のメンバーだということが信じれなかった。

「Stardustってあの?」

「ええ、最年少ながら他のメンバーに引けを取らない曲を作っています。それに、今も新曲を作らないといけない状態なんです」

ライブとDJプレイを気晴らしで行うなんて大物だなと思っていたけど、新曲に詰まってその気晴らしでやっていたことを知り、手助けできることがないか提案することにした。勿論、どんなトラックメイクをしているのか気になっていたからそれを見るために言った提案なのだが、

「助かります、ボーカル曲って初めて一から作るのでなかなか上手くいかないんですよね」

「ちょっと今できているところまででいいから聴かせて」

そう言ってスピカからヘッドホンを借りて作成途中の曲を聴かせてもらった。綺麗なメロディに力強いキック、途中まででもかなりレベルの高い曲になっているところを見てこれは本物だと確信してしまった。

「レベル高すぎ、こんな凄い人とやり合ってたなんて本当に試合で勝って勝負には負けた感じだな」

「そんなことはないですよ、でも、DJクノイチ直々にそう評価されるならこの路線で最後まで作ろうかしら」

そう言って作曲風景をしのぶに見せていた。しのぶもしのぶで作曲の仕方を見て自分ではやったことがないやり方を知り、自分の物へと技術を盗んでいた。

 そうこうして1時間後には残りの箇所が出来上がり、残すところはボーカルを入れるだけになっていた。

「ありがとう、これで曲の元は出来たわ。あとはボーカルを入れるだけになったわね、お礼に何かしたほうが良いかしら?」

「いいよ、作曲のやり方を見せてもらえただけでもアタシにとっては大きなお礼だよ」

「そう、私はもう帰るわ。DJクノイチ、更なる進化を期待しているよ」

「ああ、今度はアタシたちのライブを見に来てくれよ」

「時間が合えば」

そう言ってスピカは帰っていった。それに合わせてしのぶも帰宅し、早速スピカの技術を落とし込もうとパソコンの前で3時間作業をしていた。

「ヴァルゴか、隠れてファンが多い理由が分かった気がするよ」




 5回優勝って言ってたけど、何回かは優勝逃しているのかな?

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