Vibes Star   作:Crina

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 少し長かった文化祭が終わり、その後の話になります。


3-12話 その後

 陽葉祭が終わった翌日、朝からスピカは衣舞紀と一緒にランニングをしていた。ここの所スピカは衣舞紀と毎日ランニングをしているようで、朝の目覚めも良く、体力がついている感じはしていた。今日に限っては、衣舞紀もスピカに配慮して誘わずに一人でランニングをしようとしていたのだが、スピカから誘って衣舞紀のいつものルートを二人で仲良く走っていた。

 ランニングを終え、二人は公園にあるベンチに座って先ほど自販機で買った缶コーヒーを飲んでいた。

「昨日あんなことがあったっていうのに大丈夫なの?」と衣舞紀が質問すると、スピカは「問題ないよ、それに、今日は私も切り替えなければならないことがあるからね」と答えた。スピカは音ゲーの公式大会まで残り数週間しかない状態になっており、仕上げないといけない状態だった。

「公式大会までもう少しなんだよね、どう?いい感じに仕上がっているの?」

「正直言ってまだまだ。青薔薇とL.Eさんなら弱点を投げれば少し勝機があるけど(青薔薇は死角ないし)、他のファイナリストメンバー次第だと思うよ」

「そっか...」

 そういった会話が数分続き、衣舞紀は事務所の方に用事があるらしいので、一旦別れることにした。家に帰ってやっぱり疲れはまだ残っており、3時間ほど睡眠をすることにした。

 

 目が覚め、スマホの時間を見ると昼前になっていた。昼食を食べ、ゆっくりとゲーセンに向かった。ゲーセンにはやはり青薔薇が仕上げている最中だった。

「あ、葵。仕上げている最中?」

「スピカ、昨日の今日で大丈夫なの?」

「まあまだ疲れは残ってはいるけど、残りの時間が少ないし、私も仕上げないといけないから」

「そっか、なら一緒にやっていくかい?」

「そうする」

 そうして葵と一緒に夕方まで音ゲーをプレイしていた。結果としては5勝6敗12引き分けという結果で、その12回は全て理論値というとんでもない戦いに見ていた周りのギャラリーは完全に入れる状況ではなかった。

「私はこれから唯の様子を見てくるよ。あの後彩芽と本格的に付き合うことになったらしくてね」

 陽葉祭の後夜祭が終わり、それぞれの家へ帰宅していく中、唯はLeiaこと彩芽にもう一度アタックをしていたらしい。彩芽も彩芽で、結果としては唯に心を許したのか、付き合うことになったらしい。だが、今日は陽葉学園は代休だとしても、彩芽とデネがいる高校は普通に学校があるために、喫茶バイナルで依頼されているイラストを描いて彩芽を待っている状態らしいのだ。

「あともう少しで彩芽とデネの下校時間になるでしょ?部活もこの時間で終わりだし」

「そうだね、二人の時間を潰してはいけないしね...だったらL.Eさんも来るだろうし、お互いの苦手なところ克服しようよ」

「お前から死角が無くなるのは勝ち目無くなるって~」

 

 唯は喫茶バイナルで依頼されていた作品を描いていた。納品まで時間があるとはいっても、依頼が結構ある状態なので、納品までに余裕をもって作るようにしていた。今日もまた彩芽が来るまでの時間を使って作業をしていた。喫茶バイナルは自宅で作業する以上に作業が捗るので、こうして学校が休みの時は喫茶バイナルに出向くようにはしていた。夕方になり、そろそろ彩芽が下校するので、作業を中断して冷えてしまった珈琲を飲んで待っていた。そうしていると、入口のドアが開き、彩芽が現れた。デネとは途中で別れて来たらしく、デネも考慮してくれていたのだと判断した。二人でこれまでのことやこれからどうするかを話していき、次の休みには一緒に出かける予定を組んだ。

「唯は今でも絵師をしているんでしょ?どんな感じなのを描いているのか見てみたいなぁ」と彩芽が言うので、作成途中の依頼のイラストを見せた。まだ全体の2割程度しかできていないものだが、それでも彩芽はそのイラストに対して好印象を得た。それに合わせて唯はこれまでのイラストを見せた。どれも出来栄えがかなり良く、疎遠になっていた時よりも遥かにレベルが上がっていることに彩芽は完全に見入ってしまった。それ以上に、僅か4年の成長に闘志が燃えたのか、スピカから依頼されたボーカルをしっかりと仕上げようと決意を決めたらしい。

 

 スピカが家に帰り、夕飯を済まして音ゲーの精度詰めをし始めた。丁度そのタイミングで彩芽から連絡が入り、ボーカルのデモを5つほど送られていた。どれも音源にピッタリ合う物ばかりでとても一つにまとめきれない程だったので、相当頭を悩めたが、結果として一番尖っているデモを選んで彩芽に連絡を入れた。和解してすぐではあるものの、お互い難しいものを挑戦することに決まった二人だが、寧ろ二人とも楽しそうな感じを見せた。

「彩芽、しっかりとボーカルの音源頼むね」

 そうスピカは返信を返すと、そのまま音ゲーの最終仕上げに取り掛かった。結果として、最高難易度の曲を一つ理論値を出すことに成功し、そのことをディグッターに送ることにした。

【最終仕上げ、その結果がこれだ!!】




 次回で淡い恋心編は終わります。
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