曲はある程度完成した。この前息抜きでライブ配信をした後に後輩が入ってきていきなりトラックメイクを見せてくれと言われたときは何なのかと思ったけど、あれが陽葉で有名なDJクノイチで、見せてほしいと言われて作り途中のを見せていいものかと思ったけど、しのぶちゃんがいなかったら曲は完成しなかったのかもしれない。ボーカル曲を何曲も作っているDJクノイチから教えてもらえなかったらできなかった曲...今はそう思っている。
インストだけが作り終わったスピカは翌日の放課後にStardustの事務所に向かった。そのにはキャンサーがいた。スピカはキャンサーに作ったボーカル曲のインストを聴かせた。
「悪くないよ、というかヴァルゴの得意分野で殴った感じがするね、悪くないよ」
「ありがとうございます。これであとはボーカルだけなんですけど、候補が誰もいないんですよね」
キャンサーに今の問題であるボーカルとして歌う人がいないことを告げた。折角できた曲で、告知でボーカル曲を出すと言っているだけあって相当悩んでいた。陽葉の生徒で仲が良く歌い手として活動している人物がいないためにどうしようか考えていたのだが、そうそううまく現れることもなかった。
「俺の曲でボーカルはあるけど、男性ボーカルだし、ヴァルゴのこの曲は女性ボーカルが合うんだよね」
それはスピカも分かっていた。よく他のメンバーが女性ボーカルで起用していることが多い【はち】の声と合わないために他を探っていた。
「ヴァルゴって音ゲー上手いし、よくやっている音ゲーでボーカルとして起用されている人にコンタクトを取ってみたら?」
キャンサーから助言を貰った瞬間にスピカは何か閃いたような感じで頭を上げた。
「私がよくやっている音ゲーで....あっ!?」
「それは思いついた感じだね、良いアルバムになっていることを祈ってるよ」
「ありがとうございます」
スピカは事務所から出た瞬間にボーカル候補の女性に電話をかけた。それならと駅前にあるカフェで待ち合わせようと言われ、すぐに駅前のカフェに向かった。
カフェに着いたスピカはそのボーカル候補が来るまでゆっくりと待っていた。だがその時に入ってきた客にテンションが上がってしまっていた。
「え、え、えええええええ!!!葵依さんがここに!!!!」
現れた中世的な顔立ちをした女性は三宅葵依、後の燐舞曲のDJであり(時系列にすると燐舞曲のユニットストーリーの前)、ALTER-EGOの専属DJとして活動している陽葉卒の大先輩だった。スピカは葵依のファンであり憧れている存在だった。
「おや久しぶりだねスピカちゃん、最近の活動は見させてもらっているよ、1stアルバム出すんだってね」
「はい、今からその中のボーカル曲を歌う候補の方とそのことについて話す予定にしています」
「そうなんだ、曲作りとDJの成長を楽しみにしているよ」
嬉しすぎたスピカは葵依と話している時でもテンションが上がっていた。それもそのはず、葵依のトラックメイクのレベルの高さ、DJの上手さはトップレベルで、葵依が陽葉在学中に生でその姿を見て魅入っていたのだ。
そわそわしながらスピカは10分待っていた。そこに銀髪の女性が現れた。
「ヴァルゴさんですよね、初めましてSenpanです」
「初めましてヴァルゴです。急に呼び出してごめんなさい」
「構いませんよ、本題のボーカルですが、まずは曲を聴かせてください。そこからやるかやらないか判断します」
彼女は【Senpan】という名義で歌い手として活動している存在で、スピカがやっている音ゲーでも他の人がボーカルとして起用をすることがあるほどの実力者だった。作成が終わっているボーカル曲のインストをSenpanに聴かせ、その曲次第で判断するということらしい
曲を聴き終わったSenpanは率直な感想をスピカに言った。
「凄い幻想的な曲調、この曲ならやっても問題はなさそうですね。歌詞も私がやってもいいですか?これなら私も挑戦したいことができます」
評価はかなり高かった。歌詞も全てやるということで承諾し、二人は帰宅した。それから1週間後にsenpanからボイスメッセージが届いた。
届いたボーカルを聴いた瞬間にスピカは驚いた。自分が作った曲に相当マッチした歌唱とインスト以上に壮大となった曲になっていたからだ。
「凄い、プロだ。このボーカルを今の曲に組み込んでみると...」
そうしてボーカルを組み込むと、スピカが思っていた以上に完成度が高く、表題曲として最高の出来になった。もう締め切りも近く、夏休み前日ということもあって最後の一仕事としてすべての楽曲を良い感じにトラックリストを並べてデータを保存した。
翌日からは夏休みということもあって昼から事務所に出向き、音源をCD化する最後の作業に取り掛かった。CD化の作業が終わり、スピカはSenpanと駅前のカフェに待ち合わせをしており、急いで向かった。カフェにはブラックコーヒーを飲んで待っていたSenpanがいた。
「ヴァルゴちゃん待っていたよ、早速私の買い物に付き合ってよ」
「分かりました。ボーカルをしてもらったお礼ですから」
そう言ってSenpanと買い物に向かった。そこで服とか色々と買うことになったが、スピカとしては久々に充実した一日を過ごして家に帰った。
帰って夕飯を済ました後にスピカは縦画面にしているパソコンモニターの方でゲーセンにある音ゲーの家庭版をプレイし、その後に趣味で作っている曲の続きを作り始めた...のだが、毎回のようにDAW落ちを起こしたのでまたしても怪文書を書くことにした。
【またですか、新調したmidiで落ちるとかどういうこと?】
最近の近況としてはDESIREをデイリーでGFC出すことをしています。