魔法少年ケンタ☆マグス アナザーストーリー 作:unknown505
「呼び水となりて綻び」事件から3ヶ月後の某日…
悠太・通「…………」
神浜市のとある喫茶店の座席で悠太と通はお互いを睨みつけ、凄まじいくらいのどす黒いオーラが二人を包み込んでいた。
やちよ「通君…いつまでも悠太君を睨んでたって解決策出ないわよ…。」
十七夜「そうだぞ、悠太も解決策が出されないからって藤村を睨みつけるな。」
悠太「……こっちは構成員が怪我人を負っているんだ。そんな簡単な案で納得なぞ出来ん話だ。」
通「俺もや、参京区は俺らのテリトリーやのに何で西側のエリアに堂々と入り込んで怪我しとんねん、自業自得やろが。」
二人が睨んでいた理由は、西側区域の参京区にてグリーフシードを巡った暴行事件が発生したからである。
事の発端は数日前に西側魔法少年が東側魔法少年を追い出す為、東側魔法少年は魔女を追う過程で参京区に入り込んでしまい、気づいた時には殴られていたといった内容だ。
やちよ「魔法少年関連の問題には必ず参京区か栄区がでてくるわね…。」
十七夜「はぁ…次から次に…。」
悠太「境界線を張ってからもちょくちょく小競り合いが起きては俺達が出張るハメになる…。少しはそっちの教育をしっかりしてもらいたいんだがな。」
通「お前らの方こそしっかり教育したらどうや?ちゃんとここが境界線やゆうこと構成員に叩き込ませとけばこんなアホみたいな事ならんかったんとちゃうんかい!」
みふゆ「また今日も平行線なのでしょうか……。」
十七夜「如何せん魔法少年は悠太が率いている以上自分は深く口出しは出来んからな…。」
悠太と通の押し問答が続いていると喫茶店に二人の少女が入ってくる。
みふゆ「あら、ひなのさん。」
ひなの「邪魔するぞ、またあの二人か。」
やちよ「ええ、あらそちらは…」
ひなの「ああ紹介する、コイツはあたしの後輩の…」
優花「有山優花です!神浜市で仲介人として活動してます!」
入ってきた二人の少女は「都ひなの」「有山優花」二人ともに中央区出身の魔法少女であり、ひなのと優花は先輩と後輩という関係である。
優花「ひなの先輩、あの人らの仲介人になればいいの?」
ひなの「ああ、頼めるか?」
優花「任せて先輩、私が解決策を出してあげるわ!」
そう言って優花は悠太と通の元に向かう。やちよとみふゆと十七夜はひなのに優花の事を聞く。
みふゆ「ひなのさんあの子は…?」
ひなの「あたしの自慢の後輩さ、あいつは3ヶ月前の事件で悲惨な場面にあってな、自分から仲介人をやるって言ったんだよ。」
やちよ「そうだったのね、それにしてもあの子、随分張り切ってたわね。仲介人として活動してるのは結構長いの?」
ひなの「ああ、優花が絡んだ小競り合いは結構解決してるな。何せあいつの夢は「弁護士」になることだからな。」
十七夜「むっ、そうなのか。」
やちよ達が話している一方、優花は悠太と通の席に座る。二人は口論となって気づいていなかったが突然座った事で驚いた。
通「っ!?誰やお前!?」
悠太「何者だ…部外者は引っ込んでろ。」
優花「あんた達ねぇ…会って開幕発する言葉がそれ?もうちょいデリカシー持ったら?」
通「あぁっ!?」
悠太「お前なぞ眼中に無い、引っ込んでろ…!」
優花「……はぁ…。」
既に二人は頭に血が登っておりヒートアップ状態となっていたがそんなことは関係ないと言わんばかりに優花は二人の頭の後ろを掴み、顔面をぶつけ合わせる。
優花「ふんっ!」ドゴッ!
通「いっっでぇぇぇぇぇっ!!?」
悠太「ぐぉぉぉぉぉぉ……!!」
優花「これでちょっとは目が覚めたでしょ?」
通「なっ…何さらすんじゃワレぇ!!」
悠太「貴様…いくらなんでもやっていいことと悪い事があるぞ…!いきなり人様の頭掴んでぶつけ合わせるとは…!」
優花「あんた達が話を聞かないからそうするしかないでしょうが!!」
通・悠太「ぅぐっ……」
3人「「「あの二人が言い返せないとは(なんて)……」」」
優花のゴリ押し戦法でヒートアップ状態から少し正気に戻った通と悠太は優花に噛みつくがあっさり論破されてしまい、やちよとみふゆ、十七夜は優花の見かけ寄らずの強さに驚いた。
優花「あんた達ヒートアップしてる時全く関係ない話でマウント取ろうとしてたからこれは止めないといけないなって思ったのよ。本題は参京区と栄区の問題なんでしょ?」
通「せや…あんたに止められるまで気ぃ付かんかったわ……。」
悠太「あんた、名前は?」
優花「有山優花よ、ひなの先輩の後輩でこの辺りでは仲介人として活動してるわ。」
通・悠太「「仲介人……」」
優花「えぇ、まずは順に追って説明をお願いしてもいい?」
通「分かった。」
そう言って通は冷静になって今回の発端を話す。しっかりと話を聞いて打開策を考えていた。
優花「……なるほどね、一通り話は聞いたけど私からみて今回のはお互いが悪いと思うけど。」
悠太「…その理由は?」
優花「まず、悠太さんはその魔女を追いかけていた魔法少年の子にはそうなる前に説明していたの?」
悠太「一応全員には説明はしていたがな…。」
優花「…一応その境界線を記した地図を見たいんだけど…」
通「おぅ、俺が持ってるわ。」
そう言って通はその地図を開ける。すると悠太はあることに気づいた。
悠太「んっ?藤村、何故境界線が斜めなんだ?」
通「そらぁ境界線やからやろ。……んっ?違うんか?」
悠太は自分のスマホから境界線の地図を開く。悠太が見せた地図にある境界線は真っ直ぐとなっていた。
優花「やっぱりね…二人共境界線の引き方が違うから構成員の子も勘違いするわよ。」
悠太「通…境界線の決める説明会でお前には実物付きでしっかりと境界線を見せたはずだぞ。」
通「はっ!?なんでや…俺も最初は真っ直ぐにしとったはずや…!」
優花「…よく見たらなんか消して上書きした痕跡があるわね。多分だけど通さんの警備隊の中に東側とぶつかるよう仕向けた人がいる可能性があるわ。」
通「…確かに俺の警備隊に入ってる奴の一部は極端に東を毛嫌いしとるやつはおるわ…。もしかしたらそいつらの仕業かもしれへんな…。」
悠太「まぁ俺の組織にも西側に対して過剰な敵対心を持ってるやつはいる…。境界線の相違から今まで小競り合いが続いてた訳か。」
通「怪我人は出てしもたけど死人が出とらんくて良かったわ…あのままやったらまた大規模な抗争になってたかもしれへんしな…。」
優花「ほんとね、まぁ今回は二人共痛み分けって事で良い?」
悠太「ああ、そうだな。」
通「誰がやりおったんかは知らんが説教じゃ済まされんわこれは…。」
優花「それで、私から一つ提案があるんだけど…」
通「ん?」
悠太「なんだ?」
優花「参京区と栄区を「非戦闘区域」にしたらどうかな?」
通「非戦闘区域?」
優花「二人の組織にも恐らく偏見だけでお互いを毛嫌いしてる人がいると思うから参京と栄を非戦闘区域にして東西の交流場所になれば良いと思うの、もちろんそれにはやちよさん達やそこをテリトリーにしてる人の許可はいるけど。」
悠太「なるほど…東西の交流場か…俺は賛成だが…。」
通「俺も賛成やけどな…俺らだけで勝手に話を進めるわけにはいかんしな…」
やちよ「なら、アンケートを取りましょう。」
通「アンケート?」
やちよ「ええ、そのほうがそこをテリトリーにしている人達にも納得してもらえると思うわ。」
悠太「確かに…なら俺も手伝おう。」
優花「私も手伝います!」
そう言って話し合いを終えた悠太達はアンケートをするために神浜市のあちこちを回りはじめた。