魔法少年ケンタ☆マグス アナザーストーリー   作:unknown505

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第10話

健太「さて・・・和解ったってどうすりゃ良いんだろうか・・・。」

 

健太が和解宣言を言った翌日、本部の外にある椅子に座って考えていた。

 

というのも健太は分家の族長だった泰之からの提案で族長を承諾したが、まだ襲名式を行っていないためまた争いが起きるのではないかと不安に駆られていた。

 

健太「また争いが起きちまうとせっかく一族が安泰してもまた多くの犠牲者が出てしまう・・・。」

 

そして健太がもう一つ不安となっているのは高坂一族の反対で新しい族長が大宮のような人物が襲名してしまう可能性も危惧していた。

 

健太「はぁ・・・一族の族長襲名を承諾したものの始まりがきついなぁ・・・。」

 

現在の高坂一族は健太や龍二と共にクーデタ一を起こして大宮を逮捕し分家が政権を奪取した事で実質的に分家が一族を仕切っている。

そして警察による本部内の監査が入った事で大宮の息のかかった者達は次々に逮捕されていき、本家の高坂一族の人間はごく少数となっている。

 

源次郎「よぉ、健太。」

 

健太「あっ、源次郎さん。」

 

源次郎「どうした、何か悩み事か?」

 

健太「実は・・・」

 

健太は今抱えている悩みを源次郎に話す。それを聞いた源次郎はしばらく考える。

 

源次郎「・・・確かになぁ、健太の気持ちも分かる。」

 

健太「そうっすよね・・・」

 

源次郎「ハッキリ言っちまうと俺達分家も本家ほどではないが一枚岩じゃあない。賛成する者もいれば反対する者いるしな。」

 

健太「・・・・・」

 

源次郎「まぁそこは結果に任せるしかねぇ、反対する奴らが過半数になっちまったら俺でもどうすることもできないしなぁ。」

 

健太「・・・・・・」

 

泰之「源次郎、健太。」

 

源次郎「んぁ、泰之か。どうした?」

 

泰之「今からちょっとした会議がある。二人に是非出席してもらいたい。」

 

源次郎「了解。」

 

健太「えっ?会議?」

 

泰之「ああ、健太を新しい族長にするかどうかの会議だ。」

 

健太「っ!?まじかよ・・・」

 

源次郎「なら丁度良いじゃねぇか、会議はどういうもんか見とくのもひとつの勉強だぜ。」

 

健太「気乗りしねぇなぁ・・・」

 

そう言って健太は二人についていく。本部内に入り大広間の扉を開くとそこにはいかにも堅物そうな者たちが対面で座っていた。

 

健太「(うわぁ、なぜかは分からないが凄まじいオーラを感じる・・・)」

 

座っている堅物そうな者たちは分家の古参の者たち5人、一方では本家の古参5人であり、健太の姿を見るや睨みつける者や興味があるような見方をする者もいた。そしてそれを無視して、上座の真ん中に泰之、左に源次郎、右に健太が座る。

 

泰之「・・・んん、本家の方々、そして分家の方々お集まり頂き感謝する。事前に通達の紙に書いていた通りだが、これより高坂一族における襲名会議を行う。」

 

源次郎「本家の方々も知っての通りだが高坂一族はこれまで代々に渡る言葉では言い切れない程の悪行を繰り返してきた。もっとも、ここにいる本家の方々は前族長だった大宮正嗣の息はかかっていないため信用はしているが。」

 

泰之「本来であれば俺は高坂一族分家の長を退き、後任となっている源次郎を継承するのが妥当だが、今回の会議の議題は・・・」

 

そう言って座っていた全員が健太の方に向いた。

 

健太「・・・ちょ、何をそんなに見てるんすか・・・?」

 

泰之「高坂一族の若き青年、そして高坂影信の息子である「高坂健太」を新たな一族の族長に任命すべきかどうかだ。」

 

源次郎「会議のルールとして皆さんは分かってると思うが意見がある者は挙手してくれ。」

 

泰之「なら早速、誰か意見はあるか?」

 

会議はいよいよ始まり、泰之は問いかける。すると分家サイドから一人の男性が挙手した。

 

「では、私からいかせて頂きます。」

 

泰之「勅使河原か、どうぞ。」

 

勅使河原と呼ばれた男性は泰之の返答で立ち上がり、意見を述べる。

 

勅使河原「結論から申し上げますと、私は「反対」の意見です。」

 

源次郎「いきなり辛口だなぁ・・・」

 

泰之「源次郎は黙っていろ、で、反対の理由は?」

 

勅使河原「私として、何故反対なのか・・・それは彼自身まだ若すぎるが故にまだ一族を引っ張る事は難しいのではないかという事です。失礼ですが、健太さんのご年齢は?」

 

健太「えっ?・・・今年で16っす。」

 

勅使河原「16ですか・・・健太さんはこれまでの一族の族長襲名に関して最少年齢で襲名した年齢はいくつか分かりますか?」

 

健太「・・・20歳っすかね?」

 

勅使河原「いいえ、高坂一族族長襲名の年齢は最少でも30は越えています。ですので、彼h「ちょっと待ちな勅使河原さん!」ん?」

 

すると勅使河原の話に割って入った本家サイドの男性が声を上げる。

 

「あんたさぁ、反対の意見出した割には歳とかで決めつけてるじゃん。それじゃあ意味ないぜ?」

 

勅使河原「それでしたら彼が一族を引っ張れるという根拠はお持ちなのですか?」

 

「ああ!健太、俺は「三島」ってんだ!俺はあんたが族長になるのは「賛成」だぜ!!」

 

泰之「三島は何故賛成なんだ?」

 

三島「俺は先日の事件を知っていてな、あんたが魔法少年少女達を率先してる姿を見たんだ!あんたなら一族を良くしてくれるって信じてるぜ!!」

 

健太「あ、ありがとう・・・。」

 

「三島、健太君に重圧かけちゃだめじゃない。彼困ってるわよ?」

 

三島「重圧かけてるわけじゃねぇよ八重島さん。俺は現に見たんだからな!」

 

八重島「はいはい分かったわ、ごめんね健太君、彼貴方に憧れてるのよ。」

 

健太「あ、いえ全然・・・」

 

源次郎「やえちゃんは反対か賛成かどっちだ?」

 

八重島「そうね・・・私は、真ん中の中立にいさせて貰うわ。」

 

泰之「相変わらずお前は曖昧だな、中立を決め込む事に咎めはしないが理由は?」

 

八重島「今のところ彼の実力が分からないの、だからもし彼が一族に何かあった場合、率先出来れば私は賛成につくわ。」

 

泰之「なるほどな、まだ他に意見ある者はいるか?」

 

泰之の返答で会議は賛成派と反対派で議論が続き、やがて議論は徐々に落ち着いていく。

 

源次郎「ようやく答えが出そうだな。」

 

健太「正直・・・俺みたいな半端者が一族を引っ張れるかどうか・・・」

 

源次郎「大丈夫だ健太、お前はもう一人前の人間だし大丈夫大丈夫!」

 

健太「大丈夫・・・なんすかねぇ・・・」

 

泰之「皆纏まったようだな、では議論で出た書類を参考に決めさせてもらう。」

 

泰之はメガネをかけ、書類を1枚1枚めくってペンで何かを書いたりしていた。

そしてペンをおいてメガネを外す。

 

泰之「これまでの議論で出た議論を元に俺も考えたが・・・」

 

そう言って泰之は健太を見て立ち上がり、健太に手を差し出す。

 

泰之「やはり俺も、健太が導くに相応しい。」

 

健太「えっ・・・ええええっ!?」

 

源次郎「どれどれ・・・おっ!賛成の意見が大多数を占めてるな、反対派だった奴らの意見も変わって賛成になったやつもあるじゃん。」

 

健太「えっマジっすか!?なんで!?」

 

勅使河原「私は先の意見をもう一度振り返ると、確かに年齢だけで決めつけるのは良くないと思いましてね、それに結果なんてやってみないと分からないというのが私の中での答えでした。だから私は健太さんを信じますよ。」

 

三島「勅使河原もこう言ってるし皆お前を信じてるぜ健太!」

 

八重島「私はまだ中立だけど、貴方の今後の活躍に期待しているわ。」

 

健太「皆・・・」

 

泰之「これが皆の答えだ。皆お前の活躍に惹かれたんだろうな。一族の長、引き受けてくれるか?」

 

健太「・・・・・・分かりました!」

 

泰之「ありがとう健太、だが勅使河原の言う通り、年齢の事も考えればまだ難しい点もある。そこで源次郎、お前は健太のアシストに回れ。お前も古参の者として健太に色々教えてやってくれ。」

 

源次郎「オッケーだ泰之!健太、アシストは俺に任せな。分家なりのいろはを教えてやるぜ!」

 

健太「ああ!よろしく頼むぜ皆!泰之はこれで引退なんすか・・・寂しくなりますね・・・。」

 

泰之「ああ、だが俺の最後の仕事としてお前を襲名式で立派に仕立て上げることだ。後任であるお前の勇姿を見届けた後、健太と源次郎に任せて俺は隠居生活を送るさ。」

 

源次郎「泰之お前子供好きだから引退しても保育園に遊びに来るだろ?」

 

泰之「仕事が無くなればそこに遊びに行かせてもらうさ。」

 

源次郎「茶菓子は用意しておくさ。」

 

泰之「ふっ、そうしてくれ。八重島、健太の仕立てを頼みたいんだが引き受けてくれるか?」

 

八重島「ええ任せて、健太君に似合う最高の服を着せてあげるわ。」

 

こうして一族の襲名会議は幕を降ろし、後日健太は襲名式にて「第百代高坂一族族長」を襲名した。

源次郎も分家副族長から「本家高坂一族副族長」となり、分家は正式に本家と併合し、一族は再びひとつの組織となった。

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