東方妖拳士   作:アンサイル

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ようやく東方キャラを登場させました
時系列とか色々めちゃくちゃになってしまっているかもしれません……


鬼との戦い

妖怪の山の眠姫。

そいつは、この山で知らぬ者はいない伝説の妖怪だ。

 

妖怪の山の頂上で、少なくとも数千年以上、立ったまま眠り続けている妖怪。

 

彼女がいつからそこに居て、いつから眠っているのかは誰にも分からない。

 

身長は160cm程度で、服装は特に特徴がない紫色の着物。

 

これだけ聞くと、どこにでもいるただの妖怪だと思うかもしれないが、この妖怪は神に匹敵する強大な力を持っていた。

 

それが妖力なのか、腕力なのかは誰にも分からなかったが、ただ1つ絶対に言えることがある。

 

彼女は強い。

 

妖怪たちは彼女に恐怖していた。

それと同時に、惚れていた。

 

眠っていて害は無いはずなのに、体から発せられる気は、妖怪たちを怯えさせ、そして憧れの念を抱かせる。

 

彼女を強者たらしめているのは知恵でも、人脈でもない。純粋な力。

それはどの妖怪、いや人間が見ても明らかだろう。

 

そして今、眠姫は長い睡りから目覚め、再び現世へと戻ってきた。

新たなる刺激を求めるために……

 

 

 

 

──妖怪の山の頂上で、2人の女が対峙していた。

お互いどのような生を送ってきたのかはわからないが、2人に共通している点がある。

それは圧倒的な強さだ。

 

妖怪の中でも上位に君臨する種族、鬼。

その1人である伊吹萃香。

1万年以上前から、自分より巨大な生物を打ち倒してきた最強の妖怪、夜兆錬巳。

 

どちらも自身の腕力に絶対的な信頼を寄せている妖怪だ。

 

しばらく無言で向かい合っていた2人だったが、萃香が先に仕掛けた。

目にも止まらぬスピードで、その小さな肉体を活かし、錬巳の懐に入った。

 

そして、鳩尾に拳を放った。

錬巳はそれを防御を一切せずに受けてしまった。

 

「ッッッ!?」

 

錬巳は地面に倒れ込んだ。

この世界に生まれて初めて、彼女はダメージを負った。

 

外傷こそ無いものの、あまりの痛みで体が動かない。

今まで彼女はどんなに大きい生物の一撃を喰らっても、ダメージを負うことは無かった。

その油断が彼女に苦痛を与えることになった。

 

萃香は攻撃をやめることなく、倒れている錬巳に向かって蹴りを放ち、拳を振るい続けた。

普通の妖怪ならば、オーバーキルもいいところだ。

 

だが、錬巳はその程度ではやられない。

殴られ続けて、血だらけになっているが、彼女の闘争心は消えない。

錬巳は一瞬の隙を見切り、萃香の拳を受け止めた。

 

「なっ!?」

 

「捉えた……!」

 

すかさず、錬巳が萃香の顔面に向かって、拳を振ったが、その一撃が萃香に当たることは無かった。

なぜなら萃香がその場から一瞬で消え、錬巳の拳は空を切った。

 

「……は?」

 

(いくら奴が怪力自慢だろうと、私から逃れることはできないはず……一体何が!?)

 

萃香は再び、錬巳の目の前に現れた。

 

「『密と疎を操る程度の能力』。私はこの能力を使って、霧になった。たしかに力なら私よりお前の方が上だが、私に攻撃を当てることはできない」

 

「……とんでもなく理不尽な能力ね。ズルすぎるわ」

 

とは言ってるものの、錬巳は嬉しそうな様子だ。

かつて転生する前は戦闘狂でも何でもなかった普通の人間だったが、今は戦いに身を置くことに1番の喜びを感じている。

1万年以上の歳月は、彼女の性格を大きく変えてしまった。

 

「どうする、まだやるかい?」

 

「当たり前じゃない。拳が当たらないのなら、霧ごと消し去ってあげる」

 

錬巳はそう言い、両手に気を高めた。

生前好きだった漫画の1つ、北斗の拳。

彼女はその漫画にある1つの技をやろうとしていた。

普通の人間は絶対にできない技だが、今の彼女は妖怪。それをやる実力と技術はあった。

 

「『天将奔烈(てんしょうほんれつ)』!」

 

錬巳は両手から、圧縮した気を放った。

萃香は霧にならず、それを真正面から受けた。

 

「うおおおお!?」

 

その気は萃香を山の頂上から追い出し、地上まで吹き飛ばした。

 

「チッ、霧になっていれば、今倒せていたのに……」

 

錬巳は山から降りて、地上へと向かおうとした。

だが──

 

「待ちなさい。眠姫」

 

「ん?」

 

いつのまにか、頂上にもう1人妖怪がいた。

金髪で、大きなリボンが付いてる帽子を被った、女にしては背が高い妖怪。

 

「私の名は八雲紫。あなたと同じ妖怪よ。少しお話をしてもいいかしら?」

 

錬巳は出会ったばかりのこの妖怪を、最大限に警戒していた。

何を考えているのかわからない存在が、1番厄介だからだ。

 

(八雲紫は信用できない。でもここが幻想郷である以上、紫の話は聞いた方がいいわね。もう原作知識も全然ないし)

 

錬巳は先程の戦いでここが、生前自分が好きだったゲーム、東方Projectの幻想郷であることを知った。

1万年以上の時を生きているため、東方に関する記憶の大半を忘れてしまっていたので、彼女は大人しく話を聞くことにした。

 

「ええ。私もここについて色々知りたい。楽しいお話と行きましょうか」

 

「フフ、話が早くて助かるわ。じゃあまずは……」

 

錬巳は紫から幻想郷に関する大半のことを聞いた。

そして彼女は、今の年代が大体、西暦1500年だということを知った。

 

「……私、何千年寝てたのかしら」

 

「私も長い期間、睡眠を取っているけど……あなたほどじゃないわね。さて、あなたはこれからどうするの?もうすぐしたら萃香が戻ってくると思うけど、また戦う?私は止めはしないわ」

 

「うーん……萃香に伝えておきなさい。『500年後またやりましょう』って」

 

「あ、また寝るのね。500年後に起こしてあげるわ」

 

錬巳は再び睡眠の体勢になった。

まあ突っ立っているだけだが。

 

(今から500年間寝れば、私の知っているキャラたちがいる世界になっているはず。500年後が楽しみね)

 

「あ、それと紫」

 

「何かしら」

 

「もし大変なことになったら私の所へ来なさい。眠り続けてから1000年の間は眠りが浅いから、すぐに起きてあげるわ」

 

「あなた、結構優しいのね。いつでも頼りにさせてもらうわよ。眠姫……もう寝たか」

 

錬巳は立ったまま目を瞑り、眠りについた。

500年後の未来を目指して……




ごめんなさい、タイトルつけ忘れていました
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