妹に誇れる兄になるために   作:とみー@山口全力応援

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「アイドルとの高校生活」第23話を書いてたらなんか思いついたので書いてみます。
ちなみに本作においては、前回のおさらいは書くのをやめます。なぜかというとただ書くのがめんどくさいからですw

それはさておき本編どうぞ。


第1話「千聖に言われたこと」

〜幼少期〜

 

凌太「千聖、俺はJリーガーになってみせるよ」

千聖「お兄ちゃん、約束だよ?」

凌太「もちろんだよ。千聖が応援してくれるんだよ。絶対なってやるよ!」

千聖「うん!じゃあ、指切りしよっ!」

「「ゆーびきーりげんまん嘘ついたら針千本飲ーます、指切った!」」

千聖「これでお兄ちゃんは絶対プロサッカー選手になるんだよ?」

凌太「うん。もしサッカー選手になったら次は千聖に誇れる選手になってみせるよ!」

千聖「絶対だよ!!私、応援してるから!」

凌太「ありがとう!!千聖は最高の妹だよ!!」

 

ーーーーーーーーーー

 

俺はあの頃のことを思い出し、ふけっていた。

 

あ、読者のみんな。自己紹介がまだだったね。

俺の名前は白鷺凌太(しらさぎりょうた)って言うんだ。今は東京の大学に通っている普通の大学生だよ。以後お見知り置きを。

趣味と特技はサッカーで、ポジションはMFだ。俺の将来の夢は、「Jリーガーになる」ことさ。これは幼い頃からずっと思っていることで、特に妹には「幼き頃の約束」として守ってきているんだ。

え?俺の妹が誰かって?

それはアイドルバンド「Pastel*Palettes」のベース担当の白鷺千聖だよ。

昔はよく俺のこと応援してくれたんだけど、今となっては千聖は昔のことを忘れてしまったみたいだ。でも、俺は忘れてなんかいない。千聖と交わした、あの約束は絶対果たしてみせるとね。

まあ長々と話しても疲れるだけだし、俺の自己紹介はこれぐらいにしておくね。

 

それから講義が終わり、大好きなサッカーの時間がやってきた。俺の大学にはサッカー部があり、なんでも多くのJリーガーを出してきたとか。それに惹かれ、俺もこの大学に入学したってわけ。

 

凌太「ナイスシュートだったよ祐輔」

祐輔「いやいや、凌太のパスが良かっただけさ」

 

こいつは眞鍋祐輔。俺と同じでJリーガーをめざしている親友で、高校では選手権で得点王取った経験もあるFWだ。

 

祐輔「しかし凌太っていつもいいパス出したらするよなー。コーナーキック蹴る時もピンポイントで出してくるし」

凌太「俺はサッカー選手になりたいからね。そのためには自分の強みをしっかりアピールしないとスカウトなんて来ないわけだよ」

祐輔「お前いつもそれ言ってるよな。誰かと約束とかしてんの?w」

凌太「もちろんだよ。俺の妹、千聖にね。小さい頃からずっと言ってるよ」

祐輔「出たよ凌太の妹でアイドルの千聖ちゃんの話w んで、千聖ちゃんはそれ覚えてるの?」

凌太「たぶんもう忘れてると思う。でも俺は忘れてないからね」

祐輔「さすがにそこまでくるとくどいと思うけど...」

凌太「大丈夫だよ。千聖に誇れるサッカー選手に、俺はなる!」

祐輔「某マンガの主人公が言ってるような言葉...まあ俺もプロになりたいしさ。一緒に頑張ろうや」

凌太「だね。頑張ろう」

祐輔「あ、そういえば凌太は今日も残って自主練すんの?」

凌太「もちろんだよ。プロになるためにはこれぐらいやんないとね」

祐輔「凌太らしいよ。でもあまり無理すんなよ?」

凌太「大丈夫大丈夫。怪我しない程度に頑張るよ」

祐輔「まあ凌太がそこまで本気だから俺は知らんぷりだな」

凌太「俺はいつでも本気だよ!絶対Jリーガーなってやるからな!」

 

最近は大学サッカー選手権出場のため、スタメンに抜擢されるように必死にアピールし続けている。そんな日々を過ごしていて、合同練習が終わっても俺はひたすら走ったり、ボールを蹴ったりと自主練をしている。

そして、くたくたになって家に帰り、ご飯を食べるときに千聖に今日のことを話す感じだね。

 

凌太「なあ千聖」

千聖「あらお兄さん。今日は何の話かしら?」

凌太「いやね、今日友達にさ『昔に交わした約束って千聖覚えてるの?』って言われてさ」

千聖「そうなの。それでどうしたのかしら?」

凌太「あの時の約束って覚えてる?」

千聖「あの時の約束...?私は覚えていないわね...」

凌太「だよねー...さすがに15年も経てば覚えてるはずないもん...」

千聖「ちなみに聞かせてもらうわ。15年前にお兄さんと交わした約束ってどんなものだったかしら?」

凌太「俺は絶対プロになって、千聖に誇れる選手になってみせる!っていう約束だよ。それを守るために、指切りげんまんまでしたよ」

千聖「あら、そうだったかしら?」

凌太「うん。まさか千聖、それだと本当に忘れちゃった感じだよね?」

千聖「...そうみたいだわ。ごめんなさいね」

凌太「うんうん大丈夫だよ、千聖が謝ることじゃないし。こっちもいきなり昔の話してごめんね」

 

やっぱり覚えてないみたいだね。ちょっぴり悲しかったなぁ。

 

千聖「でも...」

凌太「どうしたの?急に」

 

突然、千聖が話を切り出してきた。

 

千聖「お兄さんがプロサッカー選手になりたいっていう夢、私は素晴らしいと思うわ。でも、ここ最近のお兄さんを見ているとなぜか身体中傷だらけで大変そうに見えるもの。その証拠に、これを見てみなさい」

 

俺の右手を千聖に握られ、手の平を指で指された。千聖の手ってこんなに小さくてつるつるしてたんだね...いやいや、それは今どうでもいいこと。俺は指さされたところを見た。

 

千聖「これ、普通にサッカーやってたらできない傷でしょ?」

凌太「千聖...」

千聖「どういうことか説明してくれるかしら?」

凌太「...これはトレーニングの時にできた傷だよ」

千聖「やっぱりね...でもなぜこれを隠してまで頑張ろうとするの?」

凌太「それは...俺はプロになるためにまず大学のサッカー選手権でスタメンを勝ち取って、いろんな人にアピールしたいんだよ。そしたらいろんなチームからオファーくるだろ?これで少しでも夢に近づきたいんだよ」

千聖「はぁ...お兄さんはわかっていないみたいだわ」

凌太「千聖...何がわかってないって言うんだよ?」

千聖「確かにお兄さんみたいに努力してプロになるというのは最短ルートだし、いいと思うわ。それはこの傷を見てもしっかり伝わってくるけど、それではお兄さんはダメだと思うわ」

凌太「何がダメだと言うんだ...」

千聖「お兄さんは無理をしすぎているのよ」

凌太「無理しすぎてるってどういうことだい...?」

千聖「お兄さんがプロになるために必死に努力しているのは誰がみてもわかるわ。それはお兄さんが朝早い時間から自主練習に行くのを見てても思うし、とてもすごいことだと思うの。でも、それによって無理をしすぎた結果お兄さんが大怪我をしてしまったら顧問の先生は何を思うかしら?」

凌太「それは...」

千聖「間違いなくお兄さんのことを心配するわね。もちろんお友達もよ。またチームにも迷惑をかけてしまうことになるのよ。わかっていなかったかしら?」

凌太「そういえば、今日友達が言ってたような...『自主練するのは凌太らしいけど、あまり無理するなよ』って」

千聖「お友達の言う通りね。そういうところはお兄さんのいけないところだし直すべきだわ」

凌太「うぅ...」

千聖「はっきり言わせてもらうけど、大怪我をしたらしばらく練習にも試合にも出れないし、プロへの道も少しずつ遠のいてしまう...そうなってしまったらお兄さんが大損するだけよ。それでもプロになるために無理をするというのなら、私は止めないわ。でもそれでプロになれなかったときの責任はお兄さん自身にあることだけは忘れないでちょうだいね?」

 

千聖にピンポイントでいろいろ言われ、何も言い返すことができなかった。だが、仮に俺が大怪我をしてしまい、プロへの道が遠のいてしまった...そう考えただけでも身震いがした。

 

凌太「そっか...完全に自分のことだけ考えていたってことだね...」

千聖「そう言うことね。まとめとして私の言いたいことを簡単に言うと、プロを目指して努力するのはいいことだけど、無理をしすぎてしまうとお兄さんが今後損をしてしまうってことよ。わかったわね?」

凌太「うん。ありがと千聖」

千聖「いいわよ。私が気になったから話しただけだし、今後少しでも今日話したことを気にかけてくれたら嬉しいわ」

 

大学生の兄である俺が、まさか妹の千聖にここまで言われるとは思っていなかったなぁ。でも、千聖のおかげで何かに気づくことができたし、千聖には感謝しないとね。

ご飯を食べ終えお風呂に入った後、部屋に戻り好きなサッカー選手が書いた本を読んでいた。それは、これまで経験したことなどを描いた人生本みたいなものだった。

 

凌太「ふーん、この選手も無名から努力してプロになったんだなぁ...」

 

本を読み進めていくうちに、ある一つの章にたどり着いた。

 

凌太「第4章、『大学での挫折からプロ選手へ』か」

 

第4章に書かれていた内容は、当時大学2年生だった選手が大怪我を負いプロ選手への道を断念せざるを得なかったもので、そこから奇跡的にプロへの道を勝ち取ったものだった。なんでもその選手はプロになるために無理しすぎた結果、アキレス腱断裂、前十字靭帯断裂といった全治14ヶ月の大怪我を負ってしまったという。

ここで、ご飯のときに千聖が放った言葉が頭をよぎった。

 

千聖「(大怪我をしたらしばらく練習にも試合にも出れないし、プロへの道も少しずつ遠のいてしまう...そうなってしまったらお兄さんが大損するだけよ)」

 

千聖が言ったあの一言の意味が、より分かった気がした。

 

凌太「この選手も必死に練習したけど怪我してしまってプロへの道が閉ざされかけてたのか...俺は大怪我はしてないけどこの選手と近いものを感じるなぁ...」

 

本に書かれている内容ではその後、この選手は自分が無理しすぎていたのではと気付かされ、自分のパフォーマンスが最大限生きるような練習を心がけたという。そして、4年生の秋にプロチームへの入団が内定したらしい。

 

凌太「俺もどこかで無理してたのかもな。プロになることだけを考えて練習してたのかもしれない。千聖に言われたこと、そしてこの選手の教訓を明日から生かさないと」

 

第4章を読み終えると、時刻は0時を回っていた。俺は明日に備えて眠りについた。

 

 

 

 

翌日、いつものように朝練に行く準備をしていた。

 

凌太「じゃあいってくるよ」

千聖「お兄さん、くれぐれも無理はしないことよ?」

凌太「わかってるよ。昨日言ってくれたこと、ちゃんと心に留めているから」

千聖「お兄さんが私の言ったことを素直に受け止めてくれる人で良かったわ。怪我には気をつけて頑張るのよ」

凌太「ありがとう。千聖も頑張ってね」

 

千聖に見送られ、玄関を出た。

今日から心機一転、新たな心持ちでサッカーに望んでいくことにしよう。




第1話なんでこれぐらいですかね。
今後は本作と「アイドルとの高校生活」を並行して書いていきます。どうぞよろしくお願いいたします。
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