特に書くこともないので本編どうぞw
千聖にいろいろ言われた日の翌日だ。いつものように練習をしていた。
凌太「よし、ここだ」
祐輔「おお、今日もキレッキレのパスだな」
凌太「そんなことないよ。いつも通りやってるだけさ」
祐輔「そうか。てか凌太って昨日からガラッと変わったよな」
凌太「ん?何が変わったの?」
祐輔「何かこう、どこかで無理しすぎていた感じがしてたからさ、今日の練習見てて伸び伸びやってるなと思っただけ」
凌太「なんだそのことか。実は、昨日千聖に怒られちゃってね」
祐輔「千聖ちゃんに怒られたのかよ。そりゃあんだけやってたら妹としては兄のこと心配しちゃうよなぁ」
凌太「でも千聖のおかげで自分がわかっていなかったことに気づけてよかったよ。感謝してる」
祐輔「そうか。しかし千聖ちゃんもすごいよなー。年上に対しても物怖じしない態度、俺も見習わないと」
凌太「千聖は昔からテレビに出てたりしたからね。そういう点では俺もすごいと思うね」
祐輔「だな。あ、監督が来たぞ」
監督「全員集合!!」
監督に呼ばれ、全員集合した。
監督「いいかみんな。明後日は選手権に向けて、同じ地区の都立大学と10時キックオフで練習試合をすることになった」
凌太「選手権に向けた練習試合か」
監督「今からその練習試合に登録するメンバーを発表する」
練習試合は1チーム18人が登録され、3人まで交代できる。
監督は次々と登録メンバーを発表していく。
監督「白鷺凌太!眞鍋祐輔!」
凌太「俺も来たね」
祐輔「俺もだ。練習試合だけど選手権のつもりでやってやろうぜ」
凌太「だね。ここでアピールできれば選手権のメンバー入りも夢じゃないと思う」
監督「今回選ばれなかった選手は明後日はおやすみで、選ばれた選手は朝9時にここのグラウンド集合だ。よろしく頼む」
凌太「はい!」
練習試合とはいえ、メンバー入りできたことに対してホッとした。あとはスタメンを勝ち取れるように練習頑張るか。
祐輔「そういえば凌太」
凌太「どうした?」
祐輔「今度の試合、千聖ちゃんは誘うつもり?」
凌太「え?千聖を?」
祐輔「おう。せっかくメンバー入りしたんだ。千聖ちゃんにお前の活躍見てもらいな」
凌太「うーん、明後日でしょ?土曜日だけど、そもそも仕事があるかもしれんし誘ったところでごめんって言われそうだし」
祐輔「来るか来ないかの判断は本人が決めることかもしれないけど、でも誘うことはできるやろ」
凌太「まあそうだけどね」
祐輔「とにかく、今日帰ったら誘ってみなよ」
凌太「うん。一か八かで誘ってみるよ」
その夜。帰ってから千聖に練習試合の観覧について誘ってみた。
千聖「都立大学との練習試合?」
凌太「うん。一度俺がサッカーやってるところを見てもらいたいなって」
千聖「いきなりでびっくりしたわ。何故私を誘うのかしら?」
凌太「それは...ほら、俺っていつもプロになるってしつこく言ってるでしょ?それが本物であるっていうのを証明したいんだよね」
千聖「そうなのね...」
千聖は黙りこんでしまった。まずいなぁ、ちょっと言いすぎた感じかな?
千聖「それでいつ試合をやるの?」
凌太「明後日、土曜日だよ。朝10時キックオフだからね」
千聖「土曜日の午前中ね...」
凌太「まさか、スケジュール的にお仕事がある感じ?」
千聖「...ちょっとだけ考えさせてもらってもいいかしら?」
凌太「うん、いいよ。仮に行くことになったら、キックオフ10分前に一般開放されるから、観戦できるところに来てね」
千聖「わかったわ」
とりあえず誘ってみるだけ誘ってみたけど、あの感じだと仕事入ってそうだよね...
ーーーーーーーーーー
次の日は練習試合に向けた練習が始まった。都立大学は毎年選手権優勝候補のひとつである。強豪相手だが、ここで結果を残して選手権でスタメン勝ち取ってみせる。
祐輔「そういえば、千聖ちゃんからの返事はどうだった?」
凌太「一応誘ってはみたけど考えさせてほしいって言ってたよ。あの感じだと仕事あるっぽい気がする」
祐輔「そうか。それは残念だな」
凌太「まあいいさ。選手権で都合があえばまた誘ってみるよ」
練習を終え、家に帰った。明日に備え、ご飯とお風呂を済ませる。
そこに、千聖がやってきた。
千聖「お兄さん」
凌太「どうした千聖?」
千聖「明日の練習試合、頑張ってちょうだいね」
凌太「ありがとう。そんな感じだと明日は来れそうにないかな」
千聖「それはどうかしらね?」
凌太「それはどうかって...うーん、よくわかんないけど俺は寝るね。おやすみ」
千聖「ええ。おやすみなさい」
部屋に戻ってベッドでぐっすり寝た。しかし、それはどうかっていう意味って一体なんだろう...
ーーーーーーーーーー
土曜日、試合当日の朝7時。
凌太「よし、準備できたし行こうかね」
軽く食パンを食べ、家を出た。
凌太「しかし残念だなぁ。千聖は来れなさそうだし、見て欲しかったな。でもいいんだ。選手権でスタメン勝ち取るためだけに全力を注ごう」
気持ちを切り替えて、足を進めると祐輔に出会った。
祐輔「おはよう」
凌太「おはよう。今日は頑張ろう」
祐輔「だな。練習試合だけど絶対勝とうぜ」
2人でペラペラ喋ってるとグラウンドに着いた。
凌太「俺は軽く走ってこようかな」
祐輔「俺も一緒にやるぜ。お前だけいいところ見せてたまるかよ」
凌太「全く祐輔ってやつは...いいよ。一緒にやろ」
グラウンドを一周走り、ストレッチをしてパス交換の練習をやった。
後に他のメンバーと監督も集まってきた。
監督「集合!!」
ここで、監督からスタメンが発表される。
GK、DFは安定のメンバーで揃えてきた。いよいよMF3人の発表だ。
監督「お前と、お前、そして白鷺凌太、3人で中盤を締めてくれ」
見事スタメン入りを果たした。練習試合だけど、心の中では嬉しくてたまらなかった。
祐輔も無事スタメンに抜擢され、試合開始までウォーミングアップに入る。
祐輔「千聖ちゃん来ない感じだな」
凌太「うん。昨日も、頑張っての一言だったし。まあ千聖の場合は仕事優先だから仕方ないよ。でも」
祐輔「何か問題でもあったのか?」
凌太「仕事で無理そうって言ったら、それはどうかしら?って返事が来たような」
祐輔「それはどうかしらって...もしかしたらワンチャンあるかもよ」
凌太「そうかなぁ。あ、試合始まりそうだからアップ終わらせないと」
試合開始5分前になった。既に我が子や友達の活躍を見ようと、観覧場所にはそれなりに人がいた。
千聖が来れそうにないってわかっていても、俺はつい観覧場所に目をやって千聖がいないか探してしまう。しかし、そこに千聖の姿はなかった。
凌太「(やっぱり、いないよね...)」
祐輔「もうすぐキックオフやからポジションつこうぜ」
凌太「うん」
試合開始まで1分を切った。やはり気になって仕方ない。もう一度見てみていなかったら諦めよう。そう心に決めて、観覧場所に目をやった。
はぁ...はぁ...はぁ...
長い髪をなびかせながら、急ぐように走ってきた千聖の姿があった。
凌太「千聖...!!」
ピーッ!!
千聖の存在に気づいたと同時にホイッスルが鳴らさせ、試合が始まった。
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〜千聖視点〜
ようやく会場についたけれど、なぜ今日試合を見にきたのかしらと思ってるかもしれないわね。
その理由を言うと、一昨日...お兄さんが試合へ誘ってくれた日のことまでさかのぼるかしら。
一昨日の夜
千聖「いきなりでびっくりしたわ。何故私を誘うのかしら?」
凌太「それは...ほら、俺っていつもプロになるってしつこく言ってるでしょ?それが本物であるっていうのを証明したいんだよね」
千聖「そうなのね...ちょっとだけ考えさせてもらってもいいかしら?」
凌太「うん、いいよ。仮に行くことになったら、キックオフ10分前に一般開放されるから、観戦できるところに来てね」
千聖「わかったわ」
私は正直、この時は試合を見に行く必要もないと思っていたわ。でも、お兄さんが試合で活躍するところはこれまで見たことがないと思っていたの。それに、お兄さんの目指すものが本物かこの目で確かめたい...だから、この土曜日は試合を見に行くという決断をしたのよ。
敢えて曖昧な返答をしてしまったのはとても申し訳ないと思うわね。
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〜凌太視点〜
まさか千聖が来てくれるなんて、キックオフ直前まで思っていなかった。嬉しい反面、頑張ってるんだという気持ちを少しでも肌で感じてもらえればという責任感もあった。
そんな気持ちをグッと抑え、試合に勝つことと選手権の為だけに集中した。
凌太「祐輔!」
祐輔「おう、任せろ!」
俺は祐輔がシュートを打ちやすい場所にスルーパスを送った。結果的に相手のDFに阻止され、シュートまで持ち込むことはできなかった。
祐輔「すまない、せっかくいいパス出してくれたのに」
凌太「いいよ。次はやってやろう」
俺はただ前線の選手が受け取りやすいパスを出すだけでなく、相手にプレスをしっかりかけ、中盤でボールを奪い切れるプレーを心がけた。その方がDF陣にとって負担は少なくなるだろう。そして、チャンスと見ればすぐに攻撃に転じれるよう今味方がどこにいるのか把握しながらプレーした。
凌太「よし、ここだ!頼んだ祐輔!!」
祐輔「いっけぇぇぇぇえ!!」
シュートは相手GKに触れられてしまったが、いい形をひとつ作ることができた。
祐輔「いいパスだったな」
凌太「祐輔があそこでシュートまで行ってくれたおかげでいい形が作れたよ」
その後、相手のストライカーに2点を献上してしまった。終盤に祐輔が1点を返すが、万事休す。1-2で都立大学に敗れてしまった。
凌太「さすが都立大学。めちゃくちゃ強かったな」
祐輔「どうやったらあのストライカーを中心とした攻撃陣を抑えられるんだろうな」
凌太「俺がもっとプレスをかけて攻撃を少しでも遅らせることができていればよかった...今日は個人的にダメダメだったなぁ」
監督「そんなことはないぞ白鷺」
凌太「監督...」
監督「確かに都立大学の攻撃をしっかり抑えられなかったのは反省点だな。だがそれはチーム全体の課題であって、白鷺個人でみてみれば少しでもチームを勝たせようと必死にプレーしていたのが、俺の目にはハッキリ見えたぞ。そこまで気負いする必要はないさ」
祐輔「そうだぞ凌太。監督の言う通りだ。お前は今日一番チームの為に動いていたと思うで」
凌太「監督...ありがとうございます。選手権では絶対リベンジできるよう、明日からまた練習頑張ります」
監督「その意気だな。とにかく、今日はゆっくり休みなさい」
凌太「はい。ありがとうございます。では失礼します」
監督に一礼して、グラウンドを後にした。
観覧場所に目をやると、千聖の姿はなくなっていた。もしかして、試合に負けて不恰好なところ見せちゃって帰っちゃったかな。俺も帰って謝ろう。
家に帰るとリビングに千聖の姿があった。
千聖「お兄さんの試合、見にいかさせてもらったわ」
凌太「千聖...ごめん。試合には負けちゃったしいいプレーを見せることができなかった。見にこないかって誘って来てくれたのに、不甲斐ない兄だよね...」
千聖「...」
何も話さなかった。監督には気負いする必要はないって言われたけど、千聖の前だとやはり悔しさが前面に出てきて、今にも泣きそうだった。
千聖「不甲斐ないって...そんなことないわよ」
凌太「え?今なんて言ったの?」
千聖「そんなことないわよって言ったのよ」
凌太「でも...なんで?」
千聖「お兄さんは、私を誘った時こう言ったわよね?『プロになるということが本当であることを証明してみせる』と」
凌太「確かにそう言ったけど...」
千聖「試合を全部見た感想を述べるわね。一生懸命サッカーをやるお兄さん、とても良かったわよ。そしてプロになりたいという本気もしっかり肌で感じさせてもらったわ」
その言葉を聞いた瞬間に悔しさが一気に消え去り、そして、千聖の前だというにもかかわらず涙と嬉しさが同時に出てきた。
千聖「あら?なんで泣いているのかしら?」
凌太「千聖...すごく嬉しいよ。試合を見てもらえてそう言ってくれると、俺嬉しいよ」
千聖「こんな程度で泣いていたら、プロとしては恥ずかしいわよ。でも今日のお兄さんは、私にとって誇りのお兄さんよ」
とどめを刺すかのごとく現れた、『私にとって誇りの兄』という言葉。千聖は神様ですか?と疑いたくなるくらい嬉しかった。
凌太「千聖の言葉で、俺はもっとプロになれるように頑張ろうと決めたよ」
千聖「それでこそお兄さんね。でも無理のしすぎは禁物よ?」
凌太「うん!これからも千聖に誇りに思ってもらえるように頑張るよ!」
千聖の表情は微笑んでいた。それは普段テレビでみせる微笑みではなく、心から頑張ってほしいという真の微笑みだった。
その後祐輔にも連絡を入れ、「よかったな凌太」と言ってもらった。
絶対、選手権でリベンジしてみせる。
まだまだ文章力が足らない気が...もっと読んでもらえるように努力します。