天元の花(偽)、異世界に降り立つ。 作:久しぶりに投稿したマン
ゲームテリトリーにて配置。《/big》《/center》
「ガルド自身を織り込んだギフトゲーム....!?」
「それに指定武具ってのも、気になるね。......こりゃあ、拙いな」
「そうですね」
ジンと私、黒ウサギが鬼気迫る様子に、飛鳥は心配そうに声を掛ける。
「このゲームはそんなに危険なの?」
「いえ、ゲーム自体はそこまで難しいものではありません。問題なのはゲームのルールです。これでは飛鳥さんや耀さん、武蔵さんの攻撃では彼を傷つける事が出来ません」
いまいち要領を得ていない飛鳥は聞き返した。
「......どういうことかしら?」
「このギフトゲームは〝
ジンは頭を抱えてるようにしゃがみ込んでしまった。
「すいません。これは僕の落ち度でした。あの時ルールまで決めておけば、こんな事にはならなかった筈です」
ギフトゲームのルールを決めるのが〝主催者〟である以上、挑戦者側の意見を入れないと不利な状況に身を置く羽目になるので、本来なら〝契約書類〟を作成する際にはルールをその場で決めるのは定石と言っても過言ではないだろう。
しかし、ギフトゲーム参加経験が無いジンはその事に気づく事が出来なかったのは無理のない事だ。
「必死こいて五分五分の状況に持ってきた訳だ。まぁ、観戦者としては面白そうな展開だな」
「随分と気楽そうに言ってくれるわね。......指定武具に関する事が詳しく明記されてないから、最悪の場合指定武具を見つける前に彼と遭遇する可能性だってあるわ」
そう呟いた飛鳥は険しい表情で〝契約書類〟に穴が空くほど見つめている。彼女は自身から吹っ掛けたゲームに責任感を感じているのだろう。
「大丈夫だって!ギフトゲームはある程度公正公平に行われると思うし、全く指定武具が見つからない事なんてないと思うよ?」
「武蔵さんの言う通りです!指定武具に関するヒントさえなかったら、ルール違反になりますから!この黒ウサギがいる限りはそんな事は見逃さないですよ1」
「武蔵や黒ウサギがこう言ってるだし、お互い頑張ろ」
「ええ、そうね。これ位のハンデをあげないと、あの外道のプライドをボコボコにしてやる甲斐がないもの」
落ち込み気味だった飛鳥を私や黒ウサギ、耀の檄で立ち直らせた。そもそもこれは私達が
私達女性陣の知らぬ所でジンと十六夜は話し合っていた。
「このゲームで負けるなんざ。今後の俺の作戦が成り立つ事すらできない。だからこそ、負けた瞬間に脱退するからな。今更、変える気なんてないぞ、御チビ」
「......もちろん分かっています。絶対に負けませんから!」
それぞれ思いを巡らせながら、四人は門を開けて通り抜けた。
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門の開閉がゲームの開始の合図だったのか、門に絡みついていたツタが退路を塞いだ。私達の目の前には太陽の日差しを遮る程の密度で木々が生い茂っていた。もはや、人が住むような場所ではない。いつどこから襲われてくるかがわからないので周囲を警戒する私達に冷静に呟く耀。
「大丈夫。匂いで私達の周りには誰もいないよ」
「あら、犬にも友達がいるの?」
「うん。20匹もいる」
耀のギフトは生きている動物の友人がいればいる程に強くなるから、様々な状況にも適応できる。そして、身体能力が高いのはそういった理由からきている。
「どう?耀ちゃん。アイツの場所は詳しくわかる?」
「んー、わからない。風下にいるけど、匂いがしないから建物にいるのかも」
「じゃ!まずは指定武具を探しに森を探索しよっか......ね?ジン君」
「そうですね。では、あっちに行きましょう」
ジンを先頭に森を探索する私達。〝フォレス・ガロ〟居住区画に生えている奇妙な木々は家々を巻き込んで成長したようで、屋根や壁を突き破っていた。黒ウサギは大規模なゲームを行う事は不可能と言っていたが、周囲の状況を見た私は油断ならぬ相手だと気を引き締めた。
「......それにしても何も見つからないね。ゲームや指定武具に関するヒントとか見当たらないしさ。どう?耀ちゃん。何か見つかった?」
散策している私達とは別に近くあった高い樹のてっぺんから周囲を見渡していた。
「ここから真っ直ぐに本拠らしきものが見えた。恐らくそこにガルドがいると思う」
スタっと下に降りてきた耀は本拠がある方角を指を指した。
「にしても、よく見つけたわね春日部さん。どうやって見つけたの?」
「......私には鷹とかの鳥の友達がいるから」
「なるほど、そういう事ね」
私達は警戒を怠らずに本拠へと向かう。しかし、本拠に向かわせまいという意思があるかのように、道が絡み合っている。
「(これだけの木々を鬼化するなんて......,もしや彼女が関係しているのか?)」
ゲーム開始前からあった確信をさらに深めたジンは、ない事だと頭を振り払った。何故なら、そんな事が出来る人物がいる筈がないのだから。
「お?見えてきたよ。本拠の屋敷も吞み込まれてるね」
〝フォレス・ガロ〟の本拠に辿り着くと虎の紋様が刻まれた扉はボロボロになっており、扉としての役目は果たせない程だった。それに加えて窓ガラスや豪華な外装がツタや木々によって原型がとどまっていなかった。
「ガルドは二階にいるよ。中に入っても大丈夫」
本拠内に入ると、内装もボロボロに崩れていた。贅を尽くした家具や絵画はあちこちに散在している。本拠がここまで壊れていると、舞台となった〝フォレス・ガロ〟に疑問を持ち始めた。
「いくら切羽詰まったからといって、彼が本当に作ったものかしら?」
「それは.......分かりませんが、舞台を作る事自体は〝主催者〟側以外でも外注できますからね」
「それにしては、無防備過ぎじゃない?罠とかなかったよね耀ちゃん」
「なかったけど、それは森自体が奇襲する為に作った.......訳でもないと思う。だって、本拠に隠れる必要性がない。そもそもここを壊す必要性すらない」
あの自己顕示欲が強いガルドがその象徴である豪華な本拠をボロボロにする理由がない。ここに来て全く別の緊張感に襲われた。一階全体をそれぞれ手分けして、指定武具や攻略の鍵となるものを探した。虱潰しに探し回った私達は手掛かりとなるものが見つかった。そこで一縷の望みを賭けて、ガルドが待ち構えている二階へ向かおうと話になった。
「私と春日部さん、宮本さんで二階に行くから、ジン君はここで見張って欲しいの」
「どうしてですか!?ギフトだって持ってますし、足手まといにならないですよ!
「話を聞いてたかしら。私はもしもの事があった際に唯一通り道に誰もいないのは拙いと思って、ジン君にここの見張りを頼んでいるのよ?私達は倒しに行くのではなく、ヒントを探るために二階に行くの。わかった?」
「.............わかりました」
渋々とだったがジンは頷いた。彼とて飛鳥の言っている意味は理解している。だが、感情の方は不満がだらだらだった。ジンを背に二階への階段を上がると、外から見たのと想定外の造りをしていた。
「どういうことなの?外から見た感じ、こんな風にはなってない筈よ!」
飛鳥が若干パニック状態に陥るのも仕様がない。目の前にはだだっ広い空間とその奥にある大扉しかないのだ。意を決して奥の部屋に飛び込んだ先に待っていたのは、理性を失った
「GYAAAAAAAaaaaaaaaa!!!」
視界に入ってきた生き物を轢き殺すかの如く、突進を仕掛けてきたガルドを受け止めた私は二人に指示を飛ばす。
「耀ちゃんは私がこいつを抑えている内に背にある物を取って!飛鳥ちゃんは私か耀ちゃんが不意の一撃を受けそうな瞬間に避けるように命令する準備をしてて!」
「うん!」
「わかったわ!」
ガルドの叫び声を聞いたジンが一階から駆けつけてきた。
「どうして!ガルドと戦っているですか!」
「ジン君!その話は後で説明するから!」
今はその事を話している場合ではないので、後へ回しておく。目の前にいるワータイガーから巨体の怪物へと変貌したガルドを見たジンは彼がどうしてあのような姿になったのかを悟る。
「鬼!しかも、吸血鬼化!やっぱりそうだ!」
「そんな場合じゃないでしょ!私やジン君が今できる事を探して行うのよ!」
「そ、それはそうですね!すいません」
ジンと飛鳥が話し合っている傍らで耀は見事な事に指定武具である〝十字の銀剣〟を奪取する事に成功した。
「やった。奪い取れたよ武蔵......この後はどうするの?」
「後は、私が殺るからその剣を私の後ろに突き刺して置いてくれる?」
「了解」
私の言う通りに従った耀は〝十字の銀剣〟を地面に刺して離れていった。
「すぅ.....っ!よし取った」
後ろにある剣を取る為にガルドを奥の方へと弾き飛ばした。戻ってくる前に直ぐ様抜き取り、勢いよく突っ込んで来るガルドの頭へ突き刺し込んだ。
「っ!____GYAAAAAAAaaaaaaa!!!」
ガルドは最後の断末魔を上げながら、崩れるように倒れ伏した。刺さったまんまの剣を抜くと夥しい血が噴出した。倒れたのを確認した私の後ろから飛鳥達と観戦していた十六夜と黒ウサギが駆け寄ってきた。
「流石、といったところね」
次回ペルセウス編
後々出るかもしれないキャラクター
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柳生但馬守宗矩
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佐々木小次郎
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どっちでもいいよ
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ここにはいないから感想で教えるぜ!