五等分の花嫁と元暗殺者   作:シナプス・フィン

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今回は、投稿した中で一番長いかもしれません。


では、どうぞ。


第10話 五等分の幸せ

花火大会が行われる為、一緒に見に行こうと三玖に誘われた斗真。

五つ子と上杉兄妹と一緒に見て回ることになった。

しかし、人混みの多さで皆と離れ離れになってしまった。

斗真は、三玖と合流し二乃が予約した店に向かう事を決めた。

その時、女性2人組が街頭アンケートをしていてそれに捕まってしまった。

 

「・・・え?いや、その」

「カップルですよね?手を繋いでいますし・・・」

「ち、違・・・」

「すみませんが、そう言う関係ではありません」

 

「「えっ?」」

 

アンケートを行なっている女性2人は、驚いた。

三玖は、何故か不満そうだった。

 

「彼女は、先ほど人混みの中で足を踏まれて怪我をしました。

その為、彼女の怪我を悪化させないように対応していただけです。

それと、勝手な先入観を持たないで下さい。

もし、冷やかしならこちらとしては迷惑なのですが?」

 

斗真の怒気を含んだ声に萎縮したのか女性2人は「すいません」と一言だけ言ってその場を去った。

 

「・・・全く、迷惑な奴らだ」

「・・・トウマ?」

「あ、悪い。怖がらせたな」

「・・・ううん。大丈夫」

 

しかし、何故か三玖は、ご機嫌斜めで「ムスッ!」と私、怒っていますと言う表情をしていた。

 

「えっと三玖?何でそんな不機嫌なの?」

「・・・トウマ、切腹」

「何で?!」

 

三玖は、物騒な事を言い出し斗真は、何が何だか分からずただ混乱していた。

すると三玖は、何かに気付いた。

 

「・・・トウマ。アレ」

 

斗真は、視線を向けると人混みをキョロキョロと見て回る五月がいた。

 

「・・・五月!」

「よかった・・・」

「俺が連れてくる。ここで待っててくれ」

 

斗真は、それだけ伝え五月の元に向かった。

 

「・・・」

 

斗真の背中を見つめる三玖は、突如寂しげな表情を浮かべた。

 

「・・・どうして、トウマばかり見るんだろう・・・?」

 

恋という花火は、直ぐには打ち上がらないようだ・・・。

 

 

 

 

 

「五月!」

「新城君!?」

 

五月を見つけ声を掛けた斗真。

肝心の五月は、自分を見つけたのが斗真だったのがかなり意外だったようだ。

 

「そんなに驚くことか?」

「す、すいません!上杉君だったらどうしようと思ってしまいまして・・・」

「・・・アイツに恨みでもあるんか?」

 

斗真は、五月の言い分に困惑するしかなかった。

 

「とにかく行くぞ。向こうで三玖が待ってる」

「本当ですか!?」

「とにかく合流するぞ」

「は、はい!」

 

こうして、何とか彼女を先導していく斗真だった。

そして移動中、五月がある事を聞いて来た。

 

「・・・新城君。聞いてもいいですか?」

「何だ?」

「・・・貴方は、家庭教師の補佐の身でありながら何故ここまでお節介を焼くのですか?」

「・・・三玖に聞いたんだ。毎年、花火を見ている理由」

「!」

「そんな事情を聞くと嫌でも助けたくなるんだよ・・・。俺は」

「・・・そうですか。では、もう一つ聞きます。新城君・・・。

 

 

 

 

 

貴方は、何者ですか?」

 

斗真は、思わず足を止めた。

 

「何者?俺の事は、ある程度知っているんじゃないのか?

お前等五つ子と同級生で三玖のクラスメイト。それだけだと思うが」

「貴方が異常な程高い身体能力と皆が気づかぬ間にキッチンにいた事は二乃から聞きました。

正直、ただ鍛えただけでは説明がつきません。それに、二乃と上杉君の冤罪の時だって・・・」

 

五月は、僅かながら震えていた。

どうやら斗真の怒りの様子を思い出し怖がってしまったのだろう。

 

「・・・怖がっているのなら話さない」

「・・・!」

「知りたい以前にお前は、俺を怖がっている。

そんな奴が俺を知りたいなんてよく言えた物だ」

「し、しかし・・・。それでも私は・・・!」

「仮に何かあったとしても話すつもりはない。

行くぞ。三玖が待ってる」

 

そう言いながら斗真は、早く行こうと催促し三玖の元に向かう。

 

 

 

 

 

一方、三玖は、斗真と離れた後、自身を写していた窓ガラスを見ていた。

斗真と待ち合わせをし皆と花火大会に行く前、三玖は、一花に問い詰められていた。

 

【ねえ、三玖。どうして、トウマ君を誘ったの?】

【い、一花には関係ない・・・】

【ふーん・・・。ねぇ、折角だから髪型変えてみたら?】

【え!?】

【もしかしたら喜ぶかもよ】

【い、いいよ。恥ずかしいし・・・】

 

と言われながら少しばかり揶揄われていた。

 

「(斗真は、褒めてくれるかな・・・?)」

 

三玖は、そう思いながら髪の毛をセットし始めた。

 

 

 

 

 

場所は変わり、五月と斗真が人混みの中を移動しようやく人混みを抜けた。

しかし、ここで新たな問題が発生した。

 

「三玖が・・・いない!?」

「待ち合わせの場所、間違えたんじゃないんですか?」

「それはない。オマケに三玖は、足を踏まれて怪我をしている。

そんなに遠くにはいけないはずだ」

「あ!新城君、アレ!!」

 

五月は、三玖を見つけた。

しかし、肝心の三玖は、見知らぬおっさんにどこかに連れて行かれていた。

 

「三玖!?」

「追わなければ連れて行かれますよ!?」

「だが、お前を置いていくのは・・・」

「私は大丈夫ですので、行ってください!」

「ああもう仕方がない!

店の場所を教えるからそこに行け!」

「新城君!」

 

五月は、斗真を呼び止めた。

 

「・・・三玖の事、よろしくお願いします」

「了解した」

 

斗真は、五月にそう言い三玖を追いかけた。

 

 

 

 

 

場所は変わり、上杉と一花がいる路地裏。

一花と合流できた上杉は、彼女を二乃の元に連れて行こうというとしたが一花がそれを拒否。

すると、一花と一緒に行動していた男性が一花?を見つけた。

しかし、その人物は・・・。

 

「三玖!?もしかして、私と間違えて・・・」

 

そう、男性は、一花と三玖を間違えて三玖を連れて行こうとしていた。

マズいと思った上杉達は、2人を追いかけていた。

上杉が三玖を見つけの強引に引き離そうとした時、突如、()()が横切った。

そして、男性の手は三玖から離れていた。

上杉、一花、三玖、男性は驚きの表情を浮かべた。

そこにいたのは・・・。

 

 

 

 

 

「これ以上、()()()()()に迷惑をかけないで貰いたい」

 

直ぐそこにいなかったはずの斗真だった。

 

「斗真!?」

「トウマ君!?嘘!?いつの間に!?」

「な、何だ、君は!?」

「聞こえなかったのか?大切な友達と言ったんだ」

「と、友達?悪いけどこれ以上君に構っている暇は無いんだ」

 

そう言い男性は、再び三玖の手を取ろうとした時、斗真は掴んでいた手で・・・。

 

 

 

 

 

背負い投げをした。

 

「ガハ!」

 

一瞬だが男性は、過呼吸になった。

上杉、一花、三玖は、斗真の行動に思わず驚きと困惑の表情を浮かべてしまった。

そして斗真は、その流れで男性の腕を締め上げ動きを封じにかかった。

 

「イタタタ!!」

「そういうアンタこそ何者だ?

三玖を連れて行こうとするなんて何を考えていやがる?」

 

すると、唖然としていた一花が意識を取り戻し斗慌てて斗真を止める。

 

「トウマ君、ストップ!その人私の知り合い!!!」

「はっ?一花!?いつからいた?」

「今さっき!ていうかその人を放して!」

「・・・・・・」

 

斗真は、何処か納得してないが素直に彼女の頼みを了承し離した。

男性は、痛みのあまり締められた右腕をゆっくりと回した。

 

「・・・ちょっと容赦なさすぎじゃ無いかな?」

「知るか。それでいい加減話してくれないか?何故、間違えて三玖を連れて行こうとした」

「間違えて?何を言っているんだい?この子は、ウチの大切な若手女優なんだ!」

 

その言葉に反応したのは、上杉だった。

 

「え?若手女優?」

「ん?一花ちゃん!?え?何で一花ちゃんが2人!?」

 

すると斗真は、若手女優である事を思い出した。

 

【気になる女優?】

【エキストラの子なんだけど最近注目している子がいるんだ】

【茅野が言うんだったらその子、今後絶対売れるだろう。どんな子だ?】

【えっとね、フルネームは分からないんだけど・・・。

 

 

 

 

 

名前が一花っていうのは覚えてるよ】

 

そう、斗真が思い出したのは嘗てのクラスメイトで元天才子役・磨瀬榛名(ませはるな)

名は、茅野カエデ。

彼女は、1年前に女優として復帰しその年で主演映画に抜擢される程の実力も有している。

そして、時間を見つけてはクラスメイトと遊んだり交流を持っている。

因みに、彼女の最近の悩みは渚と進展がないのが悩みの種だとか何とか・・・。

 

 

 

 

 

斗真は、今になってこの事を思い出し頭を抱えていた。

 

「(このおっさん。芸能プロダクションの関係者かよ・・・。胡散臭えぇ・・・)」

 

斗真は、何処か納得していないようだった。

 

「勘違いしてしまったのはこちらの落ち度だ。本当に申し訳ない。

だが、これから一花ちゃんには大事なオーディションがあるんだ。この辺で失礼するよ」

 

男性は、そう言いながらその場を離れた。

一花もそれについて行った。

 

「一花は、それでいいのか?」

「・・・ゴメン。みんなによろしく」

 

それだけ言い、その場を後にした。

 

「上杉。一花を頼めるか?」

「・・・分かった。三玖を頼んだ」

 

それだけ伝え、上杉は、一花を追いかけた。

 

「・・・トウマ」

 

すると突如、斗真は、三玖の方に向き・・・。

 

 

 

 

 

優しく抱きしめた・・・。

 

「と、トウマ!?」

「・・・すまなかった」

 

三玖は、その言葉を聞いた時、心配させてしまった罪悪感を浮かべてしまった。

 

「ううん・・・。トウマが来てくれて嬉しかった」

 

そういうと何処か優しげな表情を浮かべる三玖だった。

 

「ああ〜・・・それと、三玖。個人的な事なんだが・・・」

「・・・何?」

「その髪型、似合ってる。たまにでも良いからその髪型にして貰ってもいいか?

も、もちろん!三玖が嫌じゃなければの話だけどな!!」

 

斗真のアタフタしている様子に思わず笑ってしまった三玖。

 

「うん。いいよ。また機会があったらね」

「いや〜。青春ですなぁ〜」

 

「「!?」」

 

突如、第3の声が聞こえた。

斗真と三玖は、慌ててその声の方に視線を向けた。

そこには、ニヤニヤしていた四葉と目を輝かせていたらいはちゃんがいた。

 

「よ、四葉!?」

「らいはちゃん!?いつから見てた!?」

「新城さんが三玖に髪型のお願いをした時からです!」

「oh・・・」

 

斗真は、思わず遠い目をしていた。

肝心の三玖は、顔を真っ赤にし両手で顔を隠していた。

すると、斗真の携帯がなった。

 

「俺だ。・・・え?ああ。分かった。直ぐに手配する」

 

斗真は、話を終えると電話を切った。

 

「・・・トウマ?」

「三玖、四葉。お前達に頼みたいことがある」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は、一花のオーディション会場。

上杉は、ビルの前で目を開けながら眠り彼女を待っていた。

そして、オーディションを終えて上杉と一花は、ある場所に向かっていた。

 

「・・・みんな怒ってるよね。花火大会の事」

「そうだな。だが、諦めるには速いんじゃないか?」

 

そう言いながら上杉が一花を連れてきた場所は、とある公園だった。

そして、そこには・・・。

 

 

 

 

 

他の姉妹達が、花火セットで花火をしていた。

斗真はそれに気付き視線を彼女の方に向けた。

 

「・・・来たか」

「一花!上杉さん!!我慢できずおっ始めちゃいました!」

 

そんなやりとりをしている時、斗真は、姉妹達から少し離れた。

すると二乃が上杉の顔を近づけた。

 

「あんたには一言言わなきゃ気が済まないわ。お!つ!か!れ!」

 

斗真は、思わず普通に言えんのかと思った。

 

「お前達で花火をしてな。俺はそこのベンチで休んでる」

「・・・トウマ。大丈夫?」

「少し疲れただけだ。ああそれと一花。上杉に感謝しな。

この提案は、上杉だから」

「えっ!?」

「斗真!お前余計な事を・・・」

 

斗真は、シラを切りベンチで休んでいた。

 

「みんな、ごめん!私のせいでこんなことに・・・」

「そんなに謝らなくても・・・」

「全くよ!なんで連絡くれなかった訳?今回の原因はアンタにあるわ」

 

上杉が止めようとしたが二乃が言葉を紡いだ。

 

「後、目的地を伝えてなかった私も悪い・・・」

「・・・っ」

「私も、自分の方向音痴に嫌気がさしました」

「私も今回は失敗ばかり・・・」

「よく分かりませんが・・・私も悪かったです。屋台ばっかり見てしまってたので・・・」

「みんな・・・」

 

二乃は、一花の前に行き花火を差し出した。

 

「はい。あんたの分」

「お母さんが言ってましたね・・・。誰かの失敗は5人で乗り越えること。誰かの幸せは5人で分かち合うこと」

「喜びも」

「悲しみも」

「怒りも」

「慈しみも」

「・・・私たち全員で五等分ですから」

 

そんな5姉妹の様子を野郎2人は遠目で見ていた。

 

「(幸せも五等分か・・・。恐らく近いうちに誰かが気付くだろうな・・・。

  幸せは五等分に出来るものがある。だけど・・・。

 

 

 

 

 

姉妹であっても、所詮、1人の人間であることには変わりはない。

個人の幸せは、分ける事はできない事に・・・)」

 

斗真は、何処か寂しく悲しげな表情で破壊された月を見上げていた。

 

「(アンタは、こんなことが起きたら何も弊害もなく解決しちまうのかな・・・?

 

 

 

 

 

殺せんせー・・・)」

 

斗真は、恩師の助言が欲しいと不覚にも感じてしまった。その後花火を終えて、皆が自宅に戻る。

流石に時間が時間なので上杉は、らいはちゃんを送り先に帰らせ斗真が五つ子達を送っていく事になった。

そして帰り道、何やら二乃がソワソワした様子だった。

 

「二乃。どうかしましたか?」

「・・・ああもう!」

 

モヤモヤしながら斗真の方にズガズガと歩いて行った。

 

「・・・何だ?」

「アンタにい・ち・お・う!お礼を言っておくわ・・・。

 

 

 

 

 

ありがとう。三玖を守ってくれて・・・」

 

二乃が言った言葉に斗真は思わず・・・。

 

「お前ってお礼言えたんだ」

「はっ倒してやるぅ!!!」

 

怒りのあまり斗真に掴み掛かろうとするが四葉と五月が何とか抑えている。

 

「ず、ずいぶん辛辣だね・・・」

「日頃の行い」

 

斗真は、バッサリと切り捨ててしまいこれ以上は言わなかった。

そしてトラブルもなくマンション前に到着した。

 

「それじゃあトウマ君送ってくれてありがとう!」

「・・・フン。一応、感謝だけしておくわ」

「・・・トウマ。気をつけてね」

「新城さん!送ってくれてありがとうございました!」

「お休みなさい。新城君」

 

三玖以外は、挨拶しマンションに入って行った。

すると三玖は、振り返り斗真の方に向かった。

 

「・・・三玖?」

「・・・少ししゃがんで。ゴミついてる」

「え?分かった」

 

斗真は、何の疑いも無く三玖近くにしゃがむ。

そして三玖は、ゴミを取り同時に・・・。

 

 

 

 

 

チュッ。

 

 

 

 

 

「!?」

 

突如聞こえたリップ音に斗真は、頬を赤くし自分の頬に触れた。

肝心の三玖は、りんごのように顔が真っ赤に染まっていた。

 

「・・・守ってくれてありがとう。お休み」

 

彼女はそれだけ言って帰って行った。斗真は、終始唖然とした表情をしていた。

どうやら、小さくはあるが恋の花火は打ち上がっていたのかもしれない・・・。

 

 

 




今回は、ここまでとなります。


誤字脱字ございましたら連絡ください。
では、次回。
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