では、どうぞ。
チュンチュンと小鳥が鳴く早朝。
斗真は、皆が寝ている中、一足先に起床した。
「・・・朝か」
斗真は、7:00と映っていたデジタル時計を見る。
そして辺りを見回す。
そこには、五つ子の他、上杉までもがテーブルの上で腕を組んで寝ていた。
「・・・中々の惨事だな」
斗真は、昨日の出来事を思い出していた。
[はあ!?今日も泊まる?!]
[試験は、明日だ。効率度外視で詰め込むだけ詰め込む]
上杉がそう話ている中、そのまま通り過ぎようとしている五月に呼びかける二乃。
[五月!!]
[いいんじゃないですか?今日くらい]
[[[えっ?]]]
この様子を傍観していた斗真は、彼女の心境の変化にあった事に僅かな感心を覚え事の成行を見守った。
皆にもう少し寝て貰いたい所だが遅刻をさせるのは不味いので皆を起こすことにした。
「三玖、起きろ。朝だぞ」
「・・・んぅ。トウマ?」
「おはよう。眠っている所悪いが起きてくれ試験間に合わなくなる」
「うん・・・」
そう言いながらゆっくり立ち上がろうとする三玖。
しかし、バランスを崩して斗真の胸板に当たる。
そして、抱き止める形になってしまった。
「///・・・トウマ」
「三玖。この状態は流石に・・・」
「・・・このまま」
「えっ?」
「このままでいて欲しい・・・」
「三玖?」
「・・・ダメ?」
寝起きのせいか少し涙目の三玖を見て斗真の良心が揺らいだ。
「///5分だけ。それ以上はダメだ」
三玖は、そのまま分かったと言ったかのように顔に蹲った。
斗真は、内心「この子には随分甘いな・・・」と自嘲気味に笑った。
5分後。
「さて、みんなを起こそう」
「トウマ・・・」
斗真は、立ち上がろうとした時、彼の服の袖を握った。
「三玖?」
「テスト終わって、結果が全部赤点回避したら、伝えたいことがあるの」
「・・・内容は聞かない方がいい?」
「うん・・・。今は言いたくない」
「分かった。そうする」
その後、他の姉妹と上杉を起こし朝食を食べ、皆で登校するのだった。
因みに・・・。
「起きろや、この勉強バカァ!!!」
斗真は、上杉に腹パンした。
「ゴホァ!!!!」
上杉は、永遠の眠りについt・・・。
「殺すなっ!!」
ていなかった。
因みに、やり過ぎだと
そして、無事に学校に到着し各々の教室に向かう途中だった。
「さて、やれるだけの事はやったつもりだ」
「後は、お前達次第だ。気合入れていけ」
上杉と斗真は、五つ子達に激励する。
「・・・うん。頑張る」
「はい!頑張ります!」
「いい点取って、2人を驚かせないとね」
一花、三玖、四葉は、2人の激励を受けやる気を出す。
この3人は、自ら進んで指導を受けた。
少なからず、上杉が用意した実力テストの時よりかは力を付けたはずだ。
そう信じる2人だった。
「・・・言っておくけど、アタシはパパに真実をそのまま伝えるから」
そう言ったのは二乃だった。
彼女は、最後まで上杉達の授業に参加しなかった。
その行動が吉と出るか凶と出るかは分からない。
「・・・何もなければいいが」
斗真は、小さくそう呟いた。
「新城君?」
「何でもない。そろそろ時間だ。行くぞ」
「・・・はい。みんな、死力を尽くしましょう!!」
「「「おおー!!」」」
「お、おおー・・・」
そして、ついに始まった中間試験・・・。
「(頼むぞ・・・。みんな・・・!)」
上杉は、五つ子に心の中でエールを送った。
そして、中間試験。
彼女達の問題を解く様子を見ていこう。
・三玖の場合 〜社会編〜
「(難しい問題ばっか・・・でも、歴史なら分かる・・・)」
三玖は、歴史関連の問題は、スラスラ解いていく中、斗真に言われた言葉を思い出していた。
[清流に棲もうがドブ川に棲もうが前に泳げば魚は美しく育つ。
要は、大事なのは居場所や肩書ではなく、本人がどう生きて何をやりたいかだ]
三玖は、そう言われた事に少しづつ自信を持つことが出来た。
だからこそ、彼に報いたい。
その思いで、問題を解いていくのだった。
・四葉の場合 〜国語編〜
ポクポクポクポクチーン!
「(思い出した!五択問題は四番目の確率が高いっと・・・)」
赤点回避が出来るかどうか不安を募らせる四女だった・・・。
・二乃の場合 〜英語編〜
「(討論・・・討論・・・分かんない、次・・・)」
次の問題に行こうとした時、二乃はあることを思い出した。
[
二乃は、彼らが勉強会で教えていた事を思い出していた。
「(・・・全く。勝手に教えてくるんじゃないわよ)」
・一花の場合 〜数学編〜
「(終わった〜。とりあえずこんな所かな?というわけでお休み〜・・・)」
一花は、夢の中に行こうとした時だった。
[この証明問題には、途中式でも点を貰える場合もある]
[その点を取れば赤点回避も可能になる。数学は式も解答の一つとして見られる。
だから証明問題の場合は、途中式にも目を凝らす事だな]
「(・・・もう少し、確認しようかな?)」
赤点回避の為に、様々なアドバイスをしてくれた2人の言葉を思い出し再び問題に向き合う一花だった。
・五月の場合 〜理科編〜
「(・・・あなたを辞めさせはしません)」
五月は、上杉と口論になったその日の内に中野先生に電話をしていたのだ。
[一人でも赤点なら辞めてもらうと先程伝えたんだ]
[・・・本当ですか?お父さん]
「(・・・らいはちゃんのためにも!念のためです!)」
と、意気込んでいるが既に斗真という存在が上杉の危機を脱する切札であることを上杉本人も含めて知らないでいた。
そして、肝心の斗真というと・・・。
「(一先ず解答は終えたが・・・。問題は、中野先生が手のひら返しで上杉の首を切らなければ良いが・・・)」
あの時は、口約束みたいなものだった。
正直、それが本当に約束通りクビにしないかどうかを信じ切れていなかった。
大人は汚いというが肝心の斗真が点を取れば一先ずの予防線を張ることができる。
「(頑張れよ・・・。みんな・・・)」
斗真も斗真で彼女達にエールを送り自分のやれる事をやり終え後は天に任せるしかなかった。
そして・・・。
キーンコーンカーンコーン!
「終了。それまで!!」
各々のやる事はやり切った。後は、試験の結果を待つだけとなった。
そして、遂に試験結果が帰ってきた・・・。
今回は、キリがいいのでここまでとなります。
誤字脱字ございましたら連絡下さい。
では、次回。