では、どうぞ。
夕食を終えて中野姉妹達は、露天風呂で体を暖めていた。
「あ〜・・・。気持ちいい〜」
「みんなで一緒にお風呂に入るなんて何年ぶりでしょう・・・」
「三玖のおっぱい大きくなったんじゃない?」
「みんな同じでしょ」
と、いつも通りのやり取りをする。
そして二乃は、上杉の異常なテンションに警戒していた。
「上杉さん、普段旅行とか行かないのかな?」
「まるで徹夜明けのテンションだったね」
「・・・トウマも、珍しく困っていた」
「「「あぁ〜・・・」」」
一旦ここで回想シーン。
「斗真!温泉行くぞ!!」
「先に行っててくれ。外で軽く動いてくる」
「って何するの?」
「普段やってる武術の型」
「何を言ってるんだ。そんなのは後でいいじゃないか!とにかく温泉だ!!」
「え?上杉?おーいちょっと待てーー!!!」
そう言い上杉は、そのまま斗真を連れて行った。
回想シーン終了。
「新城君が見たことの無い表情でしたね・・・」
「いい気味よ」
「でも、こんな寒い中、よく鍛錬をしようと思ったね・・・」
「「「それは言えてる」」」
すると、ここで一花は、ある疑問を投げかけた。
「でもさ・・・。
トウマ君って何者何だろうね」
五つ子の中で一花が口に出した皆が思っている疑問。
それは、誰も指摘しなかっただけで皆が感じている疑問だった。
「・・・正直、新城さんが一番分からないよね」
「アイツ、本当に訳分からない。ひったくりを数回殴っただけで倒したし」
「警備員に対しての対応もしっかりしてましたし・・・。
まるで慣れているかのように見えました」
斗真がひったくりを鎮圧し、すぐに矢田達がやってきてその数分後に警備員がやってきたのだ。
その時見た斗真は、まるで現役の人そのものだった。
彼女達は、矢田から斗真について何か聞こうとしたが彼女達の表情は、下手に漬け込むなと言ってるかのような威圧感を覚えた。
「ひったくり犯に遭遇したって聞いた時は、ビックリしたよ」
「それでも、新城君の的確な対応の方が印象は強いですけどね・・・」
結局、どれだけ考えても斗真の正体は、分からなかった。
場所は変わり、斗真と上杉がいる男湯。2人は、体を洗い湯船に浸かっていた。
だが上杉は、斗真の鍛え上げられた体に思わず言葉を失った。
「・・・何ジッと見てるんだよ?」
「いや!斗真って結構鍛えてるんだなって、思ってさ・・・」
「・・・自衛隊を進路の一つにしているから、鍛えて損は無い」
そう言われると納得の表情を浮かべた。
その後、中野姉妹達が湯船に使っている中、斗真と上杉は、一足先に部屋に戻ったのだが・・・。
「上杉、もう寝ろ。フラフラじゃねぇか」
「あぁ、らいはを徹夜で看病していたのもあったのかもな・・・」
「そりゃフラフラになるぞ全く・・・。早く寝ろ。明日に差し支えるぞ」
そう言い斗真は、上杉を強引に布団の中に入れ眠らせた。
「・・・全く、ゆっくり休めよ。明日から忙しくなるからな」
その後、中野姉妹達も部屋にやってきて就寝しようとした時、警戒心を出していたが既に斗真と上杉が眠っている為、どうでも良くなり早く寝た。
皆が寝付いた頃の深夜。三玖が、目を覚まし斗真の近くに近づく。
そして、三玖が近づくと同時に斗真は目を開いた。
「・・・トウマ」
「・・・入るか?」
「・・・お邪魔します」
斗真の誘いに乗っかり三玖は、斗真の布団の中に入り抱きついてきた。
「ずっと、こうしたかった・・・」
斗真は、何も言わずただ三玖の思うがままにさせてる。
「・・・寂しい思いをさせたな」
「・・・でも、ちゃんとここにいる」
「・・・そうだな」
そして2人は、寂しさを埋めるかのようにそのまま抱きあったまま眠りについた。
翌日。
皆が起きる頃、一花が目を覚ました。
「フータロー君?なんで・・・っ」
一花は、何故上杉が隣にいるのか分からないでいたが辺りを見回すとそうも言ってられないようだ。
「アハハハっ・・・。みんな滅茶苦茶・・・」
寝る場所に警戒していたのにも関わらず元の位置でなくバラバラで眠っている事に思わず苦笑いを浮かべる一花。
すると一花は、ある事に気づいた。
「五月ちゃんは・・・。もう起きたのかな?」
一度立ち上がろうとした時、一箇所だけ布団に包まれている場所を発見した。
一花は、それが気になり驚かせてやろうかと悪戯心が芽生えた。
ゆっくりと布団を捲るとその顔は、斗真だけだったが斗真以外の長い髪が見えた。
一花は、疑問に思いもう少し捲ってみた。一花は、思わずその光景を見て驚愕の表情を浮かべた。
「(えぇぇーーーーー!!????)」
一花がみたものとは、三玖と斗真が抱きついて眠っていたのだ。
「(え?!何で!?何で2人が抱きついて眠っているの!?もしかして2人付き合ってるの!?
でも、そんな素振り見せてなかったよ!?)」
一花は、何とか顔の表情に出してはいないがそれでも一番大人しい性格の三玖が異性との接点はほぼゼロだと思われていても仕方がない。
しかし、今、目の前の現実では、その認識を改めなければならない。
パニックの中、ようやく落ち着いた一花は、この2人を起こそうとした時、三玖の表情を見た。
「(・・・笑ってる。すごい幸せそう)」
一花がみた三玖の笑顔は、今まで見た事の無い幸せな笑顔だった。
その表情を見た時、どこか寂しい表情を浮かべた。
「(私達は、五つ子。血の繋がった姉妹・・・。この幸せは、五等分しないといけないのかな・・・?)」
『幸せも五等分』それは、今は亡き母の遺言。しかし、今となっては、悩みの種・・・。
彼女達は、自分達だけの幸せを掴む権利がある事を知る。そんな中・・・。
「皆さん、起きて下さい」
バタンとドアが開くと五月が部屋に入ってきた。
一花は、慌てて布団を被せた。
「お、おはよう!五月ちゃん」
「おはようございます、一花。どうしたんです?そんな慌てて」
「いや、ちょっとビックリしただけだよ」
「そうでしたか・・・」
そんなやりとりをしている中だった。
「・・・中野?」
突如、廊下にいた人に声を掛けられた五月は、その方に視線を移すと何と学校の先生がいたのだ。
「まさか、同じ旅館に宿泊していたとはな・・・」
「・・・うん、よくクラスメイトにも先生にも会わなかったね」
その後、教師一同と共に学校が用意したバスに乗り改めて林間学校に向かうのだった。
「(生徒が教師に好意を抱いた時、その生徒も正すのも教師の務め・・・。
上杉君、あなたの家庭教師としての覚悟。この林間学校で確かめさせていただきます。
そして、新城君。貴方が何者なのかを・・・)」
しかし、この時の五月は気づいていなかった。
既に斗真と三玖が恋仲になっている事に。
国の為に働いている諜報機関の人間だと言う事を・・・。
普通の人間が踏み込んではいけない領域に踏み込もうとしている事を・・・。
「・・・林間学校。楽しみだね」
「・・・だな」
斗真と三玖は、お互いの手を皆が見えない様に握るのであった。
その頃、一花は、以前斗真が投げ飛ばした芸能事務所の社長からメールが来ていた。
その内容は・・・。
−−−−女優業に専念する為、休学も視野に入れる事
こうして、相変わらずの破茶滅茶な日常の1ページが綴られようとしていた。
前回の話を書いていたときに、どうやっても中途半端になってしまうという事で分割する事にしました。
誤字脱字ございましたら連絡下さい。
では、次回。