では、どうぞ。
彼女達の実力テストを行った翌日。
斗真は、何気なく登校しているが上杉が走りながら来ていた。
恐らく、夜遅くまで勉強していたのだろう。
勉学に励むのはいいがそれで体調を崩したら元も子もないのに・・・。
すると、一台の車が学校の校門前に停まった。
「見た事のない車だな。100万位するんじゃ無いか?」
「いや、上杉。その車。恐らくリムジン。下手したら0がもう一つ増える」
「・・・マジで?」
などと話していると車のドアが開いた。
中から出て来たのはまさかの中野姉妹だった。
「お前等!?」
「何ですか?ジロジロ見て・・・」
「おはようございまーす!」
「おー。フータロー君とトウマ君」
「またアンタ達?」
「・・・あ、トウマ。おはよう」
「あ、おはよう。三玖」
そう言いながら中野姉妹は階段を駆け上がって行った。
「上杉。お前、避けられてる?」
「・・・は!待てお前等!よく見ろ。害は無い!!」
「・・・ダメだこりゃ」
斗真は、上杉の行動に思わず頭を抱えた。
「騙されないわよ」
「油断させて勉強教えて来るかも」
「お前等、俺を一体何だと・・・」
上杉の扱いが雑過ぎて更に頭を抱えた斗真だった。
「私達の力不足は認めましょう。
ですが、自分の問題は自分達で解決します」
「勉強は一人で出来る」
「そういう事」
などと言う中野姉妹達。
しかし、上杉はそのまま彼女達にこう話した。
「そうか。じゃあ、テストの復習はしたよな?」
「「「・・・」」」
そう言うと思わず言葉を詰まらせる姉妹達。
コイツ等・・・。
「問一、厳島の戦いで毛利元就が破った武将を答えよ」
「と、斗真?」
「この問題は、上杉がお前達に用意した実力テストで実際に出た問題だ。
正解していれば普通に答えれると思うが・・・」
すると背を向けていた五月が振り返る。
解答するかと思いきや・・・。
プルプル震え涙目になり頬を膨らませていた。
「・・・無言」
「・・・」
「何ですか!その目は!?」
「・・・はぁ」
「あからさまな溜息を吐かないで下さい!!」
そんなこんなでこの場にいると遅刻してしまうので教室に移動する事になった。
「上杉」
「斗真?」
「ここ。見てみろ」
上杉は、斗真が見せて来た所を拝見する。
すると上杉も見せてきた所を見てそれに気付いた。
「これは・・・」
「妙だろ?」
「ああ、三玖の奴。正解しているのに何で・・・」
「三玖の事。俺に任せていいか?」
「いいのか?」
「お前の社交性を考えれば俺の方が上手く行くと思うが?」
「・・・分かった。頼んだぞ」
多少不満はあったが納得はしてくれた。
斗真は、軽く頷き教室に着いたので斗真達は別れた。
だが、彼女と話をしたいのだが思う様に時間が取れないでいて頭を抱えていた。
そんな時だった。
「・・・トウマ」
三玖自身が斗真の所に来てくれた。
「どうした?」
「一緒にご飯食べない?」
「いいよ。行くか」
三玖の誘いで一緒に昼食を取る事になった。
他の男子の殺気を浴びながら・・・。
「(コイツ等・・・。何かして来たら再起不能になるまで叩きのめしてやろうか・・・?)」
何やら物騒な事を考えていた斗真であったとか・・・。
食堂の中に入り、三玖のお気に入りの抹茶ソーダを買う。
因みに、斗真は無糖の紅茶。
「・・・トウマって意外と少食だね」
「今、体を鍛えているからってのもあってな。
低カロリーで高タンパクな食事を取る様に心がけている」
「トウマってそう言うの詳しい?」
「いや、受売り。中学の時、お世話になった先生がその辺に詳しい人を紹介してくれて」
「そうなんだ・・・」
そんな感じで席を探している時だった。
「うーえすーぎさーん!!」
何処かで聞いた事のある元気っ子の声。間違いない・・・。
「元気な奴だな・・・」
「でも、それが四葉のいい所」
「よくガス欠しない物だ。俺達も行こうぜ。
食べる時間がなくなる」
「うん。そうだね」
そう言いながら彼女達の元に向かっていった。
そして、上杉達と合流すると上杉が負のオーラを纏っていた。
「あ、トウマ君」
「あ、新城さん!」
「どうも。んで、どう言う状況?」
「恋・・・。あれは学業から最もかけ離れた愚かな行為だ。
したい奴はすればいい。だが、そいつ人生は学生時代がピークだろう」
その様子を見た一花、三玖、四葉は、唖然とした表情で見ていた。
「この拗らせ方・・・。手遅れだわ・・・!!」
「お前が原因かい・・・」
「アハハ・・・。新城さんはどうですか?恋愛する相手いますか?」
「さあな。行くぞ、三玖」
「うん」
それだけ言ってその場を離れた。
三玖は、そのまま斗真について行った。
「・・・何かいい雰囲気ですな」
「・・・いい雰囲気ですね」
などとほざいている長女と四女がいたとか・・・。
席を見つけ食事を取る事になった斗真と三玖。
そして、斗真は疑念だった事を三玖に聞いた。
「三玖。今朝の問題、テストの時は正解していたのに何故言わなかったんだ?」
「!」
その言葉を聞いた時、ビクッ!と震えた。
「・・・気付いてたの?」
「上杉が前回のテストの採点の記録をしてた時に見せてもらってな。
それを見て知ったんだ」
「・・・そう、だったんだ」
すると三玖は、心なしか暗い表情をしていた。
「・・・誰にも言わないのなら話していい」
「分かった。約束しよう」
すると三玖は、ポツリと話し始めた。
「私ね・・・。歴史が好きなの。正確には戦国武将何だけど・・・」
「戦国武将?」
所謂、歴女という奴か・・・。
しかし、このご時世、歴史の人物が好きと言う人はいてもおかしく無いと思うが・・・。
「クラスのみんなは、イケメン俳優や美人のモデルが好きだって・・・。
私だけ、髭のおじさん・・・。変だよ・・・」
この事を聞いて斗真は、確信した。
周囲の人達は、現代の様な今時の事の流行を好んでいるが彼女は違う。
「(本当に歴史が好きなんだな・・・)」
などと考え斗真は、彼女は、一人形見が狭い思いをしているのかもしれないと思った。
「三玖。自分が好きなものは胸を張っていい事だぞ」
「・・・え?」
「大切なのはその好きな気持ちを忘れないでいる事。
好きな物があるのは誇っていい事だぞ」
「・・・誇っていい事」
「まあ、言いふらす様な事をしろって訳じゃ無い。
本当に好きなら胸を張って好きですっていえばいいんだよ。
それは他でも無い君自身が好きになった事だから」
三玖は、斗真の言葉を聞いたとき頭の中でリピートする。
「中学の時にゲームが凄い上手い女子がいたんだ。しかも成績は優秀で。
1科目だけだけど学年上位にも入る程のね」
「・・・そうなの?」
「ただ、その子の親は、虚栄心、要は見栄を張りたがる人だったらしくてね。
良い点を取り続けなければならないプレッシャーのせいで落ちこぼれになったんだ」
「え!?」
三玖は思わず驚いてしまった。
すると昼休み終了の予鈴がなった。
「気になるなら放課後。話の続きしよう」
そう言いながら斗真は、教室に戻った。
しかし、三玖は驚きの声を上げていたが声が出なかった。
「・・・学年上位だったのに落ちこぼれって」
三玖は、時間がない事に気付き慌てて教室に戻った。
因みに、時間はギリギリでしたが教師には特に言われず次は余裕を持って行動してねと言う小言を貰った程度で済みました。
放課後となり三玖は、話の続きをしたいと言われ落ち着いて話をする為今度は、屋上のベンチに来ていた。
上杉には、「今すぐに勉強をさせて成績を上げるなら苦労しないから少し待て」と釘を刺した。
その為、下手に邪魔はされないだろうと踏んでいる。
「さて、話の続きだな」
「うん。それで、どう言う事?落ちこぼれって」
「俺とその同級生は、椚ヶ丘中学のクラスメイトだったんだ」
「・・・椚ヶ丘って凄い頭いい進学校だよね?」
「ああ。だが、同時に居心地の悪い学校だった」
「え?」
「成績がある程度下がると落ちこぼれと評され裏山にある旧校舎で授業をする羽目になるんだ。
劣悪な環境下で授業をするほどのな・・・。それが
何て聞こえはいいけど実際はそのクラスに行くと本校舎の生徒に晒し者にされる様になってしまう・・・。
こうして言われるのが
「・・・酷い」
「そいつが成績不振になったのは目の前の現実が嫌になってゲームにのめり込んだ」
「・・・でも、成績は学年上位に入ったんだよね?」
「それは、俺達が3年になった頃に入って来た先生の言葉がきっかけで精神的に吹っ切れたってのもあったんだよ」
「どんな事を言われたの?」
斗真は、かつての担任の言葉を思い出していた。
「清流に棲もうがドブ川に棲もうが前に泳げば魚は美しく育つ。
要は、大事なのは居場所や肩書ではなく、本人がどう生きて何をやりたいかだ」
「何をやりたいか・・・」
「後は、お前の気持ち次第だ。それに・・・」
斗真が繋いだ言葉に三玖は頭を?にした。
「歴史好きは、勉強で言う日本史の問題に対抗する刃となる。
お前の日本史好きの思いがあるのなら俺とやってみないか?勉強」
その言葉を聞いた時、三玖は悩んだ。彼の言葉を信じていいのか。
すると三玖は、ある事を聞き出す。
「・・・斗真は、日本史は得意?」
「学校の授業で勉強している範囲なら答えられる。
けれど、もし俺が知らない事があるならその時は、教えてくれよ」
「・・・私が、教える?」
「勉強は必ずしも一人で出来ると言う訳では無い。
だからこそお互いに手を取り合って学んでいく事が大事なんだ」
斗真は、ベンチから立ち上がり彼女に手を差し出した。
「一緒にやろうぜ。勉強」
その言葉を聞いた時、三玖は少し戸惑ったがその手を差し伸べ・・・。
翌日の放課後。
上杉と四葉は、一緒に図書室で勉強していた。
すると、図書室が開くと斗真が入って来た。
上杉がそれに気付き、こちらに来る様に誘導する。
「遅くなった」
「斗真、三玖の方は・・・?」
「ああ、それだが・・・」
何かを言おうとした時、また図書室のドアが開いた。
上杉と四葉は、視線をそっちに向けると驚いた表情をしていた。
「・・・トウマ。遅くなった」
「大丈夫だ。俺も、今来たばかりだ」
「三玖!来てくれたのか!」
「・・・トウマも教えてくれるって言ったから。
その話を聞いて私でも出来るって考えた。だから、責任、取ってよね」
その事を聞いた時、不敵な笑みを浮かべた。
「おう、任せろ!」
こうして、三玖も上杉の授業に参戦する事となった。
残るは、後3人。まだまだ問題はあるけど1つずつ解決していこう・・・。
今回は、ここまでとなります。
誤字脱字ございましたら連絡ください。
では、次回。