五等分の花嫁と元暗殺者   作:シナプス・フィン

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ここ数話で、三玖のやり取りを広げられない事と暗殺教室のキャラを出したいがタイミングが難しく悩んでいる作者です・・・。


では、どうぞ。


第6話 やっぱり前途多難

三玖が上杉の授業を受ける様になって早数日。

今日は、中野家で授業をする事になった。

そして斗真は、駐輪場にバイクを止めてマンションに向かっていた。

そんな時だった。

 

「・・・トウマ?」

「三玖?」

 

マンションに向かう途中、バッタリ遭遇。

意外過ぎてお互いビックリした。

そして、彼女の手元にはコンビニ袋があった。

 

「買い物か?」

「うん。二乃のジュースを間違えて飲んじゃったから」

「それはまた・・・」

 

そんな他愛のない話をしながら移動する2人。

到着するとマンション前のパネルで何やら悪戦苦闘中の上杉がいた。

 

「・・・フータロー?」

「何してるんだ?」

「なっ!?お、お前ら、いつから!?」

「今さっき」

「ここに来る途中で三玖と鉢合わせしてな。

そこからここまで一緒にきた」

「な、なるほど・・・。ってそれよりこれをどうにかしてくれ!」

 

そういい上杉が指を刺したのはマンションのキーボードパネルだった。

 

「ここ、オートロックを採用しているからここに番号を入力しないとダメなんだよ」

「そ、そうなのか?」

「・・・フータロー。もしかして知らなかった?」

「も、勿論知っていたさ!」

 

上杉は、痛い所を突かれたのか変な汗を流していた。

 

「まあ、家主がいるんだ。三玖。よろしく頼む」

「うん。フータロー。早く入ろ?」

「あ、ああ」

 

三玖に催促され3人仲良くマンションの中に入っていった。

 

 

 

 

 

中野家に入ったのは良いが、今、リビングにいるのは斗真と三玖だけだった。

 

「スタートダッシュはあまり良いとは言えないな」

「・・・フータローは人望がない」

「それ、本人の前では言うなよ?」

 

三玖の思い掛けない毒舌に思わず引いてしまった斗真。

 

「新城君も来ていたんですか」

 

誰かが声を掛けてきた。

振り返ると上から五月が降りてきた。

 

「お前もやる気になったか?」

「上杉君に呼ばれて仕方なくですけどね」

「実力と態度があってないけどな」

「・・・どう言う意味ですか?」

「威張ってる割には成績は良くない」

「そう言う貴方はどうなんですか!?」

「・・・五月。トウマは、椚ヶ丘中学の出身だから私達より頭いい」

「・・・へ?!」

 

思い掛けない情報が三玖から聞いた時、五月は、驚きの表情を隠せない。

 

「な、何故、今の高校を選んだんですか?」

「生憎、プライバシーに関わるから黙秘権を行使する。

まあ、強いて言うなら進路の際、今通っている高校が都合が良いってだけだ」

 

何処か納得いかない表情でいた。その後、四葉と一花が降りてきた。

二乃は、相変わらずの様だが。

そして、上杉が降りてきて授業を始めようとした時だった。

 

「まーだいたの?」

 

部屋に居たはずの二乃がちょっかいを掛けてきたのだ。

 

「前みたいに途中で寝ちゃわなければ良いけど」

 

二乃の挑発に思わずイラッとしてしまう上杉。しかし・・・。

 

「そう言うお前こそ勉強が必要なんじゃないか?特に法律と化学系は」

「うぐっ・・・」

 

二乃は、思い当たる節があるそうで言葉を詰まらせた。

 

「て言うか、何でアンタがここにいる訳?」

「聞いてないのか?」

「何がよ?」

「俺、正式に上杉の補佐として雇われている」

 

 

 

 

 

「「「「「えぇ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!?????」」」」」

 

上杉以外は、知らなかった様だ。

と言うより三玖もかなり驚いた声出してる・・・。

 

「上杉!アンタ知ってたの!?」

「え?あ、ああ。ただ、お前達が皆揃ったら話をしようって事だったからな」

「まあ、姉妹全員居たから丁度良かったから言ったんだけどな」

 

姉妹達が唖然としている中、淡々と説明する斗真と戸惑いながらも解説をする上杉。

 

「二乃。そんなに俺達と関わるのが嫌ならテストで結果でお前達の父親に示す事だな。

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

しかし、鼻で笑い飛ばす二乃は斗真の話はスルー。

 

「そう言えば四葉。

バスケ部の知り合いが大会の臨時メンバー探してるんだけどあんた運動できるし今から行ってあげたら?」

「・・・は?」

 

二乃の言葉に上杉は戸惑いの声を出した。

斗真は、何処か納得した様な表情をしていた。

 

「(流石、五つ子。彼女達の性格を理解しているな・・・)」

「なんでも・・・「もういい。四葉行ってこい」・・・は!?」

「斗真!?」

「し、新城さん?」

「お前さん。困った人は放って置けないタイプだろ」

「ど、どうしてそれを?!」

 

四葉は、斗真の指摘に思わず驚いてしまった。

 

「お前さん達を学校内で見かけて行動して推測してそれに近い行動を照らし合わせただけだ。

まあ、今、二乃の言動で大まかは理解できたけど」

 

二乃は、上杉と斗真がいる事が快く思っていない。

 

「お前が家族を守ろうとする気持ちは分かった。

だがな、それで守っているつもりならやめて置け」

「・・・言ってる意味が分からないわ」

「まあ、俺には知った事ではないからな」

 

斗真は、四葉に視線を向けた。

 

「専用の問題を用意しておく。

出来上がりは上杉か俺に渡してくれればそれで良い」

「新城さん・・・。ありがとうございます!」

 

四葉は、そういいバスケ部の助っ人に向かった。

 

「・・・大丈夫なのか?」

「時間全てに勉強に費やすより要点を当てる。

効率を上げるにはその方がいい」

 

上杉は、斗真の言い分も一理あると納得した。

二乃は、面白くない様な表情をしていた。

 

「・・・そう言えば一花。アンタ、2時からバイトだったんじゃなかったっけ?」

「ああ、いけない!忘れてた!!」

「一花。間に合わなかったら倍にして課題を押し付けてやるから覚悟しろ」

「全速力で行ってきます!!」

 

斗真のガチな脅し?による圧で一花をバイト先に向かわせた。

二乃は、思わずポカーンとした表情をしていたが気を取り直して次の標的は五月になった。

 

「五月。ここじゃ煩いから図書館でやったら?」

「・・・それもそうですね」

 

五月は、勉強道具を片付け自宅を出ようとする。

 

「出かけるのか?」

「ここにいても集中できませんので」

「それは残念だ。授業を受けてくれたらコンビニの肉まんの無料引換券を差し出したのに」

 

すると突如、ビュンッ!!と言う音が聞こえた。

振り返ると五月が勉強道具を再び広げていた。

 

「何をしているんですか新城君。早く始めましょう。

そしてそのタダ券を私に下さい!!」

「本音だだ漏れじゃねぇかあ!!!」

 

新城は、五月の行動にツッコミを入れてしまった。

五月の言動に思わず二乃と上杉は、唖然とし三玖は、溜息を吐いた。

新城は、思わずマッハ20のタコを彷彿させてしまった。

すると二乃は、気を取り直して三玖に話しかける。

 

「・・・そう言えば三玖。前に間違えて飲んだジュース買ってきなさいよ」

「・・・もう買ってきた」

「えっ?」

 

そう言い三玖は、手元のビニール袋を指差す。

二乃は、その中身を取り出した。

中から出てきたのは・・・。

 

 

 

 

 

抹茶ソーダだった。相変わらず好きだなぁ〜・・・。

そして三玖は、二乃をスルーして勉強を始めた。

この子、思った以上に肝が据わってるな・・・。

 

「時間ないから始めよう?」

「そ、それもそうだな・・・」

 

そう言いなが上杉は、日本史のテキストを取り出した。

斗真も、2人のアシストを出来る様に教材を取り出した。

しかし二乃は、何処か面白くないような表情でこちらを見ていた。

 

「・・・アンタ何?そう言う陰キャ見たいなのが好みなの?悪趣味〜。

まあ、新城の顔は悪くないと思うけど」

 

二乃の指摘で思わずムッとしてしまった三玖。え、何故怒った?

 

「・・・2人共、気にしないで。二乃は面食いだから」

「お前も地味に酷いな・・・」

 

三玖の意外な切り返しで思わず突っ込んでしまった上杉。

斗真も彼女の言葉に思わず意外と言う表情を浮かべた。

 

「・・・そうか。三玖。このままじゃ、二乃は男は顔としか判断せず悪い男に捕まる可能性が高いぞ」

「・・・それは危険。二乃、その考えは改めるべき」

「アンタ等舐めとんのか!!?」

「に、二乃。落ち着いて下さい!!」

 

斗真の思いもよらぬ反撃に怒りを現す二乃を宥める五月。

上杉は、最早ついて行けずただただ戸惑うことしか出来なかった。

 

「(コイツ、下手したら女タラシクソ野郎に会ってる可能性が出てきたな・・・)」

 

など、唐突に旧友のコードネームを思い出す斗真。

そして、その考えに至った結果。

 

「(岡野に聞いてみるか・・・。つか、アイツ等って付き合ってたっけ?)」

 

などとここでは、場違いな事を考えていた。

 

 

 

 

 

 

そんな考えは、他所に斗真が知らぬ間に2人が料理対決をする事になった。

審査は、腹の虫を鳴らしっぱなし上杉にして貰った。

結果からすると両者引き分けとなった。

上杉の舌が肥えてなさすぎで旨いかどうか分からなくなってしまったのだ。

結局、その日は授業は出来なかったので皆で食器や調理器具を片付ける羽目になってしまった。

 

「ご、ごめんね。二人共・・・」

「三玖が謝る必要はないよ。元を考えれば二乃の責任だ」

 

謝る三玖に対してフォローする斗真。

そこで上杉が声を上げる。

 

「・・・正直、二乃の奴と分かり合える日が来るとは思えない」

「・・・そんなことは無いと思いますよ」

 

上杉の言葉を否定する五月。

 

「誠実に向き合えば二乃も分かり合えますよ」

「・・・そんなのどうやって」

「・・・それを考えるのも家庭教師の仕事でしょ」

 

五月と三玖の話に頭を?にせざるを得ない上杉。

斗真は、彼女の行動にある推測を立てていた。

 

「(ここ最近では、俺達と関わりを持たせないように行動をしている。

  原因は、遠目で見ていて気づいたのは姉妹として心許している人物には明るく話している。

  そして、もう一つは、俺と上杉は、敵視している・・・。なるほど、そう言うことか)」

 

斗真は、推測の域ではあるがある程度の答えを導き出してきた。

 

「(二乃。その態度を続けるのなら・・・。

 

 

 

 

 

  下手したら取り返しのつかない事になるぞ)」

 

そう考えながら二乃のいる二階を見つめる斗真だった。

 

 

 

 

 

「それじゃあ、俺達は帰るよ」

「・・・気をつけてね」

「四葉の問題集は直接渡すか三玖に頼むよ」

「・・・何故、三玖なのですか?」

 

「「クラスメイトだから」」

 

「息ピッタリですね・・・」

 

「「無い無い」」

 

「本当にピッタリですね!!?」

 

五月は、2人の思いも寄らぬシンクロ率に驚く事しか出来なかった。

 

「やれやれ。上杉。行くぞ」

「あ、ああ。それじゃあ2人共。しっかり課題やっとけよ」

 

そう言い2人は中野家を後にした。

 

 

 

 

 

「なあ、斗真」

「二乃の事、気になるのか?」

「・・・気付いてたのか?」

「少なからず、今のアイツじゃ何も変わらないだろう。

この先、突きつけられる現実に耐え切れるかどうか・・・」

「お前、結構怖い事言うな・・・」

 

などの話をしている時だった。

 

「・・・いけない。財布を忘れた」

「どうする?待ってようか?」

「どうせ取りに行くだけだから先に帰っててくれ」

「そうか。それじゃあ、また学校で」

「ああ。それじゃあ」

 

そして、斗真は駐輪場に向かいバイクに乗りガソリンの補充をしないといけない事を思い出し近くのガソリンスタンドに寄り道をしてから帰宅するのであった。

すると、そんな時。斗真の携帯にメールが届いた。

差出人は、上杉だった。内容は・・・。

 

 

 

 

 

助けて・・・。

 

ガソリンスタンドが丁度満タンになり急いで中野家に向かう斗真であった。

 

 

 




今回は、ここまでとなります。


誤字脱字ございましたら連絡ください。
では、次回。

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