今日は番外編!エマちゃんの誕生日回です!
ではどうぞ!
冬の終わりが見えそうでまだまだ寒いある日のこと……
「ふー、着いたな」
「あっという間だったね〜」
高咲徹とエマ・ヴェルデはある場所に来ていた。
「今日は誘ってくれてありがと〜、徹くん!」
「ううん、こっちこそ、誘い受けてくれてありがとな」
どう言う経緯でこうなったかというと……
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「ふむ。エマちゃんが楽曲作りで躓いてる、か……」
「そうなのよ。なんか最近パッとしなくてね……」
果林ちゃんが相談を持ちかけてきた。
まあ確かに俺もそんな感じがしてたんだよな。俺が話しかけても反応が遅くなってるし。
「うーむ……どうすればいいんだろうな」
「そこでね、徹にお願いしたいことがあるのよ」
「ん? お願い?」
「ええ。エマにリフレッシュしてもらうためにどこか連れて行って欲しいのよ」
リフレッシュか……確かに、煮詰まっている時に一旦頭をリセットしてリフレッシュさせるっていうのは良いかもしれないな。
「なるほどな。あ、でも果林ちゃんは来ないのか?」
「私? 私は行かないわ……エマ、来週誕生日なんだし」
「へぇ、エマちゃん来週誕生日なんだな! ……って誕生日だからってなぜ来ないんだ?」
「はぁ……まったく、こういう時だけ鈍感ね……」
「???」
何だか俺、呆れられちゃってるような……? 俺はそのような言動をしたつもりがないし、一体何故だ……?
「と、とにかく! 私は行かないから、エマと二人で行ってきて!」
「お、おう、分かった……」
突然の剣幕に、ただ頷くしかなかった。
……なんか釈然としないが、何か訳があるんだろうな。
そうすると、どこ行こうかな……エマちゃんって確か自然が好きだっけ? それに彼女の故郷・スイスはアルプス山脈があるから、山は彼女にとって親しみがあるだろう。
だったら……あそこに行こう。
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こんな感じで、徹がエマを山登りに誘い、今に至る。
「ねぇ徹くん、今私たちはどこに向かってるの?」
「あぁ、ケーブルカーの乗り場だよ。それ使って山の半分くらいの所まで登るんだ」
奥ゆかしい建物が並ぶ通りを歩く中、エマが出した疑問に答える徹。
「なるほどね〜 ケーブルカーに乗るなんて久々だな〜!」
「あ、そうか。スイスにもケーブルカーあるんだっけ?」
「うん! 確か世界一急な勾配を登るケーブルカーだって聞いたことはあるよ!」
「世界一か……それにしてもスイス……行ってみたいな〜……」
彼女の母国であるスイスの話を聞き、徹はスイスに対して関心が湧いた。
「ふふっ、徹くんが来たらうちの家族のみんな紹介するよ! あっ! あとネーヴェちゃんも!」
「あぁ、話によく出てくるヤギのネーヴェちゃんね。どんな子か気になるな〜」
普段の日常の会話の間で、既にエマの実家で飼っている山羊の存在を、徹は聞いていた。
「とっても可愛い子だよ! 徹くんが撫でてあげたら、きっと喜ぶよ〜」
そんな感じで二人で話しながら歩き、ケーブルカーに乗った。
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チャオ〜、エマです!
今日は徹くんが山登りに誘ってくれて、今その山のケーブルカーに乗って山を上がってきたよ〜
それでね、日本のケーブルカーって見える景色がスイスのとは違って、乗っててワクワクした!
「よし、ここから少し自分の足で登っていくぞ」
ここから登るだね〜……わー、楽しみ!
あっ……くんくん……何か良い匂いがする……
「ん? どうしたエマちゃん……? ……あっ、もしかしてあの天狗焼きか?」
「えっ!? ……う、うん……」
へぇ〜、あれ天狗焼きって言うだね〜……甘い匂いがして美味しそう……!
「……もしかして、食べたいのか?」
「……」
思わず食欲に負けて頷いちゃった……やっぱり美味しいものをたえにしたら勝てないね!
「よし、じゃあ登る前にちょっと食べていこうか!」
「……! うん!」
わ〜、どんな味なのかな? 中身は何が入ってるんだろう……?
「あっ、ちなみに今日は食費とか全部俺が払うよ」
「えぇ!? そ、それは申し訳ないよ! 私も払う!」
いきなり徹くんこんなこと言うから凄いびっくりしちゃった。流石に徹くんにそこまではさせられないよ……
「いーや、大丈夫だ! ……来週エマちゃん誕生日なんだろ? だから、今日はそれくらいしてあげたいんだ」
「でも……」
わ、私の誕生日を知ってたんだね……もしかして、果林ちゃんから聞いたのかな?
でも、それでも申し訳ないよ……いつも徹くんには相談に乗ってもらってるし……私、何も出来てないから……
「……それにな、エマちゃんには色々と感謝してるんだ」
「えっ? わ、私そんなに感謝されるようなことした……?」
思い当たることがなくて、少し困惑しちゃう私。
「あぁ。普段から俺が少し弱音を吐いた時に大丈夫って言って安心させてくれるだろ? あれ、ホント助かってるんだよ。なんか、エマちゃんがそう言ってくれると本当に安心しちゃって、気持ちが楽になるからさ」
「そ、そうなのかな……?」
私はただ、弟たちにしてあげてたことを徹くんにもしてあげてるだけなんだけどな……
「うん、だからエマちゃんが誕生日近いっていうこの時に、お礼をさせてほしいんだ。これは俺の頼み事だ」
……もう、徹くんったら、いつも優しいんだから。
なんだろう、胸がドキドキする……
「……じゃあ、お言葉に甘えるね」
そんな感じで、徹くんと二人でその天狗焼きを食べました!
中身は餡子なんだね〜、それに焼きたてだから生地がカリカリしててとてもボーノだったよ〜!
また、二人で食べに行きたいな〜!
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はあ……やっと頂上についたな。あ、どうも、高咲徹だ。
たった今俺とエマちゃんは山の山頂についたところだ。山登りと言っても別に獣道を歩いてきたわけじゃない。普通に舗装されてて、人通りも多い登山道だ。獣道なんて、そんなところをエマちゃんには登らせられないからな。
「着いた〜、何か話してたらあっという間だったね〜」
「そうだな……あっ、ほら、山頂の景色を見てみ?」
「えっ? ……ふわぁ……!」
そこには、思わず感嘆の声を出してしまう程の雄大な景色が広がっていた。天気が良いので、景色の奥の方には都会の高層ビルやタワーも見える。しかし、お台場から1時間半でこれだからな……割とこういう場所って身近なんだな。
「凄く綺麗な景色だよ、徹くん!!」
「あぁ、そうだな……」
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ここで、二人の会話が一瞬途切れた。二人とも美しい景色に心を奪われているようだった。そんな中会話を切り出したのは、徹だった。
「そういえば果林ちゃんから聞いたよ。曲作りで行き詰まってるって?」
「えっ? ……うん、何か考えれば考えるほど分からなくなっちゃって……」
彼女は苦笑いをしながら言った。
「なるほどね……」
「……もしかして、今日誘ってくれたのって……」
「あぁ、少しリフレッシュが必要だろうと思ったからな。どうだ、今の気分は?」
「……うん! 何か吹っ切れた気がするよ!」
「そうか。それは良かった!」
「……徹くんは本当に優しいね」
「ん? ……俺が?」
「うん、いつも私たちのために行動してくれるもん。だから……ありがとう!」
エマの真っ直ぐで純粋な目が、徹に向けられている。
「お、おう……なんか照れるわ……あっ、でもな? 今回誘ったのはそれだけじゃないんだ」
「えっ? そうなの……?」
「あぁ……エマちゃんと二人でお出かけしたこと無かったから、いつか一緒に行きたいなーとずっと思ってたんだ。だから、さっきのはそのきっかけに過ぎないよ……それに、エマちゃんのこと、もっと知りたいしな」
「ふぇっ……!?」
徹が発した最後の言葉で、エマの頬は紅く染まった。
「……あっ、すまん! 変なこと言っちまったか……?」
二人の間に少し気不味い空気が流れたが……
「……ううん、良いよ。また今度二人でお出かけしたいな」
「お、おう、そうか……じゃあ、またお出かけに誘うな」
「……! うん!!」
(果林ちゃん、果林ちゃんが言ってたあの気持ちってこのことなんだね……!)
そう、この時エマは自分の心の中にある気持ちが芽生えたことを自覚したのであった。
今回はここまで!
まず、ご報告なのですが、この『高咲兄妹とスクールアイドルの輝き』のお気に入り登録数が100を突破しました!!まさかここまで伸びるとは思ってなかったです…作者の私もかなり驚いています笑
お気に入り登録してくださった方々、ありがとうございます!!
それで、エマちゃんですが…もう、マイナスイオンパワーは半端ないですね…特に声が可愛くてもう癒しですわ…
ではまた次回!
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