高咲兄妹とスクールアイドルの輝き   作:Ym.S

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どうも!
今回は本編第18話です!
では早速どうぞ!


第18話 高咲兄、動きます。

 

 

 

「スクールアイドル同好会は……本日をもって、廃部となりました」

 

 

 

 

 

 

 

「……は?」

 

 

 

 

 俺は耳を疑った。

 

 愛ちゃんにスクールアイドル同好会の場所を教えてもらった後、俺と侑、歩夢ちゃんと共にその部室の前まで行き、中に入ろうとしたとき、俺がよく聞いた堅苦しい声が聞こえてきた。

 

 まあ、案の定その声の主は菜々ちゃんだった。彼女は侑と歩夢ちゃんに声を掛け、その後俺の存在に気づいたのだが……なぜか驚いた後に目を逸らされた。この時から彼女の様子に異変を感じていた。

 

 それでも、一応もう一度声を掛けてみようと思い、昨日のライブのことで、「お疲れ様!」みたいな感じで言おうと思った……その矢先にこれだ。

 

 

 

 

 待てよ? あの菜々ちゃんが? 

 

 スクールアイドルに本気で、人一倍力を入れて意欲的に頑張っていたあの子が、自身が立ち上げたスクールアイドル同好会を廃部にしたのか……? 

 

 

 普段から常に冷静さを保っていると自負している俺だが、流石にこの時は酷く動揺した。俄に信じられないからだ。

 

 

「では、そういうことなので……」

 

 

 そう言って菜々ちゃんはこの場を去ろうとする……

 

 

 その時だった。

 

 

 

「……ちょっと待て」

 

「っ……!?」

 

 

 俺は低く冷徹な声でそう言うと、菜々ちゃんはビクっとして恐る恐るこちらに振り返った。

 

 

「……あとで生徒会室に行く。良いか?」

 

「……は、はい……」

 

 俺のなかなか見ない態度に、菜々ちゃんは若干怯えているのか、そう答えた。

 

 

 その後、菜々ちゃんはその場を去り、俺たち3人になった。

 

 侑と歩夢ちゃんは驚きとショック受けたような表情をしていた。

 

 

「……すまん。今日は先に帰ってて? ちょっとやることがあるから」

 

「あ、うん……分かった……」

 

 侑がそう言った。

 

 

 これは、俺にも関係する問題事だ。同好会のマネージャーではなくても、ほぼ定期的に同好会を見てたんだから、放っておけない。

 

 

 そうして俺は、生徒会室へ向かった。

 

 

 

 ────────────────────

 

 

 

 同好会の部室前を後にして、今俺は生徒会室の前に来ている。

 

 俺が合宿に行ってる間に一体何があったのか、菜々ちゃんに聞かなければならない。

 

 

 ……とついさっきまで強く思っていたが、今はどちらかというと反省と後悔の念に駆られている。

 

 何に反省しているかというと、先ほどの菜々に対する態度だ。俺がつい最近まで出していなかった、怒りと取られるであろう態度をとった時、彼女は明らかに怖がっていた。

 

 話が急だったとはいえ、彼女を怖がらせるほどのことをしたのは俺の過ちだ。ちゃんと謝らなければならない。彼女から話を聞くのはその後だ。

 

 

 そう俺の頭に言い聞かせながら、俺は生徒会室のドアをノックした。

 

 

「……どうぞ」

 

 

「失礼しまーす……」

 

 

 中から菜々ちゃんらしい声が聞こえたのでドアを開けると、普段より少し険しい顔の菜々ちゃんがいた。

 

 俺はドアを閉め、座る菜々ちゃんの目の前まで来た。

 

 

「……で、要件は何ですかっ……」

 

 

 彼女は少し後ろめたい感じで俺に問いかけた。

 

 

「んー……その前に一言言わせて……さっきはあんな感じで言ってしまってごめんな」

 

 

「……えっ?」

 

 

 菜々ちゃんは予想外だったのか、俺の返答に驚く。

 

 

「いや、さっき俺が後で生徒会室に行くって言ったときさ、かなり怖がるような顔してたでしょ? 怖い思いさせちゃったかなーって思って……」

 

 

 動揺を隠せなくてあんな態度取ってしまった……衝撃的だったとはいえ俺らしくなかったと思う。

 

 

「い、いえ! それは……少し怖かったですけど、大丈夫です……」

 

「そ、そうか……なら良いんだが……」

 

 

 まあ、この反省は今は置いておかなければ。それを引きずるのも俺らしくないから……

 

 

「それで本題なんだけど……俺がいなかった時に何があったか教えてくれないか?」

 

 

「っ……」

 

 

 すると、菜々ちゃんの表情はより険しくなった。

 

 

 

 彼女は少し間を取ってからこう続けた。

 

 

 

 

「……私のせいなんです」

 

「えっ?」

 

 

 

 

 菜々ちゃんのせい? どういうことなのか……? 

 

 

 

 

 

「私がわがままを言ったせいで同好会がバラバラになってしまったんですっ!!! ……私から言えるのはそれだけです」

 

 

 

 

 ……何がなんだかこの一連の言葉からは理解しがたいが、これはかなり深刻な状況であることは感じ取られた。

 

 

 菜々ちゃんが悪かった? いや、彼女がただそうと思い込んでいるということなのか、どうか。

 

 

 ……これ以上彼女から聞き出すのも今は難しそうだ。他のメンバーにも聞いて事態を正しく理解しなければならない。

 

 

「……分かった。そういうことならば、俺はこれ以上聞かないよ。ただこれだけは言っておく」

 

 

 すると俺は、菜々ちゃんが座っている会長の席の机まで行って、彼女の目線の高さまでしゃがみ込み、優しい表情で彼女の目をしっかり見て……

 

 

「俺はいつだって菜々ちゃんの味方だ。それだけは覚えててくれ」

 

「……!!」

 

 

 彼女にそう言い残し、生徒会室の出口に向かう。

 

 

「じゃあ、失礼するよ」

 

 

 俺は生徒会室から出て、その場を去った。

 

 

 ────────────────────

 

 

 

 それから俺は色々な場所に行った。

 

 

 まずは演劇部が練習してる場所に行って、休憩中のしずくちゃんに話を聞いた。

 

 その後、庭の近くで寝てた彼方ちゃんを見つけて話を聞き、学校の食堂で黄昏ていたエマちゃんにも話を聞いた。

 

 ……残念ながらかすみちゃんは見つからず、話を聞けずじまいになってしまった。

 

 それで今、俺は学校からの帰り道の途中だ。

 

 

 3人に聞いた話によると、俺が合宿に行った3日後くらいに、同好会のみんなが練習していた時、せつ菜ちゃんのあまりのスパルタ指導にかすみちゃんの堪忍袋の緒が切れてしまい、そこから険悪なムードになって最終的にせつ菜が廃部にすると言い出したらしい。

 

 まあせつ菜ちゃんが練習に厳しいのは今までもそうだったが……まあ、少し熱心になりすぎたっていうのはあるのだろうか。

 

 それに俺が少し前から懸念していたことでもあるが、方向性の違いがあったっていうのも原因なのかもしれない。歌いたい曲のテーマについて聞かれた時はみんなバラバラだったし……今回の出来事でそれが大きく現れたということなのかもしれない。

 

 ただ、みんなはまだスクールアイドルを続ける意欲はあるみたいだし、このまま終わるわけにはいかない。

 

 とはいえしかし、解決策が思いつかないぞ……

 

 

 二つの対立したやりたいこと。どちらも尊重するべきことだ。しかし、活動としては一つに絞らなければならない。どちらかが選ばれ、どちらかが棄却される。

 

 どうしたらいいものか……

 

 

 

 そう考えてると、いつのまにか俺が住んでるアパートが遠くに見えてきていた。

 

 

 ん? あれは……

 

 そのアパートの前には少し長い階段があって、登った先にそれがあるのだが、侑が階段の下に、歩夢ちゃんが階段の上で……踊ってる? もしかして俺、夢見てるんじゃないよな……?

 

 しかし、微かに歌声も聴こえてくる。

 

 

 少し近寄ろう……

 

 

 そして近寄ってみると、歩夢ちゃんの歌声ははっきり聞こえた。目を擦ってみても、頬を抓ってみても、見える景色は変わらない。つまり、これは夢ではない。あの控えめな性格だった歩夢ちゃんが、階段の上で歌とダンスを披露しているのだ。

 

 しかも、この曲は聴いたことがない……まさか歩夢ちゃんが考えたのか……!? そう考えると、更に夢のように思えてくる。

 

 

 しかし、見ているとなんだか歩夢ちゃんが本当に衣装を着ながら、しっかりとした舞台で歌い踊っているかのように見えた。

 

 それも、ピンク色で少し幼い感じの衣装で、ピンクが基調の可愛い感じの舞台のように……そんな初々しさを彼女の歌とダンスから感じた。

 

 

 

 

 そんなパフォーマンスが終わった後、歩夢ちゃんと侑が少し言葉を交わした後に、俺が声をかけた。

 

 

「侑、歩夢ちゃん!」

 

「「あっ! お兄ちゃん(徹さん)!」」

 

「さっき歩夢ちゃんが歌ってるのを見たよ。凄く良かった!」

 

「えっ!? み、見てたんですか!? 恥ずかしい……」

 

「ふふっ……あっ! それでねお兄ちゃん! 私、歩夢がスクールアイドルを目指すのを手伝おうと思うんだ!」

 

「えっ!? ……歩夢ちゃん、本当か?」

 

「はい……私もスクールアイドルに興味がありましたし、あんな風になりたいと思ったので!」

 

「……なるほどな。なら、俺も応援するぞ」

 

「ホント!? ……あっ……」

 

「ん? どうした?」

 

 

 ……もしかして、今タメ口になったからか? 

 

 

「……タメ口のことなら気にしないで。というかむしろ敬語はやめてほしいんだけどね?」

 

「えっと……それは……む、無理です〜!!」

 

 すると、歩夢ちゃんはアパートの方向に走り出した。

 

 

「あっ! ちょっと、歩夢ちゃん!?」

 

「あははは! 歩夢、待て〜!」

 

 

 こうして、歩夢ちゃんはスクールアイドルを目指すことになる。

 

 

 




今回はここまで!
ここで、アニメ第1話の最後まで到達しました!
少しシリアスなお話が続きますが、なるべくシリアスさは抑えるようにして書いていきます!
次回から第2話の内容に入ります!お楽しみに!
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