今回は本編第21話です!
ではどうぞ!
かすみが元気をなくし、急に帰ってしまってから一夜が明けた。
放課後、学校の中庭のベンチにそのかすみの姿があった。
(せっかくみんなが帰って来られるようにしてたのに……)
思い詰めた様子で前を見つめていた。彼女は、自分の価値観を他人に押し付けていたことに気づいた。
元々、せつ菜の熱血的な指導とスパルタに嫌気が差すと同時に、彼女の目指すスクールアイドルとは全く異なることに焦りを感じたことから、せつ菜と対立した。
せつ菜が自分のペースで物事を進めていたのは事実だが、それは自分自身も同じであった。歩夢に自分にとっての『可愛さの理論』を押し付け、彼女にトラウマを植え付けさせてしまった。
今までの同好会のネームプレートを取り返すことや、同好会のメンバーを増やしたかすみの努力が、この最大の問題に直面したことによって無意味になる……と。
かすみは焦っている。
「はぁ……」
すると、彼女は溜息をついた後立ち上がって……
「どーしたらいいんですかぁー! かすみん困っちゃいますー!!」
頭を抱えながら左右に振った。
すると横から声がかけられた。
「かすみちゃん」
「えっ……? うわぁぁ!? いつの間にー!?!?」
侑が隣に座っていた。
「なんか昨日から様子がおかしかったから」
「あれ、徹先輩と歩夢先輩は……?」
「お兄ちゃんは少し調べ物してから来るって言ってて、あと歩夢はもう少し練習してから来るって!」
その時、かすみの心の中の曇りきった空に一筋の光が差した。
「……! ……うわぁぁぁぁん!!」
「うわぁ!?!?」
かすみは泣きながら、侑を押し倒した。
「侑せんぱぁぁぁい!!!」
まだ救いがある、かすみはそう感じた。
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ふぅ……有意義な時間だったな。
俺こと高咲徹は、さっきまで図書館にいた。ただ暇を持て余していた訳ではなく、少し調べ物をしていたのだ。
それで今俺は侑たちが待つ公園に向かっている。
今ちょうど学校の中庭に出たのだが……
「にゃぁ」
ん? ……今猫の声が聞こえたよな? 学校に猫なんか居るわけ……
そう思いながら声がしたほうを向くと……
「ホンマにおった……」
そこには、白い毛色の猫がいた。
……驚きすぎて何故か関西弁になっちまった。
それより、この猫可愛いな……でも学校に猫がいるのはちょっと不味いような……
そう考えていると……
「あっ、いた!」
「おー、やっと見つかった〜」
その猫の後ろから、見覚えのある子達が駆け寄ってきた。
「おや、璃奈ちゃんと愛ちゃんじゃん」
「よいしょっと……あっ、徹さん……こんにちは」
璃奈ちゃんは猫を拾い上げると、こちらに気づいて挨拶してくれた。
「おっ、てっつー! どうもどうもー!」
それと同時に愛ちゃんもこちらに気づき、笑顔で手を振ってそう言った。
「その子、猫飼い始めたの?」
「ううん。はんぺんは昨日この学校の庭で拾ったんだ」
「そうそう! それで誰が飼い主か探したんだけど、見つからなくてさー……それで、りなりーが放っておけないって感じでね?」
なるほど、そういうことか……そりゃあ放っておけなくなるな、こんなに可愛かったら……
「なるほどな……はんぺんっていうんだな? ちょっと触らして貰ってもいいか?」
「うん、いいよ──はい、どうぞ」
「ありがとう。あぁいい子だね〜よしよし〜」
「にゃ〜……」
あまりにも猫、もといはんぺんを触りたかったので璃奈ちゃんに触る許可を求めると、快く許可をくれた。
俺がはんぺんの頭を撫でると、はんぺんは気持ちよさそうな顔をした。癒しだな、これは……
「……それにしても、璃奈ちゃんは優しいね。放っておかないなんて」
「そ、そうかな……? でも、学校でペットを飼うのってダメだよね……?」
あー……知ってたんだね。
どの学校もそうだと思うが、校内で動物を飼うことは、校則で禁じられている。
……とは言っても──
「……まあ、校則によればそれは禁止って書いてはあるけどな。俺だったら、こじつけてでもOKしちゃうかもな」
「こじつける……?」
「んー、それって飼うってことにしなければ良いとか?」
「そんな感じだ。まあ、要は物は言いようって訳さ。もっとも、今の生徒会長がどうするかは分からないけどな」
愛ちゃんの言う通り、飼うのがダメならば飼う以外の形ではんぺんを校内に居させればいいのだ。屁理屈ではあるが、これは良い屁理屈だと思う。
校則は校内の風紀を維持するために設けられたものだが、それによっては健全な行動が阻害されることがある。今回がその一例だ。規則はきっちりとしてて万能な反面、融通が効かないという良くない側面がある。
まあうちは自由な校風が売りだし、他の高校に比べたら緩い校則なんだけれども。
「うー……徹さんが今年も生徒会長だったら良かった……」
すると、璃奈ちゃんが惜しむかのようにそう言った。
でも、現生徒会長の菜々ちゃんだって賢い子で人情厚いと思うから、何とか融通利いてくれそうな気もするけどな。
「あはは、なんかそう言ってくれると嬉しいな……あっ! やべ、忘れてた!」
あかん、すっかり忘れてしまってた。腕時計を見る限りまだ時間に余裕はあるが、気づけて良かった……
「どうしたの、てっつー?」
「二人ともすまん! ちょっと友達と待ち合わせしててな……また今度な!」
そう言って俺はその場を後にした。
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徹たちが待ち合わせる公園にて……
「……なるほど、そういうことだったんだね」
「……はい。だからかすみんどうしたらいいか分からなくなっちゃいまして……」
かすみが二人で海辺を眺めながら自分の悩みを打ち明け、それを侑が聞いていた。
「そんな困ってるかすみちゃんも可愛いよ」
「もーっ、からかわないでくださいよぉー!」
侑がちょっとからかうと、かすみは侑の胸をポカポカ叩いて抗議した。
「そうだね〜……昨日お兄ちゃんと一緒に話したんだ。同好会のことについて」
「えっ、そうなんですか……」
「うん。それで私思ったんだ。みんなが自分の個性を存分に出せる、そういう方法があるんじゃないかって」
「個性を……存分に……」
「そう。それが何かまだ分からないけど、そういう方法が絶対あるって思ってる」
「侑先輩……」
すると……
「侑ちゃーん! お待たせ〜!!」
「二人とも! 待たせたな!」
歩夢と徹が走ってきた。
「あっ! 歩夢先輩に徹先輩! 歩夢先輩はちゃんと練習してきましたか〜?」
「うん! 今から撮っていい?」
「あっ、はい……! では……」
そうして、歩夢のPVを撮った。歩夢は変な緊張もなく、内容も申し分なく自信を持ってやり遂げた。
「歩夢! 可愛かったよー! 最っ高だった!」
「歩夢ちゃんすげぇな! 良い自己紹介だったぞ!」
「えへへ、ありがとう……かすみちゃんはどうだったかな……?」
「……かすみんが思ってたのとは違いますが、可愛かったのでOKです!」
「良かった〜!」
歩夢は安心して胸を撫で下ろした。
「……あの、徹先輩」
すると、かすみは徹に話しかけた。
「ん? どうした?」
「その……徹先輩は、私たちの個性が存分に出せる方法があると思いますか……?」
「……うん、あると思うよ。可愛いもカッコいいも共存する、そんな方法をこれから探していける、そう思ってるさ」
「そうですか……! ……先輩! 見ててください!」
すると、かすみは近くの高いところに立つ灯台の横に上がって立ち……
「どんな同好会でも、一番可愛いのは、かすみんですからね!」
すると、夕焼けに染まる空に指をさして、歌い踊り始めた。
その歌、踊りは、かすみらしい可愛らしさに満ち溢れていた……
今回はここまで!
ここで、アニメ第2話の内容は終わりました!
やっと暗闇の中だった同好会に光が見えてきた、そんな感じですね!
そういえば、この度、この『高咲兄妹とスクールアイドルの輝き』のお気に入り登録者数が200人を超えました!
こんなに多くの人が登録してくださって、私は非常に驚いています笑
誠にありがとうございます!
これからもこの小説、また私(Ym.S)をどうかよろしくお願いします!
では、次回もお楽しみに!
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