第25話です!
では早速どうぞ!
「よーい、スタート!」
「負けませんよ〜!」
今、スタートしました! 桜◯賞雑巾ダッシュ部門、今回は誰が勝つのか!?
……違う違う、こんなこと言ってたら本当に競馬の実況みたくなっちゃうな。
どうも、実況の真似にハマってる高咲徹だ。
……いや、ハマってる訳でもないか。
まあそれはさておき、昼間には菜々ちゃんの生徒会の仕事を手伝い、時は過ぎて放課後となった。
今日からついに同好会の活動が再開する。それまではずっと元々同好会だった場所はほぼ使われてなかったので、現在掃除のついでにかすみちゃんと侑が床の雑巾掛けで速さを競っている。思わず実況をしてしまったが、それくらい二人とも張り切って望んでいる感じだな。
ちなみに俺は何をしてるかというと、部室の奥に眠っている備品を運んでいる途中だ。ホワイトボードやイス、テーブルは活動に必要なので、今のうちにこちらに運んでおかなければならない。
「せつ菜ちゃーん、椅子はそれくらいで足りるかー?」
「はい! もう十分ですよ!」
「おーけー!」
雑巾掛けしているのを片目に椅子を運び続けていたが、どうやら持ってくるべき椅子はこれくらいで良いようだ。
今、同好会の部室内の整理整頓については役割が決められており、俺の他にせつ菜ちゃんと彼方ちゃんが備品を運んでいる。
せつ菜ちゃんはこの場にいるが、彼方ちゃんはまだ倉庫内にいるのかな? 手伝えることもありそうだし、ちょっと様子を見にいこう。
そして見にいくと……
「ん〜……! もう少しで届く……!」
少し高めの棚にある段ボールを爪先立ちをしながら取ろうとしている彼方ちゃんがいた。
「……よし、届いたからあとは……あっ!」
すると、取り出す途中で手が滑り、段ボールが落ち……
……なかった。
「危ない危ない……あんまり無理しないようにね」
俺は間一髪で落ちるダンボールに手を伸ばし、なんとか落ちないようにすることが出来た。
「あっ、徹くん……!? ……椅子の方はどうしたの〜?」
彼方ちゃんは俺がここにいることに驚きながらも、そう訊いた。
「あぁ、それならさっきせつ菜ちゃんに確認して足りるって言われたから」
「そうだったんだ……」
「そうそう……それでらこういう高くて取れなさそうなところは無理しないで俺にでも頼ってよな。それで怪我されたら俺も嫌だし」
少し説教臭くなっちゃったけど、これは俺からのお願いだ。
「あっ、うん……ありがと、徹くん」
「おう、どういたしまして」
まあ、彼方ちゃんって頑張り屋さんで物事一人でやっちゃいそうなところあるからな。もう少し人に頼って欲しいもんだ。
「……ねぇ、この体勢恥ずかしいんだけど……」
「ん……? ……あぁ! す、すまん……!!」
あかん、これは色々とマズいぞ……
てか、俺は何故この状態で今まで平然としてられたんだ!?
……今の状況を説明しよう。俺が彼方ちゃんを後ろから支える、というか覆い被さる状態だった。
……しかも手触ってたし。
俺と彼方ちゃんの二人で気不味い空間が流れる。
……そうだ、そろそろ掃除も終わってるかな。なら戻るとするか、うんそうしよう。
「……そろそろ戻るか。時間的に掃除終わってそうだし」
「あ……う、うん……」
彼方ちゃんはまだ頬を赤く染めたまま、二人は倉庫を出た。
────────────────────
「ふぅ〜、綺麗になったね」
同好会の部室へと戻ってくると、侑が雑巾掛けを終えてそう呟いていた。
どうやら同好会の部室の方では、掃除が終了したようだ。意外と早かったな……
「こんなに綺麗な部室は初めて見たかもしれませんね」
「そうだね! おかげで空気が美味しい気がするよ〜」
窓を拭いていたしずくちゃんとエマちゃんも、各々の感想を共有していた。確かに、以前の同好会もこんなに壁や床が白く見えてなかったかもしれない。
「おっ、みんな終わった感じかな?」
そんな様子のみんなに、俺は声を掛けた。
「徹さん、彼方さん、お疲れ様です!」
せつ菜ちゃんが戻ってきた俺達に労いの言葉をかけてくれた。
「あれ? 彼方ちゃん、何か顔赤いけど大丈夫?」
「えっ……!? な、何でもないよ〜!」
エマちゃんに指摘された彼方ちゃんは、何もなかったかのように取り繕った。
……絶対さっきのことだよな。
あれは事故というか……いや、すぐに退かなかった俺が原因でもあるか。
彼方ちゃん、怒ってるかもなぁ……
「これでみんなも揃ったし、これで完成か?」
「まだですよ〜? 最後にやることがあります! 着いてきてください、みなさん!」
ん、まだ何かやることあったか? テーブルに椅子にホワイトボードに──全部揃ったと思うが……?
すると、メンバー全員廊下に集められ……
「……じゃじゃーん!」
「そうか、ネームプレートがまだ残ってたな」
かすみちゃんが行おうとしていたのは、ネームプレートの取り付けだった。
そういえば、ネームプレートを取り返そうと頑張ってたのはかすみちゃんだったな。きっと、この『スクールアイドル同好会』と書かれたネームプレートに一段と思い入れがあったんだろうな。
「ようやく復活だね〜!」
そう、エマちゃんの言うとおり、このネームプレートをつけることが、虹ヶ咲のスクールアイドル同好会にとって再び立ち上がることを示す狼煙になる。ワクワクするよな。
「それじゃあ、スクールアイドル同好会、始めま〜……」
「やっほー!」
「ん?」
かすみちゃんが同好会活動開始の一声を上げようととした瞬間、後ろからこちらに声を掛ける声が聞こえてきた。
俺達はそちらの方へと振り返ると……
「もしかして、スクールアイドル同好会の人達?」
「あぁ、はい。そうですが、確かあなた達は……」
やってきたその子の問いかけにせつ菜が答える。
この場にいた人のほとんどが「誰?」という反応を示す中……
「あっ! 愛ちゃんに璃奈ちゃん!?」
俺は即座に反応した。
声を聞いた瞬間、聞き覚えがあるとは思ったものの、まさか愛ちゃんだったとは……しかも、璃奈ちゃんまで一緒というな……こんなに驚くのも無理はない。
「ん……? あっ、てっつーじゃん! てっつーもスクールアイドル同好会の人なの?」
「徹さん、そうなの?」
「うん、まあな。ちなみにやる方じゃなくて手伝う方な?」
「なるほどねー!」
「……あの、徹先輩。この二人は……?」
3人が話していると、しずくがそう問いかけた。
いかん、情報処理科同士でいつも通りのノリで話し合ってしまったが、周りはこの二人と初対面だよな……ちゃんと紹介しなければ。
「あ、この二人は同じ学科の友達だよ」
「情報処理学科二年、宮下愛だよ!」
「一年、天王寺璃奈です」
「……あぁ、この間の!」
二人が名前を名乗ると、侑が反応する。確かに、侑と歩夢ちゃんに関しては初対面ではないな。
「あっ、二人も同好会に入ってたんだね!」
「そうそう、あの後三人で同好会に行ってから色々あって同好会に入った感じなんだよね──それで、二人は何か用があって来たのか?」
久々に対面した侑と愛ちゃんは仲良く話しているが、俺は愛と璃奈にここへ来た訳を訊いた。うちに用がある訳ではなさそう……だよな?
「うん! 私たち、このスクールアイドル同好会に入部したいんだ!」
「……マジか!!」
ホントにうちに用があったのか!?
つまり、愛ちゃんと璃奈ちゃんもスクールアイドルになりたいってことだよな……? いや、十中八九そうだろう。
そうなると、これで同好会にいるスクールアイドルは八人ってことか……てか────
同好会に入ってるみんな、同好会できる前から仲良くなってる人しかいなくないか……!?
俺はふと、そう思ったのであった。
今回はここまで!
彼方ちゃんに頼られたいだけの人生だった
そういえば最近ウマ娘が流行ってるようですね
自分もやろうか少し考えましたが、競馬の知識皆無なのでやめました←
ただ流行りに少しでも乗りたくて…冒頭がこうなりました←
ではまた次回!
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