高咲兄妹とスクールアイドルの輝き   作:Ym.S

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どうも!
第26話です!
ではスタート!


第26話 垂らし

 

 

「さて、早速これからの同好会について話していこうと思いますが……」

 

 

 

 俺こと高咲徹と仲間たちは同好会の部室にやってきた。

 

 

 現在、リーダー格であるせつ菜ちゃんがその場を仕切っている。

 

 

「その前に、皆さんで自己紹介しましょう!」

 

 

「自己紹介か〜! 大事だね! じゃあ、私から紹介するね!」

 

 

 こんな感じで自己紹介の場が設けられた。トップバッターは愛ちゃんのようだ。

 

 

 

 そしてそれぞれ自己紹介をし……

 

 

 

 

「……おっ、最後俺か。高咲徹だ。苗字にある通り侑の兄だ。これからは同好会のサポートに全力を尽くそうと思うので、よろしくな」

 

 

 

 俺はこんな感じで無難に自己紹介を済ました。

 

 

 

「そういえば前から気になってたんだけど……同好会に入る前にお兄ちゃんを知らなかったって人いるかな?」

 

 

 

 侑がそうみんなに質問した。

 

 あっ、これはある程度結果が想像できるぞ……俺の勘違いじゃなければ、誰もいないということになるはずだ。

 

 そう思いながらみんなの反応を窺うと……

 

 

「「「……」」」

 

 

 ただ沈黙しか返ってこなかった。

 

 

 まあこうなるよなー……

 

 

 

「やっぱりみんな、元から知り合いなんだねー……ねぇお兄ちゃん、どうしたらこうなるの?」

 

 すると、侑が少しムッとした顔で問い詰めてきた。いや、どうしたらって……

 

「えっ、俺に聞かれてもな……気がついたらこうなってたとしか言えん」

 

「えぇ……」

 

 侑は引き攣った表情をした。

 

 ……そんな引くことか? というか、俺がどうしてこうなったのか聞きたいわ。

 

 

「そういえば、彼方ちゃんを含めた5人が同好会結成して徹くんが初めてここに来たときも、みんな彼と既に会ったことあるよって反応してたよね〜」

 

 すると、彼方ちゃんがふと思い出したのか、そう発言した。

 

 

「確かに、こんなに色んな女性と関わり持って……徹さんって、タラシなんですか?」

 

 

 続いてしずくが俺にそう聞いてきたのだが……

 

 

「タラシ……? あっ、なんか醤油垂らすとかそういうやつか?」

 

 

 あれ、こういう解釈で合ってるよな? なんか不安になったんだが……どうだ?

 

 

「……はい?」

 

「はぁ……お兄ちゃんは鈍感すぎるよ……」

 

 

 Oh……残念ながら違ったようだ。タラシってどういう意味……?

 

 それになんかむっちゃ溜息吐かれたのは気のせいか? 

 

 

「徹先輩……その答えはないですよ……」

 

 

 えぇ、かすみちゃんまで……完全に呆れられちゃってるわ……

 

 

「まあまあ、鈍感なのは既知のことだし置いといて……徹くんはタラシなのは間違いないね〜」

 

 

 どうやら彼方ちゃんも同じ意見のようだ。

 

 タラシってマジで何だ……? 

 

 

「私もそう思います……あの時私のこと『可愛い』って言ってくれましたし……」

 

 

 

 

 

「「「えっ!?」」」

 

 

 せつ菜ちゃんがふとそう呟くと、その場にいた大半の子が反応した。

 

 

「そ、そんなことがあったんですか!? せつ菜先輩ずるーい!! この同好会で一番かわいいのはかすみんなのに、何で先にせつ菜先輩が言われてるんですかー!」

 

 

 かすみちゃんが羨ましがってムキになっている。

 

 いや待て待て、どこに羨ましがる要素があるんだ? 俺に『可愛い』って言われることなんて、どうというもないだろ……? 

 

 困惑しかないが、この状況をなんとかしないと収拾がつかなくなるから……

 

「ちょっ、落ち着いて! かすみちゃんもせつ菜ちゃんに負けないくらい可愛いからさ!」

 

 

「へっ……? そ、そうですよね〜えへへ〜♪」

 

 

 どうやらかすみちゃんは満足してくれたようだ。

 

 

「ねえねえ! じゃあ愛さんは可愛い?」

 

 

 すると、今度は愛ちゃんがそう訊いてきた。

 

 

「あぁ、そりゃ可愛いぞ? ……ていうかさ、なんならこの同好会のみんな全員可愛いからな?」

 

 

 これは誰が見たってそう思うよな。間違いない。

 

 

 すると……

 

 

「「「えっ……」」」

 

 

 その場にいる子達全員の頬が赤く染まった。

 

 

「? ……みんなどうした?」

 

 

「「な、なんでもありません(ないです)(ない)(ないよ〜)!!」」

 

「……ハッ! そういえば、これからの同好会の話をするんでしたね!!」

 

「そ、そうですね! 早く始めましょう!」

 

「えーっと、まず何話せば……! ってエマちゃん大丈夫!? しっかりして〜!?」

 

「……ふぇっ……? あっ、ごめん! ぼーっとしてたよ〜……」

 

 

 ……何か不味いこと言っちゃったかな? でも何でもないって言ってるから気にしない方がいいのか?

 

 

 

「もう、お兄ちゃんったら……いつもズルいよ……」

 

 

 

 ────────────────────

 

 

 

 

 時は過ぎ、同好会のみんなは、話し合いを終え、現在それぞれ分かれて練習に励んでいる、

 

 

 

 

 今俺が様子を見ている場所では……

 

 

 

 

「うお〜〜!?」

 

 

「もっと行くわよ?」

 

 

 彼方ちゃんと果林ちゃんがペアになってストレッチをやっている。

 

 

 何と今回は臨時コーチとして果林ちゃんがこの様子を見に来てくれているのだ。

 

 彼女はモデルをやっており、ストレッチなどの知識を持っているので、本格的に指導をしてくれる。いや、こんなに心強い助っ人が身近にいるとは、ありがたいもんだ。

 

 

「彼方ちゃんはまだ背中が硬いって感じか?」

 

 

「そうね。まあ、最初はこんな感じでしょ」

 

 

 俺は彼方ちゃんの状態を確認する。もし体調の悪そうな人が出たらそれに対処する。これがスクールアイドル同好会のマネージャーである俺に任された役割だ。

 

 

「そして、璃奈ちゃんの方は……」

 

 

 一方、さらに奥の方を見ると……

 

 

「おぉ〜〜!?」

 

 

 璃奈ちゃんとエマちゃんのペアが同じくストレッチをやっている。璃奈ちゃんがストレッチされる方なのだが、彼女はいかにも伸ばされてるかと思われるような声を出しながらも、実際は全く伸びていない様子だ。

 

 

「……こちらも全く曲がらない感じだな」

 

「う〜ん、スクールアイドルには体の柔らかさが必要になってくるけどね〜」

 

 

 エマちゃんは俺の呟きに対してそう返してくれた。

 

 

「はぁ……彼方ちゃん疲れたよ〜」

 

「疲れた……」

 

 すると、彼方ちゃんと璃奈ちゃんはあまりの疲れからか、その場に倒れ込んだ。

 

 

「少し休んだらまたやるわよ」

 

「えぇ〜!? 彼方ちゃん壊れちゃうよ〜!」

 

 果林ちゃんの無慈悲な言葉に、彼方ちゃんは悲鳴をあげるが……

 

 

「大丈夫だよ!」

 

「おっ、愛ちゃんは……」

 

 そう、愛ちゃんも同じ場所で一緒にストレッチをしているが、そっちを見てみると……

 

 足はほぼ180°開脚で、体は地面に着くくらいの体の柔らかさだ。

 

 ……すげぇ。俺はスポーツは出来る方ではあるんだが、身体の柔軟性ご皆無と言ってもいいくらいなのだ。非常に羨ましい……

 

 

 この後、気力がなくなっていた彼方ちゃんと璃奈ちゃんは愛ちゃんの指導のおかげで、なんとか曲がるところまで進化した。

 

 それを見ていた徹は、

 

 

「やっぱりすげぇな! 流石部室棟のヒーローだ!」

 

 

 と言った。

 

 

「ヒーロー?」

 

 

 エマが疑問を浮かべる。

 

 

「知らないの? 彼女は色んな体育会系の部活の助っ人として活躍してて、結構有名なのよ?」

 

「そうなんだ〜」

 

 果林ちゃんが説明すると、エマちゃんは納得した。

 

 

「そう言えば彼方ちゃん、てっきり果林ちゃんも同好会に入るのかと思ってたよ〜」

 

 

 そう、彼方ちゃんの言う通り、今まで同好会の復活の時にも、一役を買った果林ちゃんは、流れで仲間の一員になるのかと俺も思っていたのだが……実際どうするか気になっていた。

 

 

「ん? ……そんな訳ないでしょ。私はエマの悲しむ顔が見たくなかっただけよ」

 

「「えぇ〜?」」

 

 

 果林ちゃんの発言に、ストレッチしてた愛ちゃんと彼方ちゃんが肩を組んでニヤニヤした。

 

 ふーん、エマちゃんのためか……この二人はホント仲が良さそうで何よりだぜ。

 

 そう思いながら俺も無意識にか、ニヤニヤしていた。

 

 

「な、何よ……!」

 

 

 俺たちの反応に戸惑ったのか、果林ちゃんが少し狼狽えると……

 

 

「ありがとう、果林ちゃん」

 

 

 エマちゃんがそばに近寄ってきて、優しい声でそう言った。

 

 

「!? ……い、いいわよ……」

 

 

 果林は頬を赤く染め、目を逸らしながら小さな声でそう返事した。

 

 ……ふふっ、微笑ましいもんだな。

 

 俺は、二人のそばで暖かい眼差しで見守った。

 

 

 




今回はここまで!
みんながこうやってお互いを認識する場面は、原作ではあまりなかった気がするので描いてみました!
改めて言いましょう、徹くんはタラシです(今更)
ではまた次回!
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