高咲兄妹とスクールアイドルの輝き   作:Ym.S

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どうも!
今回は愛さんの誕生日回!本編との時系列とは関係はありません!
では早速どうぞ!


宮下愛誕生日記念回

 

 

 

 

「じゃあ高咲くん、縦割りリレーお願い出来るかな?」

 

 

「あ、はい……わかりました」

 

 

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 どうも、希望通りならず若干落ち込みモードな高咲徹だ。

 

 

 

 ん? ……あぁすまん、何がなんなのかさっぱり分からないよな。

 

 

 説明すると、うちの高校・虹ヶ咲学園ではそろそろ体育祭があるんだ。

 

 それでさっき、クラスで誰がどの競技に出るかを決めていたってとこ。

 

 俺は足の速さには少し自信があるため、個人100m走に参加しようとおもっていた。

 

 

 すると、なんと100m走の希望者がうちのクラスではダントツに多く、定員を上回っていた。

 

 そこでじゃんけんを行うことになり、その時俺は呆気なく初戦で敗北したのだ。

 

 

 それでそんな俺はやむなく縦割りリレーという種目を選んだのであった……

 

 

 

 

 

 あ、縦割りリレーって何? って思う人もいるかもしれないので少し説明しとこう。

 

 

 簡潔に言えば、縦割りリレーというのは学年の違う人同士がバトンをパスするリレーのことだ。例えば、1年生の走者が次の2年生の走者にバトンを渡すといったことだ。

 

 

 リレーも悪くはないが、じゃんけんで負けたことも相まって凄いショックがデカい。

 

 

 まあ、落ち込んでても仕方ないな。さて、今度体育祭の練習があるみたいだから、それに向けて俺も少しイメージしとかないとな。

 

 

 ────────────────────

 

 

 

 さて、今俺は校内のグラウンドにいる。これから縦割りリレー本番に向けて初めての練習をするのだが、実はこの時に誰からバトンタッチを受けるかが分かる。

 

 これが知ってる人とかだと助かるんだけどな……

 

 

 

 俺が2年生、または1年生で知っているのは……同好会のメンバーとかかな。まあ、当たる確率は極小と言ってもいいだろう。

 

 

 さて、俺の名前が呼ばれた。どんなメンバーになるかな……

 

 

「あれ!? てっつー!?」

 

 

 ……えっ、その声は……!? 

 

 

「あ、愛ちゃん!?」

 

 

 なんと、リレーのメンバーの中に愛ちゃんがいた。

 

 

 しかも、順番的には俺の前のランナー、つまり俺が愛ちゃんのバトンを受け取る形になる。

 

 

 それにしてもこんな偶然があるんだな。

 

 

 ……何だか、こうなると縦割りリレーになって良かったと思うな。

 

 

 

 

「よーし! てっつー、お互い助け()()で頑張ろ! ()だけに!」

 

 

「くくっ……だな! 他のチームには()()ぃがここは俺たちがナンバーワンだ! 縦()()だけにな!」

 

 

「くっ……あははは! てっつー上手い!」

 

 

 

 

 よっしゃ、愛ちゃんを笑わせることが出来た。

 

 

 最近だと、愛ちゃんと会話しているおかげか、ダジャレセンスが大分磨かれて気がする。

 

 

 今までは、大体俺が笑わせられる一方だったのだけど……お互い笑わせ合えるのがやっぱり一番楽しいね。

 

 

 てな感じでお互いテンションを高めたところで、練習が始まった。

 

 

 

 ────────────────────

 

 

 

 ちーっす! 愛さんこと、宮下愛だよ! 

 

 

 今愛さん、縦割りリレーに向けて色々練習しててね、今は束の間の休憩中ってとこ! 

 

 

 いや〜、今まで小学校の運動会とか、中学の体育祭とか、その度に予行練習はやってきてはいたんだけど、正直今回の練習は今まで以上に楽しいかも! 

 

 もちろん、今までも練習中にちょっと友達と話したりして楽しかったのはあるんだけどね。あっ、もちろん練習はちゃんとやってたよ? 愛さん、そこら辺は抜かりなくやろうと思ってたから! 

 

 

 

 

 でもね、今がこんなに楽しいのは、てっつーがいるからだと思う。

 

 てっつーはね、一緒にいるとなんだか他の子と一緒にいる時にはない感情が浮かんでくるんだ。

 

 

 なんだか、胸がドキドキするんだよね。

 

 

 それにね……最近はてっつーのことを自然と目で追ってる気がする……

 

 

 ……あっ、てっつーがグラウンドで走ってる。

 

 

 彼が走る姿に、あたしは見惚れた。

 

 

 てっつー、カッコいいな……

 

 

 ……はっ!? また視線がてっつーに行っちゃってた……

 

 

 

 

 

 

 ……もしかしてこの気持ちって……そういうことなのかな……? 

 

 

 

 

 

 でも、平常心保たなきゃ! こんなのあたしらしくない! 

 

 よーし、体育祭に向けて、頑張るぞー!! 

 

 

 ────────────────────

 

 

「んー、いい天気になったな」

 

 

 徹がそう呟いた。

 

 時は経ち、体育祭当日となった。

 

 

 虹ヶ咲学園の体育祭には学生のほかに多くの観客が訪れていた。

 

 競技も順調に、スムーズに行われ、ついに徹と愛が出る縦割りリレーのプログラムになった。

 

 

 選手がグラウンドに入場し、最初のレースに出る選手は所定のポジションにセットした。

 

 ちなみに二人が出るレースはその一番最初のレースだ。

 

 

 順番としては、徹がアンカー、愛がアンカーの一つ手前だ。

 

 

「オンユアマーク……セット……」

 

 

 パァン

 

 

 ファーストランナーが走り出した。

 

 

 それから順調にバトンが繋がれ、愛と徹のチームは二位という好位置にいた。

 

 そしてついに、アンカー手前の愛にバトンが渡った。

 

 

「……っ!」

 

 

 愛は持ち前の身体能力を活かして、1位のランナーを抜き、差をつけた。

 

 

 

(……やっぱり愛ちゃんはすげぇわ)

 

 

 徹は心の中でそう思った。

 

 

「愛ちゃーん! 頑張れ──!!」

 

 

 観客席では、侑が全力で応援していた。

 

 

 愛が快足を飛ばし、ついにアンカーの徹にバトンが手渡す直前まで来た。

 

 

「……!」

 

 愛が約20m先にいる徹に目で合図を送る。

 

 

 徹が助走を始めた。

 

 

 そしてバトンが渡る……と思われたが。

 

 

「……てっつー! いk……ひゃっ!?」

 

 足を挫いたのか、愛が徹の目の前で倒れそうになる。

 

 

「……!? 危ない!!」

 

 それを見た徹は、即座に助走をやめ……

 

 

 

 

 

 

 

「間に合った……大丈夫か? 愛ちゃん」

 

 

 なんとか倒れる愛を受け止められた。

 

 

「あっ……ごめん! 速く行かな……」

 

 

 

 愛は徹に支えられながら、顔を上げたのだが……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「……っ!? //」」

 

 

 

 

 そう、徹と愛の顔と顔が間近になっているのだ。

 

 

 

 

 つまり……互いの唇と唇の間がわずか数㎝、と言った状況である。

 

 

 

 

 これには二人とも固まってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 この時、二人との間で時が止まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……はっ!!」

 

 

 

 すると、徹は愛の奥から2位のランナーが走ってくるのが見え、気を取り戻した。

 

 

「愛ちゃん! バトンを!」

 

「ふぇっ……? あっ! は、はい!!!」

 

 

 徹の言葉に目が覚めた愛も即座にバトンを手渡す。

 

 

 何とか2位のランナーに抜かされることなく、アンカー・徹はスタートを切った。

 

 

 

 

 ────────────────────

 

 

 

 

 

 結果、徹と愛のチームは何とか一着となり、そのまま決勝戦でもぶっちぎりのトップとなり、縦割りリレーで優勝を果たした。

 

「は〜、疲れたわ〜……」

 

 

 徹がそう呟いた。

 

 

「……」

 

「……ん? 愛ちゃん、どうしたそんな黙り込んじゃって」

 

「えっ……? あっ、何でもないよ〜、あはは〜!」

 

「……もしかして、さっきのこと、気にしてる?」

 

「……うん」

 

 

 愛が珍しくぼーっとしていた。

 

 

「あの時はすまん、俺反応が遅れちまったから愛ちゃんに声かけられなかった」

 

「い、いや! 愛さんだって、あんなドジかましちゃって、その上ぼーっとしちゃったからさ、こっちが謝るところだよ」

 

 

「いや、誰だって転ぶことはあるし、それをすぐにリカバーできなかった俺が悪いさ」

 

「いやいや! ここはあたしだって!」

 

「いやいや! 俺が!」

 

「「……」」

 

 

 二人は黙り込んでしまった。いわゆる、気まずい空気ってやつである。

 

 

 

「……ねぇ、てっつー」

 

 沈黙の壁を破ったのは、愛だった。

 

 

「何だ?」

 

「さっきさ、その……あんな感じになったじゃん……?」

 

 

「あんな感じ……? あっ、あぁ、そうだな……」

 

 

「それでさ……あの時……どう思った……?」

 

 愛は頬を赤く染めながらも、そう訊いた。

 

 

「……えーっと……正直に言うとな……見惚れてたんだ」

 

 

 

 

 

「……!?」

 

 

 徹は顔を逸らし、愛にしか聞こえない程度の声で答えた。

 

 

 愛の頬はより赤く染まった。

 

 

「……そっか……えへへ……」

 

 

「ん? どうした?」

 

「なーんでもない! ほら! お昼の時間だから、一緒にお弁当食べよ!」

 

 

 

 愛の表情は、まるで太陽のように明るい笑顔だった。

 

 

 

 

 

 ちなみに、この後同好会のメンバー、そして体育祭を見に来ていたお互いの両親と美里さんから、あの時のことで冷やかしを食らい、再び顔を赤くする二人なのであった。

 

 

 

 




今回はここまで!
この季節に運動会の高校があるみたいなので、運動神経が半端ない愛さんに丁度いいと思い、書いてみました!
…こんな美味しいイベントがリアルの私には…なかったですねorz
ちなみに徹くんは運動神経割と良い方です。
さて、本編についてですが、前の投稿から空いてしまったので、早めに出しますので、よろしくお願いします!
ではまた次回!
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