高咲兄妹とスクールアイドルの輝き   作:Ym.S

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どうも!
本編久々の更新です!
では早速どうぞ!


第39話 かけがえのないモノ

 

 

「よし……これでちゃんと動くはずだ。璃奈ちゃん、つけるぞ」

 

 

「うん、お願い」

 

 よし、ついに完成したぞ。

 

 

 あっ、どうも。高咲徹だ。

 

 璃奈ちゃんが自分の想いを打ち明け、同好会のみんなで励まされて立ち直った。

 

 その時、彼女はあることを思いついたのだった。

 

 

 

 

 何かというと、顔を露わにせず覆い、その覆ったものの上に表情を写しだすというものだ。

 

 

 彼女はダンボールの中に入り、顔を見せずに話したことによって自分の想いを打ち明けられたのだ。だからそれをライブに活用すれば、観客のみんなと繋がれる、そういう発想だった。

 

 

 

 これには、同好会のみんなも興味津々で、「仮面をつけたスクールアイドルなんて初めてじゃないですか!?」だとか、「とてもユニークで絶対ブレイクすると思うよ!」という声も聞けた。

 

 

 しかし、問題提起もあった。それは、その顔を覆う仮面をどうやって作るかだ。

 

 

 表情を映し出すとは言っても、液晶で写すならば材料や作成する時間もかなりかかる。

 

 その上、表情の切り替えはどうするのか、仮面で前が見えなくなる問題はどうするか……

 

 などがあり、この問題はそうすぐには解決しないだろう。ライブまであと1日だ。一から作り出すのは無理だろう。

 

 

 

 その時、俺には一つ思い当たるところがあった。

 

 

 俺の仲良いクラスメイトの一人に機械系の部活の部長のやつがいて、そこの部活に俺が求めているような仮面があるという話を聞いたことを思い出したのだ。

 

 

 それから俺と侑は璃奈ちゃんの家から学校に戻り、彼に仮面を使わせてもらえないかとお願いしたところ、快くOKをくれた。

 

 

 どうやらそれはもう使わないもので、捨てるかどうか悩んでいたところだったから、なんと譲ってくれたのだ。

 

 

 ……とてもありがたかった。彼には後で色々奢ってあげようかな。

 

 

 そこから、璃奈ちゃんの家に戻って、俺と侑、璃奈ちゃんの3人でライブに使うために色々改造して、なんとか今日中にこの仮面は完成できそうなところまで来た。

 

 

 そして今、璃奈ちゃんが実際に仮面をつけて動作を確かめてるところだ。

 

 

 

「どう? 徹さん、侑さん。ちゃんと表情出てる……?」

 

 

「うん! 良いじゃないかな! ちゃんと動いてるっぽいし!」

 

 

「そうだな、喋ってるのに合わせて口も動いてるし、表情もちゃんと変わってるから、問題ないな」

 

 

「良かった……んぅ……」

 

 

 

「「璃奈ちゃん!?」」

 

 

 すると、ボードをつけたまま璃奈ちゃんが倒れた。

 

 

 

「璃奈ちゃん、大丈夫!? ……お兄ちゃん! どうしよう!?」

 

 

「……なんだ、びっくりした……大丈夫だぞ、侑。ちょっとボード外してみ?」

 

 

 俺が言う通りに侑がボードを外すと、規則的な呼吸をしながらすやすやと眠る璃奈ちゃんの顔が見えた。

 

 

「……寝てる?」

 

「うん。今日色々あったし、無事にボードができて安心したからってところだろうな」

 

 

 それに、もうこんな時間だ。彼女は明日ライブを控えてるんだから、寝た方が絶対いいはずだ。

 

 

「なるほどね。じゃあ寝かせてあげなきゃ」

 

「だな。俺璃奈ちゃんを寝室に寝かせてくるよ」

 

 そう言って、俺は璃奈ちゃんをおんぶして寝室へ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

「……よいしょっと……ゆっくり休みな」

 

 

 寝室に着き、ベッドに璃奈ちゃんを下ろして布団をかける。

 

 

 そしたらそのまますぐに寝室を後に……しようと思ったが……

 

 

「……徹……さん……」

 

 

「……ん?」

 

 

 俺を呼ぶ璃奈ちゃんの声が聞こえた。振り返って彼女を見ると、変わらず目を瞑って寝ている。寝言だろうか? 

 

 

 少し気になったのでベッドの側に寄り、しばらく観察することにした。

 

「……ハハッ、どんな夢を見ているのかな?」

 

 俺は小さい声で呟いた。

 

 

 

 

 

 ……しかし、璃奈ちゃんの寝顔……可愛いな……まるで天使みたいだ。

 

 

 まあ、侑の寝顔には負けちゃうけど……

 

 

「……ぁ……」

 

「……ん?」

 

「……ライブで……みんなと……繋がれたら……私……むにゃむにゃ……」

 

 

「……ふふっ、そうかそうか……大丈夫。璃奈ちゃんなら絶対にできるよ」

 

 

 俺は彼女の頭を撫でながらそう語りかけた。

 

 

 

 

 

 ……おっと、俺はまだやることがあったんだ。早く戻ってやるべきことならなきゃ。

 

「……おやすみ、璃奈ちゃん」

 

 そう残して、俺は寝室を後にした。

 

 

 

 ────────────────────

 

 

 

 あれから二日が経った。

 

 

 璃奈のライブは無事成功した。

 

 

 ボードを付けながらスクールアイドルのパフォーマンスをするというユニークさがみんなには大好評で、同時に璃奈自身も納得の行くパフォーマンスをすることが出来た。

 

 

 そしてその一方……

 

 

「天王寺さん! 昨日のライブ観た! 凄く良かったよ!!」

 

「……!?」

 

「ほんとね、いっぱい感想言いたいんだけど、お昼とかどうかな!?」

 

 

 璃奈たちがいる一年生の教室、ライブを観たというこの3人、色葉(いろは)、今日子(きょうこ)、浅希(あさき)が璃奈をお昼に誘っている。

 

 

「……」

 

「おっ……?」

 

 

 すると、璃奈はすぐそばにあった鞄に手を突っ込み、中に入っていたスケッチブックを取り出した。

 

 そして、手慣れた手つきでそのボードにピンク色のボールペンで顔を描き、そのスケッチブックに書いた顔を『仮面』とするようにして

 

 

「……うん! 一緒にたべたい!」

 

 

 その顔は、誰が見ても分かるほどの笑顔であった。

 

 

 3人は少し戸惑ったが……

 

 

 

 

 

 

 

「「「……ホント!? ありがとう!」」」

 

「そのボード、可愛いね! まるでライブの時の天王寺さんを見てるみたいだよ〜」

 

「うんうん、それに手書きだったよね? 天王寺さんって絵上手いね!」

 

「あっ……うん、ありがとう。絵を描くのは少し自信、ある」

 

「そうなんだ! 今度絵描くの教えてくれないかな!? 私絵描くの苦手でさー……」

 

 

 璃奈たちは、4人で仲良く話していた。

 

 

 

 

 

 ……そう、この『璃奈ちゃんボード』は、彼女にとってかけがえのない存在になったのであった。

 

 

 




今回はここまで!
原作第6話の内容を書き終えました!
次回は多分オリジナル回を書くと思いますので、よろしくお願いします!
夏ももう半ばですね。皆さん、体調にはお気をつけて
ではまた次回!
高評価・感想・お気に入り登録よろしくお願いします!
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