今年最後の小説更新です!
今回でアニメ第7話の内容が終わります!
ではどうぞ!
「ここが東雲学院スクールアイドル部の部室……!」
「そうだね。いやまさか、ホントに来れるとはな……」
侑が目を輝かせ、部室の入り口の上に手書きで『スクールアイドル部』と書かれた札を見つめながら放った言葉に対し、俺はそう返答した。
彼方ちゃんが遥ちゃんのためにライブをすることを決意したその翌日、俺たちは話し合いをするためにここ、東雲学院にやってきた。
東雲学院スクールアイドルのライブの合間を借りる訳なので、了承を得る必要があるのだ。それに、わざわざそこでライブをするという必要性を説明しなければならない。普通にライブをするんだったら『他の会場を押さえてやればいいでしょ?』ということになってしまう。
「よ〜し。早速中に入ろう〜! ……失礼しま〜す」
俺と侑が部室前で立ち止まっていると、なんの躊躇いもなく一緒に来た彼方ちゃんが部室の中へ入っていった。
事前に電話であちら側と話をしているので、多分誰かしら部室にいるはずだ。
「は〜い……あっ、彼方さん! 待ってましたよ!」
「お〜、かさねちゃん! 久しぶり〜!」
すると出迎えてくれたのは、肩に掛かるか掛からないかぐらいの長さで、二箇所ほど三つ編みで結んであるブラウンの髪に、髪の色と同じの目の色をした、一見活発そうな女の子だ。彼方ちゃんが『かさねちゃん』と言っている辺り、この子はそういう名前なのだろう。
それに、彼方ちゃんは既に面識がある様子だ。まあメンバーである遥ちゃんの姉だし、彼女のことだから余裕があるときはここに訪問しては妹の様子を見てたりするのかな……
「お久しぶりです〜! ……あっ、そちらが虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会のマネージャーさんですか!」
すると、かさねちゃんと呼ばれたその少女は彼方ちゃんの後ろにいた俺たちに気づいて声を掛ける。
「はい、高咲侑って言います! 今日はよろしくお願いします!」
「自分は高咲徹って言うよ。男だけどよろしくな」
「初めまして、私は
声かけられたのに対して、侑と俺はそれぞれ自分の名前を伝えると、かさねちゃんは眩しい笑顔とハキハキとした声で挨拶してくれた。
「……うわぁぁ!! 本当に支倉かさねちゃんだー! あの、サイン貰えますか!? いつも応援してます! あとあと……」
「ちょいちょい! 今日はマネージャーとしてここに来たんだから、そういうことはしないって約束しただろ?」
「あっ、そうだった……えへへ、ごめんごめん。つい抑えきれなくて」
侑が急に興奮して早口で彼女に迫っていくので、俺は咄嗟にその行動を制止した。今日はスクールアイドル同好会のマネージャーとしてここに来ているので、ファンとして何かを求めるのはやめようという話を二人でしていたのだが……
まあ、侑の気持ちは凄い分かる。俺もあの有名な東雲学院のスクールアイドルと話せるんだから、サインが欲しかったり、握手をしたかったりするものだ。
でも、流石に俺たちみたいなただの裏方の関係者には、サインをしてくれないんじゃないか……?
そう思っていると───
「あはは、侑ちゃんだったよね? 私たちのことを応援してくれてるなんて嬉しいなー。サインでいいの? だったらあとであげるね!」
「えっ、いいんですか!? やったー!」
なんと、かさねちゃんはあっさりとサインを書いてくれるというのだ。侑は満面の笑みでガッツポーズを見せているが、何だか気を遣わせてしまっただろうか……
「ふふっ、良かったな、侑……ごめんな、本来ならファンサービスする場じゃないのに……」
「いえいえ! ファンサービスするのに場所とかは関係ないですよ! 私たちのことを好きでいてくれて、応援してくれる人がいるなら、私たちはそれに応える。それだけです!」
「……! なるほど……」
俺はかさねちゃんの言葉に衝撃を受けた。
そうか……これは、スクールアイドルが持っている信条なのだろう。俺にそう思わせるほど、彼女は輝いているように見えたのだ。
スクールアイドルについて、もっと勉強しなきゃな……なんなら、マネージャーとしてもっと他のスクールアイドルと交流して話を聞くのが良いのかもしれない。そうして、世の中のスクールアイドルの子達がどんな考え方を持っているのかを知って、同好会のみんなのサポートに役立てたいな。
「話は終わった〜? だったら早く話し合いを始めよ〜。ほら、座って座って〜」
「あ、あぁ。そうだな……って彼方ちゃん、もう座ってたのか!?」
少し考え事をしていると、俺たちの様子を傍観してた彼方ちゃんがそう声を掛けてきていた。彼女は既に部室内の椅子に座っており、話し合いの準備万端といった様子だ。
慌てて俺と侑は椅子に座って4人でライブについて話し合いを始めた。
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「……こんな感じだけど、大丈夫かな?」
「うん、良いと思う〜。ねっ、侑ちゃんと徹くんもそう思うでしょ?」
「うん! そのタイミングなら遥ちゃんの目に絶対入るし、良いと思う!」
「あぁ、俺からも言うことはない。素晴らしいライブになると思う」
あれから大体数十分くらい話し合って、ライブの構想は無事まとまった。
「そういえば、遥ちゃんは今何をしてるんだ?」
「あぁ、遥ちゃんは今外で普通に練習してるよ」
「ほう……」
話し合いが終わったので、俺がかさねちゃんにそう聞いた。良かった、外で練習してたか……
と思っていると、
「かさねちゃ〜ん、終わったよ……あっ、彼方先輩! いらっしゃってたんですね」
「おっ、クリスティーナちゃん! やっほ〜」
部室に入ってきたその子は、肩にかかるほどの長さの金髪で、お淑やかな印象を受ける女の子だった。
「はい! ……あぁ、そしてそちらが、マネージャーさん方ですね。初めまして、クリスティーナと申します」
「うわぁ、クリスティーナちゃんまで来ちゃったよ! あーときめいちゃう〜!!」
「初めまして、高咲徹という。こっちは妹の侑だ。少し訊きたいのだが、遥ちゃんはここには来ないか?」
「あっ、その声……あの時電話をくれた方ですね。はい、遥ちゃんにはもう少し練習するように促しましたので、大丈夫ですよ」
そうか、確かに俺が電話した相手はクリスティーナちゃんのようなおっとりとした声だった。どうやらその時に「遥ちゃんにだけこのことは絶対バラさないように」と話したことを、彼女はしっかり配慮してくれたようだ。
「そうだったか。ありがとうな、助かったよ」
「いえいえ、こちらこそ! ……遥ちゃんのためにここまでしてくださる侑先輩と徹先輩にはとても感謝してるんです」
すると、かさねちゃんとクリスティーナちゃんの表情が曇った。
「うん。遥ちゃんがスクールアイドルを辞めるって言ったときは、とても信じられなかったよ……誰よりも熱心で、一生懸命だったあの遥ちゃんがね……」
「そうですね……その努力と実力でリーダーにまで上り詰めたのに、と思いましたね……」
そうだったのか……そうだよな。突然仲間が辞めるって言い出したら、ショックだもんな。多分、俺が感じたショックよりも遥かに大きかったはずだ。
「……だから、彼方さん。遥ちゃんへ捧げるライブ、成功することを願ってます……!」
「うん! 私たちも遥ちゃんにはスクールアイドルを辞めてほしくないって本気で思ってるんだ! だから……どうか、よろしくお願いします!!」
「……! ……うん、彼方ちゃん頑張るから!」
かさねちゃんとクリスティーナちゃんの願い、彼方ちゃんはそれに応えようとしている。
こうして俺たちは充分な準備を進めて、ライブを迎えることとなる。
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「ちょっと侑さん、どこに連れていくんですか!?」
「いいからいいから……ほら、ここに連れて来たくて」
東雲学院スクールアイドル部のライブが行われる会場、ここはとあるお台場の中にあるショッピングモールの一角である。パフォーマンスをする場所は、2階まで吹き抜けになっており、観客はその2階にまで詰めかけている。
その2階に向かって駆け上がってきた二人、侑と遥の姿があった。侑が遥をそこに引っ張って連れてきたのだ。
引っ張られている遥は困惑しながらも、侑の手の引っ張りについていっている。
そして、二人が2階に着いた時、そこには虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会のメンバー達がいた。
「あれ、同好会のみなさん……見に来てくれてたんですね」
「うん! 彼方ちゃんがこれから歌うからね〜」
「……お姉ちゃんが……? それって……」
エマちゃんの言葉に遥は疑問符が浮かぶ。彼女は自分の姉が何かをパフォーマンスするという話は聞いていない。
「少し待ったら分かるよ」
「えっ……あっ……!?」
侑の言葉に遥が全く理解が出来ず、状況を飲み込めないままでいたとき、会場の照明が消えた。
照明が灯っているのはステージのみとなり、明らかに何かパフォーマンスが始まるという空気感を持たせる状況となった。
そして、何かが始まると思わせた直後、一人の少女がステージの裾から現れ、ステージの真ん中に立った。
すると、その少女は2階の方を見上げた。
そして一つ、微笑みかけた。
彼女のパフォーマンスは、共に支え合おうと語りかける温かさ、愛情が詰まっていた。
そして、そのパフォーマンスは、一人の少女、遥の感涙を誘ったのであった。
この後、近江姉妹は共に絆を確かめ合い、自分が目指す大好きなものを極めるために、助け合いをしていくことを
一方、裏で見守っていた東雲学院のスクールアイドル達は、安心したとともに、近江姉妹の絆に涙を流したという。
今回はここまで!
かさねちゃんとクリスティーナちゃんがメインに近いくらいに出る機会を作ってみました!
今後の展開としては、アニメに脇役として出ていた、いわゆるモブの子達がこの小説では多く出るかもしれません!
2021年も終わりですね。あっという間でした……
この小説を読んでくださる読者様への感謝を胸に、来年もよろしくお願いします!
ではまた次回!
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