仮面ライダーツルギ EPISODE X   作:大ちゃんネオ

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Xー10 黒き剣

 部屋に戻ってミイラさんに呼び掛ける。

 しかし、カーテンの向こうからは何の応答もない。

 寝ているのだろうか?

 しかし、人のいる気配というものを感じられなかったので恐る恐るカーテンの向こう側を覗いて見た。

 すると、彼のベッドの上には綺麗に畳まれた布団だけがあり、彼の姿はなかった。

 

「さっきの騒動で逃げ出したのかな」

 

 まあ、あれだけの襲撃ともなればここが安全とも分からないので逃げ出したくもなるだろう。

 最も、逃げ出した先が安全とも限らないが。

 

「探しに行こう」

 

 一応、同じ屋根の下で暮らす者だし。

 怪我人だし。

 面倒見ると言ってしまったし。

 そう理由付けて私は部屋を出た。

 まずは比較的襲撃の被害が少なかった北東の方へ行ってみよう。

 

 

 

 

 

 

 

「貴様……。あれの似姿を私の前に晒すということがどういうことか分かっているのか?」

「さあな。あいつはお前と因縁があるらしいが俺には関係ない。ただ、こんな世界のままではいけないからな……。悪いが、お前は斬って捨てる」

 

 太刀の切っ先をエクスに向ける刃。

 その物言いにまず腹を立てたのはデウスであった。

 

「お前……! 叶様になんてことを!」

 

 巨体な戦斧を振り回し、黒いツルギを砕かんと迫るデウス。

 しかし……。

 

「ッ!? アアアアッ!?!?!」

「清香!」

 

 戦斧を真上から振り下ろしたはずのデウスが装甲から火花を上げながら吹き飛ばされた。

 神速に達する程の居合が放たれたのだ。

 スティンガー達は仮面の下、驚愕に目を見開く。

 まさか、神とすら言われる彼女らに一太刀浴びせる者がいようとは……。

 

「やはり貴様達は許さない。一度ならず二度までも私達に刃を向けたのだからなッ!!!」

 

 エクス、叶の逆鱗に触れた刃。

 彼女の怒りをその身に受けるが臆することなく刃を向ける。

 しかし……。

 

「っ……。叶ちゃん。もう、時間が……」

「……そう、ね。帰りましょう二人共」

 

 怒りを鎮め、黒いツルギへと背を向けたエクス。

 一太刀食らったデウスを立たせるとエクス達は光に包まれ、この場から消え去っていた。

 

「……」

 

 その様子を眺めていた黒ツルギはエクス達が逃げたと分かると刃もこの場を立ち去ろうとするが……。

 

「待ち、なさい……」

 

 刃を呼び止めたのは美玲だった。

 全身ずぶ濡れで、なんとか立ち上がるのがやっとな程のダメージを負いながらも、刃に彼の居場所を聞くまでは倒れてはいられないと。

 

「燐は……燐はどこにいるの……」

「知らん」

 

 そう無情にも吐き捨てた刃は深い森の中を進んでいった。

 

「待って……!」

 

 追いかけようとしたが足に力が入らずその場に倒れ込んでしまった美玲。

 再び立ち上がる頃には、刃の姿は見えなくなっていた。

 

「そんな……!」

 

 折角のチャンスを逃してしまったことに憤った美玲は昂る感情のままに水面を叩いた。

 叩いたところで水は壊れるようなことはない。

 やるせない美玲の思いを、水は表していた。

 

「……なんとか、生き延びはしたな。お互い、運はいいらしい」

 

 仲間の少女に支えられながら立つ瀬那が美玲に対して言ったが、今の美玲の耳には届かなかった。

 

 

 

 

 

 北東の森をミイラさんを探して歩いていると、傷だらけの美玲さん達を見つけた。

 

「大丈夫ですか!」

 

 呼び掛けるが返事はない。

 全員、意気消沈といった様子であった。

 

「一体、何があったんですか……」

「神のライダーよ。あいつら、わざわざ瀬那さん達を潰すために出張ってきたのよ!」

 

 神の、ライダー達が……!?

 彼女達がこんな里の近くまで来ていた。

 もし、彼女達が里を襲撃していたのならば里は跡形もなく消え去っていただろう。

 それに、美玲さんや瀬那さんにここまでの傷を負わせるなんて……。

 里には二人のように強い人なんていないのに……。

 

「……それで、貴女はこんなところでなにをしてるの」

「その、人を探してて……」

「人? こんなドンパチやってるところに来るかよ」

 

 たしかに、これだけの戦闘があったのであれば、ミイラさんも逃げているだろう。

 では、どこへ……。

 

「ちょっとあんた! 瀬那さんが怪我してるんだから手当てするなり休める場所を提供したらどうなの!」

 

 瀬那さんの取り巻きの少女が私にそう迫る。

 たしかに手当てはしてあげたいし場所は……。

 

「むう!」

 

 に、睨まれた。

 この様子だとしばらくこのまま睨み続けられてしまうだろう。

 

「……分かりました。私の部屋で手当てしますからついて来てください」

「だそうです瀬那さん! 行きましょう!」

「……うちのが悪いな。まあ、世話になる」

 

 瀬那さんにそう謝罪されるとなんだか悪い気がする。

 しかし瀬那さんとしてもやはり野外ではなく屋内で休みたいという気持ちがあったようだ。

 これだけの傷を負い、疲弊しているのだから仕方ないだろう。

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