仮面ライダーツルギ EPISODE X   作:大ちゃんネオ

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Xー4 鉛の兵隊

「敵襲ッ!!!」

 

 誰かがそう叫んだ。

 すると別の誰かが叫ぶ。

 これが繰り返されることによって、里全体に伝えるのだ。

 そして、里は一気にあわただしくなる。

 戦わないものは逃げ、隠れる。

 戦闘員は里を守るために守備を固める。

 

「敵襲ってモンスターか?」

「違うライダーだ! それも野良じゃねえ……。()()()()だってさっき鞍馬が!」

「なっ!? ここがバレたというのか!?」

 

 若い男衆の怒声が響き渡る。

 それもそのはず、相手が闘争主導者の兵隊。

 ()()()()なのだから。

 

 

 

 

 

 山道を進む鉛の兵隊達。

 闘争主導者の意に賛同し、その力を認められた者達で構成されたライダー部隊。

 闘争から目を背けた、背信者達に誅伐を与えるための部隊である。

 

「こんなところに隠れてたか……」

 

 山の中には似合わない、黒いセーラー服に身を包んだ少女。古羽根友美(ふるばねゆうみ)が忌々しげに呟いた。

 

「おや友美さん。ここに潜入していたスパイの報告を聞いていなかったのですか?」

 

 緑がかった髪の中年の紳士といった風な男。朝村糸杉(あさむらいとすぎ)が笑顔を浮かべ訊ねた。

 いや、笑顔が張りついていた。

 

「そういうのは聞かないことにしてるのよ。聞いたらすぐにでも潰したくなるでしょう? 隠れ里ってやつを」

「おやおや血気盛んで大変よろしいですねぇ。他の皆さんはどうでしょう? お元気ですか?」

「……」

「デッキ! デッキ! ここにはどんなデッキあるかなぁ?」

「うるせえなぁさっさとライダーを殺させろ」

 

 三者三様の反応をする男女。

 それぞれ、寡黙な友美と同じぐらいの年頃のジェーン。

 まだ幼い、小学生と言われてもおかしくない容姿の静葉真葉(しずはしんよう)

 朝村よりは若いワイルドな風貌の男、鏑島牙(かぶらじまきば)

 

 彼等は鉛の兵隊のそれぞれの部隊長であり、彼等の背後に兵士達がぞろぞろと並んで歩いている。

 

「ジェーンさんは相変わらずのようですねぇ。仕事は仕事ですか」

「……」

「ええ、はい。そうですとも。私は主のためならばどこまでも」

「……糸杉。あんたなんでそいつの言ってること分かるのよ」

「人生経験ってやつですよ」

「はあ? 意味が分からな……ッ!? 来た!」

 

 友美が叫ぶと同時に足下から火花が散る。

 

「先手を打ちにきたか……。いいねぇ、骨があって殺し甲斐がありそうだ。……変身」

 

 鏑島が変身する。

 それを見た糸杉が鉛の兵隊の隊長、ジェーンに指示を仰ぐ。

 

「ジェーンさん。指揮を」

「……」

「了解しました。それでは皆さん、行きましょう」

 

 朝村の言葉に続いて続々と部下の兵士達が変身を開始する。

 

「変身」

「変身」

「変身」

「変身」

「変身」

「変身」

「変身」

 

 ライダーの大部隊。

 それこそが【鉛の兵隊】である。

 

「皆さん行きましょう。誅伐の時間です」

「デッキ! デッキ!」

「復讐だ……! 復讐のために私は!」

「………」

 

 鉛の兵隊が突撃を開始する。

 

 ジェーンの変身した死神のようなライダー。

 

 【仮面ライダータナトス】

 

 古羽根友美の変身した翼竜を思わせるライダー。

 

 【仮面ライダーフリューゲル】

 

 朝村糸杉の変身したとある昆虫を思わせるライダー。

 

 【仮面ライダーローチス】

 

 静葉真葉の変身した天使を思わせるライダー。

 

 【仮面ライダーヴィヴヴィォ】

 

 鏑島牙の変身した狂暴さを体現したライダー。

 

 【仮面ライダーヴェイス】

 

 そして、配下のライダー達は黒い装甲とアンダースーツに人の骨を思わせる模様の描かれたライダー。

 

 【仮面ライダーポーン】

 

 こうして、変身は完了した。

 あとは突撃あるのみである。

 大量のポーン達が駆け出し、里へと迫る。

 里のライダー達の中でも遠距離攻撃が可能な者達が次々と射撃、砲撃を繰り出す。

 多数のポーンが吹き飛ばされるが、それは極一部。 

 大多数の無事なポーン達が次々と迫る。

 更に、全ての攻撃を回避してみせるジェーンをはじめとした各部隊長のライダー達は我こそが一番槍と里へと肉薄する。

 しかし、近付けば近付くほどに里の抵抗は苛烈となる。

 

「チッ……面倒だ」

 

 フリューゲルは苛立たし気にカードを引き抜き、クロスボウのような召喚機へと装填する。

 

【ADVENT】

 

 電子音声がカード名を告げると、空を裂いて深紅の翼竜【ピアースウイング】が現れた。

 ピアースウイングが低空を飛行するとフリューゲルの背中へと合体。翼を得たフリューゲルは木々を飛び越え蒼天へと飛び立った。

 青い空に、深紅の騎士が現れる。

 

「こんなにデカイとは……潰してやる!」

 

 フリューゲルは重力を味方に里へ目掛けて高速で滑空する。だが、里の抵抗は続く。

 

「行かせるかッ!」

 

 滑空するフリューゲルを阻む者が現れた。

 藍色のライダー【仮面ライダーシャナオウ】が自身の契約モンスターである【テングサーチャー】の背に乗り、自身の武装であるライフルでフリューゲルを迎撃する。

 

「お前から殺してやるッ!!!」

「ふざけるなよ……! お前達なんかがいるから!」

 

 フリューゲルとシャナオウの空中戦が始まる。

 これに続くようにして、地上でもライダー達の白兵戦が幕を開けたのだった。

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