「敵襲ッ!!!」
誰かがそう叫んだ。
すると別の誰かが叫ぶ。
これが繰り返されることによって、里全体に伝えるのだ。
そして、里は一気にあわただしくなる。
戦わないものは逃げ、隠れる。
戦闘員は里を守るために守備を固める。
「敵襲ってモンスターか?」
「違うライダーだ! それも野良じゃねえ……。
「なっ!? ここがバレたというのか!?」
若い男衆の怒声が響き渡る。
それもそのはず、相手が闘争主導者の兵隊。
山道を進む鉛の兵隊達。
闘争主導者の意に賛同し、その力を認められた者達で構成されたライダー部隊。
闘争から目を背けた、背信者達に誅伐を与えるための部隊である。
「こんなところに隠れてたか……」
山の中には似合わない、黒いセーラー服に身を包んだ少女。
「おや友美さん。ここに潜入していたスパイの報告を聞いていなかったのですか?」
緑がかった髪の中年の紳士といった風な男。
いや、笑顔が張りついていた。
「そういうのは聞かないことにしてるのよ。聞いたらすぐにでも潰したくなるでしょう? 隠れ里ってやつを」
「おやおや血気盛んで大変よろしいですねぇ。他の皆さんはどうでしょう? お元気ですか?」
「……」
「デッキ! デッキ! ここにはどんなデッキあるかなぁ?」
「うるせえなぁさっさとライダーを殺させろ」
三者三様の反応をする男女。
それぞれ、寡黙な友美と同じぐらいの年頃のジェーン。
まだ幼い、小学生と言われてもおかしくない容姿の
朝村よりは若いワイルドな風貌の男、
彼等は鉛の兵隊のそれぞれの部隊長であり、彼等の背後に兵士達がぞろぞろと並んで歩いている。
「ジェーンさんは相変わらずのようですねぇ。仕事は仕事ですか」
「……」
「ええ、はい。そうですとも。私は主のためならばどこまでも」
「……糸杉。あんたなんでそいつの言ってること分かるのよ」
「人生経験ってやつですよ」
「はあ? 意味が分からな……ッ!? 来た!」
友美が叫ぶと同時に足下から火花が散る。
「先手を打ちにきたか……。いいねぇ、骨があって殺し甲斐がありそうだ。……変身」
鏑島が変身する。
それを見た糸杉が鉛の兵隊の隊長、ジェーンに指示を仰ぐ。
「ジェーンさん。指揮を」
「……」
「了解しました。それでは皆さん、行きましょう」
朝村の言葉に続いて続々と部下の兵士達が変身を開始する。
「変身」
「変身」
「変身」
「変身」
「変身」
「変身」
「変身」
ライダーの大部隊。
それこそが【鉛の兵隊】である。
「皆さん行きましょう。誅伐の時間です」
「デッキ! デッキ!」
「復讐だ……! 復讐のために私は!」
「………」
鉛の兵隊が突撃を開始する。
ジェーンの変身した死神のようなライダー。
【仮面ライダータナトス】
古羽根友美の変身した翼竜を思わせるライダー。
【仮面ライダーフリューゲル】
朝村糸杉の変身したとある昆虫を思わせるライダー。
【仮面ライダーローチス】
静葉真葉の変身した天使を思わせるライダー。
【仮面ライダーヴィヴヴィォ】
鏑島牙の変身した狂暴さを体現したライダー。
【仮面ライダーヴェイス】
そして、配下のライダー達は黒い装甲とアンダースーツに人の骨を思わせる模様の描かれたライダー。
【仮面ライダーポーン】
こうして、変身は完了した。
あとは突撃あるのみである。
大量のポーン達が駆け出し、里へと迫る。
里のライダー達の中でも遠距離攻撃が可能な者達が次々と射撃、砲撃を繰り出す。
多数のポーンが吹き飛ばされるが、それは極一部。
大多数の無事なポーン達が次々と迫る。
更に、全ての攻撃を回避してみせるジェーンをはじめとした各部隊長のライダー達は我こそが一番槍と里へと肉薄する。
しかし、近付けば近付くほどに里の抵抗は苛烈となる。
「チッ……面倒だ」
フリューゲルは苛立たし気にカードを引き抜き、クロスボウのような召喚機へと装填する。
【ADVENT】
電子音声がカード名を告げると、空を裂いて深紅の翼竜【ピアースウイング】が現れた。
ピアースウイングが低空を飛行するとフリューゲルの背中へと合体。翼を得たフリューゲルは木々を飛び越え蒼天へと飛び立った。
青い空に、深紅の騎士が現れる。
「こんなにデカイとは……潰してやる!」
フリューゲルは重力を味方に里へ目掛けて高速で滑空する。だが、里の抵抗は続く。
「行かせるかッ!」
滑空するフリューゲルを阻む者が現れた。
藍色のライダー【仮面ライダーシャナオウ】が自身の契約モンスターである【テングサーチャー】の背に乗り、自身の武装であるライフルでフリューゲルを迎撃する。
「お前から殺してやるッ!!!」
「ふざけるなよ……! お前達なんかがいるから!」
フリューゲルとシャナオウの空中戦が始まる。
これに続くようにして、地上でもライダー達の白兵戦が幕を開けたのだった。