仮面ライダーツルギ EPISODE X   作:大ちゃんネオ

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Xー9 思わぬ助太刀

 ボロボロになった里の復旧の様子を眺めていた。

 何故か、身体が動かなかった。

 

「奈々ちゃん。大丈夫?」

「鰐淵さん……」

 

 柔らかい笑みを浮かべた鰐淵さんが、私を気遣ってくれた。

 

「なんでか私、何もする気力が沸かなくて……」

「仕方ないよ。あんなことがあったばかりなんだから」

 

 あんなこと。

 鉛の兵隊の襲撃。 

 この出来事は私の中で予想以上にショックが大きかったらしい。

 

「……そういえば、あいつ大丈夫かな」

 

 ふと、脳裏にミイラさんの姿が浮かんだ。

 彼は大丈夫だろうか……。

 自力で避難しただろうか?

 家の辺りはあまり被害はなかったようなので大丈夫だと思うが。

 

「私、ちょっと行ってきます」

「あ、ああ。うん」

 

 鰐淵さんを置いて、私は寮へと駆けた。

 なんとなく。

 そう、なんとなく、心配になったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

「あああッ!!!」

 

 装甲から火花を上げて崖から落ちるアイズ。

 川に落ち、水に濡れる鎧。

 追い討ちをかけるように、仮面ライダーデウスが戦斧を振り上げ飛びかかる。

 

「ぜあぁぁぁぁッ!!!」

「ッ!?」

 

 身をよじり回避したアイズ。

 先程までアイズが倒れていた所には巨大な水柱が立ち上がっていた。

 

「ちょこまかと……! 焼き鳥にしてやるッ!」

 

 戦斧に炎を纏わせる。

 周囲の温度が一気に上がり、デウスの周りの水が干上がっていく。

 そして横に一閃、戦斧が振るわれた。

 炎の斬撃がアイズを襲う。

 

「きゃあぁぁぁぁッ!!!!!」

「浅かったか……!」

 

 再び川底へと沈むアイズ。

 美玲の意識は完全に堕ちていた。

 

 

「ぐっ……」

 

 スティンガーもマキナの猛攻に防戦一方であった。二つのヨーヨーによるトリッキーな攻撃が装甲を削る。

 

「あらあら? 何も出来ないのですか?」

 

 読めない軌道。

 死角からの攻撃。

 一撃一撃はそう重いものではないが、ダメージが積み重なり、スティンガーは膝を突く。

 とにかくガードを堅め、ジリジリとマキナに詰めよっていくが、それこそマキナの狙い通りだった。

 

「私に近付こうとした罰です」

 

 左肩に備え付けられた天秤の半分を模したバイザーにカードがセットされる。

 

【SWORD VENT】

 

 音声と同時にスティンガーの頭上に現れる両刃の大剣。

 ただの大剣ではない。

 人の背丈を優に越すほどの巨大剣。

 直撃を受ければ、スティンガーはたちまち肉塊と化すであろう。

 

「ヤバッ!?」

「潰れちゃいましょ~」

 

 ギロチンの如く落ちる大剣。 

 鈍い轟音を響かせ、地面が揺れた。

 

「瀬那さんッ!?」

 

 駆けつけた瀬那の仲間の二人が揃って変身しマキナへと襲いかかる。

 瀬那は……。

 

「ッ! クソ野郎がぁ!!!」

 

 土煙の中から飛び出るスティンガー。

 二人の仲間と連携しマキナを攻め立てていく。

 とにかく、攻撃を続けて相手に何もさせまいとするが……。

 

【STREAM VENT】

 

 瀬那達三人を襲う鋭き水流。

 攻撃にいっぱいになっていた三人は当然防御する間もなく直撃を受ける。

 

「椿、大丈夫?」

 

「大丈夫よ叶ちゃん。けど叶ちゃんを心配させたくはないからこれ使おうっと♪」

 

【GUARD VENT】

 

 電子音声が響くが何も起こらない。

 それを見たスティンガーがこれ好機と一目散に駆け出す。

 無防備なマキナに拳を突きだし……弾かれた。

 右腕に走った痛みよりも驚愕が勝る瀬那。

 

「ふふふ~。何が起こったか分からないといった風ですね~。それじゃあ、何が起こったか分からないように殺しちゃいますね♪」

 

 スティンガーの真上にいつの間にか現れていた先程と同じ大剣。

 静かに、確かにそれは振り下ろされて……。

 

 

 

 

 

 

【SWORD VENT】

 

 誰のバイザーでもない、低く曇った音声が響くと黒き剣がスティンガーの命を刈り取ろうとした鉄紺の刃を切り裂いた。

 

「ッ!?」

 

「お前、は……」

 

「刃……」

 

 太刀を神たるライダー達に向け、剣気を発する仮面ライダー刃。

 金色の三本角の下、赤い瞳が煌めいた。

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