「で?調子はどう?どこか体でおかしいところとか無い?」
暫く思考していると、最初の少女が俺の布団の隣に座りながら体の状態を聞いてきた。
「大丈夫だ、問題無い」
ちゃんと診た分けではないが、まあ問題は無いだろう。ちゃんと手足も動くし、頭も特に問題無い。心肺だって普通に機能している。
「そう、良かった」と、最初の少女は安心した様に肩を落とした。
こんな美少女に心配されていたと思うと少し嬉しい気持ちもあるが、そんなことは顔には出さない。気持ち悪いからな。
「いやー、最初に貴方を見付けた時は吃驚したわねー」
と、今度は腋が露出した似非巫女が最初の少女の隣に座りながら俺が此処に居る経緯を話し始めた。__________
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藍人がキリモミになって落下し、どこぞの清く正しい鴉天狗に激突していたその頃。
自称、幻想郷の素敵な巫女_____博麗霊夢は、きれていた醤油を買うために人里まで歩いていた。
飛んで行けば何十分も早く着けるのだろうが、今日は歩いて行きたい気分なので、たまには良いかと思って歩いているのだ。
普段はぐうたらしているのに珍しいとか言ってはいけない。
今の季節は春である。夏の様に暑くなく、冬の様に寒くもない。暑いのと寒いのが嫌いな駄目巫女霊夢には丁度良い、心地好い気温だ。
太陽の光を乱反射してキラキラと輝く川の周辺では小さな妖精がくるくる回りながら飛び回って遊んでいる。
そんな風景を眺めながら歩いていると、やがて人里に着いた。
博麗神社の鳥居にも引けを取らない程立派な門に漆喰の塀、そこから真っ直ぐに延びる大通とその脇に並ぶ店や家等の建物。どれも江戸時代末期から明治時代初期辺りの造りだが、道はたくさんの人で大層賑わっている。
「_____ふぅ、やっと着いたわね。それにしてもこんなに遠かったら参拝客がなかなか来ないのも頷けるわね………私だったら絶対来ないもの……………ハァ…」
そうなのである。博麗神社に参拝客が来ない理由其の一、人里から神社への距離が異様に遠いのだ。
人里から神社までは、常人が歩いて来たら一時間と半時程かかる。とてもじゃないが庶民がわざわざ神社に参拝しに来る距離じゃない。一般ピーポーも其処まで暇じゃないのだ。
そんな酷い状態でも律儀に巫女を続けている霊夢は偉いと思う。
「まぁ…いいか。兎に角醤油よ、醤油!」
当初の目的を思い出し、醤油の置いてある店に行く。
「すいませーん!醤油下さーi「ないよー」…えぇ!?」
即答、醤油がないと言われた。それは困る。醤油がないと今晩の夕食が味気ないただのご飯と茹でただけのほうれん草になってしまう。そんなの死んでも耐えられない。いくら貧乏な生活をしているとは言え、少し位は食事に花を持たせたいものだ。
「………な、ないんですか……?」
「いやー悪いね。さっき黒い服着て箒持った金髪の女の子が『松茸が手に入ったんだぜ!』とか叫びながら慌てた様子で最後の二本買ってっちゃったんだよねー」
醤油屋のおじさんはすまなそうに頭の後ろを掻きながら謝ってきた。
「…ハァ……そうですか……しょうがないか」
ないのならしょうがない。
凄く残念そうに項垂れながらそう言って霊夢は仕方なく店を出る。
しかし、その後霊夢は里中の小売店を彷徨う事になるが、醤油を手に入れる事は叶わず、そのまま帰路に着いた。
今度魔理沙に会ったら半殺しにしてやろうと心に決めて_____。