戦闘回です。描写難しい。頭の中で動きはするけど、文に出来ないぞ……
「ここまで君は良くやってた。自信を持っていい」
一週間で随分とマシになったと思う。一夏の機体、白式は鈍い色を放っている。
「俺、オルコットに勝つよ」
「一夏、勝ってこい」
「ハハ、箒は気を張りすぎだ」
固く、緊張した箒に一夏は笑みが溢れる。そして、戦いへの表情に切り替わる。カタパルトに足を乗せると、機体を一気に加速して射出する。
「……ノア。一夏は、勝てるか……?」
「信じるものも信じなきゃあ勝てないさ」
「そうか……そう、だよな」
曇り顔は幾分かマシになった。
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「一夏……あれは、な」
ハサウェイは思わず一夏の顔を見て、苦笑いが漏れた。一夏の装備は近接ブレード一本でよく戦っていた。何とか追い詰めたが、
「では、オルコット、ノア。準備をしろ」
「「はい!」」
「そういや、ハサウェイのISスーツ、結構変わってるよな。俺なんてヘソだしで布が少ないこと少ないこと。まあ、女子のもだけどさ。んで、ハサウェイは全身じゃない」
ハサウェイのISスーツは頭部以外を覆う、珍しいタイプだった。全体像は灰色に、所々、ターコイズブルーやイエローのラインが入ったスーツに仕上がっている。
「アナハイムの特注さ。ISスーツとほぼ性能は同じ、九ミリくらいなら容易に防げる代物。ちょっと特別だがな」
サイコミュの受信を促進させ、機体の機動性能など諸々を上げているとは口が裂けても言えない事実だった。
「へー、やっぱりかあ」
呑気そうに一夏がうんうんと頷き、ハサウェイがクスィーを展開した後に山田先生の声が入った。
「ノア君のISはフルスキンなんですか!」
山田先生は初めてクスィーを見たので、ひどく驚いた。これにも理由があり、フルスキンは第一世代に代表される機体で、その殆どが引退している為に大半のISを知る者は骨董品ほどの扱いをされていたからだ。アナハイムという会社自体がかなり大きな会社であるからこそ、第二、三世代のような機体を扱わないので山田先生は疑問に思ったと言う訳である。
「アナハイムはISの武装関連くらいしか、開発してないと思っていたがな」
織斑先生は知っていたが、刹那の思案に耽った。
「そこは色々とあるんですよ、大人の事情ってやつが」
「ま、そうだな」
織斑先生はパンパンと手を叩いて、面白みの無い話題を打ち切った。
「ノアのISはアナハイムって会社のだろう?」
箒は新しい友人を少し心配してそう言った。
「そうだ」
ハサウェイはそんな彼女の心配を取り払うために、自信満々に振る舞う。
「ハサウェイは強いぜ、練習のときに一回手合わせした俺が言うんだからな」
一夏は一度だけ、借りた打鉄で対戦をしていた。
「勝てるのか?」
「これでも企業の名前を背負ってるから、そう簡単に負けられないよ」
そう言いながら、ハサウェイはレールの上に足を乗せる。
「ハサウェイ・ノア、クスィー、出るぞ」
加速を
「ノアさん、貴方には手加減も驕りもしませんわ」
「手加減もさらさらない、落とすさ」
そして、ハサウェイは彼女の信頼を裏切るか裏切らないかのグレーゾーンに手を突っ込んだ。
(レギュレーション・モードB、起動)
ISはこの世界の軍事バランスを崩す程の力を秘めている。だからこそ、アラスカ条約による軍事使用禁止などの厳しいルールを設けることで表面的にそれを誤魔化している。
無論、それを守るのは建前で、裏ではどこもかしこもコソコソと蠢いているのが実情。ハサウェイのクスィーも他のISとは隔絶した強さを持ち、軍事的な方面の技術も使われている。だがしかし、それではハサウェイのIS学園生活に大変な支障をきたすため、急遽組み立てられたのがレギュレーション・モードである。
単純にISのパワーを競技用程度にダウンさせるのがこのモードの特徴で、BランクはIS学園で使用する際の標準となっている。ISの絶対防御を発動させる程のビームライフルをセシリア・オルコットの使用するレーザーライフル程度に抑える等、適切な出力となっているのだ。
「どうか、ワルツにお付き合いを」
「激しいステップと行こう」
ハサウェイとセシリアが会敵した。
先攻はセシリア。待機している
「だが、弱点は割れている」
先程の戦闘で見学者にもバレている。ビット操作に集中して動けないセシリア。ハサウェイのビームライフルが容赦なくシールドエネルギーを穿とうとする。
「くっ、速い……」
セシリアはレーザーが殆ど当たらないことに思わず焦ったくなる。超音速でも戦うことを前提に生み出されたクスィーは制限を設けてもなお、驚異的なスピードを誇る。ハサウェイのパイロット練度やサイコミュの効果で、最小限の動きによって網の目を縫うように躱されてしまう。
「確かにビットは強力だ。であれど、当たらなければどうと言うことはない」
近接用のナイフでビットを沈められ、残りは隠しているのも含めて四機。既に彗星のような動作で、二つを落とされた。セシリアは戦闘中に命取りになりかねない思考が浮上してきた。
(ノアさん……やけに手慣れている?)
ビット兵器はセシリアの祖国イギリスが他の国を二歩三歩くらいリードしている状況だ。しかし、このビットの始末の仕方が流れるように行われている。何故?とオーダーされ続ける不要物を脳裏から排除して戦闘に戻る。
「言わせておけばッ!」
クスィーから発射されたミサイルを、レーザーとビットで落としながら、回避に専念した。この時、平行してビット操作と回避を不完全ながらに達成した。レーザーがクスィーの装甲に当たって削れるのみ。決定打には至らない。そして、その動作で一瞬のタメが生まれたためにもう一つのビットはビームの直撃を受けて破壊された。
「これで、虎の子だけだな」
もう一機もクスィーの蹴りで、地面にて沈黙した。
「インター・セプター」
極めて冷静に、コールで近接装備を取り出す。
「行きます!!」
「っ!」
死中に活を求めるとでも言わんばかりに、インター・セプターを構えて、残りのブルー・ティアーズもスラスターとして保持したままに上空から空を駆けるように突貫する。重力加速度とスラスターの速さを足されたセシリアを回避し、トドメを刺そうとすると、ニヤリと笑みがセシリアに浮かぶ。
「!」
直感的に避けようとしたが、間に合わない。地面に刺さったティアドロップが一筋のレーザーを当てる。よろめきが背部の衝撃に生まれ、気を取られてしまった。
「今、ですわっ!!」
燕返しもかくやという切り返しで、インター・セプターとほぼゼロ距離のミサイルがハサウェイの喉元に突き立てられようとする。
「それはどうかな」
『なっ!!』
客席も刮目した。ハサウェイは神業の如く細かく動かし、背部のスラスターと脛側のスラスターを同程度ふかして、体の上下を逆さまに、回転する様にインター・セプターとミサイルを避け、そのまま前方へ一気に加速した際の交錯時にナイフでセシリアを深く切り裂いた。
命に関わるダメージに、絶対防御はシールド・エネルギーを莫大に消費する。ダメージ蓄積に絶対防御の発生で、セシリアのシールド・エネルギーは空になった。
『試合終了、勝者ハサウェイ・ノア』
「……やりますわね」
「どうも。ビット、強いな」
「それについて……」
「後で話そう。今は交代だ」
ハサウェイは無理矢理話を切り上げて、ピットへ戻っていく。仕方がないので、セシリアを同じく帰還した。
「では、最後だ。ノア、織斑、準備しろ」
二人は準備を終えて、空に飛んだ。
「ハサウェイ、お前は強い。俺は負けるだろうけど、全力を尽くす」
「掛かってこい、撃ち落としてやる」
ハサウェイは軽く一夏を煽る。
「行くぜっ!!」
一夏は開始の合図と共に、加速する。一夏は遥か格上のハサウェイに勝つ為には、開始と同時に超スピードで、素早くクスィーを仕留めなければならないと考えた。故に、エネルギー消費が激しい代わりに絶大な攻撃力を得る
「おいおい、勘弁してくれよ」
高等技術のはずである
「射撃で決めるさ」
一夏は持ち得ている反射神経で、ハサウェイを喰らおうとするが、ハサウェイはのらりくらりと、零落白夜を避け、ライフルを撃つ。一夏の残りエネルギーは100。もう、明らかな敗北である。零落白夜を使っても、逃げたとしてもエネルギー切れに。打つ手はないと思われた。
「負けて……負けてられるかぁ!!!」
最後の零落白夜を、雪片弐型に纏わせて、ISのアシストを使ってジャベリンのように投擲した。
「投げだと!?」
一夏が姉を慕っているのは、少しの交流で分かっていた。だから、姉の使用していた暮桜の雪片の後継である弐型を決して離すとは考えづらかった。更に、白式は雪片弐型しか武装が無いので、みすみす攻撃手段を失う真似をすると思いもしなかった。
「くっ……」
シールドエネルギーが尋常じゃない速度で低下する。これが零落白夜。織斑千冬を世界最強の女へと上り詰めさせた力。そして、最後の力を使い果たした白式は沈黙する。
『試合終了、勝者ハサウェイ・ノア』
ハサウェイの二勝によって、この試合は終了を告げた。
wiki確認すると、ゲームに出てくる武装があるらしいですね。必要でしょうか?
でも、閃ハサ原作に沿わせたいからオミットかなぁ……
ハサウェイの今後(参考程度に)
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主人公たちと敵対
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味方のまま