IS:ハサウェイの閃光   作:凧の糸

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鈴回。ゴーレムとも戦う、かも。


転校生、もしくは幼馴染

 

 

 

「と、言うことで、クラス代表は織斑君に決定です!」

 ぱちぱちと祝福の拍手が場に溢れる。

 

 

「へ?何で俺がクラス代表なんだよ?」

 状況を呑み込めていない一夏は頭に疑問符が氾濫しているようだった。

 

 

 

「おめでとう、応援してるぜ」

 

「ちょ、ちょっと待って。セシリアじゃないのか!?」

 周りの女子たちは一夏をヨイショしている。セシリアがまさか代表ではないことに一夏は焦っていた。

 

 

「私が辞退したのですわ。せっかくだし、一夏さんに訓練を積んで貰おうと」

 

 

「クラス代表戦や色々と戦うらしいからな。IS経験の少ない一夏には適していると俺は思う。織斑先生の……何だったかな?」

 

 

「くっ……卑怯だけど……ああ、やってやる、やってやるさ!!!」

 うおおおお!!と一夏はヤケクソながらも決意を固めていた。それはとても眩しくて、真夏の太陽のようだった。

 

 

 

 

 

 

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 朝の一年一組。とある話題で賑わいを見せていた。

 

 

 

「もうすぐクラス代表戦だね」

 

 

「そう言えば、二組のクラス代表変わったらしいよ」

 

「ああ、ナントカって転校生に変わったのよね」

 

 

「……転校生?今の時期に?」

 一夏はこんな学園にも転校があるのだと、意外と普通な面もあるなあと思った。しかし、こんな中途半端な時期に来る転校生とは誰なのだろう?

 

 

「うん、中国から来た子だって」

 

 

「でも、専用機を持ってるのは一組と四組だけだってーー」

 その言葉をツインテールで改造制服の少女が遮った。

 

 

「その情報古いよ!」

 一組に馴染みのない声が響く。

 

 

「二組も専用機持ちになったから、そう簡単に優勝出来ないわ!!」

 

 

「鈴?お前……鈴なのか?」

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 

「ん?これ……何?」

 無駄に遠い男子トイレから帰ってきたハサウェイは見かけない女の子で、転校生だろうとは分かった。ただ、一夏の友人と判断するには早計であった。

 

 

 

「あ、ハサウェイ!紹介するぜ、幼馴染みの鳳鈴音(ファン・インリン)。中国からの転校生だ!」

 

 

「幼馴染み?」

 篠ノ之さんが幼馴染みでは無かったのだろうか。それならば、今の篠ノ之さんの様子が引っかかる。俺の様子を察して、直ぐに一夏は補足を入れた。

 

 

「ああ、そうだったそうだった。箒はファースト幼馴染み、箒が転校して、入れ替わるように来たのがセカンド幼馴染みの鈴なんだ。だから鈴と箒に面識はないよ」

 

 

「そう言うことか」

 その説明で皆が納得した。そして、彼女は俺の目の前に仁王立ちした。

 

 

 

「アンタがアナハイムのハサウェイね。噂は聞いてるわ、フルスキンの化け物がいるってこと」

 

  

 

「そりゃあどうも、僅か数年で代表候補生になった中国の天才の話はこっちにも入ってるよ」

 ほう、と感心と僅かな喜悦の感情が鈴の顔から溢れた。にしても、一夏の周りにはこんなにも女の子が集まるものかと、そんなどうでも良いことを思った。

 

 

「ハサウェイでいい、皆そう呼んでる」

 

「じゃあこっちも(リン)でいいわ。宜しくハサウェイ」

 

「こちらこそ」

 お互いの右手を差し出して握手した。この後は幾らかの世間話をして、織斑先生の怒りを振り下ろさせる前に彼女を帰らせた。

 

 

 

 

 

 

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 翌日、みんなの雰囲気は少し浮き足立っていた。ついに、クラス代表戦が始まる。ハサウェイは一夏が誰と初戦を迎えるのだろうと画面を確認すると、件の鳳鈴音との対決とが決定されていた。

 

 

「ノア、一夏は誰とだ?」

 

「おはよう、篠ノ之さん。一夏はほら、転校生の」

 

「あぁ、そうか……」

 

「心配か?」

 

「それはーー」

 

「まだ始まってすらないんだから、杞憂だよ。幼馴染みの声援でも受ければ一夏だって百万馬力だろうよ」

 わざと煽てるように言った。変な所で奥手な彼女にはこれくらいが丁度良いと思った。

 

 

「フッ……ありがとう、ノア。気分は少し、晴れた」

 

「ならよかった。さあ、代表の勇姿でも見に行くかな」

 二人してアリーナへと向かった。

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 

 (中国の第三世代IS、甲龍。一夏は()()砲台をどう破るのか、見ものだな)

 前回は同じ代表候補生のオルコットさんに一夏は勝ったが、ブルー・ティアーズが完全に射撃特化の機体で、かつ格闘戦を不得手とした事、一夏の伸び代がセシリアさんには予想外だった事、零落白夜というIS戦のジョーカーがあった事などが挙げられる。

 

 

 だが、甲龍は近接戦用。雄々しい青龍刀に当たれば一瞬でシールドエネルギーを狩られてしまうだろうし、恐らく浮遊砲台が一夏には一番の鬼門だろう。なにせ、見えない弾丸がノーアクションで飛んでくるのはハサウェイにもキツかった。

 

 

 

「あ、一夏だ」

 鈴が一人佇むアリーナに威勢よく飛び出した。

 

 

 

 試合開始と同時に何度か交錯した後、上空から青龍刀で斬りかかる。雪片弐型でつば競り合う。

 

 

 

「ふ〜ん、初撃を防ぐなんてやるじゃない!」

 青龍刀を拡張領域に戻して、双剣を取り出した。

 

 

 

「ぐっ……」

 一夏は零落白夜という切り札があれど、鈴の盤石の防御に攻めあぐねているようだった。何度も何度も斬り合っても、手数はあちらが多く、経験の差もある。双剣を連結させて、手慣れたように自由自在に振り回す。

 

 

 

 

「マズイな」

 一夏は仕切り直しに距離を取ろうとするが、勿論それを彼女が許す筈もなく、ピッタリとくっついて追撃が行われる。消耗戦に持ち込まれると圧倒的に不利なのは彼の方だった。

 

 

 

 そして、砲台から重い一撃が放たれる。

 

 

 

「ぐわっッ!!!」

 まともに喰らってしまい、一夏は体勢を大きく崩した。

 

 

 

 

もう一撃、不可視の衝撃砲が直撃して今度こそ墜落して地面へと叩きつけられる。予想だが、白式にはまともにエネルギーなんて残っていないだろう。なぶるように甲龍の衝撃砲を紙一重で回避し続けるが、じわじわとエネルギー残量は追い詰められてゆく。

 

 

 

「終わった、かはまだ分からんな」

 一夏の目にはまだ燃える闘志が残っている。策はあるーー何?

 

 

 

「シールドを貫通する程の威力。テロリストか?」

 良いところで水を差されるのは残念で腹立たしいが、それどころでは無くなった。アリーナは爆炎と煙が上っていく。

 

 

 

 

「試合中止!織斑、鳳退避しろ!!」

 女生徒たちは予測不能の事態にあたふたとし、扉に殺到する。

 

 

 

「開かないっ、どうして!!」

 ガンガンと柔らかい拳が頑丈な扉に叩きつけられる悲痛な音が響く。二人の様子も気がかりだが、封鎖された為に勝手な行動も取れない。

 

 

 

「まずは……」

 ハサウェイは扉の方を向いて、刺激しない程度の声で言う。

 

 

「そこを避けろ、今から開ける」

 

 

「はっ、はいっ……」

 ハサウェイの助けが必要と理解した賢い学生たちはハサウェイへ扉を譲る。助けるべく、クスィーの装備を一つだけ取り出した。

 

 

 

「全員、距離を取れ。いや、もっとだ。火花も出る」

 ビームサーベルの出力を出来るだけ弱め、扉に突き立てる。ジュウジュウと金属の溶ける音と火花が飛び散るが、ゆっくりと縁取られていく。

 

 

 

「あ、開いた……」

 歓喜の表情に満ちたが、まだ安心とは言えない。

 

 

「全員、落ち着いて列を組め。走らずに歩くんだ。『おはしも』を守れ」

 強引に突破した扉からゆっくりと、着実に生徒達は避難していく。

 

 

 

「全員避難したな」

 ハサウェイはアリーナ内部を一通り見て回り終え、通信機能で連絡をとってみた。

 

 

 

「山田先生、避難完了しました」

 

 

「の、ノア君!!え、わ、分かりました。貴方も早くッーー」

 

 

 

「「ノア(さん)二人を助けて!!」」

 箒さんとセシリアさんの声が飛び込んできた。何事かとハサウェイは驚いた。

 

 

「どういう状況ですか」

 

「遮断シールドレベル4だ。こちらからは入れん」

 織斑先生は簡潔にそれだけ述べた。

 

「分かりました。壊してもいいのなら、行きます。それとこの事はーー」

 

「内密にしておこう」

 

 

「感謝します」

 

 

「……ッ、ノアさん。私との試合は本気では無かったと?」

 

「いいや、本気だった。大人の事情って奴だ」

 

「そうですか……なら、今度こそ全力を出し尽くして下さい。約束です」

 

「承った」

 

「ノア、死ぬなよ……」

 

「当たり前だ。二人も助ける」

 

 

「では、ノア君。今回は織斑君と鳳さんを逃してください。突入後、教員部隊が制圧します」

 

「分かりました、山田先生」

 

 

 

 

 

 

(遮断シールドレベル4を突破可能な出力に調整、行けるな)

 ハサウェイはクスィーを展開し、ビームライフルを構え、引き金を引いた。圧倒的な熱量を持つメガ粒子のビームが堅固なシールドの表面を焼き、崩壊させていく。

 

 

 パリン、といとも簡単にシールドを破壊して大きな穴を造り、そこからハサウェイは侵入した。

 

 

 

「ハサウェイ、何で!?」

 二人は突然の乱入者に困惑していた。しかし、それは侵入者も同じようで、暫く動きが棒立ちで止まっていた。

 

 

 

「早く逃げろ、もうエネルギーが無いはずだ」

 試合からの続投では、特に白式こそが危ない。尤も、あのISのビームを喰らえば今来たばかりのクスィーもタダでは済まないのだが。

 

 

「でも、ハサウェイだけには任せられない。俺の零落白夜なら……」

 

「ハサウェイ、お願い。現状はこれが確実よ」

 頑として譲りそうにも無い二人だった。

 

 

「……分かった、援護する」

 

 

 

 

 

 

 

 

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「千冬さん、ノアは……アナハイムって、一体何なんですか?」

 

「先生、私もです。工業関連で国際的な企業とは知っていましたが、あれはどう考えてもーー」

 

    

 

「……凄まじい科学力で宇宙に進出したとの噂もある。だが……いや、今から教師として最低な事を言う。関わらない方が、身のためだ」

 重く、冷たい空気が流れる。

 

 

 

「私はそうは思いません」

 

「私、セシリア・オルコットは友人に無礼な振る舞いだけはしたくありません」

 

 この場では否定した二人。しかし、彼女たち、いや、世界そのものが織斑千冬の言ったあの言葉の意味を理解する日が来る。

 

 

 

 それはまだ、先の話……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 






ハサウェイの今後(参考程度に)

  • 主人公たちと敵対
  • 味方のまま
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